猫と一緒に飛行機に乗る機会は、引っ越しや旅行、帰省などさまざまな場面で訪れます。しかし、飛行機に猫を同伴させるには、事前の準備や航空会社ごとのルールをしっかり把握しておく必要があります。
本記事では、「猫 飛行機」に関する基礎知識から、国内線・国際線での注意点、当日の流れ、必要な持ち物まで、猫と安心して空の旅を楽しむための情報を網羅的にご紹介します。
この記事の結論
- 飛行機での海外渡航には、国ごとの検疫や書類の準備が必要になる
- 猫用のマイクロチップやワクチン接種は、順序と証明が重要
- 猫が機内で安心できるよう、事前の慣れがとても大切
- 飛行機のストレスによる体調変化には注意しなければいけない
猫を飛行機に乗せる前に知っておくべきこと

猫を飛行機に乗せるには、事前準備と情報収集が非常に重要です。
航空会社によっては、猫の搭乗自体ができないケースもあるため、まずは希望する便で猫を同伴できるか確認しましょう。
また、猫にとって飛行機は大きなストレス源になり得るため、健康状態や性格をよく考慮することも大切です。
動物病院での健康診断や、必要なワクチンの接種も忘れずに済ませておきましょう。
さらに、キャリーバッグに慣れさせる、トイレや食事のタイミングを調整するなど、猫が快適に過ごせる工夫も必要です。
猫は飛行機に乗せられるの?
多くの航空会社では、猫を飛行機に乗せることが可能です。ただし、キャビン(機内持ち込み)またはカーゴ(貨物室預かり)のどちらかに分類され、条件が異なります。
キャビンに同伴できる場合でも、体重やキャリーバッグのサイズに制限があり、基本的には足元に収納できる小型のケースに入れておく必要があります。
一方、カーゴ輸送は外気温の影響や振動があるため、健康状態や年齢によっては避けた方が良いこともあります。
高齢猫や持病がある場合は、獣医師に相談のうえ判断しましょう。
国内線と国際線での違い
国内線と国際線では、猫の飛行機利用に関する規定が大きく異なります。
国内線の場合、比較的手続きが簡単で、健康であれば搭乗できるケースが多いです。
多くの国内航空会社では、事前予約とキャリーバッグの基準を満たせば、キャビンまたはカーゴのいずれかで対応してくれます。
一方、国際線は次の点で注意が必要です。
項目 | 国内線 | 国際線 |
---|---|---|
搭乗手続き | 比較的簡易 | 輸出入手続き・検疫が必要 |
ワクチン | 任意のこともある | 狂犬病含む予防接種証明が必要 |
書類 | 不要または簡易な申告書 | 健康証明書、マイクロチップ証明書など必須 |
検疫 | 原則不要 | 渡航先によっては隔離措置がある |
国際線利用では、出発国・到着国双方の動物検疫条件を必ず確認しましょう。
キャビン(機内)とカーゴ(貨物室)の違い
猫を飛行機に乗せる際、搭乗方法は「キャビン(機内持ち込み)」か「カーゴ(貨物室)」のいずれかになります。どちらにもメリット・デメリットがあるため、猫の性格や健康状態に応じた選択が必要です。
キャビンの特徴
- 飼い主と同じ空間にいられるため、猫にとって安心感がある
- 気温管理や音が比較的安定している
- キャリーバッグのサイズや重量に制限がある
カーゴの特徴
- 大きなケージで運べるため、大型猫にも対応可能
- 荷物扱いとなり、飼い主の目が届かない
- 環境が不安定(気温・気圧・騒音)でストレスがかかりやすい
キャビンに入れない場合は、獣医師と相談しカーゴ利用が適切かを検討しましょう。
どの航空会社で猫と飛行機に乗れるのか?
