猫の病気・健康

猫の歯石は放置すると危険?費用と自宅でできる予防法を徹底解説

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猫の歯石除去は必要?病院での歯石取りの方法や費用・予防方法

猫の歯にも人間同様に歯石がつくことはあり、必要に応じて治療も行うことになります。

歯石を取るためには大変な作業が必要になり、手軽に行えるようなものでもありません。

なぜ猫の歯石は取る必要があるのか、そうした疑問の解消からひとつずつご紹介します。

病院で愛猫の歯石取りを行う際には、どれくらいの費用がかかるのか、詳しくまとめました。

この記事の結論

  • 猫であってもデンタルケアはとても重要で、しないと歯石がつき始めることになる
  • 歯垢から歯石になる期間がとても短く、猫は約1週間で歯石に変わる
  • 歯垢や歯石には細菌が含まれており、付着することで炎症を起こす
  • 歯石を取るためには動物病院で治療し、数万円程度の費用が必要になる

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猫にも歯石ができる

猫にも歯磨きが必要だということは当然のことで、猫の歯にも歯垢が溜まり、歯石ができます。

ただ、日本人はデンタルケアに対する意識が海外と比べて低いと言われており、これは愛犬や愛猫に対しても同様ではないでしょうか。中には「愛猫のデンタルケアは一切行っていない」という人がいるかもしれません。

