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猫はなぜ、どんな狭い場所にも入れるのか?「液体」と言われる体の秘密を解説

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「猫は液体」って本当?猫の体の柔軟性が高い理由と柔らかくなった歴史

「猫の体はとても柔軟性が高く、まるで液体のようである」ということを、ジョーク交じりにあらわした「猫は液体」という言葉。

実際に愛猫との生活を経験している人であれば、液体化している様子を目にしたことがあるのではないでしょうか。ですが当然、猫は液体ではありません。

ではどうしてそのように言われているのか、実際のところ、なぜ液体のように体を変えることができるのか、詳しくまとめました。

この記事の結論

  • 猫は約240個の骨があり、人間よりも多く、細かな動きが可能になっている
  • 筋肉や皮膚もしなやかで柔軟なため、体がよく伸びて体長が変わる
  • 外敵から身を守るため、狭く暗いところに隠れられるよう柔らかくなったと考えられている

nademo編集部

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「猫は液体」と言われる理由

猫はとても柔軟性が高い動物で、ちょっとしたスキマでもスルッと抜け出してしまうことができます。

それだけならまだしも、ストレッチをする姿であったり、伸びをする姿であったり、日常の中でも柔軟性を見られる場面は多くあります。

特に衝撃的なのは、鍋や透明のハンモックにすっぽりとハマり、液体化している様子ではないでしょうか。

このように「猫が液体でなければ、その様子を説明できない」と言われるほどの柔軟性を兼ね備えています。その結果として、「猫は液体」だと言われるようになりました。

骨格の柔軟性

猫の骨格は、人間と比べて非常に柔軟にできています。主な理由は以下の2つです。

鎖骨が他の骨とつながっていない

猫の鎖骨は、肩甲骨から独立しており、他の骨と関節でしっかりつながっていません。これにより、猫は肩幅を自由に変えることができます。

引き出しや狭い段ボールに入るとき、この独立した鎖骨が肩をすぼめることを可能にし、狭い隙間をすり抜けられるのです。

脊椎の柔軟性

猫の背骨(脊椎)は、人間よりも椎骨(せきつい)の数が多く、椎間板も厚く柔らかいです。これにより、背骨を大きく曲げたり、ねじったりすることができます。

小さな段ボールに丸まって入る際には、この柔軟な脊椎が体をCの字やS字型に曲げ、容器の形に合わせて体全体をフィットさせます。

その他の体の特徴

骨格だけでなく、以下の体の特徴も「液体」のように見える理由に貢献しています。

しなやかな筋肉と靭帯

猫の筋肉は非常にしなやかで、伸び縮みする柔軟な靭帯が骨と骨をつないでいます。これにより、体勢を大きく変えても関節に無理がかからず、痛がることなく様々なポーズを取ることができます。

弾力のある皮膚

猫の皮膚は、人間よりもはるかにゆるく、大きく伸びます。これにより、狭い空間でも皮膚が突っ張ることなく、体の形状を容器に合わせてスムーズに変えることができます。

これらの特徴が組み合わさることで、猫はまるで液体のように、あらゆる隙間や容器にぴたりと収まることができるのです。

猫の体の柔軟性が高い理由

猫の体がとても柔らかい理由については、猫独特の骨格構造と筋肉の働き、そして関節による影響が大きいです。

簡単に言えば、人間とは全く異なる体の構造をしており、体を曲げやすい構造になっています。

骨格構造

猫は244個という骨の数があり、人間の206個と比べても38個ほど多い構造をしています。骨が多いために細かな体の動きが可能となり、なおかつ可動範囲が広くなるのです。

