犬の食事

【獣医師監修】犬にあげてはいけない食べ物一覧表!危険なものと理由

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犬にあげてはいけない食べ物まとめ!危険なものやその理由について

かわいい愛犬が食事中にすり寄ってきたら、飼い主さんならなんでもあげたくなってしまいますよね。

ドッグフードを食べたばかりであったとしても、人間の食べ物はニオイのよいものが多く、愛犬の興味を引いてしまいます。

その結果、意図せず食べてはいけないものを食べてしまうこともあります。ついつい、これなら大丈夫だろうと思い、あげてしまうこともあります。

ですがまずは、犬にとって危険な食べ物を知っておくことが大切。

愛犬の健康と命を守るためにも、どんな食べ物が危険なのか、要チェックしておきましょう。

この記事の結論

  • 犬にあげてはいけない食べ物を与えると、量に限らず死に至る可能性もある
  • 一般的に認識の薄い野菜や肉類の一部だけでなく、魚介類・加工食品・飲み物など多岐に渡る
  • 愛犬が人間の食べ物を食べないように、日頃から予防に努めることが大切
  • 愛犬が犬にあげてはいけない食べ物を食べてしまったら、確認後すぐに動物病院へ

畠中 道昭

監修者

畠中 道昭

久米川みどり動物病院(東京都東村山市)獣医師 動物理学療法士CCRP

久米川みどり動物病院 院長。得意分野は、整形外科、リハビリテーション(CCRP取得)、腫瘍内科・外科。

nademo編集部

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犬にあげると危険な食べ物とはどんなもの?

普段からしっかりとドッグフードで食事をしていたとしても、人間の食べ物に興味を持つ子は多いものです。

人間の食べ物は色とりどりで、調味料も使われ温かいため、美味しそうな匂いが漂いますよね。

ただ、愛犬が人間の食事を食べたそうにしているからといって、なんでも気軽にあげていいというわけではありません。

危険な食べ物をあげてしまうと、健康を害してしまうこともありますし、場合によっては死に至ることもあります。

代表的なものは次のような食べ物です。

食べ物毒性成分症状詳細
ぶどう、レーズン不明腎損傷(急性腎不全)報告では僅かな量でも腎損傷を引き起こすことあり
チョコレート、カカオ-症状の出方は犬によって様々
・嘔吐
・下痢
・興奮
・発作
・呼吸困難等
テオブロミンが神経刺激を起こすため
犬はこの物質を分解できない
ネギ類(タマネギ、
、長ネギ、ニラ等)
ジスルフィド重度の貧血赤血球を破壊して重度の貧血
ハインツ小体形成による溶血性貧血を起こす
アボカドペルシン・嘔吐
・下痢
・胃腸障害
・心筋ダメージ等
中毒量:不明
キシリトール-低血糖症状(神経症状)
・虚脱
・運動失調
・けいれん
急激なインスリン放出を招き、低血糖を起こす
肝臓に蓄積して肝機能障害を起こす
コーヒー、紅茶カフェイン中枢神経系や心臓に影響
・嘔吐
・下痢
・不安
・振戦
・筋肉の痙攣
・心拍数の増加
・呼吸困難
・意識障害
・けいれん
・死亡
中毒量:体重1kgあたり100mg〜200mgほどで致死量
小型犬でコーヒー5杯(100mg/on cup of coffe)

新鮮で安全なものをあげたいという思いから、人間が食べる食材をあげたくなることもあるでしょう。

しかしそれが犬にとっては毒になってしまうこともあります。後述する各食材を、事前に確認しておきましょう!

