犬の病気・健康

犬にノミが寄生する原因は?ノミの症状や事前にできる予防法

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犬にノミが寄生する原因は?症状や見つけたときの対処法・予防法

愛犬が体中痒そうにしている様子を見たことはありませんか?

だんだんと暑くなるこれからの時期、ノミの繁殖・寄生は注意しておきたいポイントです。

今回は、犬にノミが寄生する原因や、その対処法について徹底解説します。

愛犬家の皆さんは、ぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事の結論

  • ノミは犬の体に寄生し吸血する虫であり、痒みや皮膚炎を発症
  • ノミとダニは一緒くたにされることが多いものの、実際には異なる寄生虫
  • ノミは薬を使って駆除や予防を徹底することが重要
  • 見つけたノミは絶対に潰さないように注意する

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犬に寄生するノミとは

犬の体に小さな虫が付着しているしているのを見たことはありませんか?

体の上をぴょんぴょんと飛び跳ねて吸血している様子があれば、それはノミかもしれません。

ノミは昆虫(外部寄生昆虫)の仲間であり、日本には約80種類存在すると言われています。

春から秋にかけて発生しやすく、気温や室温が13℃以上になると繁殖が活発になると言われているのです。

特に気温が20℃~30℃になると大量発生しやすくなるので、夏場は特に注意が必要です。

ノミとダニは種類が違う

ノミのほかに、犬の体に付着して吸血する虫として、ダニが挙げられます。

ノミとダニはよく見間違われますが別の種類の昆虫であり、クモの仲間に属します。

寄生虫の種類特徴活動期ペットに寄生する種類
ノミ6本脚7~9月頃主にイヌノミ、ネコノミ
ダニ8本脚4~11月頃多種類が存在する

ダニは吸血すると10倍以上にも膨らむ特徴があり、吸血に平均3日~5日かかります。

吸血し満腹状態の場合は産卵をしないため、ノミに比べて大量繁殖を防ぎやすいのが特徴。

しかし、ノミ・ダニのどちらも感染症や皮膚病の原因となるため、予防・駆虫を徹底しましょう。

イヌノミは減少傾向にある

元々知られているノミは、ヒトノミと言われ、人につくノミが一般的に知られていました。

これは犬にも猫にもつきますが、イヌノミは減少傾向にあり、最近ではネコノミが中心となっています。

ネコノミは猫に寄生するノミのことですが、もちろん犬や人、その他の動物にもつきます。

そのためイヌノミは少なくなってきていても、ノミによる被害が全くなくなることはないのです。

犬にノミが寄生する原因

「気がついたら愛犬にノミが付着していた!」ということは、珍しくありません。

では、ノミは一体どこからやってきて愛犬に寄生するのでしょうか。

具体的な原因が分かれば、予防・対策もできそうですよね。

ここでは、犬にノミが付着する原因について解説します。

散歩で草むらなどに入った

ノミが寄生する原因として一番多いのは、散歩などで草むらに潜んでいるノミを連れて帰ってきてしまうこと。

ノミは非常に小さいため、肉眼で屋外にいるノミを判別するのは困難です。

一見虫などはいないように見えてもノミが付着してしまう可能性があるので、むやみに草むらに入るのは避けましょう。

散歩で出会ったほかの動物との接触

散歩中に出会ったほかの犬から、ノミが移ってしまうこともあります。

