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【完全版】スローロリスの飼い方ガイド|飼育方法から費用・注意点を解説

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スローロリスの飼い方

つぶらな瞳と愛くるしい仕草で人気のスローロリス。「いつか飼ってみたい」「実際、どうやって飼うの?」と考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、スローロリスは非常にデリケートで、適切な飼育環境や専門知識が不可欠なエキゾチックアニマルです。

本記事では、スローロリスと飼い主さんが共に幸せに暮らすために、必要な飼育方法から、日々のケア、健康管理、知っておくべき注意点、そして気になる費用まで、網羅的に解説します。

この記事を読めば、スローロリスをお迎えする準備が整うはずです。

この記事の結論

  • スローロリスはデリケートな夜行性動物であり、理想的な温度・湿度と隠れ家を備えた静かな飼育環境が不可欠
  • 昆虫、果物、野菜をバランス良く与える雑食性の食事が重要であり、常に新鮮な水を提供する必要がある
  • 毒性や咬傷リスクがあるため、法規制を遵守し、専門知識を持つ飼い主が慎重な対応と終生飼育の責任を持つべき
  • 体調急変や脱走など万が一のトラブルに備え、エキゾチックアニマル専門医を事前に確保し、定期健診で早期発見に努める

nademo編集部

担当執筆者

nademo編集部

編集部

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目次

スローロリスとは?基本情報と飼育の魅力

愛らしい姿で私たちを魅了するスローロリスは、霊長目ロリス科に分類される動物の総称です。

主に東南アジアの熱帯林に生息しており、そのゆっくりとした動きと大きな瞳が特徴的。夜行性であるため、日中は木のうろなどで丸くなって眠り、夜になると活動を開始します。

近年、ペットとしての人気も高まっていますが、その飼育には専門的な知識と環境が不可欠です。

彼ら独自の生態を理解し、適切な飼育環境を整えることが、共に暮らす上で最も重要になります。彼らのユニークな生態や、飼い主だけに見せる仕草には、計り知れない魅力があります。

スローロリスの分類と身体的特徴

スローロリスは、霊長目ロリス科に属する小型のサルの一種で、世界に複数種が存在します。代表的な種としては、ベンガルスローロリスやピグミースローロリスなどが挙げられます。

彼らの最も特徴的な身体的特徴は、顔の中央に位置する大きな丸い目と、短い尻尾です。体長は約20~40cm、体重は300~700gほどで、体毛は主に茶色や灰色をしており、種によって模様が異なります。

手足は枝をしっかりと掴めるよう発達しており、非常に器用です。また、肘の内側から毒を分泌する腺を持っている点も、飼育において注意すべき特徴のひとつです。

夜行性の生態と行動パターン

スローロリスは完全な夜行性であり、日中のほとんどを寝て過ごします。そのため、飼育環境でも彼らが安心して休める暗く静かな場所を確保することが非常に重要です。

夜になると活動を始め、ゆっくりとした動きでケージ内を探索したり、食事を探したりします。彼らの「スロー」な動きは、捕食者から身を守るための擬態とも言われています。

飼い主が彼らの夜行性サイクルに合わせて接することで、ストレスを軽減し、より自然な行動を引き出すことができます。夜の活動を観察することは、スローロリスの新たな魅力を発見する機会にも繋がるでしょう。

なぜデリケート?スローロリスの性格とストレス要因

スローロリスは見た目の愛らしさとは裏腹に、非常に神経質でデリケートな性格を持っています。環境の変化や大きな音、見慣れない物など、ささいなことでも強いストレスを感じやすい傾向があります。

ストレスは彼らの健康に直結し、食欲不振や体調不良の原因となることも少なくありません。そのため、静かで安定した環境を提供し、過度な刺激を与えないことが大切です。

また、彼らは本来単独で生活する動物であるため、過剰なスキンシップもストレスになる場合があります。彼らのサインを見逃さず、常に快適な状態を保つよう配慮が必要です。

スローロリスのお迎え前に知っておくべきこと|法規制と入手方法

スローロリスを家族に迎えることは、大きな喜びであると同時に、深い責任を伴います。特に、その飼育には日本独自の法規制が関わってくるため、お迎えを検討する前に必ず確認しておく必要があります。

また、健康な個体を迎え入れるためには、信頼できるブリーダーや専門店を見極めることが非常に重要です。安易な気持ちで飼育を始めると、後悔することになりかねません。

スローロリス飼育に関する日本の法規制と登録義務

スローロリスは、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)で保護されている動物であり、日本では「特定動物」に指定されています。

