「愛犬にはちみつを与えても大丈夫?」そう疑問に思ったことはありませんか?
栄養価が高く、私たち人間にとっては身近な食品であるはちみつ。愛犬にも与えてみたいと考える飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかし、犬にはちみつを与える際には、知っておくべき正しい知識と注意点があります。
この記事では、犬にはちみつを与える際のメリット・デメリット、適切な量や与え方、そして注意すべき犬のタイプまで、詳しく解説していきます。
愛犬の健康を守りながら、はちみつを上手に活用するための情報が満載です。
この記事の結論
- 犬にはちみつは適切な量と方法であれば与えられるが、子犬や持病のある犬には注意が必要
- はちみつは免疫力向上や腸内環境改善、エネルギー補給など愛犬の健康に良い効果が期待できる
- 与える際は純粋はちみつを選び、愛犬の体重に合わせた推奨量を守ることが重要
- 与えすぎは肥満や虫歯、アレルギーの原因となるため、与えた後の歯磨きや体調観察を怠らない
目次
犬にはちみつを与えても大丈夫?基本的な考え方

愛犬にはちみつを与えても良いのか、多くの飼い主さんが疑問に思うことでしょう。結論から言うと、適切な量と方法であれば、犬にはちみつを与えることは可能です。
はちみつは栄養価が高く、古くから薬効がある食品として知られています。しかし、犬の消化器系は人間とは異なるため、与える際には注意が必要です。
特に、カロリーが高いことや、ごく稀にボツリヌス菌の芽胞が含まれる可能性があることから、与え方や量、そして犬の状態をよく考慮することが大切です。
愛犬の健康を守るためにも、正しい知識を身につけて安全にはちみつを取り入れましょう。
はちみつは犬の健康に役立つ?期待できる効果
はちみつには、犬の健康に良いとされるさまざまな成分が含まれています。主に、ビタミンやミネラル、アミノ酸、酵素などが豊富で、これらが複合的に作用することで、愛犬の健康維持に貢献する可能性があります。
ただし、あくまで補助的なものであり、はちみつだけで特定の病気が治るわけではありません。愛犬の体調や年齢、持病などを考慮し、獣医師と相談しながら取り入れることが推奨されます。
過剰摂取はかえって健康を害する可能性もあるため、適量を守ることが何よりも重要です。
免疫力向上効果
はちみつには、フラボノイドやフェノール酸などの抗酸化物質が含まれており、これらが犬の体内の活性酸素を除去し、細胞の損傷を防ぐことで免疫力の向上に寄与すると言われています。
また、はちみつに含まれる少量のプロポリスや花粉も、免疫細胞の働きをサポートする可能性があります。風邪を引きやすい季節や、病気からの回復期など、愛犬の免疫力を高めたいと考える飼い主さんにとって、はちみつは有効な選択肢のひとつとなるでしょう。ただし、アレルギー体質の犬には注意が必要です。
腸内環境の改善
はちみつには、オリゴ糖やグルコン酸などのプレバイオティクス(善玉菌の餌となる成分)が含まれており、これらが腸内の善玉菌を増やし、腸内環境の改善に役立つ可能性があります。
腸内環境が整うことで、便秘や下痢の改善、栄養素の吸収率向上、さらには免疫力の向上にも繋がると考えられています。
ただし、過剰な摂取は逆に下痢を引き起こす可能性もあるため、少量から試し、愛犬の便の状態をよく観察することが大切です。
喉の炎症緩和
はちみつには、抗菌作用や抗炎症作用があると言われており、犬の喉の炎症緩和に役立つ可能性があります。
咳が出ている時や、喉に不快感がある場合などに、少量をなめさせてあげることで、一時的に症状が和らぐことがあります。
人間が風邪をひいた時に喉の痛みを和らげるために使うように、犬に対しても同様の効果が期待できるというわけです。
ただし、咳の原因が深刻な病気である可能性もあるため、症状が続く場合は必ず獣医師の診察を受けてください。
エネルギー補給
はちみつの主成分はブドウ糖と果糖であり、これらは即効性の高いエネルギー源となります。そのため、運動量の多い犬や、食欲不振で元気がない犬、病気からの回復期の犬などに、少量のはちみつを与えることで効率的なエネルギー補給が期待できます。
散歩前や運動後など、一時的にエネルギーが必要な場面で活用するのも良いでしょう。ただし、高カロリーであるため、肥満傾向の犬や運動不足の犬への与えすぎには注意が必要です。
犬にはちみつを与えてはいけないケースと危険性
