ふわふわの白い被毛と人懐っこい性格で注目を集める「アメリカン・エスキモー・ドッグ」。その魅力は見た目だけでなく、賢く従順な性格や家族思いの一面にもあります。
本記事では、アメリカン・エスキモー・ドッグの基本情報から、性格、飼い方、しつけのコツ、さらには健康管理まで、飼育に役立つ情報を網羅的にご紹介します。
これから飼ってみたい方も、すでに一緒に暮らしている方も、ぜひ参考にしてください。
この記事の結論
- その名の通りアメリカを原産とする犬種で、3種類のタイプが存在している
- スピッツ系に分類されており、サモエド、ポメラニアン、日本スピッツなどと近縁
- 非常にエネルギッシュで遊び好きなので、十分な運動が必要になる犬種
- 個体数が少なく、海外のブリーダーなどからお迎えする必要がある
目次
アメリカン・エスキモー・ドッグとは?

アメリカン・エスキモー・ドッグは、アメリカ原産のスピッツ系の犬種で、真っ白な被毛と表情豊かな顔立ちが特徴です。
もともとはサーカスで活躍するほどの知能と芸達者さを持ち合わせており、愛玩犬として人気を集めてきました。
サイズはトイ、ミニチュア、スタンダードの3タイプがあり、暮らし方やライフスタイルに応じて選べるのも魅力のひとつです。
愛情深く賢い性格から、家庭犬としても非常に優れた資質を備えています。
遊び好きでおおらか
人懐っこい
吠えやすい
運動量が多い
その他情報
原産地 | アメリカ合衆国 |
犬種グループ | - |
大きさ | 小型 |
平均寿命 | 13歳~15歳 |
なりやすい病気 | 膝蓋骨脱臼,股関節形成不全,進行性網膜萎縮症(PRA),てんかん,白内障 |
参考価格 | 不明 |
被毛
抜け毛 | 平均的 |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | ホワイト,ホワイト&ビスケット |
犬種の起源と歴史
アメリカン・エスキモー・ドッグは、その名前からアラスカなど寒冷地を連想させますが、実際にはドイツ原産の「ジャーマン・スピッツ」がルーツとされています。
19世紀後半にアメリカへ持ち込まれ、徐々に改良されながら現在の姿へと進化しました。
サーカス犬としても人気があり、その美しい被毛と高い知能から多くの観客を魅了したと言われています。
1985年にアメリカン・ケネル・クラブ(AKC)に登録され、正式な犬種として認められました。
名前に「エスキモー」がつく理由
「エスキモー」という名称は実際の起源地とは無関係で、寒冷地を連想させるイメージ戦略として名付けられたとされています。
当時のブリーダーが、その雪のように白い被毛を強調するために「エスキモー」という言葉を使ったとされ、現在もその名前が定着しています。
どんな犬種と関係があるの?
アメリカン・エスキモー・ドッグはスピッツ系に分類される犬種で、サモエドやポメラニアン、日本スピッツなどと近縁関係にあります。
これらの犬種に共通するのは、被毛の豊かさ、立ち耳、巻き尾、そして高い警戒心と社交性です。
アメリカン・エスキモー・ドッグの特徴

