私たち人間にとって好ましい匂いの中には、猫にとってみれば嫌な匂いになっていることもあります。
「良い匂い」は人と猫とでは異なるため、愛猫に嫌われないよう、猫の嫌がる匂いが何かを知っておくと良いです。
もしかしたら愛猫に嫌われている理由のひとつになっているかもしれない、猫の嫌がる匂いとはなにか。
特に日常生活において遭遇しやすい、猫が嫌いな匂いを厳選してご紹介していきます。
この記事の結論
- 猫の嗅覚は人間と比べて、数万から数十万倍は優れていると言われている
- 人間社会には猫にとって苦手に思えるものがたくさん溢れている
- 人が感じ取ることができない匂いでも、猫は強く感じ取ることができる
- 柑橘系、香辛料、メントールやタバコの匂いは特に猫が嫌う匂い
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猫は匂いにとても敏感な動物
犬や猫はとても匂いに敏感な動物で、猫も犬ほどではありませんが人間以上に嗅覚が優れています。
猫の嗅覚は人間の数万倍から数十万倍と言われており、より正確かつ強く匂いを感じることができるのです。
人にとって感じ取ることができないような匂いであっても、猫にしてみれば感じ取ることができる、ということ。
ということは、人にとって感じられる匂いであれば、猫にとって非常にきつい匂いである、とも言えます。
匂いに敏感な動物だからこそ、人だけが快適に過ごせる空間ではなく、愛猫も快適に過ごせる空間を作ってあげなければいけません。
猫の嫌いな匂い10選
実は猫が嫌う匂いは、私たち人間が生活している空間にたくさん溢れています。
私たちが「良い匂い」だと思っていても、それが猫にとってはストレスになっている可能性も。
どんな匂いが苦手なのかを知ることで、できる限りのストレスを軽減してあげることができるでしょう。
No.1 柑橘系の匂い
猫にとって中毒症状を引き起こす原因にもなっている、レモンやみかん、グレープフルーツなどは嫌いな匂いです。
これらの柑橘系の匂いは、猫にとって腐った肉を連想させるというのがひとつの理由。
そしてこれら柑橘系の皮にはリモネンという成分が含まれており、このリモネンを猫は分解できないため、嫌いな匂いに繋がっています。
No.2 香辛料の匂い(唐辛子、胡椒、カレー粉など)
唐辛子や胡椒、カレー粉などのスパイス類は、猫が嫌いな匂いのひとつです。
香辛料はとにかく匂いが強く、嗅覚が優れている猫にとって強すぎる匂いなのです。
誤って食べてしまうと嘔吐や下痢に加えて、胃腸炎などの病気を引き起こすこともあるためです。
No.3 メントールの匂い(ミント、ハッカなど)
メントールも鼻にツンと来る匂いなので、猫にとっては非常に刺激の強い匂いになっています。
また、メントールについても柑橘系同様、肉の腐敗臭を連想させることも理由だと言われています。
メントールについてはハーブ系だけでなく、湿布なども同様の匂いなので猫は嫌がります。
No.4 タバコの匂い
人にとっても有害なタバコですが、当然その匂いを嫌う人は多いはず。これは猫も同様ということです。
煙に含まれる有害物質は猫にとっても有害で、匂いに限らず副流煙についても注意が必要。受動喫煙になってしまいます。
猫は自分の体をキレイに舐め取るグルーミングをする習性があるので、喫煙者のいる家庭では口腔がんや悪性リンパ腫になるリスクが数倍高いという報告もあるほど。
これを三次喫煙と言いますが、悪性リンパ腫のリスクは2.4倍、家庭内での受動喫煙が5年以上になると3.2倍に跳ね上がるという報告もあります。
物理的に避けられるほかのものとは違い、空気が汚染されるということを理解する必要があるでしょう。
No.5 香水・芳香剤・柔軟剤の匂い
猫カフェを訪れる際には注意点としても記載されている、香水は猫にとって非常に強い匂いです。
これと同じく、室内に置きがちな芳香剤、多くの人が使っているであろう柔軟剤も苦手な匂いだと言われています。
匂いが単純に強いというだけでなく、猫にとって有害な成分が含まれているために、苦手としています。
香水や芳香剤は意図せず匂いがついてしまうこともあるので、帰宅時には早めに着替えておくと愛猫も安心するでしょう。
No.6 コーヒーの匂い
コーヒーに含まれるカフェインは猫にとって有害なので、苦手としている匂いです。
カフェインは緑茶や紅茶などにも多く含まれていますが、強い匂いでもあるのがコーヒーです。
「コーヒー好きで毎日飲んでいる」という人もいるとは思いますが、愛猫と距離を取ってあげると良いです。
ただ、興味を持って近づいてくることもあるので、誤飲しないように注意してください。
No.7 樟脳・ナフタリンの匂い
樟脳やナフタリンは防虫剤として使用されるもので、樟脳はメントールのように清涼感のある匂い。ナフタリンは消毒液のような匂いです。
いずれも誤飲してしまうと危険なものなので、本能的に嫌っている匂いだとも言えます。
なかなか誤飲に繋がるような機会はないと思いますが、愛猫が寝室やクローゼットに入れる環境だと注意が必要です。
No.8 食用酢・木酢液の匂い
お酢の匂いも柑橘系の匂いと似ているため、本能的に腐敗臭だと感じて苦手とします。
お酢自体を少量舐めてもすぐに問題があるわけではありませんが、お酢には穀物を中心とした穀物酢や、添加物が多数入っている可能性があります。