はちみつは犬にとってメリットがある一方で、与えてはいけないケースや注意すべき危険性も存在します。
これらのリスクを理解し、適切に対処することで、愛犬を危険から守ることができます。特に、特定の年齢や健康状態の犬には、はちみつを与えることが推奨されない場合があります。
無闇に与えるのではなく、愛犬の健康状態を常に把握し、疑問がある場合は必ず獣医師に相談するようにしましょう。
子犬への与え方と注意点
生後1歳未満の子犬には、基本的にはちみつを与えてはいけません。
はちみつには、ごく稀にボツリヌス菌の芽胞が含まれていることがあります。成犬の場合は腸内環境が整っているため問題となることはほとんどありませんが、腸内環境が未熟な子犬の場合、ボツリヌス菌が腸内で増殖し、重篤な神経症状を引き起こす乳児ボツリヌス症を発症するリスクがあるためです。
子犬の健康を最優先に考え、絶対に与えないようにしてください。
特定の疾患を持つ犬への影響
糖尿病の犬には、はちみつを与えてはいけません。
はちみつは糖分が多く、血糖値を急激に上昇させる可能性があるため、糖尿病の症状を悪化させるリスクがあります。
また、肥満傾向の犬にも注意が必要です。はちみつは高カロリーであるため、体重増加に繋がります。
その他、腎臓病や肝臓病などの持病がある犬に与える場合は、必ず事前にかかりつけの獣医師に相談し、安全性を確認してからにしましょう。
アレルギー反応の可能性
人間と同様に、犬もはちみつに対してアレルギー反応を示す可能性があります。
特に、花粉症の犬や、過去に食物アレルギーの既往がある犬は注意が必要です。初めてはちみつを与える際は、ごく少量から始め、数時間から24時間程度、愛犬の様子を注意深く観察してください。
もし、嘔吐、下痢、皮膚の痒み、顔の腫れ、呼吸困難などの症状が見られた場合は、すぐに与えるのを中止し、動物病院を受診してください。
虫歯のリスク
はちみつは粘着性があり、糖分が多いため、犬に与えることで虫歯のリスクを高める可能性があります。
特に、歯磨きをあまりしない犬や、歯周病になりやすい犬は注意が必要です。はちみつを与えた後は、必ず水を与えて口の中を洗い流すか、歯磨きをしてあげることが推奨されます。
定期的なデンタルケアを怠ると、虫歯だけでなく歯周病の原因にもなるため、はちみつを与える際はデンタルケアとセットで考えるようにしましょう。
犬にはちみつを安全に与えるためのポイント

愛犬にはちみつを与える際は、その安全性を第一に考える必要があります。いくら良い効果が期待できるとはいえ、与え方を間違えれば愛犬の健康を損なう可能性もゼロではありません。
ここでは、はちみつを愛犬に安全に与えるための具体的なポイントを詳しく解説します。適切な種類選びから、与える量、頻度、そして万が一の事態に備えるための注意点まで、飼い主さんが知っておくべき情報を網羅しています。
これらのポイントをしっかり押さえることで、愛犬の健康をサポートしながら、はちみつを安心して取り入れることができるでしょう。
適切な与え方と量
犬にはちみつを与える上で最も重要なのは、適切な与え方と量を守ることです。人間にとっては少量でも、体の小さな犬にとっては過剰摂取となることがあります。
特に、はちみつは糖分が多くカロリーも高いため、与えすぎは肥満や糖尿病などの原因になる可能性があります。
愛犬の体重や活動量、健康状態を考慮し、獣医師と相談しながら最適な量を見つけることが大切です。少量から始め、愛犬の反応を見ながら徐々に調整していくのが賢明な方法と言えるでしょう。
はちみつの種類選び
犬にはちみつを与える際は、種類選びも重要なポイントです。一般的に、純粋なはちみつを選ぶようにしましょう。
加工されたはちみつ製品の中には、砂糖や人工甘味料、添加物などが含まれている場合があります。これらは犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため避けるべきです。
また、マヌカハニーは高い抗菌作用を持つことで知られていますが、普通の純粋はちみつでも犬には十分な効果が期待できます。初めて与える際は、少量から試して愛犬に合うかを確認してください。
1日の推奨摂取量
犬にはちみつを与える際の1日の推奨摂取量は、犬の体重によって異なります。
あくまで目安ですが、一般的には小型犬(~5kg)でティースプーン半分程度、中型犬(5~20kg)でティースプーン1杯程度、大型犬(20kg~)でティースプーン1~2杯程度が適切とされています。
