ベルジアン・シェパード・ドッグ・タービュレンは、優れた知能と作業能力を持つ美しい犬種で、警察犬やショードッグとしても活躍しています。
この記事では、その魅力や性格、しつけや飼育のポイント、初心者が気になる注意点まで、幅広くわかりやすくご紹介します。
タービュレンを家族に迎えたいと考えている方や、すでに一緒に暮らしている方も、ぜひ参考にしてください。
この記事の結論
- タービュレンは知的で忠誠心が強く、番犬としても優秀
- 活発な性格で毎日の運動と刺激が欠かせない犬種
- 遺伝性疾患に注意し、定期的な健康管理が重要
- ブリーダー選びや費用を事前に把握して迎える準備を
目次
ベルジアン・シェパード・ドッグ・タービュレンとは?
ベルジアン・シェパード・ドッグ・タービュレンは、ベルギー原産の牧羊犬で、ベルジアン・シェパードの4つのタイプの1つです。
長く美しい被毛と引き締まった体が特徴で、警察犬や軍用犬としても高く評価されています。
その知性と敏捷性から、アジリティやオビディエンスなどのドッグスポーツでも活躍しています。
家庭犬としても人気がありますが、高い運動欲求と刺激への反応性を持つため、飼い主にはある程度の経験と理解が求められます。
警戒心が高く、冷静で忠実
見知らぬ人に警戒する
非常に大きな声で吠える
活動的でスポーツが得意
その他情報
| 原産地 | ベルギー |
| 犬種グループ | 1G:牧羊犬・牧畜犬 |
| 大きさ | 大型 |
| 平均寿命 | 12歳~14歳 |
| なりやすい病気 | 股関節形成不全,肘関節形成不全,進行性網膜萎縮症(PRA),白内障 |
| 参考価格 | 不明 |
被毛
| 抜け毛 | 平均的 |
| 毛質 | ダブルコート |
| 毛色 | フォーン&ブラック・オーバーレイ,イエロー&ブラック・オーバーレイ |
名前の由来と歴史
「ベルジアン・シェパード・ドッグ・タービュレン」は、ベルギー原産の牧羊犬「ベルジアン・シェパード・ドッグ(BSD)」の一種です。
名前の「タービュレン」は、発祥地であるベルギーの村「Tervuren(タービュレン)」に由来します。
この犬種は19世紀末に、作業犬として優れた能力を持つ犬たちを基に品種改良され、警察や軍用犬、さらには家庭犬としても人気を集めてきました。
特に高い知能と忠誠心から、各国の治安機関でも重宝されています。
ベルジアン・シェパードの4タイプとの違い
ベルジアン・シェパード・ドッグには、被毛の長さや色によって以下の4つのバリエーションがあります。これらは外見こそ異なりますが、基本的な性格や能力は共通しています。
| タイプ名 | 特徴 | 被毛 | カラー |
|---|---|---|---|
| グローネンダール | 最もよく知られるタイプ | 長毛 | 黒 |
| タービュレン | 今回紹介するタイプ | 長毛 | フォーンまたはマホガニー+ブラックマスク |
| ラケノア | 最も珍しいタイプ | 短く粗い毛(ワイヤー) | フォーンまたはレッド |
| マリノア | 作業犬として人気 | 短毛 | フォーン+ブラックマスク |
主な用途と活躍分野(警察犬・ショードッグなど)
タービュレンはその賢さと高い作業能力から、さまざまな分野で活躍しています。特に以下のような場面で評価されています。
- 警察犬・軍用犬:捜索・救助、警備、麻薬探知など
- ショードッグ:優雅な毛並みとバランスのとれた体格から、ドッグショーでも高い評価
- アジリティ競技:敏捷性と判断力を活かし、競技会でも人気
- 家庭犬・伴侶犬:訓練次第で非常に良い家庭犬にもなる
高い運動能力と集中力を活かせる環境において、その魅力は存分に発揮されます。
ベルジアン・シェパード・ドッグ・タービュレンの特徴

この犬種は中~大型犬に分類され、筋肉質でバランスの取れた体格を持ちます。
最大の特徴は、美しい長毛で、特に首回りの「ラフ」と呼ばれる毛がライオンのたてがみのように豊かです。カラーはフォーン(小麦色)にブラックマスクが一般的です。