これは、愛玩動物として一般的に飼育が認められている動物とは異なり、非常に厳しい規制があることを意味します。

具体的には、飼育には都道府県知事または政令指定都市の長の許可が必要であり、施設基準を満たすこと、脱走防止措置、適切な飼養管理計画の提出などが義務付けられています。

無許可での飼育は法律で罰せられますので、お迎えを決める前に必ず各自治体の詳細な情報を確認し、必要な手続きを行いましょう。

健康な個体を選ぶには?信頼できるブリーダー・専門店での入手方法

健康なスローロリスをお迎えするためには、信頼できるブリーダーまたは専門店からお迎えすることが何よりも重要です。

安価だからと安易な選択をすると、健康上の問題を抱えた個体や、違法に輸入された個体である可能性も考えられます。優良なブリーダーや専門店は、以下の点に配慮しています。

  • 個体の健康状態: 目が輝き、毛並みが整っているか。食欲があるか。
  • 飼育環境: ケージが清潔に保たれているか、適切な温度・湿度が維持されているか。
  • 情報開示: 出生年月日、血統、親の情報、これまでの健康状態などを明確に教えてくれるか。
  • アフターサポート: お迎え後の相談に乗ってくれるか、適切なアドバイスをくれるか。

実際に足を運び、飼育環境や個体、そして販売者の人柄を直接確認することをおすすめします。

お迎え前チェックリスト|準備すべきことと心構え

スローロリスをお迎えする前に、以下の項目をチェックし、物理的・精神的な準備を整えましょう。

  • 飼育スペースの確保: スローロリス専用のケージを設置する十分なスペースがありますか?夜行性なので、日中静かに休める場所かを確認しましょう。
  • 環境設備の準備: ケージ、ヒーター、加湿器、紫外線ライト、温湿度計など、必要な飼育器具は全て揃っていますか?
  • 食事の準備: 適切な食事(昆虫、果物、専用フードなど)は手に入りますか?
  • 緊急時の医療機関の確保: エキゾチックアニマルを診てくれる獣医師は近くにいますか?事前に連絡を取り、いざという時の対応を確認しておきましょう。
  • 家族の理解と協力: 家族全員がスローロリスの飼育に同意し、協力体制ができていますか?
  • 長期的な責任: スローロリスは平均寿命が10年以上です。その間、継続して適切なケアと費用を提供できますか?

これらの準備を怠ると、スローロリスに不要なストレスを与えたり、飼育放棄に繋がる可能性もあります。すべてをクリアして初めて、スローロリスを安心して迎え入れることができます。

スローロリスが快適に過ごす飼育環境の作り方

スローロリスの飼育において、最も重要な要素のひとつが適切な飼育環境の構築です。

彼らは野生下で熱帯林に生息しているため、日本の一般的な家庭環境とは大きく異なります。温度や湿度、ケージの広さ、レイアウトなど、細部にわたる配慮が、スローロリスの健康とストレス軽減に直結します。

快適な環境は彼らが安心して生活し、本来の行動を示すために不可欠です。ここでは、スローロリスが快適に過ごせる理想的な飼育環境の作り方を具体的に解説していきます。

最適なケージの選び方と設置場所

スローロリスのケージは、彼らが十分な運動ができ、ストレスなく過ごせる広さを確保することが重要です。一般的に、高さのある網目のケージが推奨されますが、脱走防止のため網目の間隔には十分注意が必要です。

設置場所は、直射日光が当たらず、風通しが良く、かつ静かで落ち着ける場所を選びましょう。リビングなどの人通りの多い場所は避け、彼らが日中安心して休めるような配慮が必要です。

また、夜行性であることを考慮し、夜間の活動を妨げない照明計画も大切になります。

ケージの素材と大きさの基準

スローロリスのケージは、金属製のワイヤーケージが一般的ですが、網目の隙間から指などを挟まないよう、目の細かいものを選ぶことが大切です。

推奨されるケージのサイズは、最低でも高さ90cm×幅60cm×奥行き60cm以上ですが、より広い空間を提供できるに越したことはありません。

活動量の多い夜間でも、ケージ内で十分に動き回れるスペースを確保することで、ストレスの軽減や運動不足の解消に繋がります。ケージの底部は、糞尿の清掃がしやすいように引き出し式のトレイがあるものが便利です。