これはあくまで目安であり、はちみつはカロリーが高いため、総合栄養食のドッグフードを与えている場合は、はちみつのカロリー分をフードから差し引くなどして、1日の総カロリー量を調整するように心がけましょう。
与える頻度
はちみつを与える頻度についても考慮が必要です。毎日与える必要はなく、週に数回程度に留めるのが良いでしょう。
特に、おやつとして与える場合や、エネルギー補給を目的とする場合など、特定の目的があるときに限定して与えることをおすすめします。
常用的に与えすぎると、愛犬がはちみつばかりを欲しがるようになったり、体重増加に繋がったりする可能性もあります。バランスの取れた食生活の中に、あくまで補助的な役割として取り入れる意識が大切です。
加熱の有無
はちみつに含まれる酵素や一部の栄養素は、加熱によって失われることがあります。そのため、はちみつの健康効果を最大限に活かしたいのであれば、非加熱の生はちみつを与えるのが理想的です。
ただし、加熱処理されたはちみつでも、糖分としてのエネルギー補給効果は変わりません。重要なのは、人間用の加工品(焼き菓子など)に混ぜて与えるのではなく、純粋なはちみつをそのまま、または水などに溶かして与えることです。高温での加熱調理は避けるようにしましょう。
与える際の注意点
はちみつを愛犬に与える際には、いくつかの注意点があります。これらの点を怠ると、愛犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、アレルギー反応や虫歯のリスク、そして製品の品質は、飼い主さんが責任を持って確認すべき項目です。愛犬の安全を守るためにも、以下の注意点をしっかりと把握し、実践するようにしましょう。
品質の良いはちみつを選ぶ
愛犬に与えるはちみつは、品質の良いものを選ぶことが非常に重要です。純粋はちみつと表示されているものを選び、加熱処理されていない生はちみつであれば、より多くの栄養素を摂取できます。
スーパーなどで手軽に購入できるはちみつの中には、水あめや人工甘味料などが混ぜられている「加糖はちみつ」や「精製はちみつ」も存在します。これらは犬の健康に不要な成分が含まれているため、必ず避けてください。
原材料表示をよく確認し、信頼できるメーカーの製品を選ぶように心がけましょう。
与えすぎに注意
前述の通り、はちみつは高カロリーで糖分を多く含んでいます。そのため、与えすぎには細心の注意が必要です。推奨量を守らずに大量に与えてしまうと、以下のような健康リスクが高まります。
- 肥満:過剰なカロリー摂取は体重増加に直結します。
- 糖尿病:血糖値の急激な上昇は、糖尿病のリスクを高めます。
- 下痢:糖分の過剰摂取は、腸内の浸透圧を変化させ下痢を引き起こすことがあります。
愛犬の健康状態や活動量に合わせて量を調整し、おやつとして与える場合は、1日の総摂取カロリーの10%以内を目安にしましょう。
アレルギー症状の観察
はちみつは、稀に犬にアレルギー症状を引き起こすことがあります。初めて与える際は、ごく少量(指先に少量つける程度)から試して、愛犬の様子を注意深く観察してください。
与えてから数時間~24時間以内に、以下のような症状が見られた場合は、すぐに与えるのを中止し、獣医師に相談しましょう。
- 皮膚の痒みや赤み
- 顔や口周りの腫れ
- 嘔吐、下痢
- 呼吸困難(重篤な場合)
特に、過去に他の食物でアレルギー反応を示したことがある犬は、より慎重に与える必要があります。
定期的な歯磨き
はちみつは粘性が高く、糖分が豊富に含まれているため、犬に与えることで虫歯のリスクが高まります。特に、歯磨きをあまりしない犬や、すでに歯垢や歯石が付着している犬は注意が必要です。
はちみつを与えた後は、水を与えて口の中を洗い流すか、ガーゼや犬用歯ブラシを使って必ず歯磨きをする習慣をつけましょう。
定期的なデンタルケアを怠ると、虫歯だけでなく歯周病の原因にもなり、口臭や食欲不振など、他の健康問題に繋がる可能性もあります。
愛犬にはちみつを与える際のQ&A
愛犬にはちみつを与えることに関して、飼い主さんからはさまざまな疑問が寄せられます。ここでは、特によくある質問とその回答をQ&A形式でまとめました。
これらの情報を参考にすることで、はちみつを与える際の不安を解消し、より安心して愛犬の健康管理に役立てることができるでしょう。
もし、ここにない疑問や、愛犬の特定の健康状態に関する質問がある場合は、必ずかかりつけの獣医師に相談してください。
犬に与える際にはどんなはちみつを選べば良い?