最悪の場合、死に至る可能性もある

犬にとって危険な食べ物を摂取してしまった場合、最悪のケースでは死に至る可能性があります。

人間でも食べたら死んでしまうものはありますし、犬の場合も同様です。

ただ、人間が普段食べているものの中で、犬にとっては危険な食べ物が単純に多いということ。

少量であれば問題ない食べ物から、絶対に避けるべき危険な食べ物までしっかりと把握しておきましょう。

危険な食べ物による犬の中毒症状

もし、愛犬が危険な食べ物を摂取してしまった場合、どんな中毒症状が見られるのか。その一例が下記です。

  • 下痢や嘔吐
  • 痙攣
  • 呼吸の乱れ
  • 皮膚の異常
  • 発熱や咳

あくまでこれらは一部の中毒症状ですが、自己判断よりも獣医師さんに診てもらうことが大切です。

愛犬が食べてはいけないものを食べてしまったとわかったなら、早めに動物病院を受診しましょう。

何を食べてしまってどうなったのかを把握しておかなければ、適切な処置に時間がかかってしまうこともあります。

もし、愛犬が誤飲誤食してしまったのならば、何を食べたのか確認して、獣医師さんに伝えるようにしましょう。

食べ物によっては調理すれば食べられることもある

生でそのままあげることが難しい食材は多く、逆にいえば調理してしまうことで食べられるようになる食材もあります。

一般的には加熱処理(焼く、煮る、茹でる)によって、安全に食べられるようになります。

ただし、調理が必要な食材は、食べられるようになったとしても少量に留めておくことが大切です。

犬にあげてはいけない食べ物一覧表

実は、犬が食べると命に関わるようなものから、体調を崩してしまうものはたくさんあります。

その全てを把握しきることは難しいので、その都度確認できるようにブックマークなどをしておくといいですよ!

野菜

種類判定(調理後)
えだまめ
えのき
かぶ
ぎんなん×
さつまいも
ししとう
じゃがいも
たけのこ
菜の花
にら×
にんじん
にんにく、にんにくの芽×
ふきのとう
ほうれん草
まいたけ
みょうが
ゆず
わさび×
アスパラガス
エシャレット×
エリンギ
えんどう豆
オクラ
カボチャ
カリフラワー
キャベツ
キュウリ
クレソン
ごぼう
ゴーヤ
しいたけ
ショウガ
ズッキーニ
セロリ
そら豆
タマネギ×
トマト
ナス
ネギ×
パクチー
パセリ
パプリカ
ピーマン
ビーツ
ブロッコリー
マッシュルーム
松茸
ヤーコン
ルッコラ
レタス
レンコン
大根
小松菜
春菊
菊芋
水菜
白菜
豆苗
落花生
里芋
長芋
山芋
チンゲン菜

