手のひらサイズの小さな体と愛らしい大きな瞳。フクロモモンガは近年、その魅力的な容姿と賢さから、エキゾチックアニマルのペットとして人気を集めています。
しかし、「フクロモモンガを飼ってみたいけれど、飼育は難しい?」「どんな準備が必要なの?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フクロモモンガとの快適な暮らしをスタートさせるために知っておきたい飼い方の基本から、必要な飼育用品、日々のケア、健康管理まで、飼い主さんが知りたい情報を網羅的に解説します。
この記事を読めば、フクロモモンガとの幸せな共生生活を送るための第一歩を踏み出せるはずです。
この記事の結論
- フクロモモンガは有袋類の夜行性動物であり、適切に接すれば飼い主によく懐く習性を持つ
- 飼育には広さのあるケージ、適切な寝床、温度管理器具などが必須
- 主食は専用ペレットとし、カルシウム不足を防ぐための食事管理とサプリメント活用が重要
- 定期的な健康チェックと清潔な環境維持、脱走対策がフクロモモンガの健康と安全を守る
目次
フクロモモンガってどんな動物?その魅力と特徴

フクロモモンガは、その愛くるしい見た目と賢さから、近年ペットとして非常に人気が高まっている動物です。
大きな瞳と滑空するための「飛膜(ひまく)」と呼ばれる膜が特徴で、木から木へと軽やかに飛び移る姿は見ていて飽きません。
夜行性のため、日中は眠っていることが多いですが、夜になると活発に動き出し、飼い主さんとのコミュニケーションも楽しめます。
適切な飼育環境を整え、愛情を注ぐことで、とてもよく懐き、飼い主さんの指にしっかりしがみついてくれたり、肩に乗ってくれたりすることもあります。彼らのユニークな生態と飼育の魅力について、詳しく見ていきましょう。
フクロモモンガの基本的な情報
フクロモモンガを家族に迎える前に、彼らがどのような動物であるかを知ることは非常に重要です。
基本的な情報を理解することで、適切な飼育環境やケアを提供し、フクロモモンガが健康で幸せに暮らせるように準備できます。
原産地や分類、そして彼らの平均的な寿命や体の大きさ、さらには彼らの生活リズムである夜行性について深く掘り下げていきます。これらの知識は、フクロモモンガとの共同生活を始める上で不可欠です。
分類と生息地
フクロモモンガは、カンガルーやコアラと同じ有袋類に分類されます。名前に「モモンガ」とつきますが、げっ歯類のモモンガとは異なる生物です。
主な生息地はインドネシア、パプアニューギニア、オーストラリア北東部の熱帯雨林やユーカリの森です。野生下では木の上で集団生活を送り、飛膜を使って木々を滑空しながら移動します。
この独特の移動方法は、彼らが「フライングスクイレル(空飛ぶリス)」と呼ばれる所以でもあります。夜行性のため、昼間は木のうろなどで眠り、夜になると活発に行動します。
平均寿命と大きさ
フクロモモンガの平均寿命は、飼育環境下で適切に飼育された場合、5年から7年と言われています。中には10年以上生きる個体もいるため、長く寄り添えるパートナーとなってくれるでしょう。
体長は頭からお尻までで約12~16cm、しっぽの長さも同程度あり、成獣の体重は男の子で約100~160g、女の子で約80~120gと、非常にコンパクトなサイズです。
手のひらに乗るほどの大きさなので、小動物を飼育したい方に特に人気があります。ただし、その小さな体に見合わず、活動量は非常に多いです。
夜行性って本当?フクロモモンガの生態
フクロモモンガは完全な夜行性動物です。日中はほとんど寝て過ごし、夕方から夜にかけて活動を開始します。
夜行性の動物を飼育する際は、飼い主さんの生活リズムとのズレに注意が必要です。例えば、夜間にケージ内で走り回る音や、鳴き声が気になる場合もあります。
- 日中は静かな環境で休ませる
- 食事を与える時間は夕方以降が理想的
- 夜間の活動のために十分なスペースと遊び道具を用意する
彼らが夜行性であることを理解し、その生態に合わせた飼育環境を整えることが、フクロモモンガの健康とストレス軽減に繋がります。
フクロモモンガを飼う前に知っておきたいこと
フクロモモンガは愛らしい見た目ですが、彼らとの暮らしは一般的な犬や猫とは大きく異なります。
飼い始める前に、彼らの性格やコミュニケーションの取り方、そして飼育環境が周囲に与える影響(鳴き声や臭いなど)について深く理解しておくことが重要です。
これらを事前に把握することで、飼育後のギャップを減らし、フクロモモンガも飼い主さんも快適に暮らせるようになります。衝動的な飼育は避け、十分に情報を集めて検討しましょう。
懐きやすい?性格とコミュニケーション
フクロモモンガは非常に賢く、適切な方法で接すればとてもよく懐きます。ただ、懐くようになるまでに時間がかかることもありますので、適切な接し方が重要。
特にベビーの頃から飼い始め、毎日触れ合う時間を設けることで、飼い主さんのことを認識し、信頼関係を築くことができます。
懐いたフクロモモンガは、飼い主さんの服の中やポケットに入ってきたり、肩に乗ってきたりと、積極的にスキンシップを図ってくれるようになります。
- 毎日優しく触れ合う:特に幼少期からのスキンシップが重要です。
- 名前を呼んで話しかける:声を認識させ、安心感を与えます。
- おやつを手渡しする:良い経験と結びつけ、信頼を深めます。
ただし、警戒心が強い個体もいるため、焦らず根気強く接することが大切です。
鳴き声や臭いは?飼育環境の注意点
フクロモモンガは、さまざまな鳴き声を出します。特に「クスクス」「ジージー」といった警戒や威嚇の鳴き声は比較的大きく、夜間に発することが多いため、集合住宅などで飼育する場合は注意が必要です。
また、男の子は発情期に強い匂いを出すため、独特の獣臭を感じることがあります。
- 鳴き声:
- ストレスを与えない飼育環境を整える。
- ケージの設置場所を工夫し、隣室への音漏れを軽減する。
- 臭い:
- こまめなケージの清掃(毎日、床材の交換や食器の洗浄)。
- 消臭剤の活用(ペット用で安全なものを選ぶ)。
- 定期的な換気を行う。
適切なケアと対策を行うことで、鳴き声や臭いの問題は軽減できますが、完全にゼロにすることは難しい点を理解しておく必要があります。
フクロモモンガの飼育に必要なものリスト

