ペット用品は思い出のあるものも多く、なかなか手放せないという人も少なくないのではないでしょうか。
そういったものの中でも、洋服はその子ごとのトレードマークであり、その当時の思い出が蘇る大事なアイテム。
もしその子が亡くなってしまっても、何かしら他の形で残ってくれれば…という思いを形にしてくれるLovéco(ロヴェコ)というブランドを取材してきました。
今回はLovécoから実際にフラワーアレンジメントを担当している、小倉雪路(オグラユキジ)さんにお話を伺ってきました。
ライター/運営者
小学生の頃から愛犬と育ち、15年近くをともに生きてくれた経験を経て、ペットメディアのnademoをスタート。
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目次
コロナ禍を経たことでスタートしたLovécoというブランド
Lovéco(ロヴェコ )は2024年4月現在で、まだ3年目という比較的新しいブランドです。
それというのも、このブランドがスタートしたのはコロナ禍が始まり、多くの企業が苦しんでいる時期だったことはまだ記憶に新しいはず。
当時はブランドなどから「こうした洋服が作りたい」という要望に対して、作れる工場の選定や管理などを一貫して行っていたそう。
受注があれば売上があるお仕事ですが、コロナ禍によって受注も減り、「何か新しいことを始めなければならない」という思いから始まったブランドなのだそうです。
使わなくなった洋服や生地を、お花にアレンジしていく
子ども服というものは、成長するにつれて着なくなっていくもの。しかし、その思い出はいつまでも残っているものです。
その洋服を見ればその当時の情景が目に浮かぶもので、いつまでも何かしらの形にして残しておきたいと思っている人も多いはず。
「捨てるに捨てられないけれど、そのまま捨ててしまうのもなんだかな…」というものを、お部屋にも飾れておしゃれにもできるのが、Lovécoの手掛けるフラワーアレンジメントです。
SNSでの投稿などにより少しずつ知られていく
元々は大々的にやっていたわけではなく、あくまでそういった相談があったときにだけやっていた、と小倉さんは話してくれました。
「子どもの服が残っているけれど、ずっと取っておくのもなんだし、何か形にしたい」とDMなどで相談があったそう。
「お花にできますか?」という相談に、そう言われたときだけ「できますよ」と対応していたのだとか。
茎の部分が針金で作られているので、曲げると自立するような置き方のお花にも。
試しにやってみたらできてしまった…そして販売へ
フラワーアレンジメントの始まりはとても小さなところからで、付き合いのあるブランドさんから「コサージュのようなものが欲しい」という話を受けたところから。
ペーパーフラワーを作っている職人さんに相談し、出来上がったものがとても良いものだったそうです。
「自分たちでも試しに作ってみよう!」と思い、職人さんに作り方を聞いて作り始めたそうなんです。「そんなに簡単に!?」と思いますよね(笑)
しかし、そうして作られた作品を事務所内に飾るなどして、打ち合わせにくるお客さんたちが気に入り、販売するようになったそうです。
切れ端や使う布はたくさん手に入るからこそできる
洋服関係の仕事をしていると、洋服を作る過程で生まれた切れ端や、使わなくなった布などがたくさん余っていくそうです。
洋服によるフラワーアレンジメントはとても小さなパーツが多いので、これらを有効活用できるのがこのお花の良さ。
いまでは世界各国が掲げる目標のひとつ、SDGsにも繋がるお仕事になると感じられたそうです。
ここ1年ほどはとても人気が高まり、受注もかなりの件数になっているそうですよ。
今では内職のように数十名が登録して作業
Lovécoで作られるフラワーアレンジメントの一部は、内職のような形で提携している方が作っているものもあるのだとか。
実は専門の職人さんがいるわけではなく、ある程度は誰でもできるように作り方を考えているそうです。
小さいお子さんがいて、なかなか外に出てお仕事ができない人や、定年を迎えて自宅でゆっくり時間を過ごしている人などが、協力してくれているとのこと。
その他にも障害者就業・生活支援センターの方たちにも手伝ってもらい、今では総勢60~70名で作業しているそうです。
「布さえあればできます…一部以外は」
余った洋服や着なくなった洋服はたくさんあるでしょう。その中には思い出があったものや、大切にしていたものなど。
Lovécoのフラワーアレンジメントでは、布さえあれば基本的にどんなものでも対応できるとのこと。
ただ、ウィンドブレーカーやニットのような素材や、ペット用で言えばレインコートなどは、素材的に形を作るのが難しいようです。
何かしらの形として残したいものがあれば、まずは相談してみるのが良さそうですね。
本物のような魅力と、男性も「欲しい!」と思えるカジュアルさ
お花を買いに行ったことがある、という人はどれだけいるでしょうか。
お墓参りも簡易的になってきている昨今、本物のお花を買う機会はそう多くないと思います。
そうした習慣もあって、お花を置くハードルや買うハードルというのは高く感じられるかもしれません。
本物ではないからこそ良い、そんな魅力とカジュアルさも持ち合わせているのがLovécoのフラワーアレンジメントなんです。
間近で見るとわかる「欲しい!」と思わせてくれるお花
