愛犬の可愛い顔にちょこんと生えている「ひげ」。実はこのひげ、単なる飾りではなく、犬が生活する上で非常に重要な役割を担っていることをご存知でしょうか?
私たち人間にはない感覚器として、犬のひげは彼らの五感を補い、世界を認識するための大切なツールとなっています。
本記事では、そんな犬のひげが持つ驚くべき機能や、ひげを切ることの危険性、そして正しいお手入れ方法まで、知られざるひげの秘密を徹底的に解説していきます。
愛犬のひげについて深く理解し、より安全で快適な毎日を送るためのヒントを見つけてください。
この記事の結論
- 犬のひげは重要な感覚器であり、障害物や空間を認識するのに役立つ
- ひげは犬のバランス感覚を保ち、暗い場所でも安定して歩くのを助ける
- 犬のひげを切ると、重要な感覚を失い、混乱やストレス、危険察知能力の低下に繋がる
- ひげは基本的には自然に生え変わるため、お手入れは不要
目次
犬のひげが持つ驚くべき役割とは?

犬のひげは、単なる飾りではなく、彼らが世界を認識し、生活していく上で非常に重要な役割を担っています。
人間でいう「五感」を補うセンサーのようなもので、特に視覚情報が不足する暗闇や狭い場所などでその真価を発揮します。
正式には「触毛(しょくもう)」と呼ばれ、毛根の奥には神経や血管が集中しており、非常に敏感な感覚器として機能します。
これにより、周囲のわずかな空気の振動や物体の接触を瞬時に察知し、安全に移動したり、獲物を見つけたりすることが可能になるのです。
感覚器としての役割:周囲の情報をキャッチ!
犬のひげは、その根元に多数の神経が集中しているため、非常に繊細な感覚器として機能します。
まるで高感度なアンテナのように、周囲の空気のわずかな流れや、物体との接触を瞬時に感知することができます。
これにより、視覚だけでは捉えきれない情報を補完し、犬が安全に動き回るための重要な役割を果たしています。
特に、初めて訪れる場所や暗闇など、視界が限られる状況下でその能力は一層際立ちます。
障害物センサーとしての機能
犬のひげは、まさに「天然の障害物センサー」として機能します。ひげの先端がわずかに何かに触れるだけで、その物体との距離や形状、材質などを瞬時に感知することができます。
例えば、暗い場所や狭い場所を移動する際、顔の周りのひげが壁や家具に触れることで、衝突する前に危険を察知し、方向転換や速度の調整を行うことができます。これにより、怪我を防ぎ、スムーズな移動を可能にしています。
空間認識能力の向上
犬のひげは、彼らの空間認識能力を飛躍的に向上させます。ひげが感知する空気の流れや接触情報を通じて、自分の体の大きさや、周囲の空間の広さ、奥行きなどを正確に把握することができます。
例えば、狭い隙間を通ろうとする際、ひげで幅を測るようにして、自分が通り抜けられるかどうかを判断します。
この能力は、特に視力が低下した老犬や、視覚障害を持つ犬にとって、安全に生活するために不可欠なものです。
バランス感覚を保つ役割:暗闇でも安心
犬のひげは、バランス感覚を維持するためにも重要な役割を担っています。
特に、暗闇や足元の見えにくい場所を歩く際に、ひげが地面や周囲のわずかな凹凸を感知することで、体の傾きや重心の変化を察知し、バランスを崩さずに歩き続けることができます。
これは、人間が暗闇で手探りしながら進むように、犬がひげを使って周囲の状況を把握し、安定した体勢を保つための助けとなるのです。
感情表現としての役割:ひげで気持ちを伝える
犬のひげは、彼らの感情を表現する際にも微妙な動きを見せます。
ひげの向きや張り具合、あるいは顔の表情と連動した動きなどによって、喜び、不安、警戒心といったさまざまな気持ちを私たちに伝えていることがあります。
愛犬のひげの動きに注目することで、彼らが今どんな気持ちでいるのかを読み取ることができ、より深くコミュニケーションを取るためのヒントになります。
喜びや興奮のサイン
犬が喜びや興奮を感じているとき、ひげはリラックスして前向きにピンと張っていたり、時には小刻みに震えるような動きを見せることがあります。
例えば、飼い主さんが帰宅した際や、おやつをもらえるとわかった時など、嬉しくて全身で感情を表現している時に、ひげもその動きに連動して活発に動くことがあります。
これは、犬がポジティブな感情を表しているサインのひとつと捉えることができます。
不安や警戒のサイン
一方、犬が不安や警戒を感じている場合、ひげは後ろに引かれたり、顔にぴったりと張り付くような動きを見せることがあります。
知らない人や犬と遭遇した時、雷の音に怯えている時など、ストレスを感じている状況でこのような動きが見られることがあります。
ひげが緊張して硬くなっていたり、顔に沿って寝ているような状態であれば、犬が何かを警戒しているサインであると理解することができます。
犬のひげを切ってはいけない理由

