「最近、うちの猫の目の上が薄くなってきた気がする……」そんな不安を感じたことはありませんか?
猫の目の上の「はげ」はよくある悩みのひとつですが、その背景には自然な脱毛から皮膚疾患、ストレス性の脱毛までさまざまな要因が潜んでいます。
本記事では、猫の目の上がはげる原因と見分け方、適切な対処法や受診の目安について、飼い主さんに役立つ情報を交えてわかりやすく解説します。
この記事の結論
- 猫の目の上のはげはストレスや皮膚病など多様な原因がある
- 赤みやかゆみを伴う場合は早めの動物病院受診が必要
- 毎日のスキンチェックと生活環境の見直しが予防につながる
- 多頭飼いではストレス管理と感染症対策が重要となる
目次
猫の目の上がはげるのはなぜ?主な原因を解説

猫の目の上がはげてしまう原因には、自然な生理現象から病気までさまざまな可能性があります。
まず、猫は顔周りの毛が比較的薄く、表情筋の動きやグルーミングの影響で毛が抜けやすい部位です。
しかし、明らかに地肌が見えるほどの脱毛や、左右非対称にはげている場合、何らかのトラブルを抱えていることが考えられます。
これらの原因を見極め、適切な対処をするためにも、飼い主による早期発見が重要です。
正常な毛の生え変わりとの違い
猫は季節の変わり目に「換毛期」を迎え、大量の毛が自然に抜け落ちます。
この生理的な毛の生え変わりでは、はげるように見えても数日~数週間で再び毛が生えてくるのが特徴です。
一方で、目の上だけが目立ってはげていたり、脱毛部分が左右非対称であったり、かゆみや赤みを伴っている場合は、正常な換毛とは異なる異常脱毛の可能性があります。見分けるポイントは以下の通りです。
- 毛が抜けた部分に赤みやフケがある
- 脱毛が長期間改善しない
- 猫がその部分を頻繁に掻いたりこすったりしている
こうした症状がある場合は、単なる換毛期ではなく病気の兆候と考え、早めの対応が必要です。
そういう個体も存在する
実は、もとから目の上の被毛が薄いという子も存在していますので、目の上の被毛が薄いことで何かしら問題がある、と断定できるものではありません。
皮膚や被毛に問題がない場合、なぜその部分が薄くなっているのかについては、明確な理由があるわけではないようです。
薄い部分を特に気にしていたり、後述のような行動や症状が見られるようであれば、それは注意しなければいけない状況なのだと理解した方が良いでしょう。
仮説としては生物学的な観点もさまざま
被毛は体を守るためのものであり、本来は全身にあるべきもの。ただ、耳の内側や肛門周りなどは薄いことがわかると思います。
これについては、セントルイス・ワシントン大学の進化生物学者であるジョナサン・ロソス氏いわく、「被毛がないことで音を集中させている」といった仮説があります。肛門周りの被毛が薄いのは、汚れが溜まらないようにし、清潔に保つためだとも考えられています。
ただ、いずれの仮説についても、明確な検証方法がないため、原因は不明だと言えるでしょう。
参考:Live Science Why do cats have bald spots in front of their ears?