温度・湿度の管理方法と必要な器具(加湿器・ヒーターなど)

スローロリスは熱帯気候の動物であるため、温度25~28℃、湿度60~80%が理想的な飼育環境です。この環境を維持するために、以下のような器具が必要になります。

  • ヒーター: ケージ内の温度を一定に保つためのパネルヒーターや暖突など。
  • 加湿器: 乾燥を防ぎ、適度な湿度を保つためのもの。
  • 温湿度計: ケージ内の温度と湿度を常に確認するために必須。
  • サーモスタット: ヒーターと接続し、設定温度を自動で調整するもの。

特に冬場やエアコン使用時は乾燥しやすいため、湿度管理は徹底しましょう。急激な温度変化や乾燥は、スローロリスの体調不良に直結するため注意が必要です。

ストレス軽減に繋がるレイアウトと隠れ家の設置

ケージのレイアウトは、スローロリスのストレス軽減に大きく影響します。彼らは夜行性で臆病な性格のため、身を隠せる場所を複数設けることが重要です。

  • 登り木や止まり木: 天然木や園芸用支柱などを斜めに設置し、立体的な活動スペースを確保します。
  • 隠れ家: 木のうろやシェルター、布製のポーチなどを設置し、安心して休める場所を提供します。複数用意し、その日の気分で選べるようにすると良いでしょう。
  • 人工植物: ケージ内に配置することで、視覚的な安心感を与えることができます。

レイアウトは定期的に変えることで、環境に刺激を与え、行動のバリエーションを増やす効果も期待できますが、急激な変更はストレスになるため、少しずつ行いましょう。

衛生的で安全な環境を保つための掃除と消毒

清潔な飼育環境は、スローロリスの健康維持に欠かせません。毎日の清掃と定期的な消毒を徹底しましょう。

  • 毎日の清掃:
    • 食べ残しの除去
    • 糞尿の処理
    • 給水器の水の交換と洗浄
  • 週に一度の清掃:
    • ケージ全体の拭き掃除
    • 床材や止まり木の交換・洗浄
  • 月に一度の大掃除:
    • ケージ全体と飼育器具の徹底的な洗浄・消毒

消毒には、ペットにも安全な成分の消毒液を使用し、残留がないよう十分に洗い流し、乾燥させてから戻しましょう。不衛生な環境は、病気の原因となるだけでなく、悪臭の発生にも繋がるため、日々の管理が非常に大切です。

健康維持の要!スローロリスの正しい食事と与え方

スローロリスの長期的な健康を保つためには、適切な食事と与え方が不可欠です。彼らは雑食性ですが、野生下で摂取する栄養素を家庭環境で再現するのは容易ではありません。

誤った食事は栄養不足や肥満、さらには様々な病気の原因となることがあります。

ここでは、スローロリスの健康を支えるための、バランスの取れた食事の選び方、与え方、そして注意すべき点について詳しく解説します。彼らの食性と栄養要求を理解し、愛情を込めてケアしましょう。

栄養バランスを考えた主食と副食の選び方

スローロリスの食事は、野生の食性に近づけるために、さまざまな種類の食材をバランス良く与える必要があります。主に昆虫、果物、野菜、そして専用のフードを組み合わせて与えます。

  • 主食: 昆虫(コオロギ、ミルワームなど)は良質なタンパク源であり、スローロリスの消化に適しています。活き餌を与えることで、狩りの本能を満たすこともできます。
  • 副食: 多様な種類の果物(バナナ、リンゴ、ブドウなど)や野菜(小松菜、カボチャ、ニンジンなど)を少量ずつ与え、ビタミンやミネラルを補給します。糖分の多い果物は与えすぎに注意が必要です。
  • サプリメント: カルシウム不足になりやすいため、爬虫類用のカルシウム剤やビタミン剤を昆虫にダスティングして与えることも検討しましょう。