フクロモモンガを飼育するためには、彼らが健康で快適に過ごせるような環境を整えることが不可欠です。
適切な飼育用品を揃えることは、フクロモモンガのストレス軽減にも繋がり、安心して暮らせる基盤となります。
ここでは、ケージ本体から、日々の生活を豊かにするアイテム、そして健康管理に必要なものまで、フクロモモンガの飼育に欠かせないアイテムをリストアップし、それぞれの選び方やポイントを詳しく解説していきます。
初めてフクロモモンガを迎える方も、ぜひ参考にしてください。
ケージの選び方と適切なサイズ
フクロモモンガにとって、ケージは生活の拠点であり、運動スペースでもあります。適切なケージを選ぶことは、彼らの健康と幸福に直結します。
フクロモモンガは上下運動を好むため、高さのあるケージが理想的です。また、脱走防止のため、網目のサイズや扉の構造にも注意を払う必要があります。
広さや素材、扉の種類
フクロモモンガのケージは、「高さ」が非常に重要です。彼らは木の上で生活し、滑空するため、上下運動ができる十分な高さが必要です。
- 広さ:高さ最低60cm以上、できれば90cm以上のものが推奨されます。横幅や奥行きも広いほど良いです。
- 素材:スチール製や金網製のケージが一般的です。網目が細かく、手足が挟まったりしない網目の細かさ(2cm以下が目安)を選びましょう。
- 扉の種類:扉はしっかりとロックできるタイプを選び、脱走防止を徹底してください。フクロモモンガは指が器用なので、簡単に開けられるような鍵では危険です。
設置場所のポイント
ケージの設置場所は、フクロモモンガの健康とストレスレベルに大きく影響します。
- 直射日光が当たらない場所:温度変化に弱いため、日差しが直接当たる窓際などは避けましょう。
- 温度変化が少ない場所:エアコンの風が直接当たる場所や、玄関などの温度変化が激しい場所は避けてください。
- 静かで落ち着ける場所:人通りが少ない場所や、テレビなどの大きな音がしない場所が理想です。フクロモモンガは警戒心が強いので、落ち着いて過ごせる空間が必要です。
- 床から少し高い位置:地面からの冷気や、他のペットからの干渉を防ぐため、棚の上など床から少し離れた場所に置くと良いでしょう。
これらのポイントを踏まえ、フクロモモンガにとって最適な環境を整えてあげましょう。
快適な環境を整えるためのアイテム
ケージだけではフクロモモンガが快適に暮らすことはできません。彼らが安心して眠り、活発に遊び、健康を維持するために、さまざまなアイテムを揃える必要があります。
寝床となるポーチや巣箱、日々の食事に欠かせないエサ入れや給水器、そして温度管理のためのヒーターなど、それぞれのアイテムがフクロモモンガの生活の質を向上させます。
寝床(ポーチ・巣箱)の種類と設置方法
フクロモモンガは夜行性で、日中は暗くて安全な場所で眠ります。そのため、安心して眠れる寝床は必須アイテムです。
- ポーチ:布製の吊り下げ式ポーチが一般的です。フリースやコットンなど肌触りの良い素材で、中に潜り込める袋状のものが人気です。
- 巣箱:木製やプラスチック製の巣箱もあります。より自然に近い環境を再現したい場合や、布製ポーチを齧ってしまう場合に検討します。
設置方法としては、ケージの上部や中間部にしっかりと固定し、フクロモモンガが安全に乗り降りできるように設置してください。複数設置して、気分によって選べるようにするのも良いでしょう。
食器と給水器
毎日の食事と水分補給に必要不可欠なアイテムです。
- 食器:陶器製やステンレス製など、ある程度の重さがあり倒れにくいものがおすすめです。ケージに固定できるタイプだと、ひっくり返される心配がありません。
- 給水器:吸水器(ボトルタイプ)が衛生的でおすすめです。飲み口が金属製のものが多く、フクロモモンガが齧ってしまう心配が少ないです。
温度・湿度管理の重要性(ヒーター・温度計など)
フクロモモンガは寒さに非常に弱く、適正温度は22~28℃、湿度は40~60%が理想とされています。この範囲を保つことが、病気予防のために極めて重要です。
基本的に熱帯雨林を生息地としている動物であるため、高い室温と湿度を保ってあげることが快適な環境を構築するうえでは重要になります。
- ヒーター:冬場は必ずパネルヒーターや保温電球を設置し、ケージ全体が温まるようにします。
- 温度計・湿度計:ケージ内と室内の両方に設置し、常に温度と湿度をチェックできるようにしましょう。
- 加湿器:乾燥しやすい冬場には、加湿器で湿度を調整することも検討してください。
遊び道具(回し車・止まり木など)
フクロモモンガは非常に活発な動物で、運動不足はストレスや肥満の原因になります。
- 回し車:夜間に走り回るための必須アイテムです。フクロモモンガの体に合った、背面が板状で足が挟まらない安全なタイプを選びましょう。
- 止まり木:ケージ内にさまざまな太さや素材の止まり木を設置することで、運動能力を養い、足裏の刺激になります。
- おもちゃ:ぶら下がるおもちゃや、齧れる木製のおもちゃなどもストレス解消に役立ちます。
床材と衛生管理
ケージの床に敷く床材は、フクロモモンガの足への負担軽減や、排泄物の吸収、臭い対策に役立ちます。
- 床材の種類:
- 広葉樹のチップ:吸収性が高く、消臭効果も期待できます。針葉樹のチップはアレルギーや呼吸器疾患の原因になる可能性があるため避けてください。
- ペットシーツ:清掃が簡単ですが、齧ってしまう可能性があるため、注意が必要です。ケージの引き出し部分に敷くのがおすすめです。
- 新聞紙:手軽ですが、インクによる健康被害の可能性や、吸収性が低い点がデメリットです。
- 衛生管理:床材は毎日交換し、食器は毎日洗浄するなど、こまめな清掃が重要です。ケージ本体も週に一度は丸洗いし、常に清潔な状態を保つことで、病気のリスクを減らし、臭いも軽減できます。
フクロモモンガの食事:健康を維持する与え方

フクロモモンガの健康を維持し、長生きさせるためには、適切な食事を与えることが非常に重要です。
彼らは雑食性ですが、偏った食事は病気の原因となることがあります。野生下では木の樹液や昆虫などを食べていますが、家庭で飼育する場合は、それらを再現したバランスの取れた食事を与える必要があります。
何をどれくらい、どのように与えるべきかを知り、フクロモモンガが美味しく、そして健康に過ごせるような食事計画を立てていきましょう。