アメリカン・エスキモー・ドッグの最大の特徴は、まるで雪のように美しい純白の被毛と、ふわっと広がるダブルコートです。
しっかりとした体格を持ちつつ、軽やかな動きと俊敏さも兼ね備えており、運動神経がとても良い犬種です。
また、非常に知的で観察力が高く、飼い主の指示を理解する能力にも優れています。
警戒心が強い面もあり、番犬としての資質もありますが、基本的には人懐こく、家族に対しては深い愛情を示します。
体型とサイズ(トイ・ミニチュア・スタンダード)
アメリカン・エスキモー・ドッグは、サイズごとに「トイ」「ミニチュア」「スタンダード」の3タイプに分けられています。
サイズ | 体高・体重 | 特徴 |
---|---|---|
トイサイズ | 体高約23~30cm 体重2.5~4.5kg程度 | 小型犬として室内飼いに最適 |
ミニチュアサイズ | 体高30~38cm 体重4.5~9kg程度 | 活発さと扱いやすさのバランスが取れたサイズ |
スタンダードサイズ | 体高38~50cm 体重8~16kg程度 | 存在感があり家庭の番犬としても活躍 |
いずれのサイズも共通して、筋肉質で引き締まった体格と、均整の取れたプロポーションを持っています。
真っ白な被毛とその手入れ方法
アメリカン・エスキモー・ドッグの最大の特徴とも言えるのが、雪のように真っ白なダブルコートの被毛です。外毛は長くてまっすぐ、内毛は柔らかく密集しており、寒さに強い構造になっています。
ただし、美しい被毛を保つにはこまめなブラッシングが欠かせません。週に3~4回以上のブラッシングが理想で、換毛期には毎日行うと抜け毛や毛玉を防げます。
月に1回程度のシャンプーで清潔を保ちつつ、肌の乾燥に注意しましょう。
性格の傾向と向いている家庭環境
アメリカン・エスキモー・ドッグは非常に社交的で、家族に対して深い愛情を示す犬種です。一方で、見知らぬ人には警戒心を持つため、番犬としての素質もあります。
- 活発で遊び好き
- 賢くて指示をよく覚える
- 孤独が苦手(長時間の留守番には向かない)
これらの特徴から、家族との時間をしっかり取れる家庭や、一緒に遊んだり運動できる環境が向いています。
賢さと学習能力の高さ
非常に知能が高く、トリックやしつけも覚えるのが早いため、初心者でも比較的飼いやすい犬種です。
ただし、知能が高い分、退屈を感じやすいため、知育玩具やドッグスポーツなどで刺激を与えることが重要です。
訓練を通じて飼い主との信頼関係を深めることができ、忠実なパートナーになります。
アメリカン・エスキモー・ドッグの飼い方

アメリカン・エスキモー・ドッグを飼う際には、毎日の散歩や遊びをしっかり行い、心身のエネルギーを発散させることが重要です。
運動不足になるとストレスから問題行動を起こすこともあるため、散歩に加えて知育トイなどで頭を使わせる遊びを取り入れるとよいでしょう。
また、被毛の手入れも欠かせません。週に数回のブラッシングと月1回程度のシャンプーが理想です。
愛情と時間をかけて向き合うことで、信頼関係が深まります。
毎日の運動量と遊び方

アメリカン・エスキモー・ドッグはエネルギッシュで遊び好きな性格のため、毎日の運動が欠かせません。散歩は1日2回、それぞれ30分程度が目安です。
また、室内でもおもちゃを使った遊びや知育ゲームを取り入れると、心身のストレス発散になります。
運動不足になると問題行動(無駄吠えやイタズラ)につながりやすいため、散歩+室内遊び+頭を使うトレーニングのバランスを意識しましょう。
しつけのコツと注意点

アメリカン・エスキモー・ドッグは非常に賢いため、しつけに適した犬種とされています。ただし、感受性が強く、怒鳴る・叱るといった強い指導は逆効果です。
- ポジティブトレーニング(褒めて伸ばす)が基本
- 一貫性のある指示とタイミングのよいご褒美を意識
- 社会化期(生後3~12週)のうちに、音や人・環境に慣れさせることが重要
トイレや吠え癖などのしつけも、早期対応と根気強い繰り返しがポイントです。
食事と必要な栄養管理

成犬のアメリカン・エスキモー・ドッグには、体重と活動量に合わせたバランスの良いドッグフードを与えましょう。
小型~中型犬向けの総合栄養食で十分ですが、次のポイントにも注意が必要です。
- 高タンパク・低脂肪の配合が理想(筋肉維持と体重管理のため)
- 関節ケア成分(グルコサミン・コンドロイチン)もおすすめ
- 被毛の健康維持にはオメガ3脂肪酸もおすすめ
おやつの与えすぎには注意し、体重管理をしっかり行うことが長寿につながります。
室内飼いのポイントと環境づくり

アメリカン・エスキモー・ドッグは屋内での飼育に向いた犬種ですが、運動量の多さと活発さを考慮した環境づくりが必要です。
- 滑りにくい床材(フローリング対策)
- 留守番時の安心空間(サークルやクレート)
- 毎日遊べるスペースと安全なおもちゃの確保
また、被毛が多く換毛期は抜け毛が増えるため、掃除のしやすさや空気清浄機の導入も快適な共生に役立ちます。
アメリカン・エスキモー・ドッグの健康管理