食事の量は個体差や活動量によって調整が必要です。毎日同じ量を与えるのではなく、スローロリスの体重や健康状態を見ながら調整しましょう。

昆虫、果物、野菜の適切な種類と量

スローロリスに与える昆虫は、コオロギやミルワームが一般的です。栄養価が高く消化もしやすいため、主食の一部として毎日少量与えましょう。

果物は、バナナ、リンゴ、ブドウ、メロンなどが好まれますが、与えすぎると糖尿病などの原因になるため、少量に留めます。

野菜は、小松菜、カボチャ、ニンジン、ブロッコリーなど、彩り豊かなものを細かく刻んで与えましょう。

食材カテゴリ具体例与え方のポイント
昆虫(主食)コオロギ、ミルワーム毎日少量、カルシウム剤をダスティング
果物(副食)バナナ、リンゴ、ブドウ週に2~3回、少量、糖分に注意
野菜(副食)小松菜、カボチャ、ニンジン毎日少量、細かく刻んで与える

これらの食材を組み合わせ、飽きさせないように工夫することも大切です。

市販の専用フードと手作り食のバランス

市販のスローロリス専用フードは、栄養バランスが考慮されて作られており、手軽に与えられるという利点があります。

しかし、種類が少ないことや、個体によっては食いつきが悪い場合もあります。そのため、専用フードを基本としつつ、上記の昆虫や果物、野菜などの手作り食を組み合わせて与えることが、より理想的な栄養管理に繋がります。

手作り食のみにすると栄養が偏るリスクがあるため、専用フードをうまく活用し、必要な栄養素をバランス良く摂取させることを意識しましょう。新しい食材を与える際は、少量から試し、体調に変化がないか注意深く観察することが大切です。

給水方法と新鮮な水を与える重要性

スローロリスにとって、新鮮な水の供給は食事と同様に非常に重要です。脱水は命に関わることもありますので、常に清潔な水が飲める環境を整えましょう。

  • 給水器の種類: 給水ボトル(吸水器)や、皿型の水入れをケージ内に複数設置するのが一般的です。どちらか一方だけでなく、両方用意すると、スローロリスが好きな方法で水を飲めます。
  • 水の交換頻度: 毎日、新鮮な水に交換し、給水器自体も毎日洗浄して清潔を保ちましょう。ヌメリやカビは病原菌の温床となります。
  • 湿度との関係: 食事から水分を摂取することもありますが、特に乾燥しやすい環境では、飲水量が増える傾向にあります。常にケージ内の湿度にも気を配りましょう。

スローロリスがきちんと水を飲んでいるか、毎日のチェックを欠かさないようにしてください。

食欲不振や偏食への対処法

スローロリスが急に食欲不振になったり、特定の食事しか食べなくなったりすることは珍しくありません。これはストレス、環境の変化、病気などさまざまな原因が考えられます。

  • 環境の確認: まず、ケージの温度、湿度、レイアウトなど、環境に変化がなかったか、ストレス要因がないかを確認します。
  • 食事の工夫: いつもの食事に加えて、嗜好性の高い果物(少量)、蜜、サプリメントなどを試してみるのもひとつの方法です。しかし、偏食にならないよう、あくまで一時的なものとしましょう。
  • 体調の観察: 食欲不振が続く場合や、下痢、嘔吐、活動量の低下など他の症状が見られる場合は、すぐにエキゾチックアニマルを診られる動物病院に相談してください。

食欲は健康のバロメーターです。早期に異変に気づき、適切に対処することが、スローロリスの健康を守る上で非常に重要となります。

スローロリスの毎日のケアとコミュニケーション

スローロリス

スローロリスは非常に繊細な生き物ですが、適切な毎日のケアとコミュニケーションを通じて、彼らとの信頼関係を築くことができます。日々の観察は、体調の変化やストレスの兆候を早期に発見するために非常に重要です。

また、過度な触れ合いは避けつつ、スローロリスのペースに合わせた穏やかな接し方を心がけることで、彼らは安心して暮らせるようになります。

ここでは、スローロリスの健康を維持し、より良い関係を築くための具体的なケアとコミュニケーションの方法をご紹介します。

日常の健康チェックポイントと異変のサイン

毎日の健康チェックは、スローロリスの異変を早期に察知し、重症化を防ぐために欠かせません。以下のポイントを重点的に観察しましょう。

  • 食欲と飲水量: いつも通り食事をしているか、水を飲んでいるか。残量や便の量も確認しましょう。
  • 目と鼻: 目やにが出ていないか、充血していないか。鼻水が出ていないか、呼吸に異常がないか。
  • 被毛と皮膚: 毛並みにツヤがあるか、抜け毛が異常に多くないか。皮膚に赤み、腫れ、ただれなどがないか。
  • 行動: いつもより活動的か、逆に元気がなくじっとしていることが多いか。動きに異常はないか。
  • 糞尿: 色、形、量、匂いに異常がないか。下痢や便秘は特に注意が必要です。