野菜の中でもっとも危険だとされているのが、ネギ類(タマネギ、長ネギ、にんにく、ニラ)です。

いずれも犬にとっては有毒なので、摂取することで「貧血、血尿、下痢・嘔吐、胃腸炎」といった症状を引き起こすことがあります。

ネギ類には「アリルプロピルジスルフィド」という赤血球を破壊してしまう成分が含まれているため、絶対に食べさせないようにしましょう。

加熱処理されたものでもダメですし、煮汁などもNG。少量が入った料理も当然NGです。

どの野菜についても細かく刻んであげて、間違ってもそのまま飲み込まないように注意しましょう。人間用の味付けも禁物です。

えのき

栄養価の高い食材なので、加熱調理推奨にてOKとされています。

低カロリー・食物繊維が豊富なため、便秘や下痢の予防に。

β-グルカンが免疫力を高めたり、炎症を抑えたりする効果を持っています。

ぎんなん

犬にとって毒性あり(成分:銀杏アルカロイド)。

吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。

大量摂取で神経系に影響を与え、痙攣、意識喪失、呼吸困難などの重篤な症状を引き起こす可能性があります。

ししとう

犬が大量に食べた場合、嘔吐や下痢などの消化器系の症状や痙攣や意識喪失を引き起こします。

生食は食中毒のリスク。加熱調理であれば影響を与えにくいと言われています。

たけのこ

シュウ酸が含まれているため消化器症状を起こす可能性あり。よく茹でてから与えましょう。

にんにく、にんにくの芽

毒性成分「n-プロピルジスルファイド」などの「有機チオ硫酸化合物」が含まれます(ニンニクの匂い成分)。

有機チオ硫酸化合物は、犬の赤血球にあるヘモグロビンを酸化させ、赤血球内や脂質膜に「ハインツ小体」をつくり赤血球が破壊される(溶血性貧血)ため絶対にNG。

茹でたり焼いたりしても、チオ硫酸化合物はなくならないのでNGです。

にんにくの芽についても同様で、どの部位でもNG。

ほうれん草

オキサラートという成分が含まれており、大量に摂取するとカルシウムの吸収を妨げ、下痢や嘔吐などの消化器系のトラブルを引き起こすことがあります。

他の野菜に比べ、尿石の原因となるシュウ酸が多く含まれているため、与える量は注意が必要。湯通しするとシュウ酸は減らせる。

生のほうれん草のシュウ酸含有量は770mg/100gと、他の野菜に比べて圧倒的に多いです。

アク抜きをする(アク抜きはシュウ酸を除去する工程)とマシにはなりますが、茹でても完全にシュウ酸を除くことはできません。

しかし、カルシウムと食べ合わせることで、腸内でシュウ酸とカルシウムを結合させ、吸収されずに便として排泄させることができます。

結果、シュウ酸の吸収を減らすことが可能です。

みょうが

与えてもよいですが、アリルイソチオシアネートという刺激物質により消化器症状が起こりやすいです。

アリルイソチオシアネートは加熱により分解されるため、与える場合は茹でたり蒸してからとしましょう。

ゆず

他の柑橘類も同様ですが、少量であれば問題ありません。

果実や果皮などに含まれるクエン酸、エッセンシャルオイルが胃腸に刺激を与え消化器症状を引き起こす可能性があります。

外皮に含まれるソラレンには触れると、皮膚炎を起こす可能性があります。

わさび

わさびに含まれるアリルイソチオシアネートは、犬の口や喉に刺激を与え、呼吸困難や消化器系のトラブルを引き起こします。

アスパラガス

βカロテン・食物繊維が多いため、生でもOKですが、茹でたほうが栄養素の吸収が良くなります。

エシャレット

玉ねぎの一種でN-プロピルジスルフィドを含みます。

大量に摂取すると、赤血球を破壊する作用があります。

エリンギ

トレハロース・食物繊維が多めでβグルカンを含んでいます。加熱調理が必要です。

えんどう豆