よくある原因① ストレスやグルーミングのしすぎ
猫は繊細な動物で、環境の変化や飼い主の不在など、ちょっとしたことでもストレスを感じやすいです。
ストレスを感じると、自分の体を舐める「転移行動」をとることがあり、これが過剰になると、特定の部位の毛が抜けてしまうことがあります。
特に目の上は舐めたりこすったりしやすいため、はげやすい箇所といえるでしょう。
- いつもと違う時間帯に毛づくろいしている
- 毛を舐めすぎて毛先がちりちりになっている
- 抜けた毛が周囲に大量に落ちている
これらはストレスによるグルーミング脱毛のサインなので、ストレス軽減のためには安心できる環境づくりや、遊び時間の確保なども大切です。
よくある原因② ダニやノミなどの寄生虫
目の上がはげている場合、ダニやノミといった寄生虫の存在も疑われます。
特に「ニキビダニ(毛包虫)」は、目のまわりなど皮膚の薄い部分に寄生しやすく、かゆみや赤み、かさぶたを伴うことが多いです。
また、ノミの唾液に対するアレルギー反応によって、激しいかゆみとともに脱毛が生じることもあります。
| 症状 | 特徴 |
|---|---|
| かゆみ | 激しい掻き行動が見られる |
| 赤み・発疹 | 脱毛部位に炎症や湿疹が見られることも |
| 他の部位への拡大 | 首や耳周辺にも脱毛が広がることがある |
駆除薬や予防薬の使用で改善することが多いため、早めに動物病院を受診しましょう。
よくある原因③ アレルギー反応による脱毛
猫も人間と同じようにアレルギー体質の個体がおり、食べ物やハウスダスト、花粉、洗剤などがアレルゲンとなり、目の上に脱毛が起きることがあります。
アレルギーによる脱毛はかゆみを伴うことが多く、猫が掻いたり舐めたりすることで症状が悪化することもあります。
- 新しいフードやおやつを与え始めた直後
- 季節の変わり目に症状が出やすい
- 同時にくしゃみや鼻水など呼吸器症状も出る
症状が続くようなら、アレルゲンの特定や除去が必要になります。動物病院での検査をおすすめします。
よくある原因④ 真菌や細菌感染による皮膚病
目の上のはげが赤くなったり、じゅくじゅくしていたりする場合は、皮膚病の可能性が高いです。
猫によく見られるのは「白癬(はくせん)」と呼ばれる真菌感染症で、人にうつるリスクもあるため注意が必要です。
また、皮膚に小さな傷ができたことで細菌が感染し、局所的な脱毛が起きることもあります。
- 円形の脱毛ができる
- 脱毛部位にかさぶたやフケがある
- 他の動物や人にも症状が出ることがある
治療には抗真菌薬や抗生物質が必要になるため、必ず獣医師の診断を受けましょう。
よくある原因⑤ ホルモン異常や内臓疾患
猫の目の上のはげが長期的に続き、皮膚が乾燥して光沢を失っているような場合は、ホルモン異常や内臓疾患が背景にあることもあります。
甲状腺機能低下症や副腎皮質機能異常、または腎臓や肝臓などの疾患によっても脱毛が生じるケースがあります。
- 脱毛以外にも体重減少や食欲不振が見られる
- 被毛全体にツヤがなくなる
- 元気がなくなり、動かなくなる
皮膚症状だけで判断するのは難しいため、全身状態を見て、早めに健康診断を受けることが重要です。
猫の目の上のはげを見分けるポイントとチェック方法

目の上がはげているからといって、すぐに「病気である」とはいえません。
重要なのは、脱毛の状態や進行の仕方、併発している他の症状などをしっかり観察することです。ここでは、飼い主が自宅で確認できるポイントをご紹介します。
適切な観察をもとに、軽度な症状であれば様子を見ることも可能ですが、不安があれば早めの受診が安心です。
左右対称かどうかを確認する
猫の脱毛が左右対称であれば、比較的生理的な原因の可能性が高く、換毛期などでよく見られる現象です。
一方で、片側だけ極端に毛が抜けていたり、皮膚が炎症を起こしているような場合は、感染症やアレルギー、寄生虫などのトラブルを疑いましょう。
- 両目の上を同じ角度で比較してみる
- 写真を撮って日々の変化を記録する
- 触ってみて皮膚の質感や温度を確認する
些細な変化でも、記録しておくことで診察時の参考資料になります。
かゆみ・赤み・フケなどの症状の有無
ただ毛が抜けているだけでなく、「かゆみ」「赤み」「フケ」「かさぶた」などが見られる場合は、皮膚炎や感染症の可能性が高まります。
猫がしきりに掻いたり、壁や家具に顔をこすりつけている行動が見られたら、要注意です。
以下のような症状があれば、早めに動物病院へ行きましょう。
- 脱毛部分に赤い湿疹が出ている
- 触ると猫が嫌がる(痛み・かゆみがある)
- フケが目立つ、皮膚がカサカサしている
猫は痛みやかゆみを隠しやすいため、日常の細かい行動変化にも注意しましょう。
はげ以外に見られる体の異変とは
目の上のはげに加えて、猫の全身に異変が見られる場合は、単なる皮膚トラブルではなく、全身性の疾患が関与していることがあります。
例えば、体重の減少、食欲低下、被毛のツヤがなくなる、排泄異常などは、内臓疾患やホルモン異常の兆候である可能性も。
- 体全体の毛並みがパサついてきた
- ごはんを残す・水を飲む量が増えた
- 活動量が極端に減った
脱毛以外の症状が出ている場合は、皮膚だけでなく血液検査などの全身チェックを受けるのがおすすめです。
猫の異変で動物病院を受診するべきタイミングは?