これらのサインに気づいたら、すぐに専門家へ相談してください。

爪切りやブラッシングなど定期的なケアの方法

スローロリスの健康維持には、日常の観察に加え、定期的な身体のケアも必要です。

  • 爪切り: スローロリスの爪は伸びすぎると、ケージに引っかかったり、自分や飼い主を傷つけたりする可能性があります。専用の爪切りを使い、血管を切らないよう慎重に行いましょう。難しい場合は獣医師に依頼するのが安全です。
  • ブラッシング: 定期的なブラッシングで抜け毛を取り除くことで、皮膚病の予防や毛玉の誤飲を防げます。特に換毛期には念入りに行いましょう。
  • 歯のチェック: 歯周病予防のため、定期的に歯の状態を確認することも大切です。

これらのケアは、スローロリスがリラックスしている時に、無理のない範囲で行うことが重要です。嫌がる場合は無理強いせず、少しずつ慣らしていくか、専門家にお願いしましょう。

スローロリスとの信頼関係を築くための接し方

スローロリスは非常に繊細でストレスを感じやすい動物です。彼らとの信頼関係を築くには、焦らず、彼らのペースを尊重することが最も大切です。

  • 優しく、静かに接する: 大声を出したり、急に触ったりせず、常に穏やかに接しましょう。
  • 無理な触れ合いは避ける: スローロリスは抱っこや過剰なスキンシップを好まない個体が多いです。彼らが自ら近づいてくるのを待ち、嫌がるそぶりを見せたらすぐにやめましょう。
  • 食事を使ったコミュニケーション: 彼らが安心しているときに、手から食事を与えることで、徐々に信頼関係を築くことができます。
  • 一貫したルーティン: 毎日同じ時間に食事を与え、ケージの清掃を行うなど、規則正しい生活を送らせることで、安心感を与えられます。

彼らの個性を理解し、尊重することが、長く幸せに共生するための第一歩です。

スローロリスを病気と怪我から守る!健康管理と病院選び

スローロリス

スローロリスは体が小さく、病気や怪我に弱いデリケートな動物です。また、エキゾチックアニマルであるため、診察できる動物病院が限られているのが現状です。

そのため、日頃からの徹底した健康管理と、緊急時に迅速に対応できる病院の確保が、彼らの命を守る上で極めて重要になります。

ここでは、スローロリスがかかりやすい病気や、いざという時に頼れる専門医の見つけ方、そして健康維持のための定期健診について詳しく解説します。

スローロリスがかかりやすい病気と症状

スローロリスは、不適切な飼育環境やストレス、栄養の偏りなどからさまざまな病気にかかりやすい傾向があります。特に注意すべき病気とその症状は以下の通りです。

  • 消化器系の疾患: 下痢、便秘、食欲不振、嘔吐など。不適切な食事やストレスが原因となることが多いです。
  • 呼吸器系の疾患: 鼻水、くしゃみ、呼吸困難など。特に風邪をこじらせると肺炎に発展することもあります。温度・湿度管理の不徹底が主な原因です。
  • 皮膚病・寄生虫: 痒み、脱毛、皮膚の炎症など。不衛生な環境や外部寄生虫が原因です。
  • 骨軟化症: 骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気。カルシウムやビタミンD3の不足が原因です。
  • 歯周病: 歯茎の炎症や出血、歯のぐらつきなど。食事内容や口腔ケア不足が原因で起こりやすいです。
  • ストレス性疾患: 自傷行為、脱毛、活動量の低下など。環境の変化や過度な刺激が引き金になります。

これらの症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。

エキゾチックアニマル専門医の見つけ方と選び方

スローロリスを診察できる動物病院は非常に限られています。一般的な犬猫を診る動物病院では、エキゾチックアニマルに関する専門知識や設備がない場合がほとんどです。

  • インターネット検索: 「スローロリス 診察」「エキゾチックアニマル 獣医 [お住まいの地域]」などで検索し、専門医をリストアップしましょう。
  • ペットショップやブリーダーに相談: お迎え時に、信頼できる病院の情報を教えてもらうのも良い方法です。
  • 獣医師会のウェブサイト: 各地の獣医師会が、専門分野別の動物病院リストを公開している場合があります。
  • 選ぶ際のポイント:
    • 診察実績: スローロリスや他のエキゾチックアニマルの診察経験が豊富か。
    • 設備: エキゾチックアニマルに対応した検査機器や手術設備があるか。
    • 説明の丁寧さ: 飼い主の質問に丁寧に答え、治療方針を分かりやすく説明してくれるか。

