「猫はチーズが好きって聞いたけど、本当にあげても大丈夫?」そんな疑問を持つ飼い主さんは多いのではないでしょうか。
人間にとっては美味しいチーズですが、猫にとっては思わぬ健康リスクを伴う場合があります。
本記事では、猫にチーズを与える際の注意点や、与えても比較的安全とされるチーズの種類、さらにはおすすめの代替おやつまで、猫の健康を第一に考えた情報を詳しく解説します。
この記事の結論
- 猫にチーズを与える際はごく少量をたまにが基本
- 乳糖や脂肪分により下痢などのリスクがある
- 与える際は体調やアレルギー反応をよく観察する
- 猫の体質に合ったおやつ選びが健康維持のカギ
目次
猫にチーズを与えても大丈夫?

猫にチーズを少量与えること自体は、必ずしも即座に健康を害するものではありません。
ただし、チーズには猫の体に負担となる成分が含まれているため、常食や大量摂取は避けるべきです。
基本的にチーズは「おやつ」としてごく少量、体調に問題がない猫にのみ与えるのが原則です。
猫によってはチーズに含まれる乳糖や塩分で体調を崩すこともあります。よって、猫にチーズを与える際は慎重に判断し、あくまで例外的なご褒美として考えるべきでしょう。
猫はチーズを食べたがるその理由とは?
猫がチーズを好む理由は、主に「香り」と「脂肪分の多さ」にあります。チーズは濃厚な香りを放ち、猫の嗅覚を強く刺激します。
また、脂肪分が多いため、高カロリーで猫にとって魅力的な味に感じられるのです。ただし、猫は人間とは違って「味覚」よりも「嗅覚」で食べ物の好みを判断する傾向があります。
そのため、チーズのにおいに惹かれて食べたがる猫が多いのです。しかし、好むからといって健康に良いとは限らないため、安易に与えすぎないよう注意が必要です。
基本的にはおすすめできない理由
猫にチーズを与えることは、一般的にはおすすめできません。その主な理由は以下の3点に集約されます。
- 乳糖不耐症:猫は乳糖を分解する酵素が少ないため、下痢や嘔吐を引き起こす可能性がある
- 塩分・脂肪分が多い:猫の腎臓や肝臓に負担をかけ、肥満や生活習慣病の原因になる
- 猫に必要のない栄養素が多い:チーズは猫にとって必須ではない食品で、他に栄養価の高いおやつもある
チーズを与えることによるリスクを理解したうえで、猫の健康を第一に考えることが大切です。
乳糖不耐症と猫の消化器官の問題
多くの猫は「乳糖不耐症」と呼ばれる体質を持っており、乳製品に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素「ラクターゼ」がほとんど存在しません。
これにより、乳糖を含むチーズを食べると、以下のような消化不良の症状が現れることがあります。
- 下痢
- 嘔吐
- 腹部の張り
- 食欲不振
とくに子猫や高齢猫は消化器官が敏感なため、症状が重くなるリスクもあります。乳糖の含有量が少ないチーズであっても、猫にとっては負担となる可能性があるため注意が必要です。
塩分や脂肪分の過剰摂取による健康リスク
チーズは種類にもよりますが、一般的に塩分や脂肪分が高めです。猫は人間に比べて非常に少ない塩分しか必要としないため、塩分の過剰摂取は腎臓に大きな負担をかけます。また、脂肪分が多いチーズを頻繁に与えると、以下のようなリスクが高まります。
成分 | 健康への影響 |
---|---|
塩分 | 腎臓病、高血圧のリスク上昇 |
脂肪 | 肥満、膵炎、脂肪肝の可能性 |
猫は本来、高タンパク・低脂肪の食生活が適しているため、チーズは日常的なおやつには不向きです。
猫に与えても比較的安全とされるチーズの種類

