愛猫があなたのそばでくつろぎながら、喉をゴロゴロと鳴らしているのを聞いたことはありませんか?
あの心地よい「ぐるぐる」音は、猫が幸せを感じている証拠だとよく言われます。しかし、実はその音には、私たちが想像する以上に深い意味が隠されているのをご存知でしょうか?
この記事では、猫の「ぐるぐる」音の知られざる理由や、その音に込められた猫の気持ちを、わかりやすく解説します。
この記事の結論
- 猫のゴロゴロ音は仮声帯の振動によって生じる生理現象
- 幸福感だけでなく、不安や自己治癒のためにも音を出すことがある
- 普段と違うゴロゴロ音は病気や体調不良のサイン
- 日頃から音や行動を観察し、愛猫の気持ちや健康状態を理解するべき
猫の「ぐるぐる」音、その正体とは?

猫の喉から聞こえる「ぐるぐる」という音は、正式にはパーリング(purring)と呼ばれ、その正体は喉頭にある仮声帯(かせいたい)の振動によって生み出されると考えられています。
この振動は、猫が息を吸ったり吐いたりするたびに起こり、低周波の心地よい音として聞こえてきます。
この音は、猫が幸せな時に出すことが多いことから「猫のゴロゴロ音」として広く知られていますが、実はそれだけではありません。
研究者の中には、この音が単なる感情表現ではなく、猫の生理的な状態や健康にも深く関わっていると指摘する人もいます。
ゴロゴロ音はどうやって作られる?
猫のゴロゴロ音は、喉頭の奥にある仮声帯が、脳からの信号を受けて高速で振動することで生み出されます。
この振動は、毎秒20~150ヘルツという低周波で、筋肉の収縮と弛緩を繰り返すことで発生します。音の振動は喉から胸全体に響き渡り、猫の体全体を心地よい微振動で包み込みます。
この仕組みは、私たち人間が声帯を使って声を出す仕組みとは少し異なり、猫特有の能力とされています。この生理的なメカニズムが、猫のゴロゴロ音にさまざまな意味を持たせているのです。
子猫と成猫で音が違う理由
子猫のゴロゴロ音は、成猫に比べて音量が小さく、周波数が高い傾向にあります。これは、子猫が母猫に自分の居場所を知らせたり、満足していることを伝えたりするために使われます。
一方、成猫になると、音はより深く、力強くなり、さまざまな状況で発せられるようになります。
子猫の時期に、母猫がゴロゴロと音を立てて子猫に安心感を与えることから、この行動は猫にとって「コミュニケーションの始まり」であるとも言えるでしょう。
子猫と成猫の音の違いは、猫の成長とコミュニケーション能力の発達を物語っています。
【感情別】猫が「ぐるぐる」と喉を鳴らす5つの理由

猫が「ぐるぐる」と喉を鳴らす理由は、ひとつだけではありません。その状況や猫の表情、仕草によって、さまざまな感情が隠されています。代表的な5つの理由を感情別に見ていきましょう。
リラックスと満足感のサイン
最もよく知られているのが、リラックスと満足感のサインです。猫があなたの膝の上でくつろいでいる時、温かい場所で眠っている時、おいしいご飯を食べている時など、安心しきっている状態によく聞かれます。
- 安心している状態:敵がいない安全な場所で、警戒心なく過ごしているときに発します。
- 満足している状態:食事中やグルーミング(毛づくろい)中に発することが多く、快感を覚えているサインです。
- 幸福感:撫でられている時や、お気に入りの毛布で寝ている時など、最高に幸せな気分を表現しています。
このゴロゴロ音は、飼い主さんにとっても心地よいものであり、猫との絆を深める瞬間の代表例と言えるでしょう。
飼い主への愛情表現と甘え
猫がゴロゴロ音を鳴らすのは、飼い主さんへの愛情表現や甘えたい気持ちの表れでもあります。
特に、飼い主さんの顔や手に体をこすりつけながらゴロゴロと鳴らすのは、心を開いている証拠です。
- 「大好きだよ」の気持ち:飼い主さんに甘えたいとき、愛情を伝えたいときに鳴らします。
- 「遊んでほしい」の要求:遊びたい時や、注目してほしい時にゴロゴロと鳴らしながらアピールすることがあります。
- 「守ってほしい」のサイン:不安な時に、飼い主さんのそばでゴロゴロと鳴らすことで、安心感を求めていることがあります。
猫はゴロゴロ音を使って、言葉にできない気持ちを飼い主さんに伝えようとしているのです。
不安やストレスを感じているとき
意外に思われるかもしれませんが、猫は不安やストレスを感じているときにもゴロゴロ音を鳴らすことがあります。
これは、自分自身を落ち着かせようとするセルフヒーリングの一環と考えられています。
- 動物病院での診察中
- 知らない人が家に訪ねてきた時
- 大きな物音がした時
- 慣れない環境にいる時
もし愛猫が、明らかに不快そうな状況でゴロゴロと鳴らしている場合は、ストレスを感じている可能性が高いです。
そのような時は、優しく声をかけたり、安心できる場所に移動させてあげたりするなど、猫を落ち着かせてあげましょう。
猫が自らを癒やすための行動
猫のゴロゴロ音は、自己治癒能力を高める効果があると考えられています。先述した低周波の振動が、骨や筋肉の修復を促すという研究結果も報告されています。
- 怪我や病気の時:骨折や手術後、猫はゴロゴロ音を鳴らし続けることがあります。これは、骨の治癒を早めたり、痛みを和らげたりするためだと言われています。
- 出産時:母猫がゴロゴロと鳴らしながら出産をすることがあります。これは、自分自身を落ち着かせ、子猫たちに安心感を与えるためだと考えられています。
猫のゴロゴロ音は、単なる鳴き声ではなく、彼らが持つ自然治癒力の一部である可能性が示唆されています。
おねだりや要求を伝える手段
猫はゴロゴロ音を、飼い主さんに何かを要求するための手段としても使います。
この時のゴロゴロ音は、通常の満足している時の音とは少し異なり、鳴き声が混じったような、少し高い音になることがあります。
例えば、
- 朝、お腹が空いた時
- 遊びたくなった時
- 撫でてほしい時
このようなゴロゴロ音は、特に空腹時のおねだりの際に顕著です。この音は、人間の赤ちゃんの泣き声に近い周波数を持つとも言われ、飼い主の注意を引くための巧妙なコミュニケーション方法であると考えられています。
危険なサイン?猫の「ぐるぐる」音と一緒にチェックすべき体調の変化

