犬のケア・お手入れ

犬に耳掃除は必要?やり方や頻度、注意点、嫌がる場合の対処法を解説

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ペット保険のアニコム損害保険株式会社を傘下に抱えるアニコムグループ「家庭どうぶつ白書2022」には、保険請求された犬の疾患が分類別に掲載されています。

それによると、第1位が皮膚疾患で25.6%、第2位が消化器疾患で24.5%、第3位は耳の疾患で15.6%でした。

中でも外耳炎は、犬が発症しやすい耳の病気のトップクラスと言われています。

外耳炎予防には動物病院での定期的な検査のほか、ご家庭でのお手入れも大切なポイント。愛犬の耳掃除を上手に行うコツや注意点もご紹介します。

この記事の結論

  • 犬の耳は途中からL字になっているため、構造上、蒸れやすく耳垢も溜まりやすい
  • 耳の内側をチェックしてみて、汚れが溜まっていなければ耳掃除をする必要はない
  • 過度な耳掃除は傷つけてしまう可能性もあり、耳掃除が逆効果になってしまうことも
  • 週に1回程度は耳の汚れをチェックし、月1~2回程度の耳掃除を考える

担当執筆者

nademo編集部

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もくじ

犬の耳の構造

耳の構造

なぜ、犬は耳の病気を発症しやすいのでしょう?それは、犬の耳の構造に理由があります。

人間の耳は入口から奥までがどちらかと言うとまっすぐ横に伸びているのに対して、犬の耳は入口から真下に伸び、途中からL字型に曲がっています。

そのため、耳道の通気が悪く蒸れやすい構造で、耳垢も溜まりやすく不潔な状態になるとカビや菌も繁殖しやすいのです。

もっとも外側の耳介は音を集める役割をしており、中心には軟骨があります。

ここから進んだ垂直耳道・水平耳道を外耳道と言い、水平耳道をすぎると鼓膜へと到達します。

主に耳掃除できる部分は外耳道ですが、耳垢や汚れは基本的には勝手に排出されていくような作りになっています。

犬の耳は綺麗なら無理に掃除する必要はない

愛犬の耳の内側をチェックして、清潔が保たれているようなら、無理に耳掃除する必要はありません。

耳介の内側に埃や土、耳垢などが付いていたら、やさしく拭き取ってあげる程度でOK。

万が一、耳介の内側が赤くなっていたり、ただれていたり、嫌なニオイがするようでしたら、病気の可能性があるのですぐ動物病院へ。

過度な耳掃除は皮膚を傷つける恐れがある

家庭で愛犬の耳掃除を行う場合は、外耳道まで指や綿棒を突っ込んだりすると、かえって耳の内側を傷つけ、外耳炎などを引き起こしかねません。

耳の入口である貝のような形をした耳介の内側までにとどめておきましょう。

トイ・プードル、シュナウザー、マルチーズシー・ズーヨークシャー・テリアなどのように耳毛のある犬種もいますが、耳介の内側は皮膚が薄くデリケート。

ゴシゴシこするのは禁物。濡らした脱脂綿やペット用のウェットティッシュでやさしく汚れを拭き取ってあげましょう。

週1回の耳の確認、月1~2回の耳掃除が目安頻度

愛犬の耳チェックは週1回を目安に、習慣化することをおすすめします。汚れが気になったら、その都度掃除を。

耳チェックで特に汚れが気にならなければ無理に掃除する必要はありませんが、月に1~2回程度は耳介の内側をやさしく拭いてあげましょう。

