穴掘りがとても得意なリス科の動物、プレーリードッグはペットとしてお迎えすることが可能な動物です。
ただ、あまりこれは知られておらず、プレーリードッグと出会える機会も少ないことから、一緒に暮らしている人はまだ少ないでしょう。
実際のところ、さまざまな規制や飼育難易度の高さから、お迎えできる人も多くありません。
そんなプレーリードッグですが、今回は生体価格の値段相場から、お迎えの方法などを詳しくまとめました。
この記事の結論
- プレーリードッグの値段相場は高くなっており、40~70万円が値段相場になっている
- 海外からの輸入が禁止されているため、日本国内で繁殖された個体のみがお迎えできる
- 体臭がある動物であり、臭腺からニオイを発したり、トイレを覚えない点に注意
- とても飼育が難しいわけではない一方、穴掘りの習性などに対応する必要がある
目次
プレーリードッグの値段相場は40~70万円

プレーリードッグは「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行令の一部を改正する政令」の施行に伴って、2003年3月1日から日本国内への輸入が禁止されています。
そのため、現在日本において出会えるプレーリードッグは、国内で繁殖された個体となっているのです。
その結果、どうしても個体数が少なくなってしまい、個体数が少ないからこそ値段相場も大きく上がってきています。
一時期は20~30万円程度であった価格帯ですが、現在では40~70万円という値段相場になっているのです。
初期費用合計の目安(お迎え時)
プレーリードッグの生体価格は非常に高額であり、それに加えて飼育ケージやその他の必需品を揃えるための費用がかかります。
項目 | 費用の目安 | 備考 |
---|---|---|
生体価格 | 400,000円~700,000円 | 国内での繁殖個体のみ流通するため高騰しています。 |
飼育ケージ | 30,000円~80,000円 | 広さや素材(金網、アクリルなど)によって価格が大きく変動します。 |
ペレット | 1,000円~3,000円 | 初期購入分。専用フードや牧草など。 |
給水器 | 1,000円~2,000円 | ケージに取り付けるタイプが一般的です。 |
食器 | 500円~1,500円 | 水用とフード用で複数用意すると良いでしょう。 |
床材 | 1,000円~3,000円 | 穴掘りの習性があるため、十分な量を準備する必要があります。 |
隠れ家 | 1,000円~3,000円 | 落ち着ける場所を提供します。 |
砂浴び場・砂 | 1,000円~2,500円 | 砂浴び容器と砂の初期購入分。 |
おもちゃ・齧り木 | 1,000円~3,000円 | ストレス解消や歯の健康のために必要です。 |
キャリーケース | 4,000円~10,000円 | 通院や災害時など、移動のために必須です。 |
初期費用合計(生体価格を除く) | 約40,500円~116,000円 | 各項目の下限・上限を単純合計した概算です。 |
初期費用合計(生体価格含む) | 約440,500円~816,000円 | プレーリードッグをお迎えする際の総費用目安です。 |
月々の維持費の内訳と合計目安
一度飼育を始めると、毎月継続して発生する費用があります。
項目 | 費用の目安(月額) | 備考 |
---|---|---|
ペレット・牧草など | 2,000円~4,000円 | 食事量や与える種類によって変動します。 |
床材・敷材 | 1,000円~2,000円 | 交換頻度や使用量によって変動します。 |
砂(砂浴び用) | 500円~1,000円 | 交換・補充の頻度による費用です。 |
おもちゃ・消耗品 | 500円~1,500円 | 定期的な交換や買い替えが必要です。 |
ペット保険(任意) | 2,500円~4,000円 | 加入する場合の目安。高額な医療費に備えられます。 |
月々の維持費 | 合計約4,000円~12,500円 | (ペット保険加入の場合を含む) |
年間医療費(健康診断・治療費など) | 10,000円~50,000円以上 | 病気や高齢化により高額になることがあります。 |
プレーリードッグはエキゾチックアニマルであるため、専門の動物病院が限られており、医療費が高額になる傾向があります。万が一の病気やケガに備え、ペット保険への加入も検討することをおすすめします。
プレーリードッグのお迎え場所

プレーリードッグはどこでもお迎えできるわけではありませんが、ほとんど出会えないということでもありません。
一般的なペットショップでも出会えるものの、大型店などでしか出会えないということもあります。
- ペットショップ
- ネットショップ
- エキゾチックアニマル専門店
場合によってはブリーダーから直接お迎えする、という方法も検討することになるでしょう。
海外からは輸入することができないため、どうしても個体数は少ないままになっています。
お迎え前に知りたいプレーリードッグの基本情報

