夏の訪れとともに旬を迎える甘くて美味しい桃。愛犬と「この美味しさを分かち合いたい!」と考える飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかし、「犬に桃を与えても大丈夫なのかな?」「何か気を付けることはある?」といった疑問が頭をよぎるかもしれません。
結論から言うと、犬は桃を食べることができます。ただし、安心して与えるためには、いくつかのポイントを知っておく必要があります。
この記事では、犬に桃を与える際のメリットやデメリット、与え方、注意点まで、愛犬の健康を守るために知っておきたい情報を詳しく解説します。
この記事の結論
- 桃は水分補給や食物繊維、ビタミン補給になる一方で、糖分過多や消化不良のリスクも
- 皮、種、葉は犬にとって有害で、特に種は窒息や青酸配糖体による中毒の危険がある
- 愛犬の体重に合わせた適量を守り、小さくカットして与えることが重要
- 糖尿病など持病がある犬や、消化機能が未熟な子犬・老犬には与えない方が安全
目次
犬は桃を食べても大丈夫?基本情報と与える際の注意点

愛犬に桃を与えたいと考える飼い主さんは多いでしょう。結論から言うと、犬は桃を食べることができます。
しかし、いくつか注意すべき点があります。桃は犬にとって美味しいだけでなく、適切な与え方をすれば栄養補給にもなります。
ただし、与え方を間違えると健康を害する可能性もあるため、正しい知識を身につけることが大切です。
まずは桃の栄養価と犬にとってのメリット、そしてデメリットについて詳しく見ていきましょう。
桃の栄養価と犬へのメリット
桃は、犬にとって嬉しい栄養素を含んでいます。特に夏の暑い時期には、水分補給としても役立ちます。以下に主なメリットをまとめました。
水分補給
桃は約80%以上が水分で構成されており、暑い季節の水分補給に最適です。散歩後や運動後など、愛犬が汗をかいた時や水をあまり飲まない時に、おやつとして少量与えることで、効率的に水分を摂取させることができます。ただし、水分の代わりに与えるのではなく、あくまで補助的なものとして考えましょう。
食物繊維
桃にはペクチンなどの食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は犬の腸内環境を整え、便秘の予防や解消に役立ちます。また、お腹の調子を良くすることで、免疫力向上にも繋がると言われています。ただし、過剰に与えると下痢を引き起こす可能性もあるため、適量を守ることが重要です。
ビタミン・ミネラル
桃には、ビタミンCやビタミンE、カリウムなどのビタミン・ミネラルが含まれています。ビタミンCは抗酸化作用があり、免疫力アップに貢献します。ビタミンEも同様に、細胞の酸化を防ぎ、健康維持に役立ちます。カリウムは体内の水分バランスを調整し、老廃物の排出を促す効果が期待できます。
犬に桃を与える際のデメリットとリスク
桃にはメリットがある一方で、デメリットやリスクも存在します。愛犬の健康を守るためにも、これらをしっかり理解しておくことが不可欠です。特に、与えすぎには注意が必要です。
糖分の過剰摂取
桃は甘みが強く、多くの糖分を含んでいます。犬に与えすぎると、肥満や糖尿病の原因となる可能性があります。
特に、人間用の加工品(缶詰の桃など)は糖分がさらに多く含まれているため、絶対に与えないでください。
少量であれば問題ありませんが、おやつとして与える際は全体のカロリーバランスを考慮しましょう。
アレルギー
人間と同様に、犬も桃に対してアレルギー反応を示すことがあります。
初めて桃を与える際は、ごく少量から与え、嘔吐、下痢、皮膚の痒み、顔の腫れ、呼吸困難などの症状が出ないか注意深く観察してください。
もし異変が見られた場合は、すぐに与えるのを中止し、動物病院を受診しましょう。
消化不良
食物繊維が豊富な桃ですが、犬によっては消化しにくい場合があります。
特に、一度に大量に与えたり、皮や種が付いたまま与えたりすると、消化不良を起こし、下痢や嘔吐の原因となることがあります。
消化器が弱い犬や胃腸のトラブルを抱えている犬には、特に注意が必要です。
犬に桃を与える前に知っておきたいこと

愛犬に桃を与える前に、安全に与えるための具体的な方法を知っておくことが大切です。
桃のどの部分が安全なのか、どれくらいの量を与えるべきか、そして避けるべきケースについて詳しく解説します。
これらの知識を実践することで、愛犬は安全に桃の恵みを享受できるでしょう。
桃のどの部分が犬に安全?