また、耳毛の生えたトイ・プードル、シュナウザー、マルチーズ、シー・ズー、ヨークシャー・テリアなどは、耳掃除しにくい場合もあるかもしれません。

汚れの溜まりやすさや蒸れやすさが気になったら、耳毛をはさみでカットしたり、サロンなどでトリマーさんに処理してもらいましょう。

飼い主さんご自身が耳毛を抜くのは愛犬の耳を傷つける恐れもあるので、あまりおすすめできません。

耳が汚れやすい犬種は耳掃除が必須

もともと犬の耳は、ピンと直立した三角の立ち耳(プリックイヤー)でした。

やがて突然変異で垂れ耳(ドロップイヤー)が出現し、狩猟犬には猟銃の音が響きにくい、愛玩犬として可愛らしいなどの理由で交配が進んでいきました。

今では、ボタン耳、ローソク耳、ローズイヤー、コウモリ耳(バットイヤー)、ペンダント耳、バタフライイヤー、フォールデドイヤー、チューリップイヤー、フーデッドイヤー、ブラントティップイヤー、V字型耳(Vシェイプイヤー)、ハシバミ型耳、断耳と、さまざまな種類があります。

大きく分ければ立ち耳、垂れ耳、耳の先端が前に倒れた半立ち耳の3種類で、垂れ耳と半立ち耳は蒸れやすく外耳炎などを発症しやすいとされています。

垂れ耳の犬種の場合には、しっかり耳掃除を含めて日頃からチェックしてあげましょう。

犬の耳に異変がある場合に考えられる病気

愛犬の耳チェックは、耳の病気を防ぎ、早期発見するための手段として最低でも週1回、習慣にしたい行為です。

垂れ耳や半立ち耳の愛犬は、垂れた部分をめくって耳介の内側に異常がないか目で見て確かめ、またニオイを嗅いで確かめましょう。

以下のような事柄が気になったら、耳の疾患の可能性がありますので、すぐ獣医さんへ。

  • 耳垢の量が多い
  • 耳垢が茶色、黒色、赤黒い
  • 耳が赤く腫れる
  • 耳から異臭がする
  • 耳垢がベタついている
  • 耳をよく掻く
  • 頭をよく振る
  • 耳を触られるのを嫌がる
  • 耳掃除をしてもすぐに汚れる など

上記のような症状がある場合、以下の疾病が疑われます。特に犬がかかりやすいとされている耳の病気の主なものです。

外耳炎(がいじえん)耳の中にダニや菌が発生して炎症が起こる。
耳疥癬症(みみかいせんしょう)ミミヒゼンダニというダニが耳の中に寄生し、かゆみを引き起こす。
耳血腫(じけっしゅ)耳の軟骨内に血液が溜まることによって腫れ上がる。
中耳炎(ちゅうじえん)鼓膜より奥の鼓室に炎症が起こる。

外耳炎(がいじえん)

垂直耳道から水平耳道へかけての外耳道に、細菌や真菌が多く繁殖することで炎症を起こします。

耳ダニなどの寄生虫による感染、植物の種子などが耳に入る異物混入が引き金となり、またアレルギー、アトピー、腫瘍なども原因として考えられます。

一般的に動物病院では耳の洗浄を行い、点耳薬や内服薬などの投薬治療となります。

なかなか快癒しない慢性の外耳炎には、外科的治療が施されることもあります。

耳疥癬症(みみかいせんしょう)

ヒゼンダニは肉眼では見えないほど小さく、耳垢や分泌物を食餌とする寄生虫です。

初期症状は耳介の内側などの皮膚に赤いポツポツが現れ、アレルギー疾患と似たようなかゆみを伴い、次第に激しいかゆみへとエスカレート。

まずはヒゼンダニを駆除するため、動物病院では5日~10日に1回ほど寄生虫駆除剤を使用します。

激しいかゆみのため愛犬が掻きむしったり、舐めすぎたりしている場合は抗生剤を投与。

重症度にもよりますが、1ヶ月~数ヶ月で完治すると言われています。

耳血腫(じけっしゅ)

