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猫の肉球には7つの大事な役割がある!構造や適切なケア方法

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猫の肉球には7つの大事な役割がある!構造や適切なケア方法

プニプニとしている猫の肉球は、愛猫家の中でも癒されるポイントのひとつとして人気です。

その人気ぶりからインテリアやアクセサリー、スイーツなどのデザインに用いられることも。

かわいい部位として認識している人は多いですが、あらためてどんな構造をしているのか、どのような役割を担っているのか、詳細は謎に包まれています。

本記事では、かわいさだけではない猫の肉球がもつ役割や構造を徹底解説。

さらに、肉球に求められるケアの方法やよくあるトラブル、毛色や性格との関係性についても触れています。

猫の肉球の全てが分かる内容ですので、猫好きの人は必見の内容です。

この記事の結論

  • 猫の肉球は、主にコラーゲンと脂肪で構成されていることからプニプニとしている
  • 前足と後ろ足では、付いている肉球の数が異なる
  • 肉球には衝撃を和らげる、体温調節、足音を消す、物を掴むといった役割がある
  • 肉球が汚れていたら拭いてあげて、いつでも清潔に保つ

眞壁 亜実

担当執筆者

眞壁 亜実

ライター

動物に携わる職を目指し、飼育について学ぶ専門学校へ入学。
牛の魅力にハマり、卒業後は酪農スタッフとして牧場で乳牛と過ごし、居住地が変わることをきっかけに、動物看護士に転職。
現在はこれまでのペットに関する経験を活かしながらライターとして活動中。

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猫の肉球の構造

猫の肉球は表皮・真皮・皮下組織から構成されており、真皮は主にコラーゲン、最も内側の皮下組織は脂肪でつくられていることから、プニプニとした弾力を感じられます。

前足は爪付近の「指球(しきゅう)」、中央の「掌球(しょうきゅう)」、手首付近の「手根球(しゅこんきゅう)」の3か所。

後ろ足は爪の付近にある「趾球(しきゅう)」と中央の「足底球(そくていきゅう)」の2か所が肉球にあたります。

前足と後ろ足で違いがある、猫の肉球の構造に詳しく迫っていきましょう。

前足

指球(しきゅう)爪の真下にある5つの肉球
掌球(しょうきゅう)真ん中にある肉球
手根球(しゅこんきゅう)手首付近にある肉球

指球(しきゅう)はその名の通り、指に該当する5か所にそれぞれついている小さな肉球です。

前足の指球は一見すると4つしかないように思いますが、親指の爪を意味する狼爪(ろうそう)の部分にも、小さな指球が存在します。

この狼爪は個体によってはまれに後ろ足についていることがありますが、基本的には前足にしかありません。

中央の大きめな肉球は掌球(しょうきゅう)と呼ばれ、手のひらの部分に位置しています。

掌球は個体による形の違いが出やすい肉球で、形の傾向によって性格を見極めることができるという噂も。

手首のあたりにある手根球(しゅこんきゅう)は、地面に接しない位置にあることから、進化の過程で残ったなごりではないかといわれています。

ほかにもさまざまな説があるものの、手根球の明確な役割は謎に包まれています。

後ろ足

趾球(しきゅう)爪の真下にある4つの肉球
足底球(そくていきゅう)真ん中にある肉球

猫の後ろ足にある肉球は、前足と違いがないように感じますが、呼び方や数が異なります。

指の付近にある4つの肉球は趾球(しきゅう)と呼ばれており、前足よりも数が1つ少ないです。

真ん中にある大きな肉球は足底球(そくていきゅう)で、前足と同様にプニプニとした弾力があります。

猫の肉球の役割

猫好きを魅了するかわいさがある肉球ですが、猫の体をサポートするために必要な、以下の重要な役割を担っています。

  • 衝撃を和らげる
  • 足音を消す
  • 滑り止め効果
  • 体温調節をする
  • 物を掴む、しがみつく
  • 感覚に反応するセンサー
  • 顔のお手入れに活躍

