猫の病気・健康

猫の治療費はいくらかかる?手術や入院の費用感と備えについて

猫の治療費はいくらかかる?手術や入院の費用感と備えについて

愛猫の健康に関わる治療費は、痛い出費だとしても惜しむわけにはいきません。

ですが、人間の医療技術が進歩するように、犬猫などの動物に関する医療技術も進歩し、それに伴って高額になってきています。

対応できる病気やケガの種類が増える一方、飼い主としての出費も増えていきますよね。

現在ではどれくらいの費用感になっているのか、手術や入院にかかる費用について、詳しくまとめました。

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猫の生涯必要経費は約130万円

まずは一般的な猫の生涯必要経費について、ペットフード協会がまとめた令和4年分の資料があります。

この資料によると、2022年の猫の生涯必要経費は約130万円となり、前年度よりは20万円ほど下がりました。

ですが2017年頃と比べればわかるように、生涯必要経費は30万円増えており、上下する年はあるものの増加傾向です。

経費の内訳は次の通り。

  • 市販の猫主食用キャットフード
  • 市販の猫おやつ用キャットフード
  • 獣医にかかる医療費
  • 猫の保険
  • 市販の猫の雑貨
  • 市販の猫のおもちゃ、衣類

などで、月平均の支出としては約7,286円です。こちらも2017年から2,000円弱、上がっています。

出典:一般社団法人ペットフード協会「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」

食費と健康は毎月、同額程度を使う

必要経費のうち、その多くがキャットフードではないか?というイメージの方も多いはず。

ですが実際には、毎月の食費と健康に関わる部分の経費としては、ほぼ同額となっています。

キャットフード(合計)医療費・保険(合計)
2017年3,388円4,624円
2018年3,691円4,141円
2019年4,048円5,365円
2020年3,914円4,676円
2021年3,914円6,098円
2022年4,233円4,461円

ひと月ごとにかかる経費は、キャットフードで約4,000円。医療費・保険もあわせて4,000円を超えます。

「食費さえなんとかなれば」というイメージをもし持っているのであれば、医療費・保険でも同額程度がかかると想定しておいた方が良いでしょう。

支出は犬の半分でも、増加傾向にある経費

2022年の犬の飼育経費では、約250万円となっています。猫の倍近くありますよね。

この数字を見ると猫はそこまでお金がかからない、という印象になるかもしれません。

ですが、現実として過去数年と比べても必要経費は上がってきています。

もしいま、愛猫が子猫だったとしたら、シニア期の頃には大きく上がっているかもしれませんね。

猫の治療費が高くなる理由

高額になってきているといわれる猫の治療費・保険代。

月平均で見れば4,000円ほどですが、実際に治療を受けてみると数十万円になる、ということも少なくありません。

なぜここまで高くなるのでしょうか。

猫には公的な医療制度・保険がない

人間の場合、国民健康保険や社会保険などが用意されており、負担額は原則3割となっています。

毎月、一定額を収めており、治療を受けた際には保険証を提示するだけで実際に支払うのは3割だけ。

ですが猫の場合、こうした公的な医療制度・保険制度が用意されていません。

どんな治療になろうとも、愛猫が受けた治療は全額、飼い主さんが負担することになっています。

治療の専門性が高くなってきている

一昔前と比べれば医療技術は進歩しているので、難易度の高い治療も可能になってきています。

できることが増えていく一方で、難易度が高ければ治療費も高額になってしまうもの。

それでも費用を惜しまない、という飼い主さんも多いですが、負担は当然大きくなりますよね。

治療費は動物病院ごとに異なる

動物病院での治療費は、病院側が自由に決められるようになっています。

人間の場合であれば大体の費用感が明確であるものの、動物の場合には異なっている、という実情があります。

人間の病院ほど病院自体の数も多くないため、治療費に大きな差が出ることもあります。

獣医師団体が基準料金を決めることは禁じられている

なぜ動物病院ごとに治療費が異なるのかというと、独占禁止法によって禁じられているからです。

獣医師の診療料金は、獣医師団体が基準料金を決めてはいけない決まりになっています。

獣医師同士が協定して決めることも禁止なので、各々料金を決めて価格競争を維持できるように、としています。

猫の治療費目安

内容平均値中央値
初診料1,468円1,500円
再診料802円750円
往診料2,669円2,500円
時間外診療(平日)3,087円2,500円
時間外診療(休診日)3,507円2,500円
時間外診療(深夜)6,123円6,250円
入院料(猫)3,134円2,500円
入院料(ICU)5,210円4,000円
診断書2,176円2,500円
猫混合ワクチン(FeLVを含まないもの)4,721円4,000円
猫混合ワクチン(FeLVを含むもの)6,441円6,250円
猫ワクチン(FIV)4,657円4,000円
猫ワクチン(FeLV)4,332円4,000円
輸血料(猫)14,714円11,250円
猫去勢(麻酔料除く)15,218円12,500円
猫避妊(卵巣切除、麻酔料除く)22,719円22,500円
猫避妊(卵巣子宮切除、麻酔料除く)23,897円22,500円
出典:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査結果(令和3年度)」