人間でも力士やラグビー選手のようなアスリートが、激しいぶつかり合いによってギョウザ耳、カリフラワー耳と呼ばれる状態になることがあります。

それが耳血腫で、外耳炎や中耳炎、ケンカなどにより、耳介軟骨内または軟骨とその膜の間に血液や漿液(炎症の際に滲み出る体液)が溜まって腫れます。

いったん腫れ上がってしまうと、犬の耳血腫は自然治癒で元通りになるのは難しいとされており、できるだけ早期発見&早期治療することが肝心です。

軽度な段階なら、数日おきに耳に溜まった血液や漿液を抜く治療を行います。ステロイド剤を併用して耳に注射する場合もあり、完治も可能です。

上記のような治療を繰り返してもすぐ血液や漿液が溜まったり、再発したりという場合には、手術による外科療法を行います。

中耳炎(ちゅうじえん)

犬の耳の構造で、L字に曲がる手前の耳介から水平耳道までを外耳、L字に曲がった耳小骨の辺りから耳管にかけてを中耳と呼びます。

中耳炎はこの中耳の部分に炎症を起こすことで、外耳炎の炎症が広がってしまうのが多くの原因です。

症状の特徴として強い痛みがあり、耳を触られるのを嫌がったり、耳を触るとキャンと鳴き声をあげたり怒ったりします。

中耳炎が進行すると顔面神経麻痺やホルネル症候群といった神経症状を伴うことがあり、まばたきや食事が上手にできなくなってしまいます。

中耳炎の治療は外耳炎とほぼ同じで点耳薬や抗生物質などの内服薬を投与しますが、外耳炎も併発している場合は並行して治療を行います。

また、外耳炎や中耳炎を起こしやすい病理がないか検査し、発見された場合はその治療も同時進行されます。

鼓膜をに小さな穴を開けて洗浄する外科的治療を行う場合もあり、快復が見られない場合は外耳道を切除するなどの外科的手術が必要です。

愛犬の耳掃除で用意するもの

愛犬の耳掃除に人間同様の耳かきや綿棒を使うのは厳禁。万が一、耳内部に傷を作ってしまうと、それが元で炎症を起こす恐れもあり本末転倒です。

また、消毒液やアルコールは刺激が強く、デリケートな愛犬の耳内側の皮膚を傷める可能性があり、アルコール・タイプのウェットティッシュなどもNG。

そこで、愛犬の耳のお手入れのために常備しておきたい、おすすめのケア用品をご紹介します。

コットンやガーゼ(ペット用ウェットシートでもOK)