猫の「ぐるぐる」音は、一般的に幸福やリラックスのサインとして知られていますが、実は体調不良や病気のサインである場合もあります。
特に、普段と違う状況やタイミングでゴロゴロと鳴らしている場合は、注意深く観察する必要があります。
猫は痛みを隠す習性があるため、自ら病気を訴えることはほとんどありません。そのため、飼い主さんが日頃から愛猫の様子をよく観察し、わずかな変化にも気づいてあげることが非常に重要です。
猫の「ぐるぐる」音が危険なサインかどうかを見分けるためには、ゴロゴロ音以外の行動や身体的な変化にも注意を払い、総合的に判断することが大切です。
「ぐるぐる」音が危険を知らせた実例
実施した調査では、「愛猫のゴロゴロ音の変化が病気の発見に繋がった」という実例が複数報告されています。
| 体験談 | ゴロゴロ音の変化 | 発見された病気 |
|---|---|---|
| 「いつもと違う場所で、うずくまりながらゴロゴロ鳴らしていた」 | 頻繁に、弱々しく鳴らす | 消化器系の疾患 |
| 「撫でてもいないのに、ずっとゴロゴロと鳴らし続けていた」 | 連続して、音量が大きい | 呼吸器系の疾患 |
| 「ごはんをほとんど食べずに、静かにゴロゴロ鳴らしていた」 | 普段より静かに、かすかに鳴らす | 歯周病や口腔内の炎症 |
これらのケースでは、飼い主さんが「いつもと違う」という直感に従い、動物病院を受診した結果、早期に病気を発見できたという共通点が見られます。
愛猫の「いつも」の状態を把握しておくことが、いざという時の早期発見に繋がるのです。
元気がない、食欲不振などの変化に注意
ゴロゴロ音に加えて、以下の変化が見られる場合は、病気のサインである可能性が高いため、注意が必要です。
- 元気がない、動きたがらない:普段は活発なのに、ぐったりしている、ほとんど寝て過ごしている。
- 食欲不振、飲水量の変化:ごはんを食べない、水を飲む量が極端に増えたり減ったりする。
- 排泄物の変化:下痢や便秘、尿の色や量に異常が見られる。
- 嘔吐や下痢:頻繁に吐いたり、便が緩くなったりする。
これらの症状がゴロゴロ音と一緒に見られる場合は、単なるリラックスではなく、猫が体調不良を訴えている可能性が高いです。
できるだけ早く動物病院に相談し、適切な診断を受けることが重要です。猫は痛みを我慢する生き物であることを忘れずに、少しでも気になることがあればプロの力を借りましょう。
いつもと違う「ぐるぐる」音に気づくポイント
猫の「ぐるぐる」音は、個体差や状況によって音の大きさや響きが異なりますが、注意すべきポイントをいくつかご紹介します。
- 音の大きさ:普段より極端に大きかったり、小さかったりしないか。
- 音の連続性:途切れなくずっと鳴らし続けていないか、あるいはすぐに途切れてしまうことがないか。
- 鳴らすタイミング:普段は鳴らさないような場所や状況で鳴らしていないか。
- 鳴らす時の姿勢:体を丸めてうずくまっている、あるいは体を硬直させているなど、不自然な姿勢ではないか。
これらのポイントを日頃から意識して観察することで、愛猫のわずかなSOSサインに気づくことができるでしょう。
愛猫とのコミュニケーションを深めるためにも、ゴロゴロ音を出す猫の様子を観察する習慣をつけましょう。
まとめ:愛猫の「ぐるぐる」音を正しく理解し、絆を深める
猫の「ぐるぐる」音は、私たち人間にとって、彼らの感情や健康状態を理解するための重要な手がかりです。
単なる心地よい音ではなく、リラックス、愛情表現、不安、そして病気のサインなど、さまざまな意味が込められています。
この記事を参考に、あなたの愛猫がどのような時にゴロゴロと鳴らしているのか、その時の行動や表情はどうかをよく観察してみてください。
猫の「ぐるぐる」音を正しく理解し、それに応じて適切に対応することは、愛猫との信頼関係をさらに深め、より豊かな生活を送るための第一歩となるでしょう。
この記事の執筆者
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