生のえんどう豆にはトリプシンインヒビターを含みます。

豆類は一般的に含んでいますが、健康に影響が出る可能性は少ないです。

オクラ

シュウ酸を含有していますが、その量は少ないです。

キャベツ

芯に微量に含まれる硝酸イオンは中毒物質。微量でも与えない方が安全。

農林水産省

という情報はありますが、硝酸塩は通常摂取する程度では、それ自体は特に人体に有害なものではありません。

クレソン

ピロリジジンアルカロイドという成分により、長期間大量に摂取すると肝臓に負担をかけることがあります。

ゴーヤ

消化器系や免疫系の健康をサポートする効果があります。

ククルビタシンは下剤効果があるため、大量摂取すると下痢を引き起こす可能性があります。

ショウガ

・消化管促進→吐き気や嘔吐、軽度の消化不良などの症状の緩和

・炎症抑制作用→関節炎や腎臓病、心臓病

また、血液をサラサラにする作用があるため、血液が薄い状態の犬等には注意が必要。

適量は不明(人の場合、生のショウガは2g/日)。

ズッキーニ

健康に良い食品ですが、種子や皮は消化しづらく、誤飲すると腸閉塞を引き起こすことがあります。

茹でやロースト等調理が必要で、適量は体重に対して1週間につき5〜10%程度が目安。

セロリ

シュウ酸含みますが少ないため、影響力は低いです。

ビタミンCやカリウム、食物繊維が含まれており、「消化促進・便秘改善・抗炎症作用」があります。

ビーツ

砂糖が多く含まれているため、量を控えめに与えましょう。

1日の食事量に対して5%未満の割合にとどめておくと良いです。

ブロッコリー

アブラナ科植物特有の成分であるイソチオシアネートによって、下痢や嘔吐、腹痛などの消化器症状を引き起こすことがあります。

茹でる際は、塩分は加えないように。

マッシュルーム

一部種類には毒素があるため、加熱調理が必須です。

消化に時間がかかるため、与える量にも注意が必要。適量は1g/kg。

落花生

アレルギーを引き起こす可能性があるので、与える場合は塩分等の添加物がないものを。

高脂肪であるため、過剰な摂取は肥満や消化器系の問題を引き起こす可能性があります。

長芋

オキシダーゼという酵素が含まれており、過剰摂取で中毒症状が現れます。

体重1kgあたり5g以下が適量。

山芋

生の山芋は食中毒の原因となるトリコロスを含みます。

過熱により成分が壊れるため、与える際は加熱してから。

果物・フルーツ

種類判定
みかん
アケビ
アセロラ
アボカド×
イチゴ
イチジク×
オレンジ
キウイフルーツ
グァバ
グレープフルーツ×
サクランボ
ザクロ
スイカ
スターフルーツ×
スモモ×
ドラゴンフルーツ
ドリアン
バナナ
パイナップル
パッションフルーツ
パパイア
ビワ
ブドウ×
ブルーベリー、ベリー類
プルーン×
マンゴー
メロン
モモ
ライチ
リンゴ
レモン
×

果物の中で絶対に避けなければいけない食べ物は、ぶどう類(ぶどう、レーズン、マスカット)です。

ぶどう類は腎不全を引き起こす原因となることが報告されており、特に皮については注意が必要といわれています。

摂取してしまうと下痢・嘔吐などを引き起こしてしまい、重度になってくると急性腎不全になる恐れがあります。

食べても問題ない子もいるようですが、最悪の場合は死に至るので、試すことなく避けておきましょう。

また、「さくらんぼ、いちじく、レモン」といった果物もNGとされています。

みかん

ゆず同様、少量なら問題ありません。

アケビ

犬にとって消化が難しい食べ物です。

サポニンやオキサル酸といった中毒成分が含まれています。

サポニン少量で嘔吐、下痢、食欲不振、不安、動悸
過剰摂取で呼吸困難、失神、痙攣、脱水症状
オキサル酸嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛、唾液分泌の増加など
重篤で腎臓障害