緊急時に備え、お迎えが決まったらすぐに複数の病院をリストアップし、事前に連絡を取っておくことを強くお勧めします。

定期健診の重要性と緊急時の対応

スローロリスの健康を維持し、病気を早期発見するためには、定期的な健康診断が非常に重要です。

年に1~2回は動物病院で診察を受け、体重測定、視診、触診、必要に応じて血液検査や糞便検査などを行いましょう。これにより、飼い主だけでは気づきにくい体内の異変を早期に発見できる可能性があります。

項目内容目的
体重測定定期的に体重を測り、記録する栄養状態や病気の早期発見に繋がる
視診・触診全身を目と手で確認し、異変がないか診る外傷、腫れ、皮膚病などの発見
血液検査血液の状態を調べる貧血、炎症、内臓疾患などのチェック
糞便検査寄生虫の有無などを調べる消化器系の健康状態の把握

もし体調が急変した場合は、迷わずすぐに病院へ連絡し、指示を仰ぎましょう。日頃から準備しておくことで、スローロリスの命を守ることに繋がります。

スローロリスの気になる飼育費用|初期費用とランニングコスト

スローロリスをお迎えするにあたり、最も気になることのひとつが飼育にかかる費用ではないでしょうか。

生体価格の高さに加えて、飼育環境を整えるための初期費用や、日々の食事代、医療費といったランニングコストも考慮に入れる必要があります。

これらの費用を事前に把握し、無理なく継続して負担できるかを検討することは、後悔しない飼育に繋がります。

ここでは、スローロリスの飼育にかかる具体的な費用について、初期費用とランニングコストに分けて詳しく解説します。

生体価格以外の初期費用(ケージ、器具、初診料など)

スローロリスの生体価格は非常に高額ですが、それ以外にもお迎え時にまとまった初期費用が必要となります。これらの費用は、快適で安全な飼育環境を整えるために欠かせない投資です。

  • ケージ: 適切なサイズの金属製ケージ(目安:1.5万円~5万円以上)
  • 飼育器具:
    • ヒーター、サーモスタット(温度管理用):1万円~3万円
    • 加湿器(湿度管理用):5千円~1.5万円
    • 温湿度計:2千円~5千円
    • 給水器、食器:2千円~5千円
    • 登り木、隠れ家、床材など:5千円~1万円
  • 初診料・健康チェック: お迎え直後の健康チェックや、法的な登録に必要な診断書の費用(5千円~1万円)
  • 登録申請費用: 特定動物飼育の許可申請にかかる費用(自治体による)

これらを合計すると、生体価格とは別に約5万円~15万円以上の初期費用がかかると見込んでおくべきでしょう。

年間ランニングコストの内訳(食事代、電気代、医療費など)

スローロリスの飼育は、初期費用だけでなく、日々の維持にも継続的なコストがかかります。特に温度・湿度管理が必要なため、電気代は一般的なペットよりも高くなる傾向があります。

  • 食事代: 主食となる昆虫や専用フード、果物、野菜など(月5千円~1万円)
  • 電気代: ケージ内の温度・湿度管理に必要なヒーターや加湿器の電気代(月3千円~1万円以上、季節や地域による)
  • 医療費: 定期健診費用(年1万円~2万円)、万が一病気になった場合の治療費や薬代(数千円~数万円以上)
  • その他: 床材や消毒液などの消耗品、ケージの買い替え費用など(月1千円~3千円)

これらのランニングコストを合計すると、年間で約10万円~20万円以上は必要となるでしょう。長期的な視点での費用計画が重要です。

スローロリスを飼育する上で注意すべきこととよくあるトラブル

愛らしいスローロリスですが、その飼育には特有のリスクと注意点が存在します。

野生動物としての本能や、特定動物に指定されていることによる危険性を理解し、適切な対策を講じることが、飼い主とスローロリス双方の安全を守る上で不可欠です。

また、知識不足や安易な気持ちで飼育を始めることは、思わぬトラブルや後悔に繋がる可能性があります。ここでは、スローロリス飼育で特に注意すべき点と、万が一の事態に備えた対処法について解説します。