また、猫の鎖骨は小さくほかの骨と繋がっていないため、肩幅を自由に調整できて狭いスペースもすり抜けられるのです。

さらには脊椎も非常に柔軟なことがわかっており、人間では不可能なほどに反ったり丸めたりが可能になっています。

筋肉・皮膚

柔軟な体を作っているのは骨だけではなく、筋肉もしなやかで同時に皮膚もよく伸びるためです。

猫の筋肉はアスリートのようなもので、普段運動をしない人と比べてアスリートの方が柔軟性が高いのをイメージすればわかりやすいのではないでしょうか。

運動をするためであったり敵から逃げるためであったり、猫はさまざまな筋肉が発達しているのです。

関節

多くの骨によって体が作られているため、関節も柔軟性が高く、柔らかい体になっています。関節の数自体は人間が144個であるのに対して、猫は118個と少ないのです。

ただ、例えば猫の鎖骨は肩の関節に繋がっておらず、狭い場所でもスルリと抜けられる、ということです。

関節だけでなく骨同士を繋いでいる靭帯も柔軟性が高いので、こうした柔軟性の高い体ができあがっているのです。

猫の体が柔らかくなった歴史と理由

猫がここまで液体のように動けるようになったのは、長い歴史が関係していると言われています。

ではなぜ、このように猫の体が柔らかくなったのか、ということを猫の歴史から見ていきましょう。

狭いところを好む

そもそも猫は明るいところも広いところも好きではありません。それどころか、暗く狭いところを好みます。

「愛猫のために広いベッドを用意したのに使ってくれない…」というのは、こうした習性によるもの。

広く明るい場所よりも、狭く暗い場所の方が好みで、猫にとっては落ち着く場所になっているのです。

自分の体にぴったりであったり、少し狭いぐらいの場所を好む傾向にあります。

敵から身を守るため

さらに深堀りしていくと、狭く暗いところを好むようになった理由も見えてきます。猫の祖先でもあるリビアヤマネコは、現在の猫のイメージと変わらず、ネズミなどの小動物を食べて生きてきました。

その一方で、野生で生きていた頃は大型動物に襲われる危険性もあり、何かしらの方法で身を守る必要がありました。

猫は集団行動を好まず単独行動を好む上に、筋肉の構造から瞬発力はあるものの持久力がないため、余計に身を守る術が必要だったのです。そうした中で編み出したのが、「暗く狭いところに隠れる」というもの。

いざとなればスポッと入り、サッと抜け出すことができるよう、柔軟な体になったと言われています。

イグ・ノーベル賞を受賞した「猫は液体」

イグ・ノーベル賞というのは、世界的に名誉のある賞のノーベル賞とは異なります。この賞は「人々を笑わせ、考えさせた研究」に対して贈られる賞です。

「猫は液体」というのは、2017年にフランスのパリ第7大学のマーク=アントワーヌ・ファルダン氏が、「猫は固体かつ液体の両方になれるのか?」という研究によってイグ・ノーベル賞を受賞しました。

猫は個体より液体に近い?

個体というのは変形しにくく、一定の形や体積を保つもので、石や木などをイメージするとわかりやすいでしょう。

これに対して液体というのは、一定の体積であるものの、固有の形はないものをあらわします。

例えば猫は狭い空間にもぴったりと収まるように体を変えることができるため、液体に近いです。その一方で、その空間から出たり、ハンモックから出ると個体に戻ります。

ならば「猫は個体でもあり、液体なのか?」という疑問を投げかけ、論文を発表したのです。

大きい空間では個体を保ち、狭い空間では液体になる

もちろん、猫が個体であることは誰もが理解しています。しかし、制限のない空間では個体であるのに対して、狭い空間では液体のようにフィットするというのが猫の特徴。

マーク・アントワン・ファルダン氏の「猫は液体」の証明に関しては、多数の難しい計算式がでてきます。

その結論として「猫は非ニュートン液体(加える力の大きさによって粘度が変わる)の一種である」と言っても過言ではないのでしょう。

なぜ「非ニュートン液体」に例えられたのか

論文の筆者であるフランスの物理学者マーク=アントワーヌ・ファルダンは、レオロジーという物質の変形や流れを研究する分野の視点から、猫の動きを分析しました。

レオロジーでは、物質を大きく「固体」と「液体」に分けます。

  • 固体は、力を加えても形が変化しにくい物質です。
  • 液体は、容器に合わせて形を変える物質です。

猫が容器(箱やボウルなど)の形に合わせてぴったり収まる様子は、まさに液体が容器の形に沿って広がるのと似ています。この点から、ファルダンは猫を液体としてモデル化しました。

しかし、ただの液体ではありませんでした。

  • ニュートン液体:粘性が一定の液体です。例:水。
  • 非ニュートン液体:力を加える速度や時間によって粘性が変化する液体です。例:片栗粉を水に溶かした液体。ゆっくり混ぜると液体ですが、素早く力を加えると固く感じます。

猫は、容器に収まるときはゆっくりと「液体」のように振る舞いますが、身の危険を感じるなど、状況によっては素早く体を動かし「固体」のように振る舞います。

この「状況に応じて粘性が変わる」という特性が、非ニュートン液体の性質と酷似しているため、「猫は非ニュートン液体の一種である」という結論に至ったのです。

この研究は、猫の柔軟性という身近な現象を科学的に捉え直し、ユーモアと科学的思考を融合させた点が評価されました。

参考:On the rheology of cats

「痛くないの?」と思う体勢も猫にはへっちゃら

人間にとって「辛い!」と思われるような体勢であったとしても、猫は平気な顔をしています。

それどころか明らかに寝るような体勢ではないのに、すやすやと寝ている様子も見られるでしょう。

どれだけ辛そうな体勢であっても、猫は非常に体が柔らかいために痛くはありません。どんなポーズをしていても平気で、もし痛いのならばすぐに体勢を変えます。

飼い主さんは不思議に思うところが多くあると思いますが、猫自身にとってはなんともないのでしょう。

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