ですが、日常的なデンタルケアはとても重要なことで、なおかつデンタルケアができないと歯石がついてしまうことは理解しておく必要があるでしょう。

歯石はただの歯の汚れだと思いがちですが、中身は細菌の塊です。適切なデンタルケアをしてあげないと、病気の原因になるのです。

猫は歯垢から歯石に変わる期間が短い

歯周病のリスク

猫は歯垢が歯石に変わっていく期間が非常に短く、約1週間で歯石に変わっていきます。

キャットフードを食べた後の食べかすから歯垢が溜まり、その歯垢には細菌が含まれています。

デンタルケアをしないとこの細菌が繁殖し、炎症を起こします。歯垢は蓄積していくことで歯石になっていき、細菌を含んだ歯垢が歯石になるということです。

歯石が付着すると歯石取り(歯石除去)が必要になる

この歯石になってしまうと、日常的なデンタルケアでは除去することができません。

当然、デンタルケアおやつでも除去はできませんし、歯ブラシを使った歯磨きですら除去することはできなくなります。

歯石が付着してしまった場合、病院での歯石取り(歯石除去)が必要になるので、自宅で気軽にはケアできません。

また、歯石ができるのは歯の表面だけでなく歯茎内部にもできるので、肉眼で確認することも難しくなります。

猫の歯石を取るべき理由

歯石は自然に取れるものでもなく、日常的なデンタルケアでも取れることはありません。

そのため前述の通り、歯石が付着した状態になると歯石取り(歯石除去)をすることになります。

ではそもそもなぜ、歯石を取らなければいけないのか、その理由についてご紹介します。

歯石が溜まると細菌が繁殖する

歯石の中にはすでに細菌が含まれており、歯石を残したままにするということは、いつまでも細菌が歯に付着している状態です。

どれだけ歯磨きを丁寧にしても歯石は取れず、その歯石には細菌が含まれている状態である、ということ。

当然、健康的な状態とは言えませんし、汚れたままで不衛生な状態とも言えるでしょう。

歯石はきちんと歯石除去をしないと除去することができないため、いつまでも細菌が口腔内に存在する状態だと考えると良いです。

細菌感染すると歯周病になる

歯周病

歯石がある状態では、細菌が原因となって炎症を引き起こします。これが歯肉炎や歯周炎といった歯周病に繋がり、病院で治療すべき病気になってしまうのです。

2歳~3歳の猫の約8割は歯周病であると言われているほどで、それだけ多くの猫が歯石を持っているということでもあります。

もちろん口腔内だけでなく、歯石に含まれる細菌を飲み込んでしまえば、臓器に悪影響を与えることも理解できるでしょう。

歯肉炎

歯周病の初期段階では、歯の周りにある歯肉に赤みが見られるようになってきます。これを歯肉炎といいます。

歯の周りには歯垢が溜まりやすく、これが徐々に歯石へと変わっていきます。

目に見えてわかるように歯石がついていき、歯垢や歯石の中の細菌が原因となって炎症を起こします。

歯周炎

歯肉炎が進んでいくと、歯周ポケットの奥の方まで炎症が波及してしまい、炎症を起こします。

歯肉だけでなく、歯を支えている歯槽骨にまで影響を及ぼし、溶け始めるようになります。

炎症を起こしている範囲も広くなっていくため、歯磨きのときには出血が見られることもあります。

歯槽膿漏

歯槽膿漏は歯周病の中でも重症の段階になっており、歯槽骨から膿が出始めます。歯槽骨の奥深くまで細菌が到達し、骨が破壊されていきます。

それだけではなく、細菌によって皮膚が破けてしまうこともあるほど危険な状態です。

抜歯になる可能性がある

歯周病になってしまうと、重症の場合には歯が抜け落ちてしまうこともありますし、抜歯が必要になるケースもあります。

猫の場合は生後6か月頃に歯が生え変わりますが、2歳~3歳の時点ではすでに永久歯になっています。

動物医療も進んでいますので、仮に抜歯になったとしても治療する方法はありますが、自分の歯で食事はできなくなります。

歯は一生涯のものなので、できれば抜歯になる前にケアできた方が良いのではないでしょうか。

猫の歯石の治療方法と費用感

病院

まずは、愛猫の口腔内の健康状態を獣医師に確認してもらい、歯石を取る必要があるか確認してもらいましょう。

歯石の治療は簡単ではなく、だからといって体にさまざまな悪影響を与えるため、放置もできません。一度できてしまった歯石は、適切に除去することが大切です。

動物病院で行う

歯石ができてしまったのであれば、動物病院を受診して、歯石除去を行ってもらいましょう。基本的に動物病院でしか行えないものですが、当日すぐに治療できるようなものでもありません。

事前検査も必要になりますし、基本的には全身麻酔で眠ってもらい、歯石除去をすることになります。

健康的な状態でなければ全身麻酔は危険なケースもありますので、全ての子にできるわけでもありません。

全身麻酔と無麻酔の猫の歯石除去比較表

項目全身麻酔での歯石除去無麻酔での歯石除去
安全性高い低い
獣医師が口腔内全体を精密に検査し、歯周ポケット内部の歯石も徹底的に除去できる。
レントゲン撮影も可能で、歯周病の進行度を正確に把握できる。
猫が暴れる可能性があり、処置中の事故や口腔内を傷つけるリスクがある。
猫の体調や病気のリスクを把握できないまま処置を行うため、麻酔以上にリスクが高い場合がある。
費用高額(約3~10万円)安価(約5千円~2万円)
麻酔費用、事前検査費用、処置費用、入院費用など。
歯周病が進行している場合は、抜歯費用などが追加される。
麻酔や事前検査が不要なため、費用は安価です。
猫への負担肉体的負担が大きい精神的負担が大きい
麻酔による体への負担や、術後の回復期間が必要。
特に持病を持つシニア猫は、事前に慎重な検査が必要。
処置中、体を保定されることや、見慣れない器具を使われるため、強い恐怖やストレスを感じる。
一度嫌な経験をすると、その後のデンタルケアを嫌がるようになる可能性が高い。
効果高い低い
歯周ポケット内の見えない部分の歯石まで除去でき、歯の表面をツルツルに磨けるため、再付着しにくくなる。
歯周病の根本的な治療が可能です。
歯の表面に付着した歯石しか除去できない。
歯周ポケット内の歯石や細菌は取り除けないため、根本的な治療にはならない。

安全かつ効果的に歯石を除去し、歯周病を治療するには、全身麻酔での処置が推奨されます。

無麻酔での歯石除去は、費用が安いというメリットがありますが、猫に大きなストレスを与え、処置も不完全なものになるリスクが高いです。

愛猫の長期的な口腔内の健康を考えるなら、動物病院で獣医師と相談し、全身麻酔下での専門的な処置を検討しましょう。

自宅での歯石取りは推奨できない

歯石を除去するにはスケーラーという器具を用いるのが一般的で、このスケーラーは市販品としても買えます。

しかし、スケーラーは先が尖っており、麻酔も行えない自宅で治療するには非常に難易度が高いでしょう。少しミスをすれば口腔内を傷つけてしまうことになりますし、暴れて噛まれる可能性もあります。

