愛猫が体を激しくかきむしっていたり、フケや脱毛がひどくなっていたり…。もしかしたら、それは「猫疥癬(かいせん)」という皮膚病かもしれません。
猫疥癬は、ヒゼンダニと呼ばれるダニの一種が皮膚に寄生することで発症し、猫に強いかゆみや皮膚炎を引き起こします。
放置すると症状が悪化し、重症化することもあるため、早期に正しい知識を持つことが非常に大切です。
この記事では、猫疥癬の症状から感染経路、治療法、そして予防策までを分かりやすく解説します。
この記事の結論
- 猫の疥癬は、ヒゼンダニの寄生が原因で、強いかゆみや脱毛を引き起こす皮膚病
- 感染した猫との直接的な接触により感染し、人間に一時的に症状が現れることもある
- 治療は駆虫薬の投与が主であり、多頭飼育の場合は全頭の治療が必須
- 早期発見のため、日頃からの健康チェックが重要であり、予防薬の活用も効果的
目次
猫の疥癬(かいせん)とは?原因と主な症状

猫の疥癬(かいせん)は、激しいかゆみと皮膚炎を引き起こす皮膚病です。この病気の原因は、非常に小さなダニが皮膚に寄生することによって起こります。
特に外に出る猫や保護猫に多く見られる病気ですが、完全室内飼いの猫でも感染する可能性があります。
ここでは、猫疥癬の具体的な原因から、感染した際に現れる主な症状について詳しく解説します。愛猫の皮膚に異変を感じたら、この記事を参考に原因を特定しましょう。
疥癬の原因となるヒゼンダニ
猫の疥癬は、ヒゼンダニ(猫センコウヒゼンダニ)という非常に小さなダニが原因で発症します。
このダニは猫の皮膚の角質層にトンネルを掘って寄生し、そこで繁殖しながら猫の皮膚組織を食べて生きていきます。
このダニの活動によって、猫の皮膚は激しい炎症を起こし、耐え難いほどの強いかゆみを引き起こします。
ヒゼンダニは肉眼で確認することが非常に難しく、猫の皮膚に寄生しているかどうかは、専門的な検査が必要です。
主な症状:強いかゆみやフケ、脱毛
猫が疥癬に感染すると、主に以下のような症状が現れます。これらの症状は、アレルギーや他の皮膚病と似ている場合もあるため、注意が必要です。
激しいかゆみ
感染した猫は、体を激しくかきむしったり、床や壁に体をこすりつけたりするようになります。あまりのひどいかゆみに、猫の性格が変わってしまうこともあります。
フケや脱毛
特に耳のふち、顔、肘、かかとなど、ヒゼンダニが好む部分から症状が広がります。初期はフケが多く見られますが、かゆみがひどくなると、その部分の毛が抜け落ちてしまいます。
皮膚の赤みやカサブタ
激しくかきむしることで皮膚が傷つき、赤みや炎症が起こり、黒っぽいカサブタのようなものができることもあります。
感染経路と注意すべきポイント
猫同士の接触
猫疥癬は、感染した猫との直接的な接触によって感染します。特に、外に出る機会のある猫は、他の猫と接触することで感染するリスクが高くなります。
また、多頭飼育の場合、感染した猫が家にいるだけで、他の猫にも広がる可能性が非常に高くなります。
ヒゼンダニは感染力が非常に強く、短時間の接触でも感染してしまうため、特に注意が必要です。感染が疑われる場合は、すぐに隔離して感染拡大を防ぎましょう。
人間への感染:一過性の症状
猫の疥癬は、人間にも感染することがあります。ヒゼンダニは猫の皮膚にしか寄生できませんが、一時的に人間の皮膚に付着すると、かゆみや赤い発疹を引き起こすことがあります。
しかし、人間の皮膚では繁殖できないため、数日から数週間で自然に治ることがほとんどです。
ただし、免疫力の低下している方やアレルギー体質の方などは症状が強く出ることもあるため、注意が必要です。
猫の疥癬の診断と治療法