フクロモモンガが食べるもの・与えてはいけないもの
フクロモモンガの食事は、人間が食べるものとは大きく異なります。小さな体と特有の消化器官に合った食べ物を選ぶことが、健康維持の鍵となります。
主食となるものから、おやつとして与えられるもの、そして絶対に与えてはいけない危険な食材まで、詳しく見ていきましょう。誤った食事は命に関わることもあるため、正しい知識を持つことが大切です。
主食となるペレットの選び方
フクロモモンガの主食として最も推奨されるのは、フクロモモンガ専用の総合栄養食ペレットです。
ペレットは、フクロモモンガに必要な栄養素がバランス良く配合されているため、これを与えることで栄養バランスが偏るリスクを低減できます。
- フクロモモンガ専用であること:他の小動物用フードでは栄養バランスが異なります。
- 高タンパク質・低脂肪:良質な動物性タンパク質(昆虫由来など)が含まれているものが理想です。
- 嗜好性:食いつきが良いかどうかも重要です。最初は少量から試してみましょう。
- 新鮮さ:開封後は密閉容器に入れ、湿気や酸化を防ぎ、早めに使い切りましょう。
さまざまなメーカーから販売されているため、愛するフクロモモンガが喜んで食べるペレットを見つけてあげてください。
ただ、かなり偏食の子もいますので、ペレットを好まない子も存在します。できる限りバランスの整った食事になるよう、野菜や果物、昆虫などを組み合わせて管理してあげる必要がある子も出てくるでしょう。
野菜や果物、昆虫などのおやつの与え方
ペレットだけでは不足する栄養素を補い、食事の楽しみを増やすため、野菜、果物、そして少量の昆虫をおやつとして与えることができます。
これらは主食にはなりませんが、フクロモモンガの健康維持に役立ちます。
- 野菜:小松菜、チンゲン菜、ブロッコリー、にんじん、かぼちゃなど(農薬に注意し、よく洗ってから与える)
- 果物:リンゴ、バナナ、ブドウ、メロン、イチゴなど(糖分が高いので少量に留める)
- 動物性タンパク源:ミルワーム、コオロギ、ピンクマウス(幼体)、ゆで卵の白身など
これらの食材は、あくまで「おやつ」として少量を与えるにとどめ、主食のペレットをしっかり食べるようにしましょう。与えすぎは肥満や栄養過多、栄養不足の原因になります。
絶対に与えてはいけないNG食材リスト
フクロモモンガにとって危険な食材は多岐にわたります。誤って与えてしまうと、中毒症状を起こしたり、消化器系の病気になったりする可能性があるため、これらの食材は絶対に与えないでください。
- 人間の加工食品全般:チョコレート、菓子類、パン、ご飯、牛乳、チーズ、塩分や糖分の多いもの
- アボカド:フクロモモンガにとって毒性があります。
- ネギ類:玉ねぎ、長ネギ、ニラ、ニンニクなど(赤血球を破壊する成分が含まれます)
- 柑橘類:オレンジ、レモンなど(酸味や成分が胃腸に負担をかける可能性があります)
- 生の豆類、生のじゃがいも
- 種子類(特にアーモンド、カシューナッツなど):高脂肪で消化しにくい上、中毒性があるものもあります。
- アルコール、カフェイン
これらのリストにないものでも、与える際は必ず事前に安全性を確認するようにしてください。迷ったら与えないのが最も安全です。
ただ、一般的な犬や猫と比べると食べられるものは多くなっています。NGとされているぶどうも食べることができるため、特に果物類は幅広く与えることができます。
適切な食事量と回数
フクロモモンガの適切な食事量と回数は、個体差や年齢、活動量によって異なりますが、一般的な目安を知っておくことは重要です。
夜行性のフクロモモンガは、夕方から夜にかけて活発に活動するため、この時間帯に食事を与えるのが最も適しています。
- 回数:1日に1回、夕方から夜にかけて与えるのが基本です。
- 量:主食のペレットは、基本的に体重の10%程度を目安に与え、20~30分程度で食べきれる量に調整します。おやつはごく少量に留めましょう。
- 観察:毎日、食べ残しがないか、きちんと食べているかを確認し、便の状態もチェックしてください。食欲不振は体調不良のサインかもしれません。
食事は毎日同じ時間帯に与えることで、フクロモモンガも安心して生活することができます。常に新鮮な水も切らさないようにしましょう。
栄養補助食品(サプリメント)の活用
フクロモモンガの健康維持には、適切な栄養補助食品(サプリメント)の活用も有効です。
特に、ペレットだけでは不足しがちなカルシウムやビタミンを補給することで、骨の病気であるくる病などを予防できます。
主なサプリメントの種類
- カルシウム剤:パウダータイプや液体タイプがあり、フードに振りかけたり、水に混ぜたりして与えます。
- ビタミン剤:特にビタミンD3はカルシウムの吸収を助けるため重要です。
- 総合ビタミン・ミネラル剤:全体的な栄養バランスを整えるのに役立ちます。
注意点
サプリメントは過剰摂取も危険です。必ず獣医師や専門家のアドバイスを受け、適切な量と頻度を守って与えてください。
基本はペレットで栄養を賄い、不足分を補う形でサプリメントを活用しましょう。
フクロモモンガの日常ケアとお世話のコツ

フクロモモンガとの暮らしを豊かにし、彼らが健康で幸せに過ごすためには、日々の細やかなケアが欠かせません。
毎日の健康チェックから、ケージの清潔を保つお掃除、そして爪切りといった定期的なケアまで、飼い主さんが行うべきお世話は多岐にわたります。
ここでは、フクロモモンガとの信頼関係を深めながら、彼らの健康と安全を守るための具体的なケア方法と、お世話のコツをご紹介します。
毎日の健康チェックとスキンシップ
フクロモモンガの体調は急変することがあります。そのため、日々の健康チェックは非常に重要です。
同時に、スキンシップを通じてコミュニケーションを図ることで、フクロモモンガの精神的な安定にも繋がり、体調の変化にも気づきやすくなります。
体調の変化に気づくためのポイント
毎日の健康チェックは、フクロモモンガの異変に早期に気づくための最も重要な習慣です。以下のポイントを毎日観察しましょう。
- 食欲・飲水量:食欲不振や飲水量の変化は、体調不良のサインであることが多いです。
- 排泄物:便の量、形、色、硬さ、臭いなどを確認します。下痢や軟便、血が混じる場合は注意が必要です。
- 活動量・様子:いつもより元気がない、動きが鈍い、震えているなどの変化はないか。