日頃からお世話をしている飼い主さんならばわかると思いますが、先の尖ったアイテムを使って口腔内を丁寧に清掃することは難しいとわかるでしょう。

歯石取りの費用感

動物病院で愛猫の歯石を取る際には、以下のような費用感になります。

歯石取りのみ5,000円~10,000円
総額20,000円~50,000円

歯石を取るだけの治療であればそんなに費用はかかりませんが、それ以外でかかる項目がいくつかあります。

  • 診察料
  • 血液検査
  • レントゲン
  • 麻酔代

受診すると必要になる診察料はもちろん、治療が可能かどうかを判断する血液検査やレントゲン検査。そして全身麻酔で治療をする場合には、麻酔代も必要になります。

歯石を取るだけなら1万円程度であるものの、総額にすると最大で10万円近くになることもあるのだと、覚えておきましょう。

猫の歯石を予防する方法

歯周病を予防するためには、歯石を予防するところから始める必要があります。

では、歯石を予防するためには何をすべきか、大事なことを飼い主さん自身が理解しておかなければなりません。

日常生活でできる予防方法は大事ですが、すでに歯周病になっている場合は病院へ行くことも忘れずに。

歯石になる前の歯磨き

結局のところ、歯周病になる前に予防するためには歯石を予防し、歯石を予防するためには歯垢の段階で落とすしかありません。

歯石になる前の歯垢を落とすためには、日常的にできる歯磨きがもっとも大切なことです。

デンタルケアグッズはたくさんの種類があるものの、歯ブラシを使って物理的に落とすというのがもっとも効果的です。

歯垢を溜めないためには、歯ブラシによる歯磨きしかありませんので、ぜひ習慣化してあげましょう。

歯周病だと動物病院で治療する

もし、すでに歯周病になってしまっていたとしたら、それは動物病院で治療するしかありません。

自宅でスケーラーを使って治療するのは難易度が高く危険ですし、お互いに負担になってしまいます。

症状によっては命に関わる可能性もあるため、まずは動物病院を受診することがもっとも大切。

治療が終わったら、歯垢を溜めないように定期的な歯磨きを習慣化するようにしましょう。

猫の歯石に関するQ&A

猫の歯石は自宅で取れる?

基本的に自宅での歯石除去は推奨されません。

歯石は非常に硬く、歯磨きや市販の除去グッズで簡単に取り除くことはできません。無理に金属製のスケーラーなどを使って剥がそうとすると、歯の表面にあるエナメル質を傷つけたり、歯茎を傷つけたりするリスクがあります。

さらに、歯の表面の歯石だけを取っても、歯周ポケット内部に溜まった細菌や歯石は取り除けず、根本的な解決にはなりません。

歯石は、必ず動物病院で獣医師に相談し、専門的な処置で除去してもらいましょう。

歯周病は猫の寿命に影響する?

歯周病は猫の寿命に影響する可能性があります。

歯周病の原因菌は、歯茎の血管から全身へと広がり、心臓や腎臓、肝臓などの重要な臓器に悪影響を及ぼすことが分かっています。特に、腎臓病や心臓病は猫の死因の上位を占める病気であり、歯周病がこれらの病気を悪化させるリスクを高めます。

猫の健康寿命を延ばすためには、歯周病を単なる口の問題と考えず、全身の健康に関わる重要な病気として捉え、日頃から予防に取り組むことが不可欠です。

歯磨きがどうしても嫌がる猫にはどうすればいい?

無理に歯磨きをする必要はありません。いくつかの代替策を試してみましょう。

猫は口を触られるのを嫌がることが多いため、無理に歯磨きをしようとすると、かえって飼い主さんへの不信感を招いてしまいます。歯ブラシを使った歯磨きが難しい場合は、以下の方法を試してみてください。

  • 歯磨きシート・コットン:指に巻いて歯の表面を拭くように使います。歯ブラシより柔らかく、猫への負担が少ないです。
  • 歯磨きジェル・スプレー:口腔内に直接スプレーしたり、歯に塗布したりするタイプです。猫が嫌がりにくいものが多く、歯垢の付着を抑制する効果が期待できます。
  • デンタルケア用おやつ:噛むことで歯垢を物理的に除去する効果があるおやつや、口腔内の健康をサポートする成分が入ったおやつも市販されています。ただし、与えすぎには注意が必要です。

これらの方法を組み合わせながら、愛猫のペースに合わせて、少しずつデンタルケアを習慣化させていきましょう。

猫の歯石取りはいつか行う治療になる

どれだけ丁寧に歯磨きできていたとしても、完璧に歯磨きができるということはほぼありません。

私たちが自分の歯をどれだけ丁寧に磨いていても、定期的に歯医者でクリーニングをしてもらうようなもの。

いつかは動物病院で歯石を取る必要があるものだと思っておくと、あらかじめ覚悟もできるでしょう。

歯磨きは大事なケアのひとつですが、完璧に行おうとせず、愛猫にとっての嫌な時間にならないよう、管理してあげてください。

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