桃のすべての部分が犬にとって安全なわけではありません。特に注意が必要なのが、皮、種、そして葉です。これらを誤って与えてしまわないよう、十分に注意しましょう。
果肉はOK
犬に与えても安全なのは、完熟した桃の果肉のみです。ただし、甘みが強いので、与えすぎには注意が必要です。
水分補給や食物繊維の摂取を目的に、おやつとして少量与えるようにしましょう。新鮮で旬の桃を選び、与える直前によく洗ってから準備してください。
皮、種、葉はNG
桃の皮、種、葉は犬にとって危険な部分です。
| 皮 | 消化しにくく、消化不良の原因になることがあります。 また、農薬が付着している可能性もあるため、必ず剥いて与えましょう。 |
| 種 | 最も危険な部分です。 犬が飲み込むと、喉や消化管に詰まって窒息したり、腸閉塞を引き起こしたりする可能性があります。 また、桃の種には「アミグダリン」という青酸配糖体が含まれています。 体内で分解されると「青酸(シアン化合物)」を発生させ、中毒症状を引き起こす恐れがあります。 |
| 葉 | 種と同様に青酸配糖体が含まれています。与えないように注意してください。 |
桃の正しい与え方と適量
桃を与える際は、いくつかのステップを踏むことで安全性が格段に向上します。また、愛犬の体重や体質に合わせた適量を守ることも非常に重要です。
よく洗って皮を剥く
桃を与える前に、まず表面を流水でよく洗い、農薬や汚れをしっかり落としましょう。
その後、包丁で皮をきれいに剥いてください。皮は消化しにくく、犬のお腹に負担をかける可能性があります。
種を完全に除去する
最も重要な工程です。桃を縦半分に切り、中の種を完全にくり抜いてください。種が少しでも残っていると、誤って食べてしまう危険性があります。種は犬にとって非常に危険なので、確実に処分しましょう。
小さくカットして与える
愛犬が喉に詰まらせないよう、小さくカットして与えましょう。特に小型犬や早食いの犬には、さらに細かく刻むか、すりつぶして与えるのも良い方法です。最初は少量から与え、犬の反応を見ながら徐々に量を調整してください。
加熱の必要性
基本的に桃は生で与えて問題ありません。加熱することで栄養素が失われる可能性もあるため、生のまま与えるのが一般的です。
ただし、消化器が弱い犬や、心配な場合は軽く加熱して柔らかくしてから与えることも可能です。その場合も、味付けはせず、冷ましてから与えましょう。
体重別の目安量
桃の適量は、愛犬の体重や体質によって異なります。あくまでおやつの一部として与え、主食の邪魔にならないようにしましょう。
| 犬の体重 | 1日の目安量 |
|---|---|
| 超小型犬 | 10g程度(スプーン1杯) |
| 小型犬 | 20g程度(スプーン2杯) |
| 中型犬 | 40g程度(桃1/8個) |
| 大型犬 | 60g程度(桃1/4個) |
上記は目安です。愛犬の体調や便の状態をよく観察し、調整してください。初めて与える際は、少量からスタートし、アレルギーや消化不良の兆候がないか確認しましょう。
犬が桃を食べてはいけないケース
健康な犬であれば少量の桃は問題ありませんが、中には桃を与えるべきではないケースもあります。愛犬の健康状態をよく把握し、リスクを避けるようにしましょう。
持病のある犬
糖尿病を患っている犬や、腎臓病、心臓病などの持病がある犬には、桃を与えないでください。桃に含まれる糖分やカリウムが、病状を悪化させる可能性があります。持病がある場合は、必ずかかりつけの動物病院に相談し、指示を仰ぎましょう。
子犬や老犬
消化機能が未発達な子犬や、消化機能が衰えている老犬には、桃を与えない方が安全です。消化不良を起こしやすく、下痢や嘔吐の原因になることがあります。もし与える場合は、ごく少量にとどめ、細かくすりつぶして与えるなど、細心の注意を払いましょう。
もし犬が桃の種や皮を誤食してしまったら?