特定動物としての危険性(毒性、咬傷)とその対策

スローロリスは、その愛らしい見た目とは裏腹に、毒を持つ動物です。肘の内側に毒腺を持ち、分泌物を毛に塗りつけたり、唾液と混ぜて咬傷時に毒を注入したりすることが知られています。

咬まれると、痛みや腫れ、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。そのため、安易に素手で触れるのは避け、軍手や厚手のグローブを使用するなど、咬傷対策を徹底しましょう。

また、彼らは強い顎と鋭い歯を持つため、咬まれると深い傷になることもあります。これは特定動物に指定されている理由のひとつでもあります。

安易な気持ちで飼育を始めると後悔する理由

スローロリスはペットとしての人気が高まっている一方で、「可愛い」という安易な気持ちだけで飼育を始めると、多くの飼い主が後悔する可能性があります。その主な理由は以下の通りです。

  • 高額な費用: 生体価格に加え、初期設備費用や維持費が非常に高額です。
  • 専門的な知識と手間: 特定動物としての法規制、デリケートな生態に合わせた飼育環境の維持、専門医の確保など、一般的なペットにはない専門知識と手間が必要です。
  • 夜行性による生活サイクルの違い: 飼い主と生活リズムが合わないため、触れ合う時間が限られます。
  • 独特の習性: 毒を持つこと、神経質な性格、あまり懐かない個体もいることなど、飼育前に知っておくべき特性があります。

これらの現実を理解せずにお迎えすると、ストレスや金銭的負担から飼育放棄に繋がりかねません。

もしもの時の対処法|脱走、体調急変など

スローロリスの飼育では、予期せぬトラブルが発生することもあります。万が一の事態に備え、冷静に対処できるよう準備しておくことが重要です。

脱走時

スローロリスは身体能力が高く、狭い隙間からも脱走する可能性があります。日頃からケージの施錠を徹底し、万が一脱走した場合は、すぐに動物取扱業の許可を受けている自治体や警察に連絡しましょう。夜行性のため、暗くなってから行動を開始することが多いので、夜間に捕獲を試みるのが効果的です。

体調急変時

食欲不振、下痢、嘔吐、呼吸困難など、普段と違う異変が見られたら、すぐにエキゾチックアニマル専門の動物病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。緊急時のために、事前に連絡先と診療時間を把握しておくことが必須です。

これらの対策を講じることで、スローロリスの命を守り、飼い主としての責任を果たすことができます。

【Q&A】スローロリスの飼い方に関するよくある疑問

スローロリスの飼育を検討している方や、すでに飼育している方から寄せられる疑問は多岐にわたります。

特に、その独特の生態や性格から、「なつくのか?」「匂いは?」「留守番は大丈夫?」といった具体的な質問が多く聞かれます。

ここでは、スローロリスの飼い方に関してよくある疑問にQ&A形式で回答し、皆さんの不安や疑問を解消できるよう分かりやすく解説していきます。

スローロリスはなつく?

「スローロリスはなつくのか?」という質問は非常に多く聞かれますが、結論から言うと、犬や猫のように積極的に「なつく」という感覚とは少し異なります。

スローロリスは非常にデリケートで臆病な性格であり、本来は単独で生活する動物です。人間に馴れるまでには時間がかかり、個体差も非常に大きいです。

中にはほとんど馴れない個体もいますし、特定の飼い主には慣れても、他の人には警戒する傾向があります。

無理な接触はストレスを与える原因となるため、彼らのペースを尊重し、優しく見守る姿勢が大切です。過度なスキンシップを期待せず、彼らのありのままの姿を受け入れることで、穏やかな共生が可能です。

スローロリスの鳴き声や匂いは?集合住宅でも飼える?

スローロリスの鳴き声はほとんどなく、非常に静かです。大きな鳴き声で近隣に迷惑をかける心配は少ないでしょう。しかし、興奮したりストレスを感じたりすると、小さな鳴き声を発することもあります。

匂いについては、体臭はほとんど気になりませんが、肘の内側から分泌される毒液には独特の匂いがあります。これは縄張りのマーキングや防御のために使われます。定期的なケージの清掃と適切な湿度管理を徹底すれば、匂いの問題は最小限に抑えられます。

これらの点から、集合住宅での飼育も不可能ではありませんが、温度・湿度管理のための空調音が気になる可能性や、万が一の脱走対策をより厳重にする必要があるでしょう。

スローロリスは留守番はできる?旅行時の対策は?

