猫の病気・健康

【獣医師執筆】猫の健康診断の内容とは?費用や受ける頻度について

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猫の健康診断は必要?費用や注意点、受ける時期やペース

愛猫の健康診断を定期的に行っていますか?

大切な愛猫の健康を知るには、健康診断は欠かせません。

もし病気があった場合、早期発見できる可能性があるため、定期的な健康診断は大切です。

本記事では、猫の年齢別に健康診断を受けるペースや、費用についてお伝えしています。

この記事の結論

  • 猫は本能的に不調を隠す習性があるため、定期的な健康診断が大事
  • 成猫なら年に1回、高齢猫になると3ヶ月から6ヶ月に1回のペースがおすすめ
  • 健康診断では飼い主さんへの問診や触診はもちろん、血液検査や尿検査なども行う
  • 猫の健康診断にかかる費用は、1回あたり5,000円~10,000円程度

執筆・監修

杉山 杏奈

杉山 杏奈

獣医師

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、動物看護士・トリマーの専門学校で教員を行う傍らトリミングのライセンスも取得。その後、ペット保険会社、動物病院向けの専門商社に勤務。現在は2児の母で子育て奮闘中です。

担当執筆者

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猫に健康診断は必要?

猫は本能的に体調不良を隠す傾向があるため、飼い主さんが体調不良に気が付いたときには既に病気が進行していた、ということも珍しくありません。

そのため、定期的な健康診断を行うことで、健康時の数値を客観的に把握することができ、病気の早期発見、早期治療に繋がります。

人間でも同様に1年に1回程度の健康診断を行うと思いますが、無症状であってもそこで早期発見することができます。

対して、猫の加齢スピードは人間の約4倍です。少しでも長い時間を愛猫と過ごすためにも、定期的な健康診断をおすすめします。

猫の健康診断の内容

年齢や室内猫、外猫など生活環境に応じて必要な検査はそれぞれ異なりますので、獣医師と相談して決めましょう。

各検査項目には基準値があり、そこからおおきく外れていたり、バランスがおかしくないかなど総合的に判断して健康状態を把握します。

ここでは一般的な検査内容や流れについてご紹介します。

問診

ご家庭での様子や食欲などの状態、日常生活で気になることなどを確認します。

言葉が話せない愛猫にとって飼い主様からの情報はとても重要です。

触診・視診

全身状態、顔、皮膚、腹部、神経、骨格、歩き方や関節の異常、しこりの有無などを診て触り異常がないか確認します。

聴診

心拍数、心雑音、不整脈、腹部の消化器の音、肺音、呼吸数などの音を聴いて異常がないか確認します。 

血液検査

血液を採取して各臓器や全身状態などを把握する検査で、大きく4つの検査に分けられます。

生化学検査肝機能や腎機能の異常、脂質や糖の代謝、栄養状態などの検査
血液学的検査貧血の有無、白血球・赤血球・血小板の異常などの検査
感染症検査細菌培養検査、伝染病の有無、、寄生虫感染の有無などの検査
特殊検査腫瘍マーカの測定、炎症マーカーの測定、アレルギー検査、各種ホルモン(膵炎の有無、腎臓病・心疾患・甲状腺疾患・副腎皮質疾患の有無など)検査

尿検査

尿を採取して尿のPH確認、腎臓病・糖尿病・膀胱や尿路疾患、尿結石症などの異常がないか確認します。

便検査

便を採取して血便、異物や寄生虫の有無、腸内細菌のバランス、消化状況などに異常がないか確認します。

超音波検査

確認したい部位にゼリーを塗ってプローブを当てて検査をします。

主に臓器の構造・形・動きに異常がないか確認し、レントゲン検査では映らない結石なども発見できます。

レントゲン検査(X線検査)

レントゲン装置に横になり撮影し、外からでは見ることができない骨や関節の異常、心臓、肺、肝臓などの臓器の位置や形、大きさなどに異常がないか確認します。

猫の健康診断を受ける時期やペース

幼猫、成猫、シニア猫、老猫で健康診断を受けるペースは変わってきます。

また成長スピードは一定ではないため、次の期間を目安として考えてみてください。

幼猫:0~1歳(人間年齢:約1~20歳)

健康診断のスタートは避妊・去勢手術を考え始める生後6ヶ月頃が望ましいです。

このときにみつかる異常は先天的な病気の可能性が高く、定期的な投薬や手術などが必要になるケースもあります。

成猫:1~7歳(人間年齢:約20~48歳)