猫と一緒に飛行機を利用できるかは、航空会社によって対応が異なります。
以下に主な航空会社の対応状況をまとめました(※2025年時点の一般的な傾向です。最新情報は必ず公式サイトで確認を)。
航空会社名 | キャビン持込 | カーゴ預かり | 特記事項 |
---|---|---|---|
ANA(全日空) | ○(一部条件あり) | ○ | 国内線は要予約、ケージ条件あり |
JAL(日本航空) | ○(要予約) | ○ | 気温条件により制限あり |
スカイマーク | × | ○ | キャビン不可 |
ピーチ航空 | × | × | ペット搭乗不可 |
エア・カナダ | ○ | ○ | 国際線でも一部路線で対応 |
ルフトハンザ航空 | ○ | ○ | ヨーロッパ路線で人気 |
特にLCC(格安航空会社)では、ペット同伴を一切認めていないことも多いため注意が必要です。予約前に「ペットポリシー」の確認は必須です。
猫と飛行機に乗るための準備

猫を飛行機に乗せる際は、事前の準備がとても重要です。準備不足は猫に大きなストレスを与えるだけでなく、搭乗を断られる可能性もあります。
まずは利用予定の航空会社のペット規定を確認し、予約時に猫の同伴を申告しましょう。
その上で、キャリーバッグの選定、健康チェック、ワクチン接種、必要書類の準備などを行いましょう。
さらに、当日の流れを把握し、猫が安心して過ごせるよう環境への慣れも進めておくことが大切です。
航空会社ごとのルールを確認しよう
航空会社によって、ペットの同伴ルールは大きく異なります。事前予約が必要な場合がほとんどで、キャリーバッグのサイズや重さにも制限があります。以下のようなポイントを必ずチェックしましょう。
- ペットの同伴が可能か(機内 or 貨物室)
- 予約方法と期限
- 使用できるキャリーバッグの条件
- 追加料金の有無と金額
- 必要書類(健康証明書・ワクチン証明など)
これらの情報は、公式サイトで最新情報を確認することが重要です。
猫用キャリーバッグの選び方
キャリーバッグは、猫が飛行機内で快適に過ごすための大切な空間です。以下のポイントを考慮して選びましょう。
- 航空会社のサイズ規定を満たしている
- 通気性がよく、内部が滑らかで安全
- 頑丈で外部からの衝撃を軽減できる素材
- 開閉がスムーズで、猫の出し入れがしやすい
- キャスターやショルダーストラップ付きで移動しやすいことも重要
猫が内部で自由に体勢を変えられる余裕のあるサイズを選ぶことも大切です。事前に実際に猫を入れて確認しておくと安心です。
健康診断とワクチン接種の必要性
飛行機に乗る前には、必ず動物病院で健康診断を受けましょう。体調不良や持病がある場合、飛行機のストレスで悪化するおそれがあります。特にカーゴ輸送を検討している場合は慎重に判断しましょう。
また、以下のようなワクチン接種や証明が必要となる場合があります。
必要な項目 | 備考 |
---|---|
健康診断書 | 発行から10日以内が目安 |
ワクチン接種証明書 | 三種混合や狂犬病ワクチンなど |
マイクロチップ | 国際線では義務の国もあり |
必要な書類は航空会社や渡航先の国により異なるため、早めの準備が肝心です。
出発前にやっておくべきしつけと慣れさせ方
猫にとって飛行機の移動は非日常であり、大きなストレスになる可能性があります。
少しでも安心して過ごせるよう、出発前に環境に慣れさせるトレーニングが有効です。
- キャリーバッグに慣らす(自宅で開放して設置)
- 車や電車などの軽い移動を経験させる
- 音に敏感な猫は飛行機の騒音に類似した音に慣れさせる
- トイレや食事のタイミングをコントロールする練習
これらの工夫で、猫が落ち着いてフライトを乗り切る可能性が高まります。
キャリーバッグに慣れさせるコツ
キャリーバッグは当日突然入れるのではなく、事前に「安心できる場所」として認識させることが重要です。