また、優れた知性と集中力を持ち、コマンドへの反応が早いため訓練しやすい犬種です。
体格・体重・平均寿命
タービュレンは中型~大型犬に分類され、バランスのとれた筋肉質な体格をしています。以下の表に平均的なサイズをまとめました。
| 性別 | 体高(目安) | 体重(目安) | 平均寿命 |
|---|---|---|---|
| 男の子 | 約60cm~66cm | 約25kg~30kg | 約12歳~14歳 |
| 女の子 | 約56cm~62cm | 約20kg~25kg | 約12歳~14歳 |
体つきは引き締まっており、持久力と敏捷性の両方を兼ね備えています。
被毛の特徴とカラー
タービュレンの最大の魅力の一つが、美しく豊かな被毛です。以下のような特徴があります。
- ダブルコート構造:密集したアンダーコートと、やや硬めのオーバーコートで構成
- 長毛タイプ:首まわりや胸部、尾にかけては特に豊富な毛量
- 毛色の基本パターン:フォーンまたはマホガニーにブラックマスク(顔が黒い)
被毛は季節によって抜け替わるため、定期的なブラッシングが必要です。特に換毛期(春・秋)には抜け毛が増えるため、週に2~3回のケアがおすすめです。
見た目の魅力と存在感
タービュレンは、美しさと力強さを兼ね備えた外見で、多くの人々を魅了しています。見た目の魅力は以下の通りです。
- 整った顔立ちと知性を感じさせる目
- 首元の飾り毛(ライオンのたてがみのよう)による気品
- 力強く引き締まったボディライン
- 落ち着きと威厳のある佇まい
その姿はまさに「動く芸術品」。ドッグショーや散歩中にも、ひと目で視線を集める存在感があります。
ベルジアン・シェパード・ドッグ・タービュレンの性格・気質

タービュレンは非常に忠実で聡明な性格を持ち、家族への愛情も深い犬種です。
指示を素早く理解し行動できるため、しつけやトレーニングがしやすい一方で、警戒心も強く番犬としても優秀です。
敏感な一面もあり、繊細な対応を好むため、怒鳴ったり乱暴に扱ったりするしつけは逆効果になる場合があります。
忠誠心と賢さ
タービュレンは非常に賢く、飼い主に対する忠誠心が強い犬種です。一度、信頼関係を築くと、指示をよく理解し、自ら進んで行動する姿勢を見せます。
知能の高さは全犬種の中でもトップクラスで、複雑な訓練やアジリティなどの競技にも適応可能です。さらに、観察力にも優れており、飼い主の感情を敏感に察知する一面もあります。
信頼されることで、より忠実に行動するようになりますが、強制的な命令には反発する場合もあるため、褒めるしつけが基本です。
警戒心と番犬向きの性格
タービュレンはもともと牧羊犬として飼われていたため、見知らぬ人や物音に対する警戒心が強く、番犬としても優秀です。
家庭においても、家族以外の訪問者には慎重な態度を見せることが多く、不審者に対してはしっかりと吠えて知らせてくれます。
ただし、その警戒心は裏を返せば社会化不足による神経質さにつながることもあるため、子犬の頃からの社会化トレーニングが大切です。
家庭犬としての適性と注意点
賢く忠実なタービュレンは、適切な環境としつけを行えば素晴らしい家庭犬になります。特に運動好きな家庭やアウトドア派の飼い主にはぴったりの犬種です。
ただし、要求される運動量が非常に多く、毎日の散歩や遊びが不足するとストレスをためやすく、問題行動の原因にもなります。
また、頭脳明晰なぶん、退屈を嫌う傾向があり、刺激の少ない生活では飽きてしまいます。
ベルジアン・シェパード・ドッグ・タービュレンの飼い方としつけのコツ

この犬種を飼ううえで最も大切なのは、運動と刺激を十分に与えることです。朝晩の長めの散歩に加え、知的な遊びやトレーニングを取り入れることで、ストレスをためにくくなります。
また、繊細な性格のため、ポジティブな方法でのしつけ(ほめて育てる)が効果的です。環境変化に敏感なので、安定した生活リズムも好みます。