すべてのチーズが猫に有害というわけではなく、中には比較的安全とされる種類もあります。
ただし、「あくまで少量」「頻繁に与えない」ことが前提です。安全性が高いとされるチーズには以下のようなものがあります。
- カッテージチーズ:低脂肪・低塩分・乳糖が少ない
- モッツァレラチーズ(無塩タイプ):消化に優しく、添加物が少なめ
- 低塩・低脂肪プロセスチーズ:猫向けに製造された市販品も存在
いずれも少量を「ご褒美」として与える程度であれば、猫の健康に大きな影響を与えることは少ないとされています。
カッテージチーズ
カッテージチーズは、水分が多くて柔らかく、乳糖・塩分・脂肪分が少ないため、猫に与えるチーズの中では比較的安全とされています。
もともとダイエットや健康志向の人間用に作られたこともあり、成分が控えめなのが特徴です。無添加のカッテージチーズを、ごく少量与える程度なら、乳糖不耐症の猫でも症状が出にくい場合があります。
ただし、与える前に成分表示を確認し、塩分や香料などの添加物が含まれていないかをしっかり確認しましょう。
モッツァレラチーズ
モッツァレラチーズは、比較的加工が少なく、塩分や添加物の少ないチーズとして知られています。
とくに無塩タイプのモッツァレラチーズであれば、他のチーズに比べて猫へのリスクが低いといわれています。水分量が多く柔らかいため、消化もしやすいのが特徴です。
ただし、乳糖は少量ながら含まれているため、与える量には細心の注意が必要です。大きくちぎって与えると誤飲の原因になるため、細かくカットして与えましょう。
低塩・低脂肪タイプのプロセスチーズ
市販されているプロセスチーズの中には、低塩・低脂肪タイプとして販売されている製品もあります。
これらは猫用に作られた製品ではありませんが、成分表示を確認し、香料や保存料が少ないものであれば、猫に与えることが可能な場合もあります。
特に猫用チーズとして販売されている製品であれば、猫の健康を考慮した成分になっていることが多いため安心です。
ただし、加工食品であることには変わりないため、与える頻度と量にはくれぐれも注意しましょう。
猫にチーズを与える際の注意点と適量の目安

猫にチーズを与える際は「頻度」「量」「体調」の3点に注意が必要です。チーズは猫にとって必須の食べ物ではないため、与える場合は以下のようなルールを守りましょう。
- 与える頻度:週に1~2回程度まで
- 量:猫の体重1kgあたり1g程度のごく少量
- 状態:健康で体調不良の兆しがないときのみ
また、新しい食材を与えるときは少量から始め、異変がないか慎重に様子を見ることが大切です。
ごく少量をたまに与えるのが基本
チーズは猫にとって栄養バランスの面で理想的とはいえません。そのため「毎日与える」「主食に混ぜる」などの与え方は避け、あくまで「たまに」「ごく少量」にとどめましょう。
例えば、3~5mm角程度のチーズを一口だけ与えるといった、ご褒美的な使い方が望ましいです。
欲しがるからといって量を増やすと、脂肪・塩分の摂りすぎによる健康リスクが高まるため、飼い主の判断と管理が重要です。
アレルギー反応や下痢などの兆候に注意
猫にチーズを与えたあとには、必ず体調の変化をチェックしましょう。体質によっては、以下のような反応が出る場合があります。
- 下痢・軟便
- 嘔吐
- 皮膚のかゆみ・赤み
- 食欲不振や元気がない
とくに初めてチーズを食べた場合は、乳糖不耐症による消化不良や、アレルギー反応が出る可能性があります。
体調に異常が見られたら、すぐにチーズの給餌をやめ、必要に応じて獣医師に相談しましょう。
子猫・老猫・持病がある猫には与えない方が良い
子猫や老猫、持病を抱えている猫は、チーズに含まれる乳糖・脂肪・塩分などの成分に対して体の負担が大きくなります。具体的には以下のような猫には避けるべきです。
子猫
消化器官が未発達で乳糖の分解が困難
老猫
腎臓・肝臓機能が低下している可能性
病気持ちの猫
腎臓病・膵炎・肥満などに悪影響
このような猫には、チーズを与えるのではなく、獣医師に相談のうえで健康に配慮した専用のおやつを選びましょう。
猫用チーズや代替おやつの選び方

