「犬にアボカドは危険だから絶対に与えてはいけない!」――そんな情報を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
人間にとって問題のない食べ物の中には、犬にとって危険な食べ物もたくさんあり、これを知っておくことは飼い主として重要なことです。
特に、愛犬の健康を第一に考える飼い主さんにとって、こうした情報は非常に気になりますよね。
この記事では、アボカドに含まれる成分のペルシンが犬に与える影響、万が一犬がアボカドを食べてしまった場合の対処法、そして少量であれば与えても問題ないのかどうかについて、詳しく解説します。
愛犬と安全にアボカドを楽しむための正しい知識を身につけましょう。
この記事の結論
- アボカドに多く含まれるペルシンは、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こす可能性がある
- 種はペルシン含有に加え、犬が誤飲すると窒息や腸閉塞の重篤なリスクがある
- 果肉は比較的安全とされる品種もあるが、脂肪分が高く、過剰摂取は膵炎のリスクを高める
- もし犬がアボカドを食べて異変があれば、速やかに動物病院に連絡し、適切な処置を受けるべき
目次
犬にアボカドは危険?アボカドの基本情報と犬への影響

アボカドは、その豊富な栄養価から「森のバター」とも呼ばれ、人間にとっては健康的な食材として知られています。
しかし、犬にアボカドを与えることについては、以前から「危険である」と知られており、飼い主さんの間で不安の声が聞かれます。
この危険性の原因として指摘されているのが、アボカドに含まれる「ペルシン」という物質です。
犬がアボカドを摂取した場合、消化器系の不調をはじめとするさまざまな症状を引き起こす可能性が示唆されています。
アボカドに含まれる「ペルシン」とは?
ペルシンは、アボカドの木や果実に自然に含まれる殺菌性の脂肪酸誘導体です。アボカドの品種や部位によって含有量は異なりますが、特に葉、皮、種に多く含まれるとされています。
人間に対しては無害ですが、犬や猫、鳥類、馬などの動物に対しては毒性を示すことが報告されています。
ペルシンを摂取した動物は、心臓の損傷や呼吸困難、消化器系の症状(嘔吐、下痢など)を引き起こす可能性があります。
ただし、犬に対するペルシンの毒性については、まだ研究途上であり、全ての犬に同じような症状が出るわけではありません。
アボカドのどの部分が危険なの?果肉・皮・種による違い
アボカドの危険性は、その部位によって大きく異なります。
種
犬が誤飲した場合、窒息や腸閉塞のリスクが非常に高いです。また、種にもペルシンが含まれています。
皮
ペルシンの含有量が多く、消化しにくい性質を持つため、消化器系の不不調を引き起こす可能性があります。
葉・茎
アボカドの葉や茎には、果肉よりもはるかに多くのペルシンが含まれており、犬にとっては特に危険です。
果肉
熟した果肉のペルシン含有量は比較的少ないとされています。しかし、品種によっては果肉にもある程度のペルシンが含まれる場合があり、油分も多いため、大量摂取は避けるべきです。
なぜアボカドは犬に危険と言われるのか?