そもそも飲みたがらないとは思いますが、仮に大量に飲んでしまうと体に負担をかけることになります。
No.9 お線香の匂い
お線香は直接的に有害とされている成分は多くないものの、中には有害なものもあります。
誤飲はもちろんのこと、その匂いによって嫌う子もいます。
お線香の本来の用途は芳香剤のようなものではないものの、「匂いが好きだから」といって愛猫のいる空間では使わない方が安全です。
No.10 男性の汗の匂い
2014年に発表された『Nature Mathod』によると、男性の体臭は哺乳類全般にとって苦手な匂いだと発表されました。
この実験ではわかりやすい体臭として男性の汗の匂いが使われており、強い生理的ストレス反応を誘発したとのこと。
つまり猫だけではなく、多くの哺乳類にとって男性の汗の匂いや体臭は苦手としているそうなのです。
ただ、これはあくまでも見知らぬ人の匂いのことで、慣れ親しんだ飼い主さんの匂いはその限りではありません。
そもそも人間の汗の匂いは猫にとってフェロモンのようなものだと感じ、どちらかと言えば好きだという子も多いですよ。
猫の嫌いな匂いの効果的な使い方
飼い主さんとしては、『愛猫の嫌いな匂いを使う』という考え方はないかもしれません。
ですが、使い方にとっては効果的な使い方もあり、必ずしもNGというわけでもないのです。
ここでは代表的ないくつかの使い方をご紹介します。
入ってはいけない場所への侵入対策
猫に対しては犬のように徹底したしつけが難しく、基本的には「できないように対策をする」ということが飼い主さんに求められます。
つまり、飼い主さんが言って聞かせるということではなく、そもそもできないようにするということが大切。
特に危険の伴うキッチン、お風呂場、玄関先など、事故や脱走に繋がる場所には入れないようにしておく方が良いでしょう。
こうした場所や入口に猫の苦手な匂いのするものを置いておくことで、侵入を防ぐことができるようになります。
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誤飲を防ぐための対策
しつけ用のスプレーなども販売されていますが、苦手な匂いや味のするものは口に入れることが少ないでしょう。
絶対になくなるとは言えませんが、誤飲しそうなものに匂いをつけておくことで誤飲を防ぎます。
ただし、猫にとって中毒になるものは使わないことを前提として、使うものは安全なものを選ぶ必要もあります。
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猫の嫌いな匂いを導入する際の注意点
場合によっては効果的な使い方もできますが、必ずしも安全とは言えません。
猫の嫌がることを環境のひとつとして導入するわけですから、注意点を理解して導入する必要があります。
虐待にあたるような使い方には注意
しつけと称して猫の嫌がる匂いを愛猫自身につけたり、追いかけ回すような行為は当然NG。
あくまでも猫の嫌がる匂いを使う以上は、使い方次第では虐待にあたる可能性があります。
飼い主さん自身もヒートアップしてしまうと、虐待に繋がるような行為になるかもしれません。
少なくとも嫌な匂いを嗅ぐことは、猫にとってストレスになることだと覚えておきましょう。
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猫にとって中毒になるものは使わない
生活の中で簡単に手に入りやすいものといえば、オレンジやみかんなどの柑橘系です。
これらの柑橘系の皮にはリモネンという成分が含まれており、猫の中毒症状を引き起こすと言われています。
また、タバコや芳香剤なども注意が必要で、使い終わって時間の経ったものは匂いが薄くなっている可能性もあります。
誤って口に入れてしまうことがないよう、使い方には十分な注意が必要です。
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飼い主さん自身の匂いと結び付けない
侵入してはいけない場所に置くとしても、その匂いを飼い主さん自身につけてはいけません。
特に注意したいのは柔軟剤や香水などで、これらは猫がとても嫌がる匂いであり、飼い主さんが嫌われる原因にもなります。
それまでは当たり前のように使っているものかもしれませんが、特に香水は匂いが強く残りがち。
家にいる間は使わないようにしたり、柔軟剤も無香料や匂いのきつくないものを選ぶのが良いでしょう。
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愛猫の専用スペースには使わない
愛猫がいつも寝ている場所や食事をする場所、自分専用のスペースには使用してはいけません。
猫にとって自分専用のスペースは、安心して生活することができる大切な場所です。
そんな場所に嫌な匂いがついてしまうと、その場所を使わなくなったり、安心できる場所がないことからストレスを溜め込むことにもなります。
イタズラをされたとしても、猫にとって安心できる場所を侵してはならないので、使い方には注意しましょう。
この記事の執筆者
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