市販されている猫用チーズや代替おやつを選ぶ際には、「安全性」「成分表示」「添加物の有無」に注目しましょう。
チーズ味のおやつは多くありますが、実際には乳製品を使用せず風味を再現しているだけの製品もあります。それでも猫にとっては魅力的な香りとなるため、代替手段として有効です。
無添加・低脂肪・低塩分といったキーワードを目安に選ぶことで、安心して与えられるおやつを見つけやすくなります。
市販の猫用チーズの特徴と注意点
市販の猫用チーズは、猫の体に配慮して塩分や乳糖を極力カットした設計になっているものが多く見られます。しかし以下の点には注意が必要です。
チェック項目 | 注意点 |
---|---|
塩分量 | 猫の腎臓に負担がかかるため、低塩タイプを選ぶ |
添加物 | 香料・保存料が含まれていないか確認 |
原材料 | 植物性油脂や糖分が多すぎないか |
「猫用だから安心」と過信せず、必ずパッケージ裏面を確認するようにしましょう。また、与えすぎには注意し、あくまで嗜好品として扱うことが大切です。
チーズの代わりに与えられるヘルシーなおやつ
猫にチーズの代わりとなるおやつを探している場合は、低カロリーかつ消化にやさしい食品を選ぶのがポイントです。おすすめの代替おやつには以下のようなものがあります。
- 無添加の煮干しやササミ
- 猫用ウェットフード
- チュールなどの猫用ペーストおやつ
- 野菜入りの猫用スナック(猫用として販売されているものに限る)
どれも「猫専用」であることが前提です。人間用を与えるのは控えましょう。
無添加の煮干しやササミ
無添加の煮干しやササミは、高タンパク・低脂肪で猫の健康維持に適したおやつです。特に以下のような点が優れています。
- 煮干し:カルシウムやミネラルが豊富(ただし塩分には注意)
- ササミ:脂肪分が少なく、アレルギーが出にくい
調理時は「味付けなし」「焼く・茹でる」のが基本で、鶏肉を使用する場合は完全に火を通し、骨や皮は取り除いて与えましょう。市販の無添加タイプを選ぶと手軽で安全です。
猫用ウェットフードやおやつチュール
猫用のウェットフードやチュールタイプのおやつは、水分補給にも役立ち、嗜好性が高いため、多くの猫が喜ぶおやつです。
市販のチュールには栄養バランスに配慮された製品も多く、「総合栄養食」「無添加」などの表示を参考に選ぶと良いでしょう。メリットとしては以下の通りです。
- 香りが強く、食欲がない時にも使える
- 与える量を調整しやすい
- 食感が柔らかく、老猫にも向いている
ただし、チーズ味のチュールを選ぶ場合も、原材料と成分表示のチェックは必須です。
猫にチーズを与える前に知っておくべきこと

猫にチーズを与える前に、まず知っておくべき重要なポイントは「猫の体は人間と違う」ということです。
私たちにとって身近なチーズでも、猫にとっては消化しにくい成分が含まれていることがあります。特に乳製品に含まれる乳糖は、猫がうまく分解できない場合が多く、下痢や嘔吐の原因になることも。
また、チーズは脂肪や塩分が多いため、日常的に与えるのはおすすめできません。与える場合は「ごく少量をたまに」にとどめることが基本です。
飼い主が気をつけるべき3つのポイント
猫にチーズを与える際、飼い主が注意すべき点は以下の3つです。
体調のチェック
初めて与えるときは、下痢・嘔吐・皮膚の異常などが出ないか必ず観察しましょう。
与える量と頻度
少量を月に数回までに留めるのが理想。毎日のように与えるのはNGです。
チーズの種類選び
乳糖・塩分・脂肪が少ない種類を選ぶか、猫用チーズを利用しましょう。
この3点を守ることで、チーズによる健康リスクを最小限に抑えることができます。可愛い愛猫の健康を守るためにも、正しい知識を持って与えることが大切です。
愛猫の体質に合ったおやつ選びが大切
猫によって消化能力やアレルギーの有無は異なります。例えば、乳糖不耐症の猫にチーズを与えると下痢を引き起こすことがあり、持病のある猫には塩分や脂肪分の多い食品は特に負担となります。そのため、体質に合ったおやつ選びが非常に重要です。
- 無添加・低塩分・低脂肪のもの
- 年齢や体調に合わせたタイプ(例:シニア用、肥満対策用)
- アレルギー歴がある場合は原材料を厳しくチェック
愛猫の健康状態やライフステージに応じて、適切なおやつを選ぶことで、健康的で楽しいおやつタイムを実現できます。
この記事の執筆者
nademo編集部
編集部
「いつまでも どこまでも」必要な情報を理解するだけではなく、心もお腹も満たされるような日々のために。
&nademo(アンドナデモ)のコンセプトをもとに、飼い主さんとペットが安堵できる時間を演出します。
※ 当コンテンツで紹介する商品は、実際に社内で利用した経験と、ECサイトにおける売れ筋商品・口コミ・商品情報等を基にして、nademo編集部が独自にまとめています。
※ 本記事はnademoが独自に制作しており、メーカー等から商品提供を受けることもありますが、記事内容や紹介する商品の意思決定には一切関与していません。
※ 記事内で紹介した商品を購入すると、売上の一部がnademoに還元されることがあります。
※ 監修者は掲載情報についての監修のみを行っており、掲載している商品の選定はnademo編集部で行っております。
※ 掲載している商品の順番に意図はなく、掲載の順番によってランク付けしているものではありません。