基本的なしつけのポイント
タービュレンは非常に賢いため、しつけの吸収が早い犬種ですが、それと同時に繊細さも持ち合わせています。
そのため、厳しい叱責や体罰は逆効果であり、基本的にはポジティブ・トレーニング(褒めて伸ばす方法)を取り入れるのが理想です。
また、一貫性のある指示を心がけ、家族全員でしつけ方針を統一することも重要です。
運動量と散歩の目安
タービュレンは非常に活動的な犬種で、毎日の運動が必須です。単なる散歩だけでなく、頭と体を同時に使うアクティビティが効果的です。
| 活動内容 | 推奨頻度 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 朝・夕の散歩 | 毎日2回 | 各30分~1時間 |
| ノーリードでの運動(ドッグランなど) | 週2~3回 | 1時間程度 |
| 知育トレーニングやゲーム | 毎日 | 10~20分 |
運動不足になると、無駄吠えやイタズラ、破壊行動などが起こることがあるため、しっかり時間を確保することが必要です。
他のペットや子どもとの相性
タービュレンは基本的に家族思いな性格をしているため、子どもや他のペットとも共存は可能です。ただし、初対面の相手には慎重な傾向があるため、段階を踏んだ慣らしが必要です。
また、子どもと接する際には興奮して跳びかかることがあるため、小さな子どもには目を離さないようにしましょう。
- 他の動物に慣れるには時間がかかることも
- 子どもとは監視付きで慣れさせる
- 攻撃的ではないが、警戒心はある
一人暮らしや初心者に向いているか?
タービュレンは賢く魅力的な犬種ですが、一人暮らしや犬の飼育経験がない初心者にはややハードルが高めです。理由は以下の通りです。
- 高い運動量としつけが必要
- 長時間の留守番が苦手
- 社会化やトレーニングに手間と時間がかかる
ただし、犬に十分な時間と愛情を注げる人であれば、一人暮らしでも飼育は可能です。ドッグトレーナーのサポートを受けながら育てる方法も有効です。
ベルジアン・シェパード・ドッグ・タービュレンの健康管理と気をつけたい病気

タービュレンは比較的健康な犬種ですが、遺伝的にいくつかの疾患に注意が必要です。
日常的な健康管理としては、定期的な健康診断やワクチン接種、体重管理が重要。被毛のケアも必要で、週に数回のブラッシングで皮膚トラブルの予防になります。
遺伝的に注意すべき病気
タービュレンは比較的健康な犬種ですが、遺伝的にいくつか注意すべき病気があります。
特に多いのが「股関節形成不全」で、関節の変形により歩行障害を引き起こすことがあります。
また、「進行性網膜萎縮症(PRA)」や「てんかん」といった神経系・視覚系の病気も報告されています。
- 股関節形成不全:歩行異常、痛み
- 進行性網膜萎縮症:視力の低下や失明
- てんかん:突然のけいれん発作
健康な親犬同士から生まれた子犬を選ぶためにも、ブリーダーから遺伝病のスクリーニング結果を確認することが重要です。
定期的なケアと健康チェック
タービュレンは運動量が多く活発なため、外での活動によってケガや異物付着などのリスクもあります。
毎日のブラッシングで皮膚や被毛の健康を保つとともに、目・耳・歯・爪などのチェックも忘れずに行いましょう。
特に耳の中は汚れがたまりやすく、炎症の原因になるため、週1回を目安に耳掃除をするのが理想です。
- 耳の中に汚れや赤みがないか
- 歯石の付着と口臭の有無
- 肉球の傷や乾燥
- 爪の長さと割れ
また、年に1回以上の健康診断とワクチン接種、寄生虫予防も継続しましょう。
食事と体重管理のポイント
タービュレンは筋肉質で引き締まった体型を維持するために、高タンパクでバランスのとれた食事が必要です。
成長期と成犬期では必要な栄養素や量も異なるため、ライフステージに合ったフード選びが大切です。
また、過剰なカロリー摂取は関節に負担をかけるため、体重のコントロールも忘れてはいけません。