子猫期を過ぎた猫は、人間に換算すると1年で約4歳の年をとります。

この時期は人間と同じで、1年に1回の健康診断が望ましいです。

血液検査や尿検査などの数値も安定してくるので、愛猫の健康時の状態を把握できます。

シニア猫:7~14歳(人間年齢:約48歳~70歳)

猫にして約7~14歳。シニア猫になってきたら半年に1回の健康診断が望ましいです。

シニア期以上になると、猫のかかりやすい「腎疾患、糖尿病尿路結石症膀胱炎甲状腺機能亢進症」などの慢性疾患が発症しやすくなります。

早期発見・早期治療ができれば治りやすい病気もありますので、少しペースを早めて検査していきましょう。

老猫:15歳以上(人間年齢:約70歳以上)

15歳以上の老猫となってきた際には、年に2~3回の健康診断が望ましいです。

足腰も弱り食も細くなりやすいので、いつ病気が発症してもおかしくない年齢です。

日々の観察に加えてこうした定期的な健康診断が、愛猫の長生きに繋がる最初のポイントとなります。

猫の健康診断ができる場所と費用

かかりつけの病院で行うのがベストですが、健康診断を実施していない病院もありますので、まずはかかりつけの病院に相談してみましょう。

費用は受ける検査項目数によって異なりますが、約5,000円〜10,000円の動物病院が多いです。検査項目が多くなると、20,000円~30,000円ほどになることも。

また、病院によってはセット料金価格やキャットドック価格などがあり、通常に受けるよりもお安く設定されている病院もあります。

これからかかりつけの病院を探す場合は、犬と猫で待合室を分けている動物病院や猫専門の動物病院もありますので、愛猫ができるだけストレスなく受診できる動物病院を選ぶと良いでしょう。

どうしても病院に連れて行くのが難しい猫の場合は、採取した尿や便だけの持参で検査してくれる動物病院もあります。

猫の健康診断を受けるおすすめ時期と注意点

猫の健康診断は事前に検査内容を確認したうえで予約をして受診します。

ずばり、おすすめの時期は秋です。

春は犬のワクチンや健康診断で込み合うことが多く、真夏の暑さや真冬の寒さの中での移動は猫のストレスになります。

特に猫にとっては外出自体がストレスになることも多いため、できる限りストレスのない外出が可能な状況を選ぶのがおすすめです。

食事制限

検査内容によっては飲水や食事制限が必要な場合もありますので、予約時に合わせて確認をしましょう。

事前説明として受けるとは思いますが、忘れてしまうと検査に支障が出ます。

特に飲水よりも、食事に関してはいつまで食べて良いのか、ついついクセになって出してしまうことがないよう、注意しましょう。

尿採取・便採取

事前に尿や便を採取して持参する必要があることもあります。

動物病院での採尿や採便が難しい場合には、事前に自宅で採取してくるというケース。

自宅採取の場合は、採取方法を動物病院に確認しておこないましょう。

猫を動物病院に連れていく方法

猫の場合は動物病院に行くこと自体がかなりのストレスになることが多いため、0歳時から定期的に動物病院に連れていくことで慣れさせることも大事です。

また、日頃からキャリーの中でごはんをあげるなどして、移動時のキャリーにも慣れさせておきましょう。キャリーは爪が引っかからないプラスチック製がおすすめです。

暴れてしまう猫は事前に網目が荒めの洗濯ネットにいれていくと、動物病院での診察をスムーズに行うことができます。

移動中や待合室ではバスタオルなどをかけてあげると安心します。

日常的にできる愛猫の健康チェック方法

愛猫との毎日のスキンシップやお世話の中で、セルフ健康チェックを行ってみましょう。

定期的な健康診断で体内部の異変に気付けますが、見た目だけからでも気付けることはあります。

顔のチェック目ヤニや腫れ、耳や口から悪臭がしないか
体のチェック皮膚にしこりや触ると痛がるところはないか、毛は艶があってフケなどはないか
便のチェック硬さや色は正常か、血液などが混ざっていないか
尿のチェック尿の色、尿をするときに痛がっていたり、回数は減っていないか
活動のチェック高いところに登ったり、ジャンプしたりできているか

猫は腎疾患、膀胱炎、尿路結石症を起こしやすいので尿のチェックは特に重要です。ニオイや量、色や回数など、日頃から記録しておくと変化に気付きやすいですよ。

日々の健康チェックをしつつ、愛猫の健康状態に気を配りましょう!

この記事の執筆者・監修者

執筆・監修者の情報

杉山 杏奈

杉山 杏奈

獣医師

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、動物看護士・トリマーの専門学校で教員を行う傍らトリミングのライセンスも取得。現在は2児の母で子育て奮闘中です。

執筆者情報

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