猫の肉球にこんなにもたくさんの役割や機能があるのは驚きです。

それぞれの役割や機能がどんな働きをもつのか、それぞれ詳しくみていきましょう。

衝撃を緩和するクッション機能

身体能力が優れている猫はジャンプ力が高く、高い所へ飛び移ったり飛び降りたりすることが得意。

肉球はジャンプの際に足裏にかかる衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。

ケガをすることなくスムーズに着地ができるのは、弾力性のある肉球が猫の足裏を守ってくれているからなのです。

足音を消す機能

猫は足裏に肉球があるおかげで、足音をほとんど立てずに歩くことができます。

今や家庭で愛されている猫も、その昔は狩りをして暮らしていた動物です。

足音が聞こえてしまうと獲物に忍び寄ることが難しいため、足音をたてずに歩けるよう肉球が発達したと考えられます。

振り向いたら音もなく愛猫がすぐ後ろにいた、という経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。

滑り止めの機能

猫の肉球には汗腺があり、触るとしっとりとしています。

汗をかいて肉球の表面を湿らせることで、滑り止めとしての機能を発揮します。

滑り止めの効果により、歩いたり走ったりする際はもちろん、急な方向転換や足場が悪い場所でも安定した動きをサポート。

猫の身体能力の高さには肉球が一役買っているといえます。

体温調節の機能

猫は肉球に汗腺があり、暑いときは汗をかくことで体温調節を行います。

人間のように体中から汗を放出することはできず、汗腺があるのは肉球と鼻だけなのです。

暑さだけでなく、恐怖や緊張を感じているときにも肉球に汗をかきます。

人間に置き換えると冷や汗のようなイメージです。

さらに、自分のニオイを付けるマーキングとしての役割もあり、肉球の汗には体温調節以外にも多様な機能があることが分かります。

物を掴んだりしがみつく機能

肉球があるおかげで物を掴んだり、何かにしがみつくことができます。

遊んでいるときにおもちゃを手で捕まえるかわいらしい姿がよく見られますが、実は肉球が活躍しているのです。

また、猫が木に登れるのも肉球の効果によるものです。

木登りには爪も使いますが、滑り止めとなる肉球があることでしっかりとしがみつくことができます。

地面の温度や質感を感知する機能

猫の肉球には地面や物の温度や感触を確かめるセンサーの機能があります。

安全に歩ける場所か、触っても大丈夫な物かなど、肉球がセンサーとなり敏感に察知することが可能です。

感覚が敏感なので、肉球を触られることを嫌がる猫は少なくないです。

顔のお手入れに活用

猫の肉球は顔のお手入れを行う際にも役立ちます。

体のお手入れは直接舐めて毛づくろいをしますが、顔を舐めることは難しいです。

そこで、舐めた肉球を顔にこすりつけてブラシ代わりにすることで、余すことなく隅々まで顔のお手入れができるのです。

よく前足を使って顔をこすり、そのまま舌で舐め取っている光景を見るという飼い主さんもいるのではないでしょうか。

猫の肉球の色と毛色の関係性

猫の肉球の主な色は、黒・ピンク・あずき・ピンク×黒のブチの4種類に分かれます。

肉球の色被毛の色
黒、キジトラ、ブルー など
ピンク白、茶トラ、三毛 など
あずきシルバー、ブルー、サバトラ など
ピンクと黒のブチ三毛、バイカラー など

被毛の色に関連していることが多く、黒っぽい被毛の猫は肉球の色が暗く、明るい被毛の場合は肉球がピンク色である傾向が強いです。

2種類以上の色が混ざる被毛の場合では、肉球がピンクと黒のブチ模様になることも。

被毛と肉球の関係には必ずしも規則性があるわけではありませんが、被毛だけでなく肉球にも色の違いがあるのは、個性が感じられて面白いですね。

猫の肉球の色と性格の関係性

実は肉球の色が猫の性格と関係しているという説があります。

肉球の色性格
マイペース
ピンク穏やか
あずき穏やか
ピンクと黒のブチ穏やか