愛犬に与えるはちみつは、「純粋はちみつ」を選ぶことが最も重要です。加工されたはちみつ製品の中には、水あめや人工甘味料、保存料などの添加物が含まれているものがあり、これらは犬の消化器系に負担をかけたり、アレルギーの原因になったりする可能性があります。
可能であれば、熱処理されていない「生はちみつ(ローハニー)」を選ぶと、酵素やビタミンなどの栄養素がより多く残っています。色や粘度はさまざまですが、原材料が「はちみつ」のみと表記されているかを確認しましょう。
犬にはちみつは毎日与えても問題ない?
はちみつは栄養価が高いですが、毎日与えることは推奨されません。
主な理由としては、はちみつが高カロリーであること、そして犬にとって糖分の過剰摂取は肥満や糖尿病、虫歯のリスクを高める可能性があるためです。あくまで補助食品やおやつとして、週に数回程度の頻度で与えるのが適切でしょう。
愛犬の活動量や体重、健康状態を考慮し、獣医師と相談の上、適切な頻度と量を決めるようにしてください。過剰摂取はかえって健康を害する可能性があるので注意が必要です。
犬がはちみつによって嘔吐や下痢をした場合はどうすれば良い?
愛犬にはちみつを与えた後に嘔吐や下痢が見られた場合は、すぐに与えるのを中止してください。
これらの症状は、はちみつに対するアレルギー反応である可能性や、単に与えすぎによる消化不良である可能性が考えられます。
症状が一時的なもので、すぐに回復した場合は様子を見ても良いですが、症状が続く場合や、ぐったりしている、食欲がないなど、他に気になる症状が見られる場合は、迷わず動物病院を受診しましょう。獣医師にはちみつを与えたことを伝え、症状を詳しく説明することが重要です。
犬のおやつやフードにはちみつを混ぜても良い?
おやつや普段のフードに混ぜて与えることも可能です。はちみつは甘くて犬の嗜好性が高いため、投薬時にお薬を包んで与えたり、食欲がない時にフードのトッピングとして少量加えたりするのも有効な方法です。
ただし、混ぜすぎには注意が必要です。特にドッグフードに混ぜる場合は、はちみつの甘さでフードの味が変わってしまい、はちみつがないと食べなくなる「味覚の偏り」を引き起こす可能性もあります。
あくまで風味付けや補助的な目的として少量に留め、常用しないようにしましょう。
まとめ:愛犬の健康にはちみつを賢く取り入れよう
愛犬の健康にはちみつを取り入れることは、いくつかのメリットが期待できます。特に、免疫力のサポートや腸内環境の改善、エネルギー補給といった点で役立つ可能性があります。
しかし、その一方で、子犬への与え方や持病のある犬への影響、アレルギー、虫歯のリスクなど、飼い主さんが知っておくべき注意点も多く存在します。
愛犬にはちみつを与える際は、必ず「適切な種類を選び、推奨量を守り、与えすぎに注意し、異常があればすぐに中止する」という基本ルールを徹底しましょう。
獣医師に相談し、愛犬の健康状態を考慮しながら、はちみつを賢く活用することで、愛犬とのより豊かで健康的な毎日を送ることができるはずです。
この記事の執筆者
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