プレーリードッグは、プレーリー(北米の草原地帯)に生息するドッグ(犬のように鳴く)として名付けられました。
齧歯目リス科なので、見た目が犬に似ているわけではありませんが、近い部分もあります。
プレーリードッグの性格
基本的にプレーリードッグは寂しがりやな性格をしており、単独での生活は理想的と言えません。
集団生活が理想的であるうえに、可能であればお留守番の時間もできる限り減らしたいところ。単独の時間が多すぎるとストレスによって自傷してしまうこともあり、注意が必要です。
ときには懐くまでに時間がかかることもありますが、基本的には人懐っこい性格で飼い主さんにべったり。コミュニケーションの高さを持つ一方で、縄張り意識の強さも持ち合わせています。
プレーリードッグのサイズ(体長・体重)
体長 | 30~40cm |
体重 | 400~1,400g |
体長はわずか30~40cmほどしかなく、体重も大きくなって1.5kg以下というサイズ感です。
そこまで大きくなることはありませんが、肥満になることは多々あるため、定期的な体重測定が必要です。
プレーリードッグの体臭
プレーリードッグは体臭がある動物なので、体臭が少ない動物に慣れていると強く感じてしまうでしょう。
特にお迎えしたばかりの頃は緊張してしまったり、生活するうえでストレスを感じることがあります。
そういったタイミングでは臭腺からニオイを発することがあり、強いニオイを感じるでしょう。トイレも覚えることがない動物なので、排泄物のニオイも気になりがちです。
プレーリードッグの鳴き声
プレーリードッグという名前通り、鳴き声は犬のように「キャンキャン」と鳴くことがあります。
犬と比べると体はとても小さいですが、鳴き声はとても大きく、威嚇をするときにも鳴くことがあるでしょう。
プレーリードッグの種類
現在、日本でお迎えできるプレーリードッグは「オグロプレーリードッグ」という種類で、その他の種類はお迎えできないでしょう。
オグロプレーリードッグとあわせて、プレーリードッグの種類は以下の5種類です。
- オグロプレーリードッグ
- オジロプレーリードッグ
- メキシコプレーリードッグ
- ガニソンプレーリードッグ
- ユタプレーリードッグ
この中でもメキシコプレーリードッグとユタプレーリードッグは絶滅危惧種に指定されています。
プレーリードッグの平均寿命
野生下においては2~5年程度と言われていますが、飼育下であれば7~10年ほどの平均寿命と言われています。
最適な環境で過ごすことができていれば、15年以上もの長い間、生きてくれる個体もいます。
プレーリードッグの病気
- 自咬症
- 歯牙腫
- 肝疾患
寂しさなどからくるストレスによって、プレーリードッグは自咬症という自傷行為をします。
自咬症(じこうしょう)とは自分の手や体を噛む行為のことで、傷ついていても噛み続けるため症状が悪化します。
歯牙腫(しがしゅ)とは、プレーリードッグの生涯伸び続ける切歯が、何らかの原因によって正常に出てこなくなり、歯根にこぶのように残ります。
これによって鼻の空気の通り道が塞がれてしまい、鼻炎や呼吸困難などを引き起こす病気のことです。
プレーリードッグの飼育難易度
特に難しいというわけではありませんが、ペットとしてお迎えするのがやや難しい動物になります。
飼い主さんも気になってしまうトイレ問題に関しては、そもそもトイレの場所を覚えることがありません。
しつけによって覚えてもらうことも難しいため、排泄物のお掃除やニオイの問題が出てくるでしょう。
これらが気にならない方や、定期的にしっかりお掃除できる方、穴掘りなどの環境も作れる方が最適です。
プレーリードッグの飼育で必要なもの

プレーリードッグの飼育に必要なものは多くなく、一般的に小動物をお迎えするうえで必要なものが中心になっています。
- フード(ペレット、穀物、野菜、フルーツ)
- 食器
- ケージ
- 床材
- 給水器
- 隠れ家
- 砂浴び場
ケージは小動物用のもので問題ありませんが、砂浴び場の確保などを考えると大きめが理想的。
特に気をつけておきたいフードに関しては、ペレットが販売されているため購入しておいてあげると良いでしょう。
食事は穀物、野菜、フルーツなどが中心
プレーリードッグの主食には専用のペレットが用意されているため、基本的にはペレットを用意してあげましょう。
ただ草食性でもあるため、穀物や野菜、フルーツや牧草なども好んで食べる傾向にあります。
とはいえ牧草や野菜などでは栄養が偏ってしまうため、やはりペレットが中心になります。
ペレットの中にはハイカロリーなものもあるため、低カロリー・低脂肪・低タンパクのものを選ぶようにしてください。
巣穴を掘れる場所を用意する
集合住宅などでは非常に難しいため、そもそもプレーリードッグの飼育自体が難しいと言えます。
ですが、穴掘りはプレーリードッグにとって大事なことで、できない状態が続くとストレスを溜めてしまいます。
本来は数メートル単位で穴掘りをしますが、最低限砂浴び場を用意して遊べるようにしてあげると良いです。
可能であれば庭などに専用の場所を設けてあげて、自由に穴掘りができると理想的です。
プレーリードッグと一緒に暮らすための飼育ポイント