黒色は自分の時間を大切にするマイペース、ピンクやあずき、ブチ模様は穏やかな性格をしているという噂が。

また、肉球の色だけでなく形でも性格の傾向をみることができるとささやかれています。

まるで人間でいうところの手相占いのようですね。

愛猫と暮らしている人は、肉球の色と性格が当てはまるかどうか、ぜひ確かめてみてください。

愛猫の肉球ケア方法

さまざまな機能をもつ猫の肉球ですが、状態によってはケアをしてあげないとトラブルを招くことがあります。

肉球の健康を守るためにも、正しいケア方法を知っておきましょう。

愛猫の肉球の状態をチェックして以下のケアを試してみてください。

汚れていたら清潔にしてあげる

普段は手軽に掃除できない高いところに登ったり、狭いすき間に潜り込んだりするので、肉球は汚れやすいです。

肉球についたホコリや汚れを放置すると、雑菌が繁殖して皮膚トラブルを招く恐れがあります。

汚れがついていたらその都度拭き取り、清潔な肉球を保ちましょう。

特に猫砂との相性が悪かったり、まだ子猫のうちは、トイレ後にうんちを付けてしまっていることもあります。

猫砂をかく音が聞こえて外に出てきたら、汚れていないかチェックしてあげてください。

肉球の間の毛が長ければカットする

肉球には滑り止め効果があるものの、足裏の毛が長いとその効果が発揮されず、フローリングでは滑ってしまいます。

ケガの原因となるため、肉球の間の毛が長い場合はカットしてあげましょう。

足腰への負担を軽減するためにもフローリングよりカーペットが理想的ですが、やむを得ずフローリングのみというご家庭においてはより注意が必要です。

暴れてしまって自宅でカットするのが難しければ、動物病院に相談してみてください。

乾燥していたら保湿クリームを塗る

乾燥や摩擦で、肉球の表面がガサガサに荒れてしまうことがあります。

悪化するとひび割れて出血してしまうので、肉球の乾燥に気が付いたら専用の保湿クリームを塗ってあげてください。

人間用のクリームは、猫が舐めると体に悪影響となる成分が含まれていることもあります。

使う際には、必ず猫専用の保湿剤をペットショップや動物病院から入手しましょう。

マッサージする

人間がそうであるように、猫の肉球にもたくさんのツボが存在します。

優しい力で揉んであげると健康を促進する効果が期待できるので、スキンシップの一環としてマッサージを取り入れてみると良いでしょう。

丁度良い力加減でモミモミできれば、気持ちよくてリラックスしてくれるはずです。

ただ、肉球を触られるのを嫌がる子もいるので、反応をみながら試してみてください。

注意したい猫の肉球に関するトラブル

猫の肉球は地面に接するため特にトラブルが起きやすく、以下のようなトラブルがみられることがあります。

  • ケガ
  • 火傷
  • 乾燥によるひび割れ
  • 発熱や冷え

見落としがちな肉球ですが、毎日のコミュニケーションを通して異変がないかチェックしてあげる必要があります。

それぞれの肉球トラブルの詳細と対処法を知っておき、もしものときに備えましょう。

ケガ

何か鋭利なものを踏んでしまったり、どこかにぶつけたりして肉球が傷ついてしまうことがあります。

肉球にケガを負っているときは、体重をかけると痛みなどの違和感を感じるため、いつもと歩き方や立ち方が違ったり、しきりに舐めたりするような行動が目立ちます。

出血していれば歩いた箇所に血が付着するので気が付きやすいです。

ケガは放置すると傷口から炎症が広がって治りが遅くなるので、早めに対処してあげる必要があります。

ケガの対処法

小さな傷で少量の出血であれば、清潔なタオルやガーゼで出血している箇所を押さえて止血します。

すぐに出血が止まる浅い傷であれば、数日で自然と傷口がふさがっていくので様子をみても問題ないでしょう。

異物が深く刺さっている、出血量が多く傷口が深い、暴れて処置できない、痛みが強いという場合は迷わず動物病院へ連れて行ってください。

ケガの大小に関係なく、時間が経つと傷口が化膿してしまう恐れがあるので、判断に困った場合は獣医師に処置をしてもらうのが1番です。