アメリカン・エスキモー・ドッグは比較的健康的な犬種ですが、遺伝的に「股関節形成不全」や「進行性網膜萎縮(PRA)」などの疾患が見られることがあります。早期発見・予防のために、定期的な健康診断を受けることが大切です。
また、皮膚や耳のトラブルにも注意が必要で、特に湿気が多い時期は清潔な環境維持とこまめなケアが求められます。
日常的な観察と栄養バランスのとれた食事、適度な運動で健康を維持しましょう。
かかりやすい病気とその予防法
アメリカン・エスキモー・ドッグは比較的健康的な犬種ですが、遺伝的に注意が必要な病気もいくつか知られています。
股関節形成不全
股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)では、関節の変形によって痛みや歩行障害が生じます。過度な運動や肥満はリスク要因になるため、適切な体重管理と定期検診が重要です。
進行性網膜萎縮症(PRA)
進行性網膜萎縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)とは、視力が徐々に低下する遺伝性疾患。初期は症状に気づきにくいため、定期的な眼科チェックが推奨されます。
皮膚トラブル(乾燥・アレルギー)
豊かな被毛のため、湿気がこもりやすく、皮膚炎になりやすいことも。こまめなブラッシングと換気・清潔な環境が予防になります。
また、年1回の健康診断やワクチン接種、ノミ・ダニ・フィラリア予防も欠かせません。
寿命とシニア期のケア
アメリカン・エスキモー・ドッグの平均寿命は13~15歳前後とされ、犬種としては比較的長寿です。シニア期に入ると体力や感覚が徐々に衰えていくため、以下のようなケアが必要になります。
- 関節に優しい寝具の用意
- 散歩時間や運動量の調整(無理のない範囲で継続)
- 消化に良いフード・シニア向けサプリメントの導入
- 定期的な健康チェック(半年に1回がおすすめ)
若いうちから健康的な生活習慣を維持することが、老後のQOL(生活の質)を大きく左右します。
毎日のケアで気をつけたいこと
健康維持のためには、日常の小さなケアの積み重ねが非常に重要です。
歯磨き | 歯周病予防に週2~3回以上、できれば毎日が理想 |
耳掃除 | 垂れ耳気味の個体もおり、月1~2回の掃除がおすすめ |
爪切り・肛門腺絞り | 月1回を目安に |
体調チェック | 食欲・排泄・体温・皮膚などに異常がないかを毎日確認 |
こうしたケアを通じて、体調の変化にいち早く気づくことができ、病気の早期発見にもつながります。
アメリカン・エスキモー・ドッグと暮らす魅力

アメリカン・エスキモー・ドッグは、白くふわふわな被毛と表情豊かな顔立ちが魅力の犬種です。見た目の美しさだけでなく、知能が高く学習能力に優れているため、しつけがしやすい点も特徴。
さらに、飼い主とのコミュニケーションを好み、表情や行動で豊かに感情を表現する姿は愛らしく、家族の一員として深い絆を築けます。
運動好きで遊び心もあり、活発な日常を楽しみたい人には最適なパートナーといえるでしょう。
家族との絆と愛情深い性格
アメリカン・エスキモー・ドッグは非常に愛情深く、家族に対して強い絆を築く犬種です。
飼い主の行動に敏感に反応し、そばにいることを好むため「ベタベタ甘えるタイプ」の犬が好きな人にはぴったりです。
また、忠誠心が強く、家族を守ろうとする警戒心を持っている一方で、適切にしつければ穏やかでフレンドリーな性格を発揮します。
家族とのスキンシップを日常的に楽しめる、信頼関係重視の飼い方が理想的です。
他のペットや子どもとの相性
アメリカン・エスキモー・ドッグは社交的な性格を持ち、幼少期からしっかりと社会化を行えば、他のペットや子どもとも良好な関係を築くことが可能です。
特に賢く空気を読む力があるため、相手の様子を見て行動を調整することも得意です。
ただし、警戒心が強い面もあるため、最初はゆっくりと慣らしていくことが大切です。しつけや接し方次第で、家庭内でのトラブルを防ぎ、円満な共生が実現できます。
こんな人におすすめの犬種
アメリカン・エスキモー・ドッグは、毎日の散歩や遊びに時間をかけられる人、そして愛情をもって接することができる人におすすめの犬種です。
知的好奇心が強く、飼い主とのコミュニケーションを大切にするため、一緒に学び、成長していく関係を築きたい人に向いています。
また、見た目にもこだわる方や、家族と一緒に楽しめるペットを求めている家庭にもぴったり。初心者でもしっかり学べば飼いやすいパートナーです。
アメリカン・エスキモー・ドッグを迎えるには