猫の目の上がはげていても、すぐに病院に行くべきか判断に迷う飼い主も多いでしょう。
軽度な脱毛なら様子見でも問題ない場合がありますが、以下のような症状が見られる場合は、早めに動物病院で診察を受けましょう。
特に、皮膚病や感染症が原因の場合は、放置すると悪化する恐れがあります。
また、他の猫や人間にうつる病気もあるため注意が必要です。症状の進行具合や猫の様子を観察し、早期発見・早期治療につなげることが大切です。
早期受診が推奨される症状一覧
以下のような症状がある場合は、早期の動物病院受診が推奨されます。判断の目安としてチェックリスト形式で確認しましょう。
- 脱毛部分に赤み、ただれ、かさぶたがある
- 猫がその部分をしきりに掻いたりこすったりする
- フケが多く、皮膚が乾燥している
- 目の上だけでなく、他の部位にも脱毛が見られる
- 食欲や元気がないなど、全身症状も出ている
- 急激に脱毛範囲が広がっている
こうした症状があれば、自然治癒は期待できないケースが多いため、早めの診察が必要です。
自宅ケアで様子を見ていい場合との見極め
猫の目の上のはげが、軽度で左右対称、赤みやかゆみなどの炎症が見られない場合は、しばらく様子を見てもよいケースがあります。
特に換毛期などの自然な脱毛や、軽度のストレスによる一時的な脱毛は、環境改善や日常ケアで改善することもあります。
| 症状の有無 | 対応 |
|---|---|
| かゆみなし | 自宅で経過観察可能 |
| 赤みなし | 清潔な環境維持を徹底 |
| 脱毛進行なし | 1週間ほど様子をみる |
ただし、症状が長引く、広がる、または猫が不快そうな様子を見せた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
猫の異変に自宅でできる対処法とケア方法

猫の目の上がはげている原因が軽度のストレスや環境要因の場合、自宅での対処やケアでも改善が期待できます。
ただし、自己判断は禁物で、炎症がある場合や悪化する場合は必ず動物病院を受診してください。ここでは、自宅でできる主な対策を紹介します。
- ストレスを減らす工夫
- 清潔な環境の維持
- 猫に合ったスキンケアの導入
- 日々のスキンチェックの習慣化
飼い主のちょっとした工夫が、猫の皮膚トラブルを未然に防ぐことにもつながります。
ストレス軽減のための環境づくり
ストレスは猫の健康に大きく影響し、過剰なグルーミングや脱毛の原因にもなります。目の上のはげがストレス性と考えられる場合は、生活環境の見直しが効果的です。猫が安心できる場所を用意し、刺激の少ない落ち着いた環境を整えてあげましょう。
- 隠れられる寝床やキャットハウスの設置
- 1日数回のスキンシップと遊びの時間確保
- 多頭飼いの場合は個別スペースを設ける
- 音や匂いなどの刺激をできるだけ少なくする
猫が心地よく過ごせる環境が、自然とストレスを軽減してくれます。
猫が嫌がらないスキンケア方法
スキンケアは、猫の脱毛部位の衛生を保ち、皮膚トラブルの悪化を防ぐうえで有効です。
ただし、猫は敏感な動物なので、刺激の強い製品や無理なケアは逆効果になることも。以下のような優しいケアを心がけましょう。
- 猫専用の低刺激シャンプーやローションを使用
- 無香料・無添加の製品を選ぶ
- コットンやガーゼで軽く拭くだけにとどめる
- ケア中に無理に押さえつけず、猫が嫌がったら中止する
スキンケアは「嫌なもの」ではなく、「気持ちいい時間」にするのが長続きのコツです。
生活習慣の見直しポイント
猫の健康を保つには、日々の生活習慣の見直しも欠かせません。食事・運動・睡眠の質が整えば、免疫力も高まり、皮膚の状態も良好になります。目の上のはげに限らず、健康維持全般に効果があります。
- 栄養バランスの良いフードを与えているか
- 十分な水分がとれているか(給水器の見直しなど)
- 毎日運動する時間があるか(おもちゃ活用)
- 定期的にブラッシングできているか
こうした基本的なケアを整えることで、猫の体質そのものが強くなり、再発予防にもつながります。
実際に目の上がはげた猫の飼い主の体験談

猫の目の上がはげると、「病気かも」と心配になりますよね。ここでは実際に目の上のはげに悩まされた飼い主さんの体験談をご紹介します。
症状の進行や動物病院での対応、自宅でのケアなどリアルなエピソードから、飼い主として知っておきたいポイントが見えてきます。