- 体の状態:
- 目:目やにが出ていないか、充血していないか。
- 鼻:鼻水が出ていないか。
- 口:よだれが出ていないか、歯並びに異常はないか。
- 毛並み・皮膚:毛並みに艶があるか、脱毛やフケ、皮膚の赤み、できものはないか。
- 手足:ケガをしていないか、腫れがないか。
- 体重:定期的に体重を量り、急激な増減がないか確認しましょう。
これらの変化に気づいたら、すぐに獣医師に相談してください。
ストレスをかけない触り方と抱っこ
フクロモモンガにストレスを与えず、安全に触れ合うには、いくつかのコツがあります。彼らは警戒心が強いため、焦らず、彼らのペースに合わせて距離を縮めていきましょう。
- 最初は匂いを覚えさせる:手のひらに食事を乗せて与えたり、布越しに触れたりして、飼い主さんの匂いを覚えさせます。
- 優しく包み込むように:抱っこする際は、フクロモモンガの体を優しく包み込むように持ち、落下させないように注意します。小さな体に力を込めすぎないようにしましょう。
- フクロモモンガが嫌がったらすぐに放す:噛み付いてきたり、逃げようとしたりする場合は、無理に触り続けず、一旦離してあげましょう。嫌な経験をさせると、懐かなくなる可能性があります。
- 落ち着いた声で話しかける:優しい声で話しかけることで、安心感を与えられます。
信頼関係が築ければ、フクロモモンガの方から飼い主さんの手や肩に乗ってきてくれるようになります。
定期的なケージのお掃除と衛生管理
フクロモモンガが健康に暮らすためには、ケージの清潔を保つことが非常に重要です。汚れた環境は、細菌や寄生虫の温床となり、フクロモモンガが病気になるリスクを高めます。
また、臭いの原因にもなるため、快適な飼育環境を維持するためにも、日々のこまめな清掃と、定期的な徹底清掃が欠かせません。
毎日のお掃除と週に一度の徹底清掃
ケージの清掃は、フクロモモンガの健康管理の基本です。トイレを覚えられないため、ケージ内は1日経てばぐちゃぐちゃになっています。必ず毎日掃除してあげてください。
毎日行うこと:
- 食べ残しの除去:前日の食べ残しは腐敗の原因となるため、必ず取り除きます。
- 食器・給水器の洗浄:毎日洗剤で洗い、清潔な状態を保ちましょう。
- 床材の交換:排泄物で汚れた部分や、臭いが気になる場合は部分的に交換します。
- 糞や尿の拭き取り:ケージの底や壁についた糞や尿は、アルコール消毒液などで拭き取ります。
週に一度行うこと(徹底清掃):
- ケージ全体の丸洗い:ケージ本体や止まり木、おもちゃなど、すべての飼育用品を取り出し、水洗いまたはペット用洗剤で丁寧に洗浄し、しっかり乾燥させます。
- 床材の全交換:全ての床材を新しいものに交換します。
- 寝床(ポーチなど)の洗濯:布製の寝床は、こまめに洗濯し、清潔に保ちましょう。
常に清潔な環境を保つことで、フクロモモンガが快適に過ごせ、病気のリスクも減らせます。
臭い対策と消臭方法
フクロモモンガの独特の臭いは、特に男の子で顕著に感じられることがあります。適切な対策を行うことで、臭いを軽減し、快適な飼育環境を維持できます。
- 徹底した清掃:最も基本的な対策です。前述の通り、毎日のお掃除と週に一度の徹底清掃を欠かさないことが重要です。
- 床材の選択と交換頻度:吸収性・消臭性の高い床材を選び、こまめに交換することで臭いを抑えられます。
- 換気:部屋の換気をこまめに行い、空気を入れ替えましょう。
- 消臭剤の活用:ペット用で安全な消臭剤をケージ周りに使用するのも有効です。ただし、フクロモモンガに直接かからないように注意し、刺激の少ないものを選びましょう。
- 男の子の場合の去勢:繁殖を考えていない男の子の場合、去勢手術を行うことで、発情期の独特の臭いを大幅に軽減できることがあります。獣医師と相談して検討しましょう。
これらの対策を組み合わせることで、臭いの問題を効果的に管理することができます。
爪切りやグルーミングの必要性
野生のフクロモモンガは木の上で生活することで爪が自然に削れますが、飼育下では伸びすぎてしまうことがあります。
伸びすぎた爪は、ケージに引っかかったり、飼い主さんを傷つけたりする原因となるため、定期的な爪切りが必要です。
グルーミング(毛づくろい)は基本的にはフクロモモンガ自身が行いますが、汚れがひどい場合や、高齢で自分で手入れができない場合は飼い主さんがサポートすることもあります。
- 頻度:個体差がありますが、月に1回程度を目安に、爪の伸び具合をチェックして行います。
- 道具:小動物用の爪切りや、人間用の爪切り(切れ味の良いもの)を使用します。
- 注意点:爪の中には血管が通っているため、深爪には十分注意してください。明るい場所で血管の位置を確認しながら、先端の白い部分だけを切るようにしましょう。自信がない場合は、動物病院でお願いすることもできます。
フクロモモンガは基本的に自分で毛づくろいをするため、飼い主さんが頻繁にブラッシングする必要はありません。
ただし、汚れがひどい場合や、換毛期で毛が絡まっている場合は、柔らかいブラシで優しくブラッシングしてあげると良いでしょう。
月に1回程度はきちんとシャンプーをしてあげる必要があるほど、臭いが出てくることもあります。体が小さく熱を奪いやすいので、素早く洗って乾かしてあげるようにしてください。
脱走対策と事故防止
フクロモモンガは非常に身軽で、わずかな隙間からでも脱走してしまうことがあります。簡単に飛び移ることもできる運動神経があるため、想像していないような場所でも飛び渡るぐらいです。
また、飼育環境の中に思わぬ危険が潜んでいる場合もあるため、常に脱走対策と事故防止を意識することが重要です。
脱走対策
- ケージの確認:扉がしっかりとロックされているか、破損箇所や隙間がないか毎日確認しましょう。網目のサイズも重要です。
- 二重ロック:鍵付きのケージでも、さらにクリップなどで補強すると安心です。
- 目の届く範囲で遊ばせる:ケージから出す際は、必ず飼い主さんの目の届く範囲で、フクロモモンガが隠れられる場所や危険な場所がないことを確認した上で行いましょう。
- 窓やドアの施錠:部屋で遊ばせる際は、窓や部屋のドアがしっかり閉まっていることを確認し、外への脱走を防ぎます。
事故防止
- 誤飲防止:ケージ内や部屋に、フクロモモンガが口にしてしまうと危険な小さな部品やおもちゃを置かないようにしましょう。