アメリカン・エスキモー・ドッグを迎えるには、信頼できるブリーダーからのお迎えが一般的です。血統や健康状態を確認できるだけでなく、性格の傾向や親犬の情報も得られるのがメリットです。
また、保護団体や里親募集からの譲渡という方法もあり、命を救う選択肢にもなります。
ペットショップでの取り扱いは少ないですが、直接見て選べる点が魅力。いずれの方法でも、迎える前に生活環境の準備と長期的な計画が必要です。
迎える方法(ブリーダー・里親・ペットショップ)
アメリカン・エスキモー・ドッグを迎えるには、以下の3つの主な方法があります。
優良ブリーダーからお迎えする
健康状態や性格、親犬の情報などが分かるため、安心して迎えられる選択肢です。サイズ(トイ・ミニチュア・スタンダード)の希望も伝えやすく、個別相談も可能です。
里親募集・保護犬の譲渡会に参加する
成犬を中心に保護団体や地域のシェルターで里親を探していることもあります。事前の見学・トライアル期間が設けられている場合もあり、相性を確認できます。
ペットショップでのお迎え
店舗によっては取り扱いが少ない場合もありますが、見た目やサイズをその場で確認できるメリットがあります。ただし、親犬や育成環境を確認できるとは限らないため慎重に。
いずれの方法でも、信頼できる相手か、犬の健康状態はどうか、適正な飼育がされてきたかをよく確認することが大切です。
価格の相場と費用の内訳
アメリカン・エスキモー・ドッグの子犬価格は、サイズや血統、ブリーダーの評価によって変動しますが、おおよその相場は以下の通りです。
トイサイズ | 20~35万円 |
ミニチュアサイズ | 25~40万円 |
スタンダードサイズ | 30~45万円 |
初期費用には以下のようなものが含まれます。
項目 | 参考価格 |
---|---|
ワクチン接種・健康診断 | 約1~3万円 |
ケージ・ベッド・食器など | 約2~5万円 |
トイレ・おもちゃなど生活用品 | 約1~2万円 |
合計(犬代含まず) | 約5~10万円程度 |
また、月々の維持費(フード・医療・トリミングなど)も1万円~1万5千円程度を見込んでおくと安心です。
お迎え前に準備するものチェックリスト
初めて犬を迎える方でも困らないよう、以下のようなものを事前にそろえておきましょう。
- ケージ・クレート(安心して休める場所)
- ドッグフードとフードボウル(成長段階に合ったもの)
- 水飲み器(倒れにくい・自動給水式もおすすめ)
- トイレトレー・シート
- ブラシやシャンプー(ダブルコート対応)
- おもちゃ(噛む・引っ張る・知育系)
- 首輪・リード・ハーネス(サイズ調整可能なもの)
また、家の中の危険な場所をあらかじめチェックし、犬の目線での安全対策(誤飲・転落・コード類)も忘れずに行いましょう。
アメリカン・エスキモー・ドッグに関するよくある質問
アメリカン・エスキモー・ドッグの抜け毛は多い?アレルギーは大丈夫?
アメリカン・エスキモー・ドッグはダブルコートの持ち主で、特に換毛期(春・秋)には大量の抜け毛が発生します。
こまめなブラッシングが必要で、毛が舞いやすいため、掃除や空気清浄機の活用が推奨されます。
アレルギー体質の人には注意が必要で、事前にアレルゲンテストを行うと安心です。
また、被毛には汚れや湿気がこもりやすく、皮膚炎のリスクもあるため、清潔を保つことが健康維持につながります。
アメリカン・エスキモー・ドッグは初心者でも飼える?
アメリカン・エスキモー・ドッグはしつけがしやすく、愛情深い性格のため初心者にも比較的向いている犬種です。
ただし、エネルギーが高く毎日の散歩や知的な刺激が必要なため、「犬と積極的に関わりたい」と考える人におすすめです。
定期的なお手入れや健康管理、基本的なしつけの知識は必要になりますが、愛犬との絆を大切にしながら学んでいく姿勢があれば問題ありません。家族で協力して育てることで、良き家庭犬になります。
アメリカン・エスキモー・ドッグの価格やお迎え方法は?ペットショップとブリーダーの違い
アメリカン・エスキモー・ドッグの価格はおおよそ20~45万円ほどで、サイズ(トイ・ミニチュア・スタンダード)や血統によって変動します。
珍しい犬種なのでペットショップで出会えるケースは少なく、ブリーダーなどもほとんど見つけられないでしょう。
また、里親募集という選択肢もあり、費用を抑えて迎えることも可能ですが、個体数が少なく出会えるケースは少ないです。
この記事の執筆者
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