出典:Amazon

ご家庭で愛犬の耳掃除を行う場合は、貝殻の内側のような耳介の部分をやさしく拭き取るだけでOK。

耳道内まで掃除しようとすると、かえって耳垢を耳の奥へ押し込んでしまったり、耳に炎症が起きている場合、悪化させてしまう危険もあります。

耳の拭き取り用には、肌触りの優しいコットンやガーゼ、ペット用のウェットシートを用意しておきましょう。

ペット用イヤークリーナー

出典:Amazon

コットンやガーゼに含ませて耳の汚れを拭き取るのに使う、ペットの耳専用クリーニング液です。

力を入れずに滑らせるように拭くだけで汚れが取り除け、センシティブな愛犬の耳にやさしい天然の油脂成分などが配合されています。

また、犬の嗅覚は人間の数千倍~1億倍ほどあると言われていますので、できれば無香料や微香料のものを選びましょう。

おやつ

出典:Amazon

愛犬が嫌がらずに耳掃除させてくれるようにするには、耳掃除=いいことがあると認識してもらうこと。

飼い主さんとのスキンシップが好きな甘えん坊なら、飼い主さんと体を密着させたり、やさしく抱っこされることで耳掃除好きになってくれる子もいます。

また、ご褒美のおやつを用意するのも、ひとつの方法。耳を触らせてくれたらご褒美、ひと拭きできたらご褒美…とステップを踏んで慣らしましょう。

愛犬の耳掃除のやり方

人間にも、犬にも、外耳道に溜まった汚れや耳垢を自然に外に出す自浄作用というものが備わっています。

ですから、愛犬の耳掃除は無理してでもやらなければいけないものではありません。

ただし、耳の疾病を予防し早期発見するためには、週1回は耳チェックを。そのためにも、生後3ヶ月頃から耳に触ることに慣れさせておきましょう。

また、初心者の飼い主さんは、以下のような簡単な耳掃除からスタートすると良いでしょう。

ステップ1. コットンにイヤークリーナーを染み込ませる

コットンはペット用やベビー用のほか、毛羽立ちにくい化粧用コットンでもOKです。

コットン1枚に対して500円玉1枚分くらいのペット用イヤークリーナーを染み込ませます。

イヤークリーナーが滴るほどでは多すぎます。ご自身やパートナーがスキンケアする際に、拭き取り化粧水を染み込ませるのと同じくらいが目安です。

ステップ2. 愛犬の耳をめくって耳垢を確認する

イヤークリーナーを染み込ませたコットンを、愛犬の耳介内側の耳垢が溜まっている部分にそっと押し当てます。

こうすることで、イヤークリーナーをなじませて耳垢を浮かせることができます。

ステップ3. 耳の内側の耳垢をやさしく拭き取る

イヤークリーナーと耳垢がなじんだら、あとはコットンをスッと滑らせるように拭き取るだけ。

力を入れずに耳の汚れをきれいに取り除くことができます。

耳の内側に毛が生えている犬種の場合は、毛の流れに沿って拭き取りましょう。

ステップ4. 耳の穴まわりの耳垢をやさしく拭き取る

愛犬の耳の外耳道まで指を突っ込むのは禁止ですが、外耳道の入口に耳垢が浮いて出てきている場合があります。

耳穴の入口の汚れも、コットンのクリーナーをなじませてやさしく拭き取りましょう。

ステップ5. おやつを与えて褒める

愛犬が耳を触らせてくれたら褒める、垂れ耳や半立ち耳の子が耳をめくらせてくれたら褒める、コットンで触れさせてくれたら褒める…。

耳掃除の行為をひとつ行えたら、その都度、褒めてあげましょう。

褒めるのと同時におやつのご褒美をあげてもOK。愛犬が耳掃除や耳チェックを好きになってくれることが大切です。

愛犬の耳掃除をしっかりと行うやり方

犬には耳に異物が入ったとき、頭を振ってそれを出そうとする習性があります。

この習性を利用して、愛犬の耳内部を洗浄する方法があり、イヤークリーニング専用の洗浄液も市販されています。

ただし、かえって耳の病気を悪化させる場合もありますので、必ず家庭で行う前にかかりつけの獣医師に相談しましょう。

できれば愛犬の耳の内部洗浄は、動物病院やトリミングサロンなどの専門家におまかせすることをおすすめします。

老犬や耳にトラブルを抱えている愛犬には非推奨

万が一、愛犬の耳道に炎症が起きている場合や鼓膜が傷ついている場合、耳洗浄でかえって悪化してしまう危険があります。