無理に押し込むのは逆効果なので、段階を踏んで慣れさせましょう。
- 普段からリビングなどにキャリーバッグを置いておく
- 中にお気に入りの毛布やおもちゃを入れる
- おやつを使って中に入る習慣をつける
- 入ったら優しく声をかけて安心感を与える
慣れてくると、猫自らバッグの中でくつろぐようになります。これができれば移動当日のストレスを大幅に軽減できます。
長時間移動への耐性をつける方法
飛行機移動は長時間にわたることも多く、猫にとっては大きな試練です。
そのため、徐々に耐性をつけることが重要です。以下のようなトレーニングを日常的に取り入れましょう。
- 数時間キャリーバッグ内で過ごす練習
- 車で1~2時間のドライブを定期的に行う
- フライト時間と同じスケジュールで食事やトイレを管理
- 飛行機特有の音(YouTubeなどで再現可)を聞かせて慣らす
時間をかけて慣れさせれば、本番の移動時にも落ち着いて対応しやすくなります。猫のペースに合わせて無理のない訓練を心がけましょう。
猫と飛行機に乗る当日の流れと注意点

当日は、猫にも飼い主にも負担がかからないよう、時間に余裕を持って行動することが大切です。猫の健康状態を朝に確認し、食事や排泄を済ませておきましょう。
空港には出発の2~3時間前には到着し、チェックインや手続きに備えます。
また、キャリーバッグの中に吸水シートやタオル、お気に入りのブランケットを入れておくと安心です。
空港内ではキャリーバッグを開けないようにし、落ち着いた環境を保つことを心がけましょう。
空港でのチェックイン手順
猫を同伴する場合、チェックイン時に通常の手続きに加えて、ペット関連の確認が必要です。手続きの流れは次のようになります。
①ペット同伴の申告と搭乗手続き
事前予約の有無、搭乗可能な条件を確認
②キャリーバッグの確認
サイズ・通気性・素材などが基準を満たしているか検査
③必要書類の提示
健康診断書やワクチン証明書(航空会社による)
④追加料金の支払い
料金は航空会社によって異なり、数千円~数万円が一般的
⑤保安検査
一時的に猫を抱き上げてバッグの中身を確認する場合もあり
スムーズに進めるためにも、必要書類や手荷物の準備は事前に整えておきましょう。
機内での過ごし方(キャビンの場合)
猫がキャビン(機内)に乗る場合、基本的には座席下にキャリーバッグを収納して過ごすことになります。飼い主が気を配るべきポイントは以下の通りです。
- バッグは絶対に開けない:猫が逃げ出すと危険なため厳禁
- 静かに過ごせるようにする:無理な声掛けや触りすぎは避ける
- タオルで覆う:暗くすることで安心感を与える
- 気圧変化対策:猫は耳抜きができないため、ガムやおやつは効果が薄いが、落ち着いた状態を保つことで負担を軽減できる
猫が不安定な様子を見せたら、キャリーバッグ越しに優しく声をかけ、そばにいることを伝えましょう。
到着後のケアと注意点
到着後は、まず猫の体調をしっかり確認しましょう。長時間の移動で疲れている可能性が高いため、静かで落ち着ける場所で休ませることが最優先です。
キャリーバッグからすぐに出すのではなく、しばらく様子を見てからゆっくり解放しましょう。
注意すべき点
- 水分補給を促す(脱水予防のため)
- トイレにすぐ行ける環境を用意
- 吐き戻しや下痢がないかを確認
- 異常があればすぐに動物病院へ
また、環境が変わると猫は警戒心が強くなるため、新しい場所では無理に探索させず、安心できるスペースを用意してあげることが大切です。
猫と飛行機で海外へ行く場合の追加準備

猫と一緒に海外へ渡航する場合、国内移動と異なり渡航先の規則や検疫制度に対応した追加準備が必要です。国によっては渡航数か月前からの計画が必要になる場合もあります。
主な準備には、マイクロチップの埋め込み、指定ワクチンの接種、健康証明書の取得、必要書類の翻訳・提出などがあります。