プレーリードッグの基礎知識と合わせて、お迎えするなら覚えておきたいポイントをまとめました。
特にプレーリードッグの性格に加えて、食性や習性を理解しておくことがとても大切です。
繁殖期には気性が荒くなることがある
プレーリードッグの男の子は、繁殖期になると気性が荒くなる傾向にあり、攻撃的になります。
飼い主さんであっても威嚇をすることがありますし、縄張り意識が強いために臭腺からニオイを発することもあるでしょう。
場合によっては他の個体に手を出すようなこともあり、決して気を抜けないでしょう。
集団生活が得意なので、根気強く仲良くなる
どうしても野性味の強い動物であるため、犬のように簡単に仲良く慣れるわけではありません。
ですが、プレーリードッグは本来集団生活ができる動物なので、時間をかけていけば少しずつ仲良くなれるでしょう。
人に馴れてくれば膝の上に乗ってくるようなこともあり、抱っこを好むような子も存在します。
肥満になりがちなので十分運動させる
野生下においてはとても運動量が多い動物であるため、飼育下では十分な運動量を確保できない傾向にあります。
普段からしっかりと運動させることは当然ですが、前述の通り食事との組み合わせも重要です。
ペレットの中には高カロリーなものもありますし、フルーツには高カロリーなものもあります。
肥満になると病気がちになってしまうため、ケージ外での運動を取り入れていくと良いでしょう。
室内での運動時には誤飲に注意
齧歯目リス科であるプレーリードッグは、なんでもかんでもかじりたがる傾向にあります。
特に注意しなければいけないのは配線関係で、感電してしまったりショートして火事になる可能性もあるでしょう。
場合によっては小さくかじって飲み込んでしまうこともあるため、誤飲の危険性が出てきます。
十分に運動させるためにはケージ外での運動が最適ですが、決して目を離さないように管理してあげましょう。
歯牙腫を防ぐためにはアクリル製ケージがおすすめ
一般的にケージといえばステンレスなどで作られた網目状のものが多いですが、これが歯牙腫の原因になることもあります。
どんなタイミングでケージがかじるかはわかりませんので、これを防ぐためにはケージ自体を変更するしかありません。
その方法のひとつとしてはアクリル製にする、というのが対策になるため、あらかじめアクリル製のもので考えると良いでしょう。
温度・湿度を適温に管理する
プレーリードッグは暑さと湿気に弱い動物で、適温は20~25℃、湿度は50%以下が理想です。
動物を飼う以上は室温管理が必要不可欠ですが、プレーリードッグにはやや肌寒いぐらいがちょうどよいと言われています。
特に夏場は熱中症に注意しなければいけませんので、エアコンを活用して快適な環境を維持しましょう。
プレーリードッグを迎える前の注意点

プレーリードッグはやや飼育難易度の高い動物でもあるため、お迎え前の注意点をチェックしておきましょう。
場合によっては検討し直す必要も出てくるでしょうから、最後まで確認してみてください。
飼育許可の確認
プレーリードッグは国や地域によっては飼育が禁止されていることがあります。
前述の通り、日本では2003年以降、輸入が禁止されており、現在ペットとして流通している個体は国内繁殖されたもののみです。
また、自治体によっては特別な許可が必要な場合もあるので、事前に確認しましょう。
多頭飼育が理想的とされている
プレーリードッグは男の子1匹に対して、女の子が数匹という一夫多妻制で家族を形成する動物です。
野生下においては普段から集団生活をしていることもあり、単独で飼育するよりも多頭飼育が理想的。
もちろん飼い主さんの家庭状況によっては難しいケースもあるでしょうが、あくまでも多頭飼いがプレーリードッグの生活実態に合っていると言えるでしょう。
注意しなければいけないのは、男の子が複数匹になるとまた喧嘩が勃発してしまうことです。
動物病院の確認
プレーリードッグのようなるエキゾチックアニマルを診察できる、エキゾチックアニマル対応の動物病院は限られています。
犬や猫の動物病院はたくさんありますが、プレーリードッグに限らずるエキゾチックアニマル対応の動物病院は非常に少ないのです。
それでもいざというときには動物病院に行かなければいけませんので、万が一のためには近くの病院を事前に調べておくことが大切です。
ほかの動物との多頭飼いには注意
縄張り意識が強い動物であることから、犬や猫などほかの動物と一緒に生活することは適していません。
最低限、一緒に生活するようであれば生活空間を分けるなど、注意が必要でしょう。
プレーリードッグはときに攻撃的になってしまうこともあるため、ケガを避けるためにも多頭飼いには注意してください。
この記事の執筆者
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