- 電気コードの保護:電気コードを齧られないようにカバーを付けたり、手の届かない場所に隠したりしましょう。
- 高い場所からの落下:ケージを高い場所に設置している場合は、安定しているか確認し、地震対策なども行いましょう。
- 他のペットとの接触:もし他のペットを飼っている場合は、フクロモモンガとの接触は避け、必ず別の部屋で管理するなど、細心の注意を払ってください。
万が一脱走してしまった場合に備え、捕獲用のケージや、フクロモモンガが好みそうな匂いのするおやつなどを準備しておくと良いでしょう。
フクロモモンガとの信頼関係を築く:懐かせ方と接し方

フクロモモンガを家族に迎える上で、彼らとの信頼関係を築き、懐いてもらうことは、飼い主さんにとって大きな喜びとなります。
しかし、フクロモモンガは臆病な一面もあるため、焦らず、彼らのペースに合わせて接することが大切です。
無理強いはせず、時間をかけて心を開いてもらうことで、飼い主さんの手の中で安心して眠ったり、肩に乗ってきたりと、愛らしい姿を見せてくれるようになるでしょう。
ここでは、フクロモモンガとの絆を深めるためのステップと、効果的なコミュニケーション方法をご紹介します。
新しい環境に慣れさせるためのステップ
フクロモモンガが新しい環境に慣れるまでには時間が必要です。
迎えてすぐは警戒心が強く、隠れてしまったり、威嚇の鳴き声を出したりすることもありますが、これはごく自然なことです。
まずは、フクロモモンガが安心して過ごせる環境を整え、ストレスなく新しい生活に順応できるようサポートしてあげましょう。
- 静かな環境を用意する:ケージを設置する場所は、人通りが少なく、大きな音のしない静かな場所を選びましょう。
- 迎えてすぐはそっとしておく:ケージに到着したら、無理に触ろうとせず、まずは数日間、フクロモモンガが新しい環境に慣れる時間を与えましょう。
- ポーチや巣箱を設置する:安心して隠れられる場所を用意することで、フクロモモンガのストレスを軽減できます。
- 匂いを覚えさせる:飼い主さんの匂いのついた布(ガーゼや薄手のタオルなど)をケージに入れてあげると、警戒心が薄れることがあります。
焦らず、フクロモモンガの様子をよく観察しながら、ゆっくりと次のステップに進んでください。
時間をかけて焦らずに距離を縮める
フクロモモンガを懐かせるには、とにかく「時間」と「忍耐」が必要です。個体差はありますが、数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。
最初から無理に触ろうとすると、かえって嫌われてしまう可能性があるので注意が必要です。フクロモモンガが飼い主さんの存在に慣れ、安心してくれるまで、焦らずに距離を縮めていきましょう。
- 優しく話しかける:ケージ越しに、優しく、穏やかな声で話しかけることから始めましょう。声に慣れてもらうことが大切です。
- 手の匂いを覚えさせる:ケージの網越しに、指の先からゆっくりと手の匂いを嗅がせてあげます。威嚇されなければ、少しずつ手のひら全体を近づけてみましょう。
- おやつで誘導する:おやつを使って、手から食べてもらう練習をします。これができるようになると、一気に距離が縮まります。
- ポーチごと持ち上げる:懐くまでは、寝ているポーチごと持ち上げて優しく触れ合う時間を作るのも効果的です。
フクロモモンガがリラックスしているサイン(耳がピンと立っている、しっぽを振るなど)を見逃さず、少しずつ触れ合いの時間を増やしていくことが成功の鍵です。
効果的なコミュニケーション方法
フクロモモンガとの信頼関係を深めるには、ただ触るだけでなく、彼らが理解しやすい方法でコミュニケーションをとることが重要です。
特に、彼らの大好きな「おやつ」を使った誘導や、飼い主さんの「声」や「匂い」を認識させることは、絆を強める上で非常に効果的です。
日々の触れ合いを通じて、フクロモモンガとの「会話」を楽しんでみましょう。
おやつを使った誘導とご褒美
おやつは、フクロモモンガとの距離を縮めるための強力なツールです。彼らの大好きなものを手渡しで与えることで、「飼い主さんの手=良いもの」という認識を植え付け、警戒心を解いていきます。
- 手渡しで与える:まずはケージ越しに、警戒しながらでも手からおやつを食べてくれるように練習します。
- ポーチから誘い出す:ポーチの中に隠れているフクロモモンガを、おやつで優しく誘い出してみましょう。
- 名前を呼んでご褒美:名前を呼んで近づいてきてくれたら、おやつを与えて褒めてあげます。これを繰り返すことで、自分の名前を認識するようになります。
- 「ご褒美」として活用:爪切りなど、フクロモモンガにとって少し我慢が必要なケアの後に、ご褒美としておやつを与えるのも効果的です。
ただし、おやつの与えすぎは肥満や栄養バランスの偏りの原因になるので、少量に留めましょう。
声かけやにおいを覚えさせる
フクロモモンガは視力があまり良くない一方で、嗅覚や聴覚が非常に優れています。
そのため、飼い主さんの声や匂いを覚えさせることは、彼らに安心感を与え、信頼関係を築く上で非常に有効です。
- 毎日同じ声で話しかける:ケージに近づく際や、おやつを与える際など、意識的にフクロモモンガに話しかけましょう。優しく、穏やかなトーンが効果的です。
- 特定の合図を決める:「おいで」「ご飯だよ」など、特定の言葉と行動を結びつけて覚えさせると、コミュニケーションがスムーズになります。
- 匂いのついたものを利用する:飼い主さんの着ていたTシャツや、匂いのついた小さな布をケージの中に入れておくことで、フクロモモンガが飼い主さんの匂いに慣れ、安心感を得られるようになります。これを「匂い付け」と呼びます。
- 体温で安心させる:懐いたフクロモモンガは、飼い主さんの服の中やポケットに入って眠ることがあります。これは飼い主さんの体温や匂いで安心しているサインです。
日々の積み重ねが、フクロモモンガとの深い絆を育むことに繋がります。
多頭飼いの場合の注意点
フクロモモンガは群れで生活する習性があるため、多頭飼いを検討する飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、多頭飼いにはメリットがある一方で、いくつか注意すべき点があります。特に、相性問題や、繁殖のコントロールは重要です。