グレープフルーツ

フラボノイドやリモネンなどの成分が含まれており、犬の肝臓にダメージを与え、消化器系に刺激を与えます。

ザクロ

種子や果皮に含まれるタンニンやアントシアニンが消化器官に刺激を与えます。

種子に含まれるアミグダリンという成分が体内で分解されると、中毒症状を起こす可能性があります。

与える場合には、種子や果皮を除去しましょう。

スターフルーツ

フルクトースやオキサル酸といった有害な成分が含まれています。

腎臓や肝臓に負荷をかけ、重篤な健康問題を引き起こします。

フルクトース過剰摂取による症状 ・下痢や軟便
・腹痛や腹部膨満感
・嘔吐
・食欲不振
・運動能力の低下

スモモ

犬にとって有害なシアン化物が含まれます。

シアン化物摂取による症状・嘔吐、下痢
・高い呼吸数、不安や興奮
・奇妙な行動、筋肉の硬直
・徐脈、呼吸停止

重篤で短時間での呼吸困難、意識喪失で命にかかわることもあります。

ドリアン

犬にドリアンを与える場合は以下の点に注意してください。

  • 皮や種は毒性があるので絶対に与えない
  • 果肉は少量だけ与える
  • 種を取り除き、果肉を小さく切る

ドリアンの皮には、テルペンと呼ばれる化学物質が含まれています。

特に、硫化物と呼ばれるテルペン化合物が、ドリアンの果皮に存在します。

これらの化合物は強烈な悪臭を放ち、苦い味があります。

レモン

少量なら問題ありません。

食べられますが、食べない方が安全です。

特に未成熟な杏、杏の種にアミグダリンというシアン化物が含まれています。

シアン化物は消化器症状や神経症状が出る危険な物質。

健康食材のひとつですが、梅干しや梅の種には塩分が含まれているため、与える量は注意が必要です。

肉類

種類判定(調理後)
鶏の骨×
鹿
生肉

肉類はドッグフードの主成分にもなるものなので、基本的にはOKとされているものが多いです。

生肉も大丈夫ですが、細菌やウイルスの危険性があります。豚肉は必ず加熱したものを与えましょう。

もし生肉をあげるなら、人間用の生食用が望ましいです。

ただし、肉の種類によってはアレルギーを引き起こすこともあります。個体差がありますので、その点だけ注意が必要。

骨類はあげやすいですが、噛めば簡単に砕けてしまうものでもあります。

鶏などの骨は裂け方によっては鋭利になり食道や消化器官を傷つける可能性もあるため、あげないようにしましょう。

卵は加熱処理をしていればOKとされています。

生卵の場合、卵白に「アビジン」という成分が含まれています。このアビジンを大量摂取してしまうと、皮膚炎などを引き起こす可能性があるため生食は避けましょう。

魚介類

種類判定(調理後)
イカ
エビ
カニ
タコ
アジ
イワシ
サンマ
サバ
サケ
ししゃも×
しらす
ウニ×
ブリ
うなぎ
のり
マグロ
わかめ
貝類
魚の骨×

魚介類の中でも生の「イカ、エビ、カニ、タコ」などには、ビタミンB1を分解してしまう「チアミナーゼ」という成分が含まれています。

ビタミンB1が不足しすぎると、足のふらつきや意識障害などを引き起こすため、生食は避けましょう。

加熱調理後は、少量であれば問題ないとされています。

その他の魚介類についても、生食は基本的にNG。茹でたり焼いたりといった調理が必要な上に、少量だけがOKとされています。

イカ・エビ・カニ・タコ

イカ・エビ・カニ・タコなどの甲殻類は、生で与えるとビタミンB1欠乏症になります。

食欲低下、ふらつきや歩行障害、麻痺が起こる可能性があるため、加熱調理をしっかりすることで防ぐことは可能です。

アジ・イワシ・サンマ・サバ

アジ・イワシ・サンマ・サバなどの青魚には、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。

抗炎症作用、免疫機能、心臓機能のサポートなどに役立ちます。

与える際は新鮮なものを加熱調理、骨を取り除く、干物や塩で調理されているものは避ける必要があります。

ししゃも

特に子持ちししゃもは塩分過多になるため、避けるべきです。

ウニ

塩分過剰、リン含有量が多く心臓や腎臓に負担がかかります。

高コレステロールのため、高脂血症リスクも上がります。

わかめ

消化不良を起こす可能性があります。

わかめにはヨウ素が多く含まれており、それは成犬の一日の許容量の約1~2倍です。

穀物

種類判定
大麦
小麦
白米、黒米、赤米
玄米
蕎麦
大豆
小豆
ハトムギ
黒ごま、白ごま

