友人が保護して我が愛猫となった子猫は、実は保護されたときから猫風邪キャリアでした。
それについては前もって保護主の友人から聞かされ、獣医師からも猫風邪には特効薬がないことも伺っていました。
ですから、かなりの覚悟を持ってお迎えしたつもりでしたが、予測しない事態も発生し…。
ライター
現在、“在宅部長”こと2代目保護猫と暮らしながら、nademoの記事を書かせていただいています
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目次
子猫がクシャミすると動物病院へ飛んだ日々
猫風邪の原因となるウイルスは、カリシウイルスとヘルペスウイルスの2種類。愛猫コウの場合は後者でした。
母猫がキャリアだと胎内で子猫が感染するというケースも多いそうで、どうやらコウもそうだったようです。
子猫が猫風邪をこじらせると命に関わることもあると聞き、コウが幼いうちは小さな鼻を詰まらせるたびに動物病院へ飛んで行っていました。
去勢手術以来、病院嫌いに…
子猫の頃は動物病院で診察台に乗せられても平気だったのに、去勢手術をしてから病院嫌いになってしまったコウ。
手術の際に病院で何かがあったとは思えません。ただ、去勢手術後、甘えん坊になってしまうオス猫が多いと何かの記事で読んだ気がします。
人間の子どもには2歳ぐらいの頃「イヤイヤ期」というのがあり、床に寝転んで泣き叫んだりしますが、診察台の上のコウはまさにそれ。
大声で叫ぶわ、「シャーッ」と威嚇するわ、逃げ回るわ、爪は出すわ…獣医さんに「お母さんが甘やかすからです!」と何度も叱られました。
確かに、ストレスが猫風邪悪化の原因になると聞いて、ついついストレスを与えないようにと甘やかしていたかもしれません。
猫風邪の子と暮らすために諦めたもの
コウが小さな頃から、病院ではさまざまな治療を試していただきました。
抗生剤の飲み薬や点鼻薬・点眼薬、インターフェロンの注射をしていただいたこともあります。
子猫によってはワクチンを打つことで快癒する子もいるそうですが、残念ながら、コウの場合はウイルスを撃退することはできませんでした。
猫風邪は人間には移りませんが、猫同士では感染力が強いため、ペットホテルに預けたり、ペット可の宿泊施設に同伴することもできません。
猫風邪の子と暮らすことを決めたとき、私は多頭飼いと旅行を諦める覚悟を決めました。
1泊2日の取材中、保護主さんへお預け
当時、私の住まいは熱海にあり、観光地に住んでいたため、旅行を諦めるのはさほど苦ではありませんでした。
それよりもコウと暮らす毎日のほうがよほど楽しく、大切だったからというのもあります。
もちろん、コウと私の生活を維持していくためにも、仕事はしなければいけません。
その頃、私は旅行誌の熱海ページ担当ライターをしており、ある日、初島へ1泊2日の取材という仕事が入ってきたのです。
先代猫のストレスはお留守番だった
私は熱海に引っ越す前、東京で広告制作会社を経営しながら、ファッション誌の旅行・グルメページのライターもしていました。
その頃もフミヤという去勢済み男の子のキジトラ猫がいて、18歳で虹の橋を渡るまで一緒に暮らしました。
取材で家を空けることも多く、そのたびフミヤはかかりつけの動物病院で預かっていただきました。
結婚後は夫の実家に2〜3日帰省するときなど、よくひとりでお留守番もしてもらいました。
帰ってくるとフミヤは必ず私たちの顔を見た途端、わざとかのようにゲーゲーしたものです。
お腹の毛が舐めすぎて薄くなっていました。お留守番がストレスだったのでしょう。可哀想なことをしたと、今も後悔で胸が痛くなります。
愛猫コウの立てこもり事件発生!
猫風邪持ちのコウにお留守番のストレスはとても与えられません。
1泊2日の初島取材は辞退しようと思っていたところ、保護主の友人がコウを預かってくれると申し出てくださいました。
保護主のMさん宅なら、コウも幼い頃に過ごしていたので安心です。
…ところが。初島への取材を終え、Mさんに電話すると「すぐ家に来て!」
Mさん宅へ連れて行ったその日、コウは押し入れに隠れてしまい、2日間ごはんも水も口にしていないというのです。
立てこもり現場の部屋に踏み込み、「コウちゃん」と声をかけた途端コウが飛び出してきて、胸に飛び付いてきました。
ごめん、ごめんね。悪かったね。この子を守れるのは私しかいないのだ。改めて私は覚悟を決めました。
飼い主も猫も一大決心!次回は「さらば海を見ていた午後」です。
この記事の執筆者
楠 涼
ライター
現在、“在宅部長”こと2代目保護猫と暮らしながら、nademoの記事を書かせていただいています。
また、キャットヘルスケアアドバイザー資格取得にチャレンジ中ですので、皆様の愛猫の健康生活に役立つ情報をお届けしてまいりたいと存じます。
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