メリット
- フクロモモンガ同士でコミュニケーションを取り、孤独感を軽減できる。
- お互いに毛づくろいをするなど、社会的な行動が見られる。
注意点
- 相性問題:フクロモモンガ同士にも相性があります。初対面でいきなり同じケージに入れるのではなく、最初は別々のケージで対面させ、徐々に慣らしていく「段階的導入」が必要です。喧嘩が絶えない場合は、別々に飼育することも検討しましょう。
- 縄張り意識:特に男の子同士の場合、縄張り争いから喧嘩に発展することがあります。
- 繁殖のコントロール:男の子と女の子を一緒に飼う場合、あっという間に繁殖してしまいます。計画的な繁殖を考えていないのであれば、去勢・避妊手術を検討するか、別々のケージで飼育しましょう。
- 飼育スペース:個体数に合わせた十分な広さのケージと、複数用意するアイテム(寝床、食事入れなど)が必要です。
- 共食い:残念ながら、共食いや子食いの可能性もありますので、多頭飼いにはケージを分けた方が安全です。
多頭飼いは、フクロモモンガの生活を豊かにする可能性を秘めていますが、飼い主さんの負担も増えるため、慎重に検討し、計画的に進めることが大切です。
フクロモモンガがかかりやすい病気・サイン・予防策

フクロモモンガは比較的丈夫な動物ですが、飼育環境や食事内容によっては、特定の病気にかかりやすい傾向があります。
彼らは体の異変を隠そうとする習性があるため、飼い主さんが日頃から注意深く観察し、わずかな体調の変化にも気づいてあげることが非常に重要です。
早期発見と早期治療は、フクロモモンガの命を救うだけでなく、治療にかかる負担も軽減します。
ここでは、フクロモモンガによく見られる病気の種類と、そのサイン、そして日頃からできる予防策について解説します。
フクロモモンガによく見られる病気の種類
フクロモモンガは、特に骨の病気や消化器系のトラブル、ストレス性の行動異常など、いくつかの病気にかかりやすい特徴があります。
これらの病気について事前に知識を持っておくことで、もしもの時に冷静に対応し、適切な処置を受けることができます。
くる病(骨代謝性疾患)
くる病は、フクロモモンガに最も多く見られる病気のひとつで、骨が軟らかくなってしまう病気です。
主な原因は、食事におけるカルシウムとリンのバランスの悪さ(カルシウム不足、またはリン過多)や、ビタミンD3の不足です。
これらの栄養素が不足すると、骨が正常に形成されず、骨折しやすくなったり、歩行困難になったりします。
- 食欲不振、元気がない
- 足を引きずる、よろける、うまく歩けない
- 骨格の変形(特に顔面や顎)
- 震え、痙攣
予防策としては、フクロモモンガ専用のペレットを主食とし、カルシウムとビタミンD3が配合されたサプリメントを適切に与えることが重要です。
また、日光浴(直接ではなく、網戸越しやガラス越しではない)をさせることで、ビタミンD3の生成を促すこともできますが、過度な直射日光は危険です。
尿路結石
尿路結石は、尿中にミネラル成分が結晶化して結石となり、尿路に詰まることでさまざまな症状を引き起こす病気です。飲水量が少ないことや、偏った食事、細菌感染などが原因となることがあります。
- おしっこの回数が増える、または排尿困難になる
- 排尿時に痛がる様子を見せる、鳴く
- 血尿が出る
- 食欲不振、元気がない
予防策としては、常に新鮮な水を十分に与え、飲水量を増やすことが重要です。
また、カルシウムやシュウ酸を多く含む食品の与えすぎにも注意が必要です。もし疑わしい症状が見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
寄生虫症
フクロモモンガは、内部寄生虫(回虫、条虫など)や外部寄生虫(ダニ、ノミなど)に感染することがあります。特に新しい個体を迎え入れた際や、不衛生な環境で飼育している場合にリスクが高まります。
- 内部寄生虫:下痢、軟便、体重減少、食欲不振、毛並みの悪化
- 外部寄生虫:体を掻く頻度が増える、皮膚の赤み、フケ、脱毛、黒い粒(ノミの糞)が見られる
予防策としては、新しいフクロモモンガを迎え入れる際は、必ず健康チェックと寄生虫検査を受けさせましょう。
また、ケージを常に清潔に保ち、床材や寝床をこまめに交換することが重要です。定期的な健康診断で早期発見・治療に繋げましょう。
消化器系のトラブル(下痢・便秘)
食事内容の急な変更や、ストレス、細菌感染などが原因で、フクロモモンガも下痢や便秘といった消化器系のトラブルを起こすことがあります。
- 下痢:便が水っぽい、泥状になる、臭いがきつくなる
- 便秘:排便がない、便がコロコロと硬い、食欲不振
予防策としては、食事内容は急に変えず、徐々に切り替えるようにしましょう。ストレスを与えない環境を整え、清潔な水を常に用意することが大切です。
下痢が続く場合は脱水症状を引き起こす可能性があるため、すぐに動物病院を受診してください。
便秘の場合は、温浴やマッサージが効果的なこともありますが、自己判断せず獣医師に相談しましょう。
毛引きや自咬症などのストレス性行動
フクロモモンガはストレスに敏感な動物です。不適切な飼育環境や、孤独感、運動不足などが原因で、毛引き(自分の毛をむしる)や自咬症(自分の体を噛む)といったストレス性の行動異常を示すことがあります。
ストレス性行動のサインとしては以下のようなものがあります。
- 体の一部(特にしっぽの付け根や手足)の毛が薄くなる、皮膚が赤くなる
- 同じ場所を執拗に舐めたり、噛んだりする
- ケージの中をぐるぐる回るなどの常同行動
- 食欲不振、活動量の低下、または過剰な活動
予防策のポイントとなるのは、ストレスの原因を取り除くことが最も重要です。
- 適切な広さのケージと遊び道具:十分な運動スペースと、回し車やおもちゃなどで遊べる環境を提供します。
- 十分なスキンシップ:孤独を感じさせないよう、毎日優しく触れ合う時間を作りましょう。
- 快適な温度・湿度:ストレスなく過ごせる環境を維持します。
- 多頭飼いの検討:相性が合えば、仲間がいることでストレスが軽減されることがあります。
これらの行動が見られたら、まずは飼育環境を見直し、原因を特定し、改善に努めましょう。改善が見られない場合は、動物病院で相談してください。
体調不良のサインを見逃さない!