ノミはぴょんぴょんと跳ね回るため、一緒に遊んでいた犬にノミが付着していた場合、接触した際に移ってしまう可能性も。

犬以外にも猪や鹿などの野生動物が街に出没した際に、ノミをはじめとする寄生虫を連れてきてしまい、街でノミが大量繁殖することもあります。

室内に生息していたノミが孵化した

知らぬ間に室内に入り込んでしまったノミが孵化し、愛犬の体に付着することも考えられます。

愛犬以外にも、飼い主さんの服にノミが付着したことによって、室内にノミを持ち込んでしまうことも珍しくありません。

室内は基本的にエアコンによって一年中温度が保たれているため、ノミが繁殖しやすい条件が整っています。

特にカーペットや布団など湿気がこもりやすい場所には注意が必要です。

室内外を自由に出入りできる猫を飼っている

自由に室内と屋外を行き来できる愛猫がいる場合、猫がノミを連れてきてしまうことも。

外に遊びに出かけた猫は、草むらで狩りをしたり、地べたに寝転んだりして過ごしているため、体にノミを付けてきてしまう可能性が高いです。

そのまま室内に帰ってくることで、ノミが家の中で繁殖してしまいます。

愛猫の半屋外飼育はノミなどの寄生虫感染はもちろん、交通事故や縄張り争いに巻き込まれる可能性もあり、おすすめできません。

愛犬に寄生虫を移さないため、愛猫の安全を守るためにも、なるべく猫も室内で飼育しましょう。

ブラッシングやシャンプーを怠っている

日頃からブラッシングをしっかりと行っていれば、ノミが付いていてもすぐに気が付き対処することができます。

また、シャンプーをすれば被毛や皮膚に付着したノミの糞を洗い流せます。

ブラッシング・シャンプーを怠っているとノミの存在に気が付くのが遅れてしまったり、ノミの死骸や糞がいつまでも皮膚に付着した状態に。

放置すると皮膚炎などを引き起こしてしまうため、こまめにブラッシングをし、月に一度はシャンプーを行いましょう。

ブラッシング・シャンプーは皮膚や被毛の清潔を保つだけでなく、健康状態のチェックという観点でも非常に重要です。

室内環境が悪い

室内環境が悪いと、ノミの繁殖を促す条件が整ってしまい、大量繁殖の原因に。

換気をせずに部屋を締め切っていたり、掃除機をかけるのをサボっていたりすると、部屋に湿気やフケ・ホコリが溜まります。

こういった汚れはノミにとっては好都合な環境でありノミが増える原因になるため、掃除をして清潔な環境を保ちましょう。

犬にノミが寄生したときに見られる症状

犬にノミが寄生した際には、以下のような症状が見受けられます。

一般的な症状重度の症状
・頻繁に顔や体、足を痒がる
・掻きすぎによる脱毛が見られる
・肌に赤い斑点がある
・貧血
・体重減少
・下痢
・嘔吐

ノミが生息するのは、主に背中や脇の下・下腹・内ももなど。

痒そうにしていたり毛が抜けてしまっていたりする場合は、ノミが寄生している可能性が高いです。

また、ノミの唾液成分によりアレルギー反応を起こす子もいます。

重症化すると下痢や嘔吐・貧血といった症状を引き起こすため、なるべく早い段階でノミが付着していないかを見極めて動物病院を受診しましょう。

犬にノミが寄生したときに引き起こる病気

ノミに刺されると、皮膚が痒くなるという症状はご存知の人も多いことでしょう。

しかし、実はノミに刺されると痒み以外にもさまざまな症状・病気を発症する可能性があります。

ここでは、ノミに刺された際に引き起こる可能性のある病気について解説します。

瓜実条虫症(うりざねじょうちゅうしょう/サナダムシ)