イヤークリーナー液を耳に入れ耳の付け根を揉み、愛犬が頭を振ることで、炎症や傷が広がってしまうからです。

愛犬の耳から臭いニオイがしたり、茶色や黒っぽい耳垢があったりすると洗浄したくなりますが、それこそ逆効果なので絶対タブー。

耳の異臭や色の濃い耳垢は病気の証拠。耳洗浄を行う前に動物病院へ連れて行きましょう。

ステップ1. 愛犬を保定する

イヤークリーナーの液体が飛び散るので、バスルームなどで行うのがおすすめ。

ただし、愛犬にとってストレスを感じる場合は場所を移動しましょう。

愛犬が動き回らないよう、安定した場所におとなしく立たせます。

ステップ2. 耳にイヤークリーナーを注ぐ

はじめはコットンがビショビショになるくらいイヤークリーナーを染み込ませ、耳の中に絞り入れるようにすると良いでしょう。

慣れてきたら、愛犬の耳を背後から固定しつつ、直接ボトルから耳に注ぎ入れます。

耳穴から液面が見えるくらいが、イヤークリーナー適量の目安です。

ステップ3. 耳の付け根をやさしく揉む

愛犬の背後から親指と中指を耳の下に当て、耳の付け根をやさしくほぐすようにマッサージします。

こうすることで、イヤークリーナー液と耳内部の耳垢や汚れがなじむからです。

ステップ4. 愛犬が頭を振って出た汚れを拭き取る

指を離すと愛犬が頭を振って、クリーナー液と一緒に耳垢や汚れが飛び散るようにして出てきます。

耳の穴や耳介に付いた耳垢や汚れは、コットンやガーゼなどでやさしく拭き取ってあげましょう。

ステップ5. おやつを与えて褒める

耳洗浄が無事終わったら、思い切り褒めてあげましょう。

「イイコだったね」「おりこうだね」「エラかったね」などと言いながら、耳の根元、顎の下、首、腰など、愛犬が喜ぶ部位を存分に撫でてあげます。

大好きなおやつをご褒美として与えてあげるのも良いでしょう。

愛犬の耳掃除を行う際の注意点

耳の病気を発症しやすいということは、それだけ犬の耳はデリケートだということです。

飼い主さんが愛犬の耳のお掃除をしてあげるに当たっては、まずそのことを念頭に置いておきましょう。

愛犬がリラックスして耳掃除させてくれるよう、飼い主さんもリラックスして行うこと。

そして、無理しない、強くしない、やり過ぎないことを心得ておきましょう。

無理に耳の奥まで掃除しようとしない

家庭で愛犬の耳掃除を行う場合の基本は、耳の穴の手前まで、耳介の内側のみです。

目に見える範囲の汚れをやさしく拭き取ってあげるだけで十分。それ以上は耳垢を逆に押し込んでしまう可能性もあるため、やらないようにしましょう。

犬の耳には自浄作用があり、奥の汚れは自然に押し出されてくるので、無理に奥まで掃除する必要はありません。

耳を強くこすらない

犬の耳の内側は皮膚が薄く傷つきやすいので、ゴシゴシこするのは禁物。

コットンやガーゼに染み込ませたイヤークリーナーをなじませて、やさしく拭き取ってあげます。

ペット用ウェットティッシュを使う場合も、ノンアルコールや低刺激性のものを選んであげましょう。

綿棒は使わない

綿棒を愛犬の耳の奥まで突っ込むのは厳禁。犬に人間が耳掃除するときのような耳かきや綿棒は不要です。

なお、犬も耳の中に汗を分泌するアポクリン腺があり、そのため人間のようなカサカサした耳垢は犬にはありません。

健康な犬の耳垢は多少ベタつく程度にサラサラしているので、コットンやガーゼで拭き取れます。色も白や乳白色、黄色やせいぜい薄茶色です。

過度な耳掃除はしない

愛犬の耳チェックをして、そこまで汚れていないのに耳掃除をするのは、むしろ逆効果。

耳が本来持つバリア機能が正常に働いているのに、それを破壊してしまい、かえって耳トラブルを引き起こしかねません。

また、綿棒などで奥の耳垢を掻き出そうとして逆に奥へ押し込んでしまい、自浄作用が働かなくなって外耳炎などの原因となる可能性もあります。

何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。耳掃除のやり過ぎには気をつけましょう。

耳毛を抜く時は注意が必要

チワワ、ダックスフンド、パピヨンポメラニアンなどの耳毛が生える犬種は、耳内部が蒸れやすく、耳のトラブルも少なくありません。