フクロモモンガは、野生で捕食される立場にあるため、体の不調を隠そうとする習性があります。
そのため、飼い主さんがわずかな変化にも気づけるよう、日頃からフクロモモンガの様子を注意深く観察する習慣をつけることが非常に重要です。
いつもと違う行動や体調の変化は、病気のサインかもしれません。
食欲不振や元気がない
食欲不振や元気がないことは、フクロモモンガの体調不良を示す最も一般的なサインのひとつです。
普段は食欲旺盛な子が急に食事を食べなくなったり、活発だった子がぼんやりしている時間が長くなったりする場合は、注意が必要です。
- いつもの量を食べているか?
- 好きなおやつにも反応しないか?
- ケージの中で活発に動いているか?
- 日中だけでなく、夜間も元気がないか?
これらの変化が見られたら、まずは食事の内容や量、環境に問題がないか確認し、改善が見られない場合はすぐに動物病院を受診しましょう。
異常な排泄物
フクロモモンガの健康状態は、排泄物にも現れます。毎日、糞や尿の状態をチェックする習慣をつけましょう。
- 糞:形はしっかりしているか(バナナ状や円柱状が理想)、色や硬さに異常はないか。下痢や軟便、異物(寄生虫など)、血が混じっていないか。
- 尿:量や色に変化はないか。透明度が低い、濁っている、色が濃すぎる、血が混じっている場合は注意が必要です。
排泄物に異常が見られた場合、消化器系の病気や、尿路系の病気、寄生虫症などの可能性があります。早めに獣医師に相談しましょう。
毛並みや皮膚の変化
フクロモモンガの毛並みや皮膚は、健康状態を反映するバロメーターです。普段から毛並みの艶や皮膚の状態をよく見て、変化がないか確認しましょう。
- 毛並み:毛艶が良いか、パサついていないか。部分的な脱毛や、毛が薄くなっている箇所はないか。
- 皮膚:赤み、湿疹、かさぶた、できもの、フケ、寄生虫(小さな黒い点など)は付いていないか。
- 目の周り・鼻・耳:目やに、涙、鼻水が出ていないか。耳が汚れていないか。
これらの変化は、栄養不足、皮膚病、寄生虫症、アレルギー、またはストレスのサインである可能性があります。異常を見つけたら、悪化する前に獣医師に診てもらいましょう。
もしもの時のために:動物病院の探し方と選び方
フクロモモンガは、犬や猫に比べて診察できる動物病院が限られています。
万が一の時に慌てないよう、普段からフクロモモンガを診てくれる動物病院を探しておくことが非常に重要です。
- エキゾチックアニマル診療の有無:フクロモモンガは「エキゾチックアニマル」に分類されます。必ずエキゾチックアニマルを専門としているか、またはフクロモモンガの診療実績がある病院を選びましょう。
- アクセス:緊急時にすぐに連れて行ける距離にあるかどうかも重要です。
- 診療時間・休診日:仕事の都合なども考慮し、通いやすい診療時間であるかを確認しましょう。夜間や休日の緊急対応についても確認しておくと安心です。
- 獣医師の経験と知識:フクロモモンガの生態や病気に詳しい獣医師がいるか、過去の症例について尋ねてみるのも良いでしょう。
- 設備:レントゲンや超音波検査など、必要な検査ができる設備があるか。
- 料金体系:初診料、再診料、検査費用、薬代などの料金体系が明確であるか。
- 評判・口コミ:実際に利用した人の評判や口コミも参考にしてみましょう。ただし、あくまで参考程度に。
- セカンドオピニオン:必要に応じて、別の病院でセカンドオピニオンが聞ける環境も視野に入れておくと安心です。
フクロモモンガを飼い始めたら、健康なうちに一度健康診断のために受診し、獣医師との関係を築いておくことを強くお勧めします。
フクロモモンガの飼育費用とQ&A
フクロモモンガを飼育するには、初期費用と毎月の維持費用がかかります。事前にどのくらいの費用が必要になるのかを把握しておくことは、計画的な飼育のために非常に重要です。
また、フクロモモンガを飼う上でよくある疑問についても、事前に知っておくことで、安心して新しい家族を迎える準備ができるでしょう。
ここでは、フクロモモンガの飼育にかかる具体的な費用と、飼い主さんからよく寄せられる質問について詳しく解説していきます。
初期費用と毎月の維持費用
フクロモモンガの飼育には、まず生体を購入するための費用がかかります。それに加えて、ケージや飼育用品を揃えるための初期費用が必要です。
さらに、毎日の食事代や、温度管理のための光熱費、万が一の病気に備えた医療費など、継続的なランニングコストも考慮に入れる必要があります。これらの費用を具体的に見ていきましょう。
生体価格の目安
フクロモモンガの生体価格は、販売しているペットショップやブリーダー、個体の種類(色や血統など)、月齢によって大きく異なります。 一般的には、数万円から十数万円程度が目安となります。
- ノーマル個体:1匹あたり2万円~5万円程度
- リューシスティック(白変種)やプラチナなどの珍しいモルフ(品種):10万円以上になることもあります。
健康状態の良いフクロモモンガを選ぶことが重要です。信頼できるペットショップやブリーダーから購入し、購入前に性別や月齢、健康状態をしっかり確認しましょう。
ケージや飼育用品の初期費用
フクロモモンガの生体以外にも、彼らが快適に過ごすための飼育用品を揃えるための初期費用がかかります。
これらの初期費用は一度購入すれば長く使えるものがほとんどですが、まとまった出費になるため、事前に予算を立てておくことが大切です。
- ケージ:1万円~3万円(高さのあるものが理想)
- 寝床(ポーチ、巣箱など):2千円~5千円(複数用意がおすすめ)
- エサ入れ・給水器:1千円~3千円
- 回し車:3千円~8千円(フクロモモンガ用で足が挟まらない安全なタイプ)
- ヒーター・温度計・湿度計:5千円~1万円
- 床材:1千円~3千円(初回分)