犬の体についた瓜実条虫(サナダムシ)の幼虫が寄生し、それを口にしてしまうことで発症する病気。

犬がセルフグルーミングを行う際に、体に付着した寄生虫の幼虫を一緒に舐め取ってしまうことで

体内に入り込みます。

幼虫は体内で成虫へと成長し、下痢や嘔吐の症状が現れます。

肛門のあたりをしきりに気にするような様子があれば、お腹に寄生虫がいる可能性も。

うんちに寄生虫の混入が見られる場合もあるので、よく確認してみましょう。

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミの唾液に反応して起こる、アレルギー性皮膚炎。

アレルギーを持っていない子であれば発症しませんが、アレルギーのある子はたった1匹のノミに刺されただけでも症状が現れます。

しっぽや腰・お腹などに強い痒みを感じ、赤い発疹ができたり腫れたりします。

掻きすぎてしまい、毛が抜けたり皮膚が荒れたりすることで二次感染を引き起こすおそれも。

重度の場合は貧血を起こすこともあるので、草むらを避けたりこまめにブラッシングをしたり、ノミ予防を徹底しましょう。

愛犬の体でノミを見つけたときの対処法

愛犬の体にノミを見つけた場合は、正しい方法で駆除・対処する必要があります。

誤った方法で対処するとよりノミの繁殖を広げてしまうため、十分に注意しましょう。

ここでは、ノミを見つけた際の対処法を紹介します。

万が一ノミがいた場合には、こちらの内容を参考にしながら冷静に対処してくださいね。

動物病院に行く

愛犬の体にノミを発見したら、早めに動物病院を受診しましょう。

ノミの糞が付着したままになったり、産卵をして繁殖が進んでさらに症状が進んでしまうことも考えられます。

予防薬・駆虫薬は市販のものもありますが、効果が弱かったり皮膚炎を起こしてしまうことも。

また、すでに皮膚が炎症を起こしている場合には、状態を診たうえで薬を処方してもらう必要があります。

自力でなんとかしようとせずに、獣医師を頼りましょう。

室内を入念に掃除する

愛犬の体に付いているノミを駆除したら、部屋の掃除を徹底しましょう。

愛犬のベッドや床に敷いているカーペット・人間用の布団やソファーカバーなど、可能な限りすべて洗うのがおすすめです。

ノミの卵や幼虫が家の中に残っている限り、完全に駆除しないと再度愛犬に寄生することが考えられます。

可能であればペットの害のない駆除剤を室内に撒くなど、ノミの駆除を徹底しましょう。

見つけたノミは絶対に潰さない

ブラッシング中などにノミを見つけるとつい潰したくなりますが、絶対に潰してはいけません。

メスのノミの場合、潰してしまうことで体内の卵があちこちに飛び散ってしまう可能性があります。

卵が愛犬の体に付着し、体を舐めることで体内でノミが孵化してしまいます。

また、愛犬だけでなく飼い主さんの体内に入り込んでしまうことも。

人間も瓜実条虫症に感染する場合があるので、十分に注意が必要です。

ノミを見つけたら潰すのではなく、ガムテープで捕まえたり、洗剤を溶かした水に入れるなど卵が産卵しない方法で駆除しましょう。

愛犬にノミを寄生させないための予防法

寄生したノミの駆除も大切ですが、愛犬にノミが寄生しないよう予防するのも非常に重要です。

ノミは繁殖力が高く、一度寄生すると大量に発生してしまうため、予防を徹底しましょう。

ここでは、犬にノミを寄生させないための予防法をご紹介します。

室内をこまめに掃除する

普段から部屋をこまめに掃除し、ノミが繁殖しづらい環境を作りましょう。

フケやほこり、食べ物のカスなどはノミのエサとなります。

また、湿気が多い温かい場所もノミの住処としては好条件となるため、こまめな換気・除湿を行いましょう。

カーペットや布団などの布製品は定期的に洗濯したり干したり、洗濯できないものは煮沸消毒するのがおすすめです。

草むらを散歩することは避ける

草むらにはノミだけでなく、さまざまな虫が潜んでいます。体も当然汚れやすくなります。

刺されることで痒みや皮膚の炎症が起こるだけでなく、蚊に刺された際にはフィラリア症を引き起こすなどのリスクもあり危険です。

うまくコントロールしないと興味本位から草むらに入ってしまうことがありますので、散歩中は愛犬の行動をよく監視してくださいね。

ブラッシングやシャンプーを定期的に行う

その子によって適切なブラッシングやシャンプーの回数・頻度は異なりますが、全くやらないのはNG。

定期的なブラッシング・シャンプーを行い、ノミがいないかチェックしたり、汚れなどを洗い流すことも非常に重要です。

特にブラッシングは、汚れを落としたり毛玉を予防するだけでなく、皮膚の健康状態をチェックするためにも毎日行うのが理想です。

室内外の出入りができる猫は行動を制限する

犬でも猫でも室内飼いが中心となっている現代ではあまり見られませんが、室内よりも外からの侵入経路はやはり多いです。

自由に屋外・室内を出入りできる愛猫がいる場合には、行動を制限しましょう。

いくら部屋の中を掃除しても、猫が外からノミを連れてきてしまっては意味がありません。

愛猫もノミの付着により皮膚病を引き起こすおそれもあるので、愛犬・愛猫両方の健康を守るためにも、猫も室内飼育をすることをおすすめします。

動物病院で処方された駆除・予防薬を投与する

予防薬・駆虫薬を使用し、ノミの寄生をしっかり予防しましょう。

薬の種類は、以下のようなものがあります。

薬の種類投与方法特徴
チュアブルタイプ経口おやつ感覚で投薬できる
スポットタイプ首の後に垂らす食べる薬が苦手な子に便利
錠剤タイプ経口食物アレルギーやデリケートな皮膚の子に安心

市販の駆虫薬・予防薬は効果が弱かったり、全身に上手く広がらなかったりします。

薬の種類もさまざまなので、安く仕入れられる個人輸入などに頼らず、かかりつけの動物病院で薬を処方してもらうのがおすすめです。

ノミは血を吸い続けないと生きていないため、駆虫薬・予防薬の使用を継続すれば、いずれすべてのノミを退治できます。

ノミ予防の薬は、約3か月は継続した使用が必要で、獣医師の指示をきちんと聞いておきましょう。

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