スローロリスは繊細な動物であり、長時間の留守番は基本的に推奨されません。特に幼体や体調を崩しやすい個体の場合は、常に目が行き届く環境が望ましいです。

項目長時間留守番のリスク対策
体調不良急な体調変化に気づけない監視カメラの設置、タイマー給餌器の検討
環境変化空調トラブルなどによる温度・湿度の急変温湿度計の設置、予備電源の確保
脱走ケージの不備による脱走、事故の可能性ケージの厳重な施錠、脱走防止対策の徹底
精神的ストレス長時間の一人ぼっちでストレスを感じる場合がある短時間の留守番から慣らす、隠れ家を複数設置

旅行など長期で家を空ける場合は、エキゾチックアニマルに対応できるペットホテルを利用するか、信頼できる人に自宅で世話をしてもらうなどの対策が必要です。知見のない人に任せるのはリスクが高いので、必ず専門家や経験者に相談しましょう。

スローロリスとの幸せな共生のために

スローロリスと長く幸せに共生するためには、日々の飼育だけでなく、飼い主としての深い理解と責任感が不可欠です。

彼らは愛らしい姿をしていますが、その生態やデリケートな性質を理解せずにお迎えすると、スローロリスにとって大きな負担となりかねません。

本記事で解説してきた飼育方法を実践することはもちろん、彼らの命を預かる者として、常に学び続ける姿勢が大切です。

ここでは、スローロリスとの絆を深め、より豊かな飼育生活を送るために、飼い主として心掛けるべきことや、情報共有の場であるコミュニティの重要性についてお伝えします。

飼い主としての責任と倫理

スローロリスを飼育するということは、単にペットを飼うという以上の、重い責任と倫理的な配慮が求められます。彼らは希少な野生動物であり、その飼育は日本の法律で厳しく規制されています。

終生飼育の義務

一度家族に迎えたら、その生涯にわたって適切な環境とケアを提供し続ける責任があります。スローロリスの寿命は平均10年ほどと長く、その間、愛情と手間、そして費用を惜しまずに世話をする覚悟が必要です。

生態への理解と尊重

スローロリスが本来持つ夜行性や繊細な性格、毒を持つなどの特性を理解し、彼らのストレスを最小限に抑える飼育環境を整えましょう。過度なスキンシップや人間の都合を押し付けることは、彼らにとって大きな負担となります。

違法取引の防止

絶滅危惧種であるスローロリスの違法取引は、野生個体数の減少に拍車をかけます。必ず正規のルートで、健康な個体をお迎えし、違法な飼育や売買に加担しないようにしましょう。

周囲への配慮

スローロリスは特定動物であり、脱走などの事故は近隣住民に危険を及ぼす可能性があります。厳重な脱走防止対策を講じ、常に安全を最優先に行動しましょう。

これらの責任と倫理を常に心に留め、スローロリスと誠実に向き合うことが、真の共生へと繋がります。

スローロリスを愛するコミュニティとの交流

スローロリスの飼育は専門的な知識が求められるため、飼育者にとって情報交換や悩みを共有できるコミュニティは非常に貴重な存在です。

同じスローロリスを愛する人々との交流は、飼育の知識を深めるだけでなく、精神的な支えにもなります。

オンラインフォーラムやSNSグループ

スローロリス愛好家が集まるオンラインコミュニティやSNSグループに積極的に参加しましょう。ここでは、飼育に関する疑問や困り事を質問したり、成功体験や工夫を共有したりできます。最新の飼育情報、エキゾチックアニマル専門医の情報、緊急時のアドバイスなども得られる場合があります。

ブリーダーや専門店との関係維持

お迎え後も、信頼できるブリーダーや専門店と良好な関係を維持し、困った時に相談できる体制を築いておくことは非常に重要です。彼らは豊富な経験と知識を持っており、適切なアドバイスを提供してくれるでしょう。

オフラインでの交流会

もし可能であれば、地域で行われるエキゾチックアニマルのイベントや、飼育者同士のオフライン交流会に参加してみるのも良い経験になります。

実際に飼育している人々の生の声を聞くことで、ウェブサイトや書籍だけでは得られない具体的な情報や、共感を得られることがあります。

これらの交流を通じて、スローロリスの飼育に関する知識を深め、飼い主としての自信を育むだけでなく、同じ情熱を持つ仲間との繋がりは、飼育生活をより豊かなものにしてくれるはずです。

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