日本獣医師会の令和3年度調査から、猫の治療費目安として上記にまとめました。

初診料や再診療などは犬猫全体の費用となっており、後半には猫を中心とした費用となっています。

迎え入れ直後にはワクチン接種や去勢・避妊手術なども検討すると思います。

その治療費目安となるので、参考にしてみてください。

猫の病気別治療費

傷病名平均値中央値
慢性腎臓病272,598円71,517円
嘔吐・下痢・血便37,601円8,748円
膀胱炎45,741円12,852円
胃炎・胃腸炎・腸炎36,334円8,748円
心筋症164,135円50,933円
結膜炎18,647円5,368円
外耳炎28,166円7,560円
元気喪失48,947円12,420円
糖尿病321,831円122,319円
皮膚炎24,592円6,480円
挫傷・擦過傷・打撲24,756円5,724円
尿石症82,175円14,256円
歯周病・歯肉炎71,061円20,196円
膵炎209,220円54,714円
鼻炎・副鼻腔炎・上部気道炎39,019円7,639円
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)191,908円60,588円
猫伝染性腹膜炎117,439円40,360円
膀胱結石122,033円21,596円
くしゃみ・鼻汁22,877円6,372円
便秘59,061円10,021円
出典:アニコム「家庭どうぶつ白書2019」

2019年のアニコム家庭どうぶつ白書では、猫の病気別治療費についてまとめられています。

上記20種類は傷病件数として多いものとなっており、もっとも多いのが腎不全などを含んだ慢性腎臓病です。

これだけでもわかるように、中央値は約7万円ですが、平均値は約27万円となっています。

治療費が高額になっている傷病は年間診療回数も多くなっているため、治療が長期になりやすく、治療費も高額になります。

愛猫の高額治療に備えるならペット保険

ペット保険

猫の治療費が高額になってきている現在、もしもに備えるならばペット保険を検討すると良いでしょう。

通常であれば治療は全額自己負担となってしまうところ、人間と同じように保険加入しておけば臨時の出費を抑えられます。

ペット保険に加入していると愛猫が病気やケガになったとき、一定の割合で保険会社が補償してくれます。

保証割合は「100%、70%、50%」などがあり、どんな病気を補償してくれるのか?といったことも選べます。

補償内容がどういったものなのか、支払う保険料と比較して自分たちに合ったものを選ぶのが良いでしょう。

必ずしもペット保険でなければいけない、ということはありませんが、ペット保険を選ぶメリットはたくさんあります。

貯金よりも保険の方が心理的負担も少ない

ペット保険であろうと、貯金であろうと、支払うことには変わりありません。

そのためペット保険に加入して保険料を支払うのではなく、貯金していればいいのでは?と思う方もいるでしょう。

ですが、ペット保険に加入しておけば緊急時にも負担なく対応できますし、高額治療方法となっても悩みづらくなります。

高額治療になってしまった場合、貯金が一気に消えてしまうのは心理的にも辛いでしょう。

ペット保険は毎月の保険料の支払いはありますが、万が一、高額治療になった場合に飼い主の経済的な負担を抑えることが出来ます。

想定していない高額出費を防げる

治療内容によっては高額出費になることも少なくない、というのが近年の猫の治療です。

そんなときに貯金だけでは、もしかしたら足りなくなってしまうかもしれません。

その点、ペット保険に加入しておけば、急な高額出費であっても大半を補償でカバーすることができます。

もちろん何ら負担はない、というだけの貯金があればそれで良いでしょう。

猫のペット保険の注意点

ペット保険に加入しておけば、愛猫に何かあっても耐えることが可能です。

しかし、メリットばかりではありません。デメリットもありますので、必ず確認しておきましょう。

年齢制限がある

ペット保険の年齢制限

ペット保険とはいっても、あくまで保険制度のひとつです。

人間と同様に、年齢を重ねれば重ねるほどに、加入する条件は厳しくなります。

一般的には1歳から10歳ほどまでが加入できる期間で、それ以降は厳しいと考えておきましょう。

また、年齢に関わらず病歴によっても加入が難しくなります。

仮に加入できたとしても、保険料が高額になってしまう、ということも少なくありませんよ。

治療費の全額が必ず補償されるわけではない

治療費補償割合保険金
50,000円50%25,000円
50,000円70%35,000円

ペット保険に加入したからといって、治療費の全額が補償されるというわけではありません。

主な補償割合は50%と70%。仮に5万円の治療費だとすると、50%で25,000円。70%で35,000円が保険金として支払われます。残りが負担分です。

補償割合100%というペット保険もありますが、その分かなりの高額保険料となるため注意が必要です。

ペット保険は掛け捨て型が基本

貯蓄と掛け捨ての違い

保険の大まかな種類としては、貯蓄もできる貯蓄型と、貯蓄のできない掛け捨て型となっています。

貯蓄型は貯蓄をしながら保険料を納めることができる一方、掛け捨て型は支払って終わりという形です。

ペット保険は後者の掛け捨て型となっており、保険期間を終了したらその時点で補償が終わります。

貯蓄型ではないため、支払った分は支払ったものとして返ってくることはありません。

予防接種や先天性疾患などは補償対象外

ペット保険は病気やケガなど、保険に加入してから起こった病気・ケガに対して治療費の一部を補償してもらえるものです。

健康体に対する治療費は補償されないため、「予防接種、去勢・避妊手術」などは該当しません。

また、先天性疾患などのペット保険加入前の病気・ケガについては該当しません。

治療前にペット保険に加入していたとしても、補償されないことを覚えておきましょう。

愛猫のいざに備えて事前対策をすべき

愛猫の急な病気やケガは、いつか起こるものとして想定しておくのがベターです。

想定していないとパニックに陥る可能性もありますし、冷静な判断ができなくなってしまいます。

これに加えてお金の問題も出てきます。余裕がないと、満足のいく治療を受けさせてあげることが難しくなるでしょう。

これらを踏まえて、事前の準備や対策が必要になります。

治療費が高額になってきている今だからこそ、愛猫に長生きしてもらうため、十分な準備をしておきましょう。

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