アボカドが犬に危険と言われる主な理由は、前述の「ペルシン」という毒性物質によるものです。
ペルシンは、犬が摂取すると消化器系の不調(嘔吐、下痢など)や、より重篤な場合には心筋障害、呼吸困難、浮腫(むくみ)などを引き起こす可能性が指摘されています。
特に、アボカドの皮、種、葉にはペルシンが多く含まれているため、これらの部位を犬が口にすることは非常に危険です。
また、アボカドは脂肪分が多いため、犬が大量に摂取すると膵炎の原因となる可能性もあります。
品種によるペルシンの含有量の違いや、犬の個体差によって症状の出方は異なりますが、基本的には与えない方が安全とされています。
犬がアボカドを食べてしまったら?症状と対処法

もし愛犬がアボカドを食べてしまった場合、まずは慌てずに冷静になることが重要です。摂取した量や部位、そして犬の個体差によって症状はさまざまですが、中毒症状が現れる可能性があります。
特に注意すべきは、ペルシンによる消化器症状や、種による物理的なリスクです。異変に気づいたら迅速な対応が求められます。
このセクションでは、具体的な中毒症状のサインと、飼い主さんが取るべき応急処置、そして速やかに獣医師の診察を受けるべき目安について詳しく解説します。
どんな症状に注意すべき?中毒症状のサイン
犬がアボカドを摂取した場合、以下のような中毒症状のサインに注意が必要です。
これらの症状は、ペルシンの影響によるものや、アボカドの脂肪分による消化器系の負担、あるいは種を誤飲した場合の物理的な影響によるものなど、多岐にわたります。
消化器系の症状
- 嘔吐
- 下痢(軟便、水様便)
- 食欲不振
- 腹痛(お腹を触られるのを嫌がる、丸くなるなど)
その他の症状
- 元気消失(ぐったりしている)
- 呼吸困難
- 咳
- むくみ(特に顔や手足)
- よだれが増える
- 脱水症状
これらの症状は、摂取後数時間から24時間以内に現れることが多いですが、場合によってはもっと遅れて出ることもあります。
どのくらいの量を食べたら危険?
犬にとって危険なアボカドの摂取量は、明確に定義されていません。これは、アボカドの品種によってペルシンの含有量が異なったり、犬の体重、健康状態、アレルギーの有無といった個体差が大きいためです。
一般的に、ペルシンは皮、種、葉に多く含まれるため、これらの部分を少量でも摂取した場合は特に注意が必要です。
果肉については、品種によってはペルシン含有量が少ないとされますが、脂肪分が非常に多いため、たとえ少量でも下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。
いずれにしても、安全を期すためには犬にアボカドを与えないことが最も賢明な選択です。
犬がアボカドを食べてしまった場合の応急処置
愛犬がアボカドを食べてしまったことに気づいたら、以下の応急処置を試みてください。
ただし、これらはあくまで一時的な対処であり、自己判断での処置には限界があることを理解し、速やかに動物病院へ連絡することが最も重要です。
①残りのアボカドを片付ける
犬がこれ以上食べないように、すぐに届かない場所に片付けましょう。
②摂取した量を把握する
どのくらいの量を、アボカドのどの部分(果肉、皮、種など)を食べたかを正確に把握します。
③犬の様子を観察する
嘔吐、下痢、元気のなさなど、症状が出ていないか注意深く観察します。
④無理に吐かせようとしない
誤嚥のリスクがあるため、無理に吐かせようとしないでください。特に種を誤飲した場合は、吐かせると喉や食道を傷つける可能性があります。
すぐに動物病院へ!受診の目安と伝えるべきこと
犬がアボカドを食べてしまった場合、症状の有無にかかわらず、できるだけ早く動物病院に連絡し、指示を仰ぐことが重要です。
特に以下のような場合は、緊急性が高いため、迷わずすぐに受診してください。
明らかな中毒症状が見られる場合
嘔吐、下痢が止まらない、ぐったりしている、呼吸が苦しそうなどの症状がある場合。
種を誤飲した場合
窒息や腸閉塞のリスクがあるため、症状が出ていなくてもすぐに受診が必要です。
子犬や老犬、持病のある犬
体力がなく、中毒症状が重篤化しやすい傾向があるため。
大量に摂取してしまった場合
摂取量が多ければ多いほど、中毒症状のリスクが高まります。
動物病院へ連絡する際は、以下の情報を正確に伝えられるように準備しておくとスムーズです。