火傷

家の中で過ごす場合は火傷の危険性が少ないように感じますが、ストーブや IHコンロに飛び移って火傷をしてしまうケースが多いのです。

暖房器具が活躍する冬場は、特に火傷を負うことが増えるので注意が必要です。

肉球に火傷を負うと痛みを感じるので、足を地面に付けたがらなくなったり、足裏を気にしたりする様子がみられます。

異変に気が付いたら足裏の状態を確認して速やかに対処してあげましょう。

火傷の対処法

愛猫が火傷を負ってしまったら、まずはすぐに冷やします。

患部に冷水を流したり、濡らしたタオルで包んだ保冷剤を当てたりしてあげてください。

しばらく冷やしたら動物病院で診てもらいます。

できれば移動中も患部を冷やしながら連れて行くことが望ましいです。

猫の火傷を防ぐためにも、ストーブは触れても火傷しにくいタイプに変える、料理で火を扱う際はケージに入れるといった対策が求められます。

乾燥・ひび割れ

空気が乾燥しやすい冬にみられるのが、肉球表面のカサつきやひび割れ。

乾燥していると肉球本来の機能を発揮できなくなるため、しっかりと予防をすることが大切です。

乾燥が進むとひび割れて出血や痛みが発生するので、正しい予防法や対処法を知っておきましょう。

乾燥・ひび割れの対処法

日常的に猫専用の保湿クリームを塗ることで、肉球の乾燥を予防できます。

冬の乾燥だけでなく、摩擦や高齢化によっても肉球の乾燥は進むので、こまめに肉球の状態をチェックしてあげましょう。

保湿クリームはペットショップで気軽に購入できますし、動物病院でも処方してもらえます。

人間用の保湿剤は猫にとって危険な成分が含まれているので、必ず専用の保湿剤を使用してください。

乾燥がひどくてひび割れが発生している場合は、動物病院で処置をしてもらいましょう。

発熱・冷え

肉球が普段よりも熱をもっている場合は、風邪などの体調不良や熱中症が原因で発熱をしている可能性があります。

ただ、眠たいときやリラックスしている状態でも肉球はポカポカと熱をもつので、いつもの様子と比べて体調に異変があるかどうかを見極めることが大切です。

反対に肉球が冷たいケースでは、心臓病や血栓による血流障害や貧血が考えられます。

肉球の色が白っぽい、または紫色に近いような血色の悪さが目立つと、病気の危険性が高いです。

冷たいものに触れていても一時的にひんやりとした状態になるので、食欲や体調の変化とあわせて判断しましょう。

発熱・冷えの対処法

発熱が疑われる場合は速やかに動物病院で診てもらいます。

熱中症が考えられるのであれば、濡らしたタオルに包んだ保冷材を首元や脇に当てて体を冷やしながら連れて行きましょう。

暑さが原因の発熱なら水分補給をさせるのも有効です。

肉球が冷たい場合は、毛布などで体を包んで保温しながらすぐに動物病院で検査と治療を受けてください。

普段から肉球に触れることを心掛け、病気のサインを見逃さないようにすることが大切です。

愛猫の肉球はこまめにチェックし、異常があれば動物病院へ

足裏の異変は見逃してしまうことも多いため、毎日の触れ合いの中で肉球のチェックを欠かさないようにしましょう。

肉球のマッサージを習慣にすると、触った感触や温度、見た目の状態などを把握できます。

触られるのを嫌がる子には、寝ている隙にそっと確認してあげるとストレスがかかりにくいです。

スキンシップを通して健康な肉球の状態を把握しておき、適切なケアで病気やケガの予防につとめましょう。

この記事の執筆者

眞壁 亜実

執筆者情報

眞壁 亜実

ライター

動物が大好きな子育て中の主婦です。
動物に携わる職を目指し、飼育について学ぶ専門学校へ入学。
牛の魅力にハマり、卒業後は酪農スタッフとして牧場で乳牛と過ごし、居住地が変わることをきっかけに、人とペットを繋ぐ仕事がしてみたいと思い動物看護士に転職。
現在はこれまでのペットに関する経験を活かしながらライターとして活動中。

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