本物のお花とは違い、造花とも違う。枯れないのはもちろん、そこに詰まっているのはお花の魅力だけではありません。
一色だけで作られているものは、遠くから見れば本物のお花同然のクオリティで、最初は気付けない人もいるのではないでしょうか。
「本物のお花は枯れてしまったり、お世話もしなきゃいけない」というのがない上に、持っているアイテムを使い回せるのはなんだか嬉しいですよね。
元がお洋服なので、こうしたチェック柄のお花も作れちゃうんです。
可愛すぎないからこそ、男性も気軽に置ける
お花といえば女性人気の方が高いイメージもあると思いますが、実は3割程度のお客さんが男性なんだそう。
もちろん可愛らしいお花もたくさんありますが、それだけではなく、生地によってはおしゃれなものもたくさんあります。
男性のお部屋においてあっても違和感がないようなものもありますし、本物のお花とは違って気軽に置けます。
本物には本物の良さがありますが、その一方で、お花を部屋に飾るというハードルが下がるのが、Lovécoのフラワーアレンジメントです。
アレンジ次第でいくらでも雰囲気が変わる
布そのままでアレンジしたものも当然ありますし、ペイントすることで味が出るものもあります。
手先が器用な人だけではなく、実は不器用な人も協力してくれているのだとか。
それでもアレンジ次第でいくらでも雰囲気が変わるので、そこは最後の腕の見せ所。
どうしても時間がかかってしまうものもありますが、それだけ仕上がりにも期待ができるということですね!
Somewoofとのコラボ『メモリアルフラワー』もスタート
Somewoofが展開する『メモリアルフラワー』は、今回取材させていただいたLovécoが手掛けているお花です。
使われている素材はペット用の洋服となっており、子犬期や子猫期など、使わなくなった洋服は余ってしまいます。
また、寿命を全うしてお別れすることになった子たちの思い出品として家に残したまま…という人もいると思いますが、そうした洋服をそのままとっておくのではなく、姿形を変えて気軽に飾ることもできるようにしたのが、この『メモリアルフラワー』というプロジェクトです。
表参道のカフェで出会ったという偶然から始まったプロジェクト
この『メモリアルフラワー』が始まった経緯は、偶然の出会いだったとのこと。
表参道にあるコーヒーショップにて、Somewoofの代表である原氏がLovécoにより作られたお花をたまたま見つけ、声をかけたところから始まったそうです。
原氏は元々、「愛犬・愛猫から残されたモノで何かを作りたい」という思いがあったそうで、「これだ!」と思い声をかけたのだとか。
とんとん拍子で進み、ついに受注スタートへ
その後も担当者を経て、Lovécoの小倉さんと打ち合わせをしていき、ついに受注もスタートしたメモリアルフラワー。
小倉さんがひとつずつデザインを考え、手作りで制作していくため、ひとつ作るのに大体2~3ヶ月がかかるそうです。
ペット用の服は人間用のものと違って布の面積も小さいですし、複数を組み合わせて作るのは難易度が高い作業。
目立たせたいマークや素材がちゃんと見えるようになっていたり、通常のものとは違って茎の色も作品全体に合わせた色に変わっているのが特徴的です。
こういったペット用のお洋服が…
こんな素敵なお花に!
小倉さんが丁寧にひとつずつを作り上げているので、時間も当然かかりますし、費用も他のものとは少し高め。
だからこそ、受け取ってもらえたときに、より喜んでもらえて、そのまま飾ることもできるものにしようと考えられた備え付けの箱。
ここにもこだわりが見られ、中のお花と一緒に送ってくれるそうです(箱の色は変更になる可能性があるとのこと)。
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高齢化するペット業界でも注目のアイテムに
犬や猫などの平均寿命は年々上昇傾向にあり、長く生きてくれることが多くなりました。
その一方で、いつかは最期を迎えることになり、そのときに何ができるかを飼い主さんとしては考えることでしょう。
「何か形に残せるもの」として、ひとつの注目アイテムになるであろうメモリアルフラワー。
私自身もいつか、愛するペットとのお別れのときが来たら、きっと形に残すことでしょう。
取材終わりには、小倉さん直々に合いそうなお話を選んでくれました!(自分で選ぶのに自信がなかっただけです…。)
日本人は黄色い服を着ることが少ないらしく、黄色のお花も少ないようです。
せっかくなのでそんな貴重な黄色のお花と、男性のお部屋にも合うようなものを選んでもらいましたよ!
Lovécoの情報
公式ショップサイト | https://lovecoofficial.stores.jp/ |
https://www.instagram.com/loveco.official/ | |
https://www.facebook.com/people/Loveco/100091887424372/ |
この記事の執筆者
HIROKI SHIRAKAMI
ライター/運営者
犬との生活から始まり、「ハムスター、うさぎ、フクロモモンガ」とともに生活しています。 現在は新しい家族の愛猫クロアを迎えて、日々奮闘中。
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