犬のひげを切ることは、人間が指紋を失うことに匹敵するほど、犬の生活に大きな影響を与える可能性があります。
ひげは単なる飾りではなく、非常に重要な感覚器であるため、これを失うことは犬の行動や精神状態に深刻な影響を及ぼすことがあります。
トリミングの際に「見た目を整えるため」という理由でひげをカットされるケースもありますが、犬の健康と安全を最優先に考えるべきです。
感覚の喪失による混乱やストレス
犬のひげを切ってしまうと、彼らは重要な感覚情報を失い、混乱やストレスを感じることがあります。
ひげが持つ障害物センサーとしての機能や、空間認識能力が低下するため、暗闇で物にぶつかったり、狭い場所で身動きが取れなくなったりするなど、日常生活に支障をきたす可能性があります。
これにより、犬は不安を感じやすくなり、行動に変化が見られることも少なくありません。
危険察知能力の低下
ひげを切られた犬は、危険を察知する能力が著しく低下する可能性があります。
例えば、風の向きや微細な振動から、近づいてくる人や動物、あるいは目の前に迫る障害物を感知する能力が鈍ってしまうため、予期せぬ衝突や事故に繋がるリスクが高まります。
特に散歩中や、初めての環境では、ひげによる情報収集ができないことで、犬自身が危険にさらされる可能性が高まります。
犬のひげの正しいお手入れ方法は?

犬のひげは非常にデリケートな感覚器であり、基本的に人間が積極的に手入れをする必要はありません。
無理に抜いたり切ったりすることは、犬にとって大きなストレスとなり、感覚を損なう原因にもなります。愛犬の健康と安全を最優先に考え、自然な状態を保つことが最も重要です。
ひげは基本的には切らない!
犬のひげは、切ったり抜いたりしてはいけません。前述の通り、ひげは犬にとって非常に重要な感覚器であり、切ることで彼らの生活に大きな支障をきたす可能性があります。
トリミングの際も、ひげはカットしないようトリマーさんに明確に伝えることが大切です。もし見た目が気になる場合でも、犬の健康を優先し、自然な状態を尊重してあげましょう。
伸びすぎたひげの対処法
通常、犬のひげは自然に抜け落ちて生え変わるため、特別な対処は不要です。
しかし、中には特定の犬種でひげが非常に長く伸び、食事の際に邪魔になるなど、生活に支障をきたすケースも稀にあります。
獣医さんやトリマーさんに相談
もし愛犬のひげが極端に伸びていて、日常生活に明らかに支障をきたしていると感じる場合は、自己判断で切ったり抜いたりせず、必ず獣医さんや経験豊富なトリマーさんに相談してください。
専門家であれば、犬の健康状態や生活スタイルを考慮した上で、必要に応じた適切なアドバイスや対処法を提案してくれます。
自然に抜けるのを待つ
犬のひげは、人間の毛髪と同じように自然なサイクルで抜け落ち、新しいものに生え変わります。
もしひげが折れていたり、抜けかかっているように見えても、無理に引き抜いたりせず、自然に抜けるのを待つのが最も安全な方法です。
焦らず、愛犬の自然なサイクルを尊重してあげましょう。
愛犬のひげを理解して快適な生活をサポートしよう
犬のひげは、彼らが世界を認識し、安全に生活するための大切なパートナーです。
ひげの持つ驚くべき役割を理解し、決して邪魔なものとして扱わないことが、愛犬とのより良い関係を築く上で非常に重要です。
ひげの特性を尊重し、不要なトリミングを避けることで、愛犬は本来の能力を最大限に発揮し、ストレスなく快適な毎日を送ることができるでしょう。
愛犬のひげに込められた秘密を知り、彼らの感覚世界をより深く理解することで、私たちは愛犬にとって最高のパートナーになれるはずです。
この記事の執筆者
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