多くの穀物類は、犬であっても問題ないとされています。

しかし、小麦などの一部の穀物類は、犬にアレルギーを起こす可能性があるため、与える際には注意が必要です。

また、穀物類は高GIのものが多く、血糖値が上がりやすいので、肥満の危険性もあります。

適量の穀物を含むフードを与えることで、犬の健康に役立つ栄養素を供給することができますが、バランスが大切です。

穀物

犬は穀物(炭水化物)をたくさんは必要としません。

そのため、一般的にはかさ増しや炭水化物源として利用されています。

与えすぎると

  • 内臓脂肪がつき肥満になる
  • アレルギーの原因になる
  • 消化されにくいため消化器を酷使することにより、内臓へ負担がかかる

といった注意点があります。

小麦

アレルギーの原因となる可能性があります。小麦グルテンが消化に悪いため、消化器症状が出る可能性あり。

積極的にとる必要はないでしょう。

炭水化物

種類判定
蕎麦
うどん
そうめん
パン
パスタ

人間の主食でもある炭水化物。必要な栄養素を炭水化物から摂取することもできるため、犬の場合でもOKなものは多いです。

「米、蕎麦、うどん、そうめん、パスタ」は身近にもありますし、多すぎなければOK。

ただし、穀物アレルギーを持っている子は避けましょう。

パンは与え方次第で、食パンやフランスパンのように余計なものが入っていないものであればOKです。

ただし一定量の塩分が含まれているため、塩分制限が必要な子には注意が必要。また、惣菜パンなどは塩分量が多くカロリーも高めなので危険です。

惣菜パンにはネギ類やレーズンといった犬にとって危険な食材が含まれていることもあるため、十分に注意しましょう。

うどん・そうめん・パスタ

麺類を茹でる際は塩分の過剰摂取を防ぐため、塩は使わないほうが良いです。

乳製品

種類判定
牛乳
ヤギミルク
生クリーム
ヨーグルト
チーズ
バター
練乳×

乳製品はその大体が少量ならOKとされています。

タンパク質やミネラルを含んでいたり、乳酸菌やオリゴ糖を含んでいることで体にとっていい栄養素も摂れます。

ただし、一度に大量の乳製品を与えてしまうと逆効果。生クリームは脂肪分に注意が必要ですし、チーズは塩分量の少ないモッツァレラチーズやカッテージチーズがおすすめ。

乳製品ですが、練乳はNGです。練乳は牛乳に砂糖を加えたものなので、糖分を過剰摂取してしまう危険性があります。

また、犬は牛乳に含まれる乳糖を分解する消化酵素が少なく、消化不良により下痢を引き起こす可能性があります。

人間が飲む牛乳を与えるよりも、犬用ミルクやアレルギーや下痢を起こしにくいヤギミルクがおすすめです。

加工食品

種類判定
ハム×
ソーセージ×
ベーコン×
ナッツ類×
キシリトール×
チョコレート×
豆腐
ゼリー
レーズン×

人間用の加工食品は全て、人間の舌に合うような加工がされています。

特に味付けが濃くなっているものも多いため、犬の興味を引きやすいですが、塩分量が多くなっているため危険です。

ナッツ系は豊富な栄養を含んでいるので、あげたくなる飼い主さんも多いでしょう。ですが高カロリーな食べ物で、消化不良も起こしやすいため避けましょう。

チョコレートは、少量でもカカオ成分により神経や心臓を刺激する中毒症状の他、急性心不全などを引き起こすこともあり大変危険です。

レーズンはぶどう同様、腎不全を引き起こす可能性があるため避けましょう。

ガムなどに含まれるキシリトールは、人間の場合と異なり、急激な低血糖を引き起こしてしまいます。

その結果、肝不全になる可能性もあるため、こちらも同様にNGです。

ハム・ソーセージ・ベーコン

塩分、ミネラル分が多く含まれているため、与えないようにしましょう。

調味料

種類判定
料理酒×
みりん×
スパイス類(塩、胡椒、唐辛子、カレー粉)×
ケチャップ×
マスタード×
蜂蜜

人間が使う調味料については、基本的に全てNGだと思っておいたほうが良いでしょう。

これらの調味料は人間の食事を味付けする用として作られているので、塩分量がとても多く、胡椒や唐辛子は刺激物になってしまいます。

適量であれば大丈夫とされることもありますが、非常に少ない少量だけという条件付きにもなるため、避けておくのが無難です。

蜂蜜

基本的にNGではありません。

新生児に対しては、免疫力が低い影響でボツリヌス菌の感染を制御できず、ボツリヌストキシンによる中毒症状を呈するリスクがあります。(ボツリヌストキシン:アセチルコリン放出阻害、神経症状)