- その他(止まり木、おもちゃ、キャリーケースなど):5千円~1万円
これらの合計で、最低でも3万円~8万円程度の初期費用を見込んでおくと良いでしょう。
食事代や光熱費などランニングコスト
フクロモモンガを飼育する上で、毎月継続的にかかるランニングコストも考慮に入れる必要があります。
主なものとしては、食事代、光熱費(特に保温のための電気代)、そして消耗品の費用が挙げられます。
- 食事代(主食ペレット、おやつ、昆虫など):2千円~5千円
- 光熱費(ヒーターやエアコンの電気代):冬場は3千円~8千円(地域や設定温度による)
- 床材・寝床の交換費用:1千円~3千円
- その他(サプリメント、おもちゃの買い替えなど):1千円~2千円
これらを合計すると、1匹あたり毎月5千円~1万5千円程度の費用がかかることが予想されます。
これに加えて、予期せぬ病気やケガの治療費(年間数千円~数万円、場合によってはそれ以上)も考慮し、ペット保険への加入や貯蓄も検討すると安心です。
よくある質問Q&A
フクロモモンガの飼育を検討する際、多くの人が抱く疑問や不安があります。ここでは、特に飼い主さんからよく寄せられる質問について、Q&A形式でお答えしていきます。これらの情報を事前に知っておくことで、フクロモモンガとの生活がよりスムーズで豊かなものになるでしょう。
フクロモモンガの鳴き声はうるさい?
フクロモモンガは、状況に応じてさまざまな鳴き声を発します。特に「クスクス」という警戒や威嚇の鳴き声や、「ジージー」という不満や要求の鳴き声は、比較的大きく響き、夜間に発することが多いため、集合住宅などで飼育する際には注意が必要です。
- 鳴く理由:空腹、構ってほしい、ストレス、縄張り意識、発情期などが考えられます。
- 対策:規則正しい生活、十分な食事と遊び、ストレスの少ない環境作りが基本です。夜間はケージカバーをかけるなど、静かに休める工夫も有効です。
- 完全に静かにするのは難しい:彼らの本能的な行動なので、完全に鳴き声をなくすことは難しい点を理解しておく必要があります。
飼い主さんが鳴き声の理由を理解し、適切に対応することで、フクロモモンガとの関係もより良くなるでしょう。
お留守番はできる?旅行時の対策
フクロモモンガは夜行性であり、日中は寝ている時間が長いため、短時間のお留守番であれば可能です。
しかし、数日以上の長期の旅行となると、対策が必要です。彼らは環境の変化に敏感であり、長時間の留守番はストレスになる可能性があります。
- 短期間(1日程度):十分な食事と新鮮な水を準備し、室温を一定に保てれば問題ありません。
- 長期間(数日以上):
- ペットシッターの利用:フクロモモンガの飼育経験があるペットシッターに依頼するのが最も安心です。
- ペットホテル:エキゾチックアニマルを受け入れているペットホテルを探しましょう。預ける前に必ず見学し、フクロモモンガの知識があるスタッフがいるか確認することが重要です。
- 信頼できる友人・知人への預託:飼育経験があり、責任感のある人に限られます。事前に飼い方や注意点をしっかり伝えておきましょう。
緊急時に備え、預け先の候補を複数見つけておくことをおすすめします。
繁殖を考えている場合の注意点
フクロモモンガは繁殖力が非常に高く、男の子と女の子を一緒に飼育していると、計画なしに繁殖が進んでしまうことがあります。
可愛らしいベビーが生まれる喜びもありますが、無計画な繁殖は、親モモンガへの負担や、生まれたベビーたちの飼い主探しなど、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
- 計画性:無計画な繁殖は避け、事前にしっかりと計画を立てましょう。
- 性成熟:フクロモモンガは生後6ヶ月~1年程度で性成熟し、繁殖が可能になります。
- 栄養管理:妊娠・出産・育児中の女の子は、通常以上に豊富な栄養とカルシウムを必要とします。専門のフードやサプリメントでしっかりサポートしましょう。
- ケージの環境:出産・育児に適した、静かで安心できる環境を整える必要があります。
- ベビーの飼い主探し:生まれたベビーの飼い主を事前に見つけておくか、終生飼育できる体制を整えましょう。
- 去勢・避妊手術の検討:繁殖を望まない場合は、獣医師と相談して去勢手術(男の子)や避妊手術(女の子)を検討することも重要です。これにより、無計画な繁殖を防ぎ、一部の病気のリスクも軽減できる場合があります。
フクロモモンガの繁殖は、命を預かる重大な責任を伴います。安易に考えず、十分な知識と準備を持って臨みましょう。
まとめ:フクロモモンガとの豊かな暮らしのために
フクロモモンガは、その愛らしい見た目と個性豊かな魅力で、飼い主さんの心を癒してくれる素晴らしいパートナーです。
しかし、彼らを健康で幸せに育てるためには、適切な飼育環境の準備、栄養バランスの取れた食事、日々のきめ細やかなケア、そして何よりも飼い主さんの深い愛情が不可欠です。
この記事を通じて、フクロモモンガの生態から具体的な飼い方、必要な費用、注意すべき病気まで、多岐にわたる情報をお伝えしました。
フクロモモンガは、犬や猫とは異なる独特の生態を持つ動物です。彼らの特性を理解し、共生する上での責任と覚悟を持つことが、豊かなフクロモモンガライフの第一歩となります。
この記事が、これからフクロモモンガを迎えようと考えている方、あるいはすでにフクロモモンガと暮らしている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
愛情を込めて接することで、フクロモモンガはきっと、あなたの人生をより豊かに彩ってくれる存在となるでしょう。
この記事の執筆者
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