原因がストレスだったケース:例①
5歳の女の子の猫は、引っ越し直後から目の上の毛が少しずつ薄くなり始めました。
最初は換毛期かと思って様子を見ていたものの、1週間ほど経っても改善せず、顔を頻繁にこするように。動物病院での診断結果は「ストレス性脱毛」でした。
対策としては、新居で落ち着ける隠れ場所を用意し、大好きなおもちゃで遊ぶ時間を増やす、そして食事とトイレの位置を以前の環境に近づけたことなどを実施。
こうした取り組みにより、2~3週間で少しずつ毛が生え始め、今では元通りのふわふわな顔に戻っています。
真菌感染が判明した事例と治療経過:例②
2歳の男の子の猫の場合、目の上の脱毛が赤くただれ、かさぶたを伴って広がる症状が見られました。検査の結果、「皮膚糸状菌症(白癬)」と診断。これは真菌による感染症で、人にも感染するリスクがあります。
治療の流れは以下の通りです。
| 治療内容 | 期間 |
|---|---|
| 抗真菌薬の内服 | 約4週間 |
| 専用シャンプーによる洗浄 | 週2回 |
| 室内清掃・消毒の徹底 | 継続的に実施 |
症状は1ヶ月ほどで回復。再発防止のため、現在も定期的に皮膚の状態をチェックしているそうです。
動物病院で診断された感想と対応策:例③
多くの飼い主が「様子を見よう」と思いがちな目の上のはげ。2匹の猫を飼っている方も、最初は換毛期かと思っていたそうです。しかし、脱毛部分が広がったことで病院を受診。「軽度の皮膚炎」と診断され、外用薬とスキンケアで完治しました。
- 「早く病院に行けばもっと早く治ったと思う」
- 「ネットの情報だけで判断しないことが大事」
- 「簡単な治療でも、早期なら猫への負担も軽い」
専門家の判断はやはり心強く、安心してケアを続けられたと語っています。
猫の目の上がはげるトラブルを予防するには?

目の上のはげは病気やストレスが原因になることもあるため、日頃からの予防がとても大切です。
毎日のスキンチェック、ストレスをためない環境づくり、定期健診の習慣など、小さな積み重ねが健康維持につながります。ここでは飼い主ができる予防策を具体的に紹介します。
日頃からできるスキンチェックの習慣
脱毛や皮膚の異常は、毎日のふれあいの中で早期に気づくことが可能です。撫でたりブラッシングする際に、目の上や耳まわり、首元など、皮膚が見えやすい場所を中心に観察しましょう。
- 地肌が見える部分がないか
- かさぶたや赤み、フケが出ていないか
- 猫が触られるのを嫌がらないか
週に1~2回でも丁寧にチェックすれば、異常の早期発見に役立ちます。
定期的な健康診断の重要性
外見だけでは分からない病気の兆候もあるため、定期的な健康診断は欠かせません。特に脱毛が内臓疾患やホルモンバランスの乱れからくる場合、血液検査やホルモン検査でしか分からないこともあります。
- 1歳未満:半年ごと
- 1歳以上~シニア期:年1回以上
- 高齢猫(10歳~):年2回以上
おすすめの健康診断の頻度は上記の通りで、異常が見つからなくても、健診は「健康であることの確認」になり、安心材料となります。
多頭飼いの場合に気をつけたいこと
複数の猫を飼っていると、ストレスや接触による感染症のリスクが高まる傾向があります。特に目の上のはげがある猫がいる場合、他の猫との接触を一時的に制限することも必要です。
- トイレや食器を分ける
- ケンカや順位争いを避ける環境づくり
- 新入り猫の導入時は徐々に慣らす
- 病気が疑われる場合は隔離して様子を見る
多頭飼いをする際には上記のようなポイントに注意し、猫同士のストレスを減らすことで、はげや脱毛などのトラブルも予防できます。
まとめ|猫の目の上のはげは放置せず適切な対応を
猫の目の上がはげる原因は、換毛期などの自然なものから、皮膚病・アレルギー・ストレスなどの病的な原因まで多岐にわたります。放置してしまうと悪化するケースや、人にうつる感染症もあるため、原因を見極めて早めに対処することが大切です。
目の上のはげは小さなサインですが、大きなトラブルの前触れであることも。愛猫の健康を守るためにも、飼い主がいち早く気づき、行動することが何より大切です。
この記事の執筆者
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