万が一、愛犬が桃の種や皮を誤って食べてしまった場合は、落ち着いて状況を判断し、適切な対応をとることが重要です。特に種は危険なので、すぐに動物病院に連絡しましょう。
種を誤食した場合の危険性
桃の種には、犬の命に関わる重大なリスクが潜んでいます。
窒息のリスク
桃の種は硬く、表面が滑らかなため、犬が誤って丸呑みすると、喉や食道に詰まって窒息する可能性があります。
特に、大型犬でも種を丸呑みできるサイズ感なので注意が必要です。呼吸困難や苦しそうな仕草が見られたら、すぐに動物病院へ連絡し、指示を仰ぎましょう。
青酸配糖体による中毒
桃の種には「アミグダリン」という青酸配糖体が含まれています。これは、犬の体内で消化されると「青酸(シアン化合物)」という毒性物質を生成し、中毒症状を引き起こす可能性があります。
中毒症状としては、嘔吐、下痢、呼吸困難、痙攣、意識障害などが挙げられます。少量でも危険なため、誤食に気づいたらすぐに動物病院に連絡してください。
皮を誤食した場合の注意点
桃の皮を誤食した場合、種ほど命に関わる危険性は低いですが、注意が必要です。皮は消化しにくく、犬の胃腸に負担をかける可能性があります。
- 消化不良: 下痢や嘔吐、軟便などの消化器症状が見られることがあります。
- 農薬: 洗浄が不十分な場合、皮に付着していた農薬が犬の体内に取り込まれるリスクもゼロではありません。
異変が見られた場合は、念のため動物病院に相談することをおすすめします。
緊急時の対応と動物病院への連絡
愛犬が桃の種や皮を誤食してしまったと気づいたら、まずは落ち着いて以下の対応をとりましょう。
①慌てず状況を確認する: いつ、何を、どれくらい誤食したのかを把握します。
②無理に吐かせない: 無理に吐かせようとすると、かえって危険な場合があります。
③すぐに動物病院へ連絡する:
- 食べたものの種類(桃の種、皮など)
- 食べた量
- 食べた時間
- 愛犬の現在の様子(元気、ぐったりしている、嘔吐しているなど)
愛犬の体重や年齢、持病の有無 これらの情報を正確に伝え、指示を仰ぎましょう。夜間や休日の場合は、緊急対応している動物病院を探す必要があります。
桃以外に犬に与えても大丈夫な夏のフルーツ

桃以外にも、犬が安心して食べられる夏のフルーツはいくつかあります。
一方で、与えてはいけないフルーツも存在するため、正しい知識を持つことが大切です。愛犬の健康を守るためにも、与えるフルーツの種類をしっかり選びましょう。
与えても良いフルーツ
夏の暑い時期には、水分補給にもなるフルーツは犬にとっても嬉しいおやつになります。以下に、適切に与えれば安全なフルーツをいくつかご紹介します。
スイカ
スイカは約90%が水分でできており、夏の水分補給に最適です。カリウムも含まれており、体内の水分バランスを整える効果も期待できます。与える際は、種と皮を完全に取り除き、果肉のみを小さくカットして与えましょう。冷やしすぎるとお腹を壊すことがあるので、常温に戻してから与えるのがおすすめです。
メロン
メロンも水分が豊富で、ビタミンやミネラルを含んでいます。与える際は、皮と種をしっかりと取り除き、果肉のみを与えてください。糖分が多いので、与えすぎには注意が必要です。アレルギー反応を示す犬もいるため、少量から試し、様子を見ながら与えましょう。
梨
梨はシャキシャキとした食感が特徴で、水分と食物繊維が豊富です。消化を助け、便秘の予防にも役立ちます。与える際は、芯と種、皮をすべて取り除き、果肉を細かくカットして与えてください。水分が多いため、与えすぎるとお腹が緩くなることがあります。
与えてはいけないフルーツ
犬にとって、中毒症状を引き起こす危険なフルーツも存在します。間違って与えてしまわないように、必ず覚えておきましょう。
ぶどう
ぶどう(レーズン含む)は、犬に与えてはいけないフルーツの代表格です。少量の摂取でも、急性腎不全を引き起こす可能性があることが報告されています。
中毒の原因物質はまだ特定されていませんが、非常に危険なため、絶対に与えないでください。愛犬が誤って食べてしまった場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
いちじく
いちじくには「フィシン」というタンパク質分解酵素や、「シュウ酸」という成分が含まれており、犬に与えると口の中の炎症や嘔吐、下痢などの消化器症状を引き起こすことがあります。また、犬によってはアレルギー反応を起こすこともあります。
さくらんぼ
さくらんぼの種、茎、葉には、桃の種と同様に青酸配糖体が含まれており、犬に中毒症状を引き起こす可能性があります。果肉自体は少量であれば与えても問題ないという見解もありますが、種を取り除く手間や、誤食のリスクを考えると、避けた方が安全でしょう。
まとめ:愛犬と安全に桃を楽しもう
この記事では、犬に桃を与える際のメリット・デメリット、正しい与え方、注意点、そして誤食時の対応について詳しく解説しました。桃は、適切に与えれば愛犬の水分補給や栄養補給に役立つ美味しいフルーツです。
しかし、与えすぎによる糖分の過剰摂取や消化不良、アレルギー、そして何よりも種の誤食による窒息や中毒のリスクがあることを忘れてはいけません。
愛犬の健康を第一に考え、「果肉のみを少量」「種と皮を完全に除去」「小さくカット」という基本的なルールを守りましょう。初めて与える際は少量から始め、愛犬の様子をよく観察してください。もし異変が見られたり、種を誤食してしまった場合は、すぐに動物病院に連絡し、指示を仰ぐことが重要です。
正しい知識と愛情を持って接することで、愛犬も安全に桃の美味しさを楽しむことができるでしょう。夏のおやつタイムに、愛犬との絆を深める素敵なひとときを過ごしてくださいね。
この記事の執筆者
nademo編集部
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