愛猫に疥癬の症状が見られたら、自己判断せずにすぐに動物病院を受診しましょう。
早期に診断を受け、適切な治療を開始することが、猫の苦痛を和らげ、完治させるために非常に重要です。
診断:皮膚検査と視診
動物病院では、主に以下の方法で疥癬の診断を行います。
視診
獣医師が猫の皮膚を直接見て、症状や皮膚の状態を確認します。特に疥癬に特徴的な耳のふちや顔の脱毛、フケの様子を重点的に観察します。
皮膚検査
感染が疑われる部分の皮膚を少し採取し、顕微鏡でヒゼンダニやその卵がいないかを調べます。
ただし、ヒゼンダニは非常に小さく、見つけるのが難しい場合もあります。検査で陽性反応が出なくても、症状から疥癬が強く疑われる場合は、治療を始めることもあります。
治療法:駆虫薬の投与
疥癬の治療には、主に駆虫薬が使用されます。
- スポットタイプの駆虫薬:首の後ろに垂らすタイプの薬で、月に一度の投与で効果が持続します。
- 飲み薬:症状が重い場合やスポットタイプの薬が使えない場合に処方されます。
これらの薬は、ヒゼンダニを効果的に駆除し、かゆみや皮膚炎を改善します。治療期間は、症状の程度や猫の個体差によって異なりますが、通常は数週間から数ヶ月にわたることがあります。
治療中の注意点と飼い主ができること【チェックリスト】
治療中は、再感染を防ぐために飼い主さんができることがいくつかあります。
多頭飼育の場合
多頭飼育の場合、1匹でも感染が確認されたら、同居しているすべての猫に治療を行うことが非常に重要です。
たとえ症状が出ていなくても、感染している可能性があります。感染した猫と他の猫を隔離し、接触を避けるようにしましょう。
猫が触れた場所の消毒
ヒゼンダニは、猫の毛やフケと一緒に部屋のカーペットやソファ、猫ベッドなどに落ちることがあります。再感染を防ぐために、猫が触れた場所をこまめに掃除・消毒しましょう。
| 対策項目 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 寝具・ベッド | 定期的に洗濯し、熱湯消毒や天日干しをする。 |
| カーペット・ソファ | 掃除機をこまめにかける。可能であればスチームクリーナーで消毒する。 |
| おもちゃ | 熱湯消毒が可能なものは熱湯につける。 |
これらの対策を徹底することで、猫の再感染を防ぐことができます。
猫の疥癬の予防策と早期発見の重要性

猫の疥癬は、一度感染すると激しいかゆみで猫に大きなストレスを与えてしまいます。この病気から愛猫を守るためには、日頃からしっかりと予防策を講じることが最も重要です。
また、万が一感染してしまった場合でも、早期に発見し、適切な治療を開始することで、猫の苦痛を最小限に抑え、完治までの期間を短縮できます。
ここでは、飼い主さんができる具体的な予防策と、早期発見の重要性について解説します。
定期的な健康チェック
愛猫の皮膚に異変がないかを、日頃から定期的にチェックする習慣をつけましょう。
猫は、かゆみや違和感がある部分を執拗にかいたり、舐めたりする習性があります。特に耳のふち、顔、ひじ、かかとなど、ヒゼンダニが好む場所に注意して観察してください。フケや脱毛、皮膚の赤みやカサブタが見られた場合は、疥癬の初期症状である可能性があります。
また、猫の性格が変わる、食欲がなくなるなどの行動の変化も、体調不良のサインかもしれません。これらの異変にいち早く気づくことで、早期に動物病院を受診し、適切な治療を開始できます。
室内飼育の徹底
猫の疥癬は、感染した猫との直接的な接触によって感染します。そのため、最も効果的な予防策は、完全室内飼育を徹底することです。
外に出る機会がなければ、他の猫との接触がなくなり、感染リスクを大幅に下げることができます。特に、地域猫や野良猫との接触は感染リスクが高まるため、注意が必要です。
万が一、外に出てしまった場合は、帰宅後に体を拭いてあげる、ブラッシングしてあげるなど、簡単なケアをしてあげるだけでも、ヒゼンダニが付着するのを防ぐのに役立ちます。
ノミ・マダニ予防薬の活用
ノミやマダニの予防薬は、猫の疥癬予防にも効果的です。これらの予防薬の多くは、ヒゼンダニの駆除成分も含まれており、定期的に投与することで疥癬の予防にもつながります。
スポットタイプや飲み薬など、さまざまな種類があるため、愛猫に合ったものを選びましょう。
- スポットタイプの予防薬:月に一度、首の後ろに垂らすだけで、約1か月間効果が持続します。
- 飲み薬:月に一度、食事と一緒に与えるタイプです。
これらの予防薬は、動物病院で処方してもらうことができます。獣医師と相談し、愛猫の健康状態や生活環境に合った予防薬を選びましょう。
まとめ:早期発見と治療で愛猫を疥癬から守ろう
猫の疥癬は、強いかゆみや皮膚炎を引き起こし、猫にとって非常に辛い病気です。
しかし、日頃から定期的な健康チェックを欠かさず、完全室内飼育を徹底し、予防薬を活用することで、その感染リスクを大幅に下げることができます。
万が一、感染してしまった場合でも、早期に発見し、適切な治療を開始すれば、愛猫は必ず良くなります。
愛猫の健康を守るために、日頃から愛情を込めて、その小さな変化に気づいてあげることが何よりも大切です。
この記事の執筆者
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