| ライフステージ | 食事の回数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 子犬期 | 3~4回 | 高カロリー・高タンパク |
| 成犬期 | 2回 | 筋肉維持・関節保護を重視 |
| シニア期 | 2回 | 低脂肪・消化しやすい食事 |
肥満は関節疾患や糖尿病のリスクを高めるため、定期的な体重測定と給餌量の管理が重要です。
ベルジアン・シェパード・ドッグ・タービュレンの迎え方

タービュレンを迎えるには、信頼できるブリーダーを通じて子犬を探すのが一般的です。健康状態や性格、親犬の情報を丁寧に教えてくれるブリーダーを選びましょう。
また、保護犬や里親制度を活用する方法もあります。ただ、ブリーダーと比べる奇跡的な出会いがない限り、出会えることは稀でしょう。
信頼できるブリーダーの探し方
健康で性格の良いタービュレンを迎えるためには、信頼できるブリーダーからのお迎えが重要です。
犬舎の衛生状態や親犬の性格、遺伝病検査の有無などを事前に確認しましょう。見学を受け入れてくれるブリーダーであることも、信頼性のひとつの目安です。
- 親犬の健康診断結果の提示
- 社会化のための育成環境が整っているか
- 質問に丁寧に答えてくれるか
- 衛生的な飼育スペースが保たれているか
「ベルジアン・シェパード専門」のブリーダーを探すことで、より適正な情報が得られます。
里親制度や保護犬の選択肢
ブリーダーからのお迎え以外にも、保護施設や里親募集を通じて迎える方法もあります。
特に元繁殖犬や事情により手放されたタービュレンが里親を探しているケースもあり、新しい家庭での再スタートを必要としています。
メリット
- 命を救うことができる
- 費用を抑えて迎えられる
- 成犬が多く、性格がある程度わかる
デメリット
- トラウマや問題行動を抱える場合がある
- 年齢や健康状態にばらつきがある
心構えとサポート体制があれば、保護犬との生活は深い絆を築ける貴重な経験になります。
価格相場と初期費用の目安
タービュレンの子犬の価格は一般的に25万円~40万円程度で、血統や性別、ブリーダーの実績によって異なります。
また、初期費用にはワクチン接種、健康診断、備品なども含まれます。
| 項目 | 金額(目安) |
|---|---|
| 子犬の価格 | 25万円~40万円 |
| ワクチン・診察 | 約2万円~3万円 |
| ケージ・用品 | 約3万円~5万円 |
| 保険初期費用 | 約5,000円~1万円 |
合計で30万円~50万円程度を想定しておくと安心です。その後もフード代や医療費が継続してかかるため、長期的な費用計画が必要です。
まとめ:タービュレンはこんな人におすすめ!
相性が良いライフスタイルの例
タービュレンは活動的で知的好奇心が強いため、アウトドアが好きな人や運動習慣がある人と相性が抜群です。
また、しつけやトレーニングを楽しめる方にとっても、タービュレンは理想的なパートナーになります。
- 週末にハイキングやジョギングを楽しむ人
- 毎日たっぷり散歩ができる生活リズムの人
- 犬とのしつけや訓練を楽しめる人
- 一緒にドッグスポーツやアジリティをしたい人
刺激的な生活を一緒に楽しめる家庭でこそ、タービュレンの魅力が最大限に発揮されます。
飼育前に考慮すべきポイントのおさらい
最後に、タービュレンを迎える前にしっかり検討したいポイントをまとめます。
- 十分な運動時間を確保できるか
- トレーニングに時間をかけられるか
- 長時間の留守番を避けられるか
- ペット可の住宅環境が整っているか
- 将来的な医療費も見込んでいるか
これらの条件をクリアできれば、タービュレンとの暮らしは非常に豊かで充実したものになります。迎える前にしっかり準備し、愛情と責任を持ってお世話していきましょう。
この記事の執筆者
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