密集した耳毛に耳垢が溜まりやすく、細菌も繁殖しやすいためです。

ただし、飼い主さんがむやみに耳毛を抜くと、毛穴の根本が傷つき、そこから雑菌が入って炎症を起こす恐れがあります。

家庭では耳毛をカットする程度にとどめ、それ以上の処理は動物病院やトリミングサロンの専門家にまかせましょう。

耳に異常がある場合は動物病院で診てもらう

犬の耳垢は湿り気がありますが、ネバネバしていたり、大量だったり、茶色や黒の濃い色や異臭がする場合は即動物病院へ。

また、何度拭き取っても上手く取り除けないときや、耳に傷があったりケガしていたりで耳掃除がしにくいときは、無理せず動物病院にお願いしましょう。

成犬なら1年に1回、中・高齢犬なら1年に2回くらいの定期検診を受けるべきですが、その際に耳の様子も診てもらうことをおすすめします。

愛犬が耳掃除を嫌がる場合の対処法

そもそも犬は耳を触られるのが嫌い。犬のマズル(目元から鼻先・口にかけての部分)は敏感な上、鼻や耳はセンサーの役目をしているからです。

耳掃除どころか耳チェックもさせてくれないのは飼い主さんにとって困りものですが、愛犬だけがわがままなのではありません。みんな本当は嫌なのです。

犬が耳を触らせてくれるのは飼い主さんとよほどの信頼関係があり、しかも、耳掃除は嫌なことではないと記憶に刷り込まれることがポイントとなります。

耳や耳の中を触ることに慣れてもらうことから始める

耳だけではありません。口まわりや足の裏、しっぽなど、犬にはほかにも触られたくない部分がありますが、普段から少しずつ触らせてもらえるようにしましょう。

「○○ちゃんはイイコだね」「可愛いね」などと声がけして、愛犬とのコミュニケーションを通して信頼関係を深めながら触れ合うことが大切です。

耳の付け根は比較的嫌がる子が少ないとされていますので、撫でてあげて気持ちよさそうにしたら、徐々に耳の先や内側も触らせてもらいましょう。

嫌がったらすぐやめて日を改める

耳掃除しようとして愛犬が嫌がる素振りをしたら、その日はあきらめて終わりにしましょう。続きはまた別の日に。

嫌がって逃げる愛犬を追いかけたり、押さえつけて無理に耳に触ろうとするのはNG。

愛犬にとって耳掃除=嫌なことという記憶が刷り込まれてしまいます。

また、一気に耳掃除まで行おうとせずに、最初は耳の先に触れる、次は耳の内側に触れる…というように段階を踏んで、日数をかけて慣れさせましょう。

おやつを活用しながら耳掃除する

最近のドッグトレーニングは「陽性強化」といって、褒めたりご褒美を与えたりすることで好ましい行動を引き出して強化する手法が主流だそうです。

耳掃除にもご褒美のトリーツ(おやつなどの食べ物)は有効で、耳掃除=良いことがあると愛犬に記憶させるのに役立ちます。

耳に触らせてくれたらおやつ、耳の内側に触らせてくれたらおやつ、耳を拭かせてくれたらおやつ…と、ステップを踏むたびに褒めてご褒美をあげます。

トリミングサロンや動物病院で耳掃除してもらう

飼い主さんご自身で愛犬の耳掃除が上手くできない場合は、無理せず専門家にまかせることをおすすめします。

プードル、マルチーズ、ヨークシャー・テリア、シー・ズーなどのトリミングが必要な犬種なら、サロンで耳掃除や耳毛抜きも頼んでみましょう。

初めての耳掃除や耳毛抜きは、やはり動物病院にお願いするのが安心。ワクチン接種や定期検診の際に耳の健康診断も兼ねてやってもらいましょう。

愛犬が耳のトラブルを抱えないよう定期的な確認と耳掃除を

子犬~6歳ぐらいまでの成犬なら年1回、7歳からの中・高齢期なら半年に1回、健康診断を受けるのが良いと言われます。

その際、かかりつけ医に外耳炎などの異変がないかどうか、愛犬の耳チェックも忘れずにしてもらいましょう。

愛犬の耳の健康は日頃の衛生管理から。無理やり耳掃除する必要はありませんが、お散歩や外遊びから帰ったら虫や異物が入っていないか確かめましょう。

耳掃除は愛犬の健康を守るだけでなく、飼い主さんとの信頼関係を深めるスキンシップとしても大切です。

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