- 食べたアボカドの種類(可能であれば)
- 食べた部位(果肉、皮、種など)
- 食べたおおよその量
- 食べた時間
- 現在見られる症状
- 犬の種類、年齢、体重、基礎疾患の有無
これらの情報が獣医師が適切な診断と治療を行う上で非常に役立ちます。
少量なら犬にアボカドを与えても大丈夫?安全性と注意点

「アボカドは犬にとって危険」と知られていますが、ごく少量であれば与えても問題ないという意見も一部には存在します。
これは、アボカドの品種や部位によってペルシンの含有量が異なり、また犬の個体差によって反応が異なるためです。
特に、ペルシン含有量が少ないとされる特定の品種の完熟した果肉であれば、少量なら許容範囲と考える獣医もいます。
しかし、その一方で、アボカドの脂肪分の多さによる消化器への負担や、アレルギー反応のリスクも無視できません。
安全性を最優先するならば、やはり積極的に与えることは避けるべきと言えるでしょう。
アボカドの栄養価と犬へのメリット・デメリット
アボカドは栄養価が非常に高く、人間にとっては健康的な食材ですが、犬にとってはそのメリットとデメリットを慎重に考慮する必要があります。
メリット
豊富な不飽和脂肪酸:オレイン酸などの良質な脂肪酸を含み、皮膚や被毛の健康維持に役立つ可能性があります。
ビタミン・ミネラル:ビタミンE、K、C、B群、カリウム、マグネシウムなどが含まれており、抗酸化作用や免疫力向上に寄与する可能性も指摘されています。
食物繊維:腸内環境を整え、便通を良くする効果が期待できます。
デメリット
ペルシンによる毒性:特に皮、種、葉に含まれるペルシンは犬に中毒症状を引き起こす可能性があります。
高脂肪:脂肪分が非常に多いため、大量に摂取すると膵炎や肥満の原因となるリスクがあります。
アレルギー反応:まれにアボカドに対してアレルギー反応を示す犬もいます。
アボカドを与えても良い犬と避けるべき犬
アボカドを与えることの是非は、犬の個体差によって判断が分かれます。
与えるのを避けるべき犬
子犬・老犬:消化機能が未発達、または衰えているため、消化不良を起こしやすいです。
持病のある犬:腎臓病、肝臓病、膵炎の既往歴がある犬は、アボカドの成分が病状を悪化させる可能性があります。
アレルギー体質の犬:新しい食材に敏感に反応する可能性があるため、慎重になるべきです。
肥満気味の犬:カロリーが高いため、肥満を助長する可能性があります。
消化器が弱い犬:普段から下痢や嘔吐をしやすい犬は、アボカドの脂肪分でさらに症状が悪化する可能性があります。
慎重に検討すればごく少量与えられる可能性のある犬
健康な成犬で、特にアレルギーや持病がなく、消化器も丈夫な犬。ただし、基本的には与えないことが重要です。
犬にアボカドを与える際の「適量」とは
犬にアボカドを与える際の「適量」は、残念ながら明確な基準がありません。これは、ペルシンの含有量が品種や部位によって異なること、犬の体重や個体差による反応の違いが大きいためです。
安全性を考慮すると、たとえ熟した果肉であっても、基本的に犬には与えないのが最も安全な選択と言えます。もしどうしても与えたい場合は、獣医師に相談し、その指示に従ってください。
与えるとしてもごく少量、例えばティースプーンの先に乗る程度から始め、数日間様子を見て、下痢や嘔吐、皮膚の痒みなどの異変がないか注意深く観察することが不可欠です。
あくまでおやつとして少量に留め、主食には絶対に混ぜないでください。
まとめ:愛犬の健康を守るために知っておきたいアボカドの知識
犬とアボカドの関係は複雑であり、その安全性についてはさまざまな情報が錯綜しています。
最も重要なことは、アボカドには犬に有害な「ペルシン」が含まれること、そして種による窒息や腸閉塞のリスクがあることを理解することです。
ペルシンは皮や種に多く含まれ、果肉にも品種によっては少量含まれる可能性があります。愛犬の健康を最優先するならば、アボカドは基本的に与えない方が安全という認識を持つべきでしょう。
もし万が一犬がアボカドを食べてしまった場合は、摂取した量や部位、そして犬の様子を注意深く観察し、少しでも異変があれば速やかに動物病院に連絡し、獣医師の指示を仰ぐことが重要です。
正しい知識を持ち、愛犬を危険から守りましょう。
この記事の執筆者
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