特に検疫対応は国ごとに異なるため、早めに情報を調べ、出発日から逆算して計画的に準備を進めましょう。
国ごとの輸入条件・検疫ルール
国ごとにペットの入国に関するルールは異なり、遵守しなければ入国拒否や強制隔離される可能性もあります。例として以下のような条件があります。
国名 | 主な条件例 |
---|---|
アメリカ | 狂犬病ワクチン接種証明・マイクロチップ推奨 |
オーストラリア | 厳しい検疫制度あり・渡航前の血液検査や隔離が必須 |
イギリス | マイクロチップ、狂犬病抗体検査、輸入許可証が必要 |
シンガポール | 狂犬病リスク国からの入国は原則隔離が必要 |
航空会社だけでなく、渡航先の大使館や政府機関のサイトで最新情報を確認することが重要です。
必要な書類と申請手続き
猫の海外渡航には、さまざまな公的書類の準備と申請手続きが必要になります。主な書類と申請先は以下の通りです。
- 動物検疫所の輸出検査証明書(出国前)
- ワクチン接種証明書
- マイクロチップ番号証明書
- 出国・入国許可申請書類
- 航空会社指定の同伴申請書類
また、一部の国では書類の英訳・公証が求められる場合もあります。書類の不備は入国拒否のリスクがあるため、出発の2か月前には一度全体を確認しておきましょう。
マイクロチップとワクチン証明の取り扱い
海外渡航において、マイクロチップの装着とワクチン接種はほぼ必須条件です。
特に、マイクロチップの装着はワクチン接種よりも前でなければ無効になる国もあるため、順序にも注意しましょう。
- マイクロチップ:ISO規格(11784/11785)のものが推奨
- 狂犬病ワクチン:接種後21日以上経過が必要な国が多い
- その他:猫白血病ワクチンなどの接種が求められることも
証明書は英語表記が原則で、獣医師署名が必要です。コピーではなく原本を携行するようにしましょう。
猫と飛行機に関するよくある質問(FAQ)
猫が飛行機でパニックにならない?
猫は環境の変化に敏感な動物であり、飛行機の中という狭くて騒がしい環境に大きなストレスを感じやすいです。
ただし、事前の慣れと対策次第でパニックを軽減できます。
- キャリーバッグへの慣れ
- 飼い主の匂いがついた毛布を入れる
- 暗くして視界を遮る
- フェリウェイなどの猫用フェロモン製品の使用
- 獣医に相談して軽い鎮静剤を使用するケースも
ただし、鎮静剤は体調に悪影響を与えることもあるため、必ず獣医と相談の上で判断することが重要です。
猫に機内で食事や水は与えられる?
機内での猫への食事や水の与え方には注意が必要です。基本的にフライト中はキャリーバッグの開閉が制限されるため、事前に工夫して準備しておくことが大切です。
- 搭乗2~3時間前に食事を済ませておく(吐き戻し防止)
- 飲み水は機内用の水飲みボトルか、こぼれにくい器に少量入れておく
- キャリーバッグに吸水性の高いペットシートを敷いておく
- 長時間フライトの場合は、乗り継ぎや目的地でしっかり水分補給
食事は無理に与えず、水分補給を最優先しましょう。緊張状態では猫はあまり食べないため、帰着後に落ち着いてから食べさせるのがおすすめです。
猫は飛行機のストレスで体調を崩さない?
飛行機での移動は、猫にとって非常にストレスのかかる体験であり、体調不良の原因になることがあります。特に以下のような症状に注意が必要です。
- 食欲不振
- 下痢や嘔吐
- 呼吸が荒い・震える
- 排泄の失敗
- 無気力・動きが鈍くなる
これらの変化が見られた場合、早めに動物病院を受診しましょう。
また、渡航前に獣医で健康チェックを受け、持病がある猫は輸送を再検討することも大切です。
環境変化が体調に与える影響を最小限に抑えるためにも、事前準備と当日の穏やかな対応が重要です。
この記事の執筆者
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