329kcal/100gとなるため、高カロリーではあります。

飲み物

種類判定
お酒(アルコール)×
コーヒー×
ココア×
紅茶×
麦茶
緑茶×
ミネラルウォーター

飲み物の中で気をつけなければいけないのは、「お酒、コーヒー、ココア、紅茶、緑茶」などです。

カフェインを含むコーヒー、ココア、紅茶、緑茶は中毒症状を引き起こしてしまいます。いわゆるカフェイン中毒です。

少量であってもカフェイン中毒は起こるといわれており、症状が重くなると痙攣や不整脈を引き起こし、最悪の場合は命を落とす危険もあります。

アルコールも同様に、少量でも危険な飲み物。非常に危険なので絶対に避けましょう。

畠中先生

与えてはいけない食品についてよく知っておく必要がありますが、与えても良い食品についても、量や与え方によっては問題を起こす場合があります。

問題がないとされている食品についても、それぞれよく調べてから与えることをおすすめします。

また、問題がないからといって特定の食品に偏った与え方は好ましくありません。

様々な食材をバランス良く利用することによって、特定の食材特有の栄養的な問題を防いで美味しく食べることができます。

手作り食の材料で迷った時の参考にしていただければ幸いです。

愛犬の誤飲誤食を防ぐ対策方法

愛犬の誤飲誤食を防ぐためには、飼い主さんが愛犬のことをしっかりと見てあげることが大切。

ですが、常に見張っておくことはできませんので、防止策として下記を徹底しましょう。

  • 食事前に愛犬に食事を与えておく
  • 食事が終わったらケージで待っていてもらう
  • 食べ終わった食器や食事はすぐに下げる
  • フタ付きのゴミ箱を使う
  • くわえたものをすぐ離すしつけをしておく

「人間の食事に興味を持ってしまうことは仕方のないこと」と考え、飼い主さんの食事前に愛犬の食事を終わらせておきます。

お腹が満たされている状態であれば、興味を引きづらくなります。

そして食事前には必ず別室に連れていくこと。ケージサークル内で待っていてもらう、というのが安全です。

食べ終わった食器や残り物はすぐにしまっておき、愛犬の手が届かないところにしまいます。これだけでも安全面が大きく違ってくるでしょう。

使い終わった食材をゴミ箱に捨てる際には、フタ付きで愛犬が漁れないようにしておきます。

最後に、くわえてしまってもすぐに離すトレーニングも。これだけでお散歩中の拾い食いも防ぐことができるようになりますよ。

愛犬が危険な食べ物を食べてしまったときは?

どれだけ徹底していたとしても、ふとしたミスや拾い食いから危険なものを摂取してしまうことはあります。

ご飯など別のものを食べさせたりせずに、まずは何を食べてしまったのか獣医師さんに報告するため、確認してみましょう。

食べたものによって適切な処置が変わりますので、本当に食べたのかどうかも含めて確認が必要。そしてすぐに動物病院へ。

飼い主さんができる処置は多くありませんので、できる限り早く獣医師さんに診てもらうことが大切です。

この記事の執筆者・監修者

畠中 道昭

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畠中 道昭

久米川みどり動物病院(東京都東村山市)獣医師 動物理学療法士CCRP

久米川みどり動物病院 院長。得意分野は、整形外科、リハビリテーション(CCRP取得)、腫瘍内科・外科。
人と動物が幸せに暮らせるためのあらゆるサポートをする病院を目指したみどり動物病院を設立。

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