愛猫に頭突きをされたことがある飼い主さんはとても多いのではないでしょうか。
足元に擦り寄ってきた時にゴツンとされたり、目覚めた時にゴツンとされたり。
猫と暮らしていると一日のうちに、何度も頭突きされる機会に見舞われるでしょう。
時には頭突きの後に噛まれることもありますが、これらの猫の行動は感情表現のひとつだと考えられています。
今回は、猫が頭突きをする理由についてご紹介しましょう。
この記事の結論
- 猫の頭突きは感情表現であり、コミュニケーションの一種
- 頭突きの後に甘噛みや頬を擦りつけてくることもある
- 猫の感情を読み取るために頭突きは重要な行動
- 頭突き以外の感情表現も知ると、より深く猫を理解できる
ライター/愛玩動物飼養管理士/トリマー/グルーマー/ベテリナリーテクニシャンズ
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目次
猫が頭突きをしてくる理由
猫は人間の言葉が話せない代わりに、さまざまな行動で感情を伝えてきます。
ゴロゴロ喉を鳴らしたり、体を擦りつけたりするのは愛情表現だ、とご存知の方も多いのではないでしょうか。
逆に毛を逆立てるのは威嚇、尻尾を左右に振るのは不満というように、話せなくても行動で喜怒哀楽を教えてくれます。
頭突きをするように頭をゴツンとぶつけて擦り付けるのも、コミュニケーションのひとつです。
猫の頭突きに込められている豊かな表現を知って、愛猫との交流を深めるのに役立てましょう。
「大好き」という愛情表現
猫の頭突きには喉のゴロゴロと同じように、愛情表現の意味が込められています。
頭をごっつんとぶつけて気持ちを伝えてくるのは、相手を信頼している証拠でもあるでしょう。
この頭突きは人間だけでなく、仲が良い猫同士でも行います。
もしも愛猫に頭をゴツンとされたら、お返しで同じように額を引っ付けたり、撫でてあげると良いでしょう。喜んで何度も頭をゴツンしてきます。
とても力強い愛情を小さな額から感じられるでしょう。
相手へのマーキング行為
猫の頭突きには、愛情表現以外の意味が込められていることがあります。そのうちのひとつにマーキングの意味があるでしょう。
猫の耳の下や頬の周りにはフェロモンの分泌腺が存在します。猫は基本的に縄張り意識が高いため、お気に入りの場所やおもちゃにはマーキングを行います。
これらの行動は人に対しても例外ではありません。頭突きをした後に頬を擦りつけてくるマーキングで自分の大好きを主張します。
愛猫が頬を擦りつけてきた時は優しく撫でて、気持ちを受け取ってあげましょう。
挨拶のひとつ
早朝起きた時やお昼寝から起きた時の頭突きは、挨拶を意味することがあります。
目覚めた時の頭突きは人で言うところの「おはよう」のような意味合いと考えられています。
多頭飼育のご家庭では、猫同士で額をゴツンして、コミュニケーションを取っている姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
この行動は、心を許している相手や大好きな相手にしか行いません。
目が覚めた時や仕事やお出かけから帰宅した時に愛猫が挨拶しに来たら優しく撫でてあげたり、同じように額を引っ付けて挨拶を返してあげましょう。
要求があるとき
猫は人に何かをしてほしい時に頭突きをして呼ぶことがあります。
お腹が空いた時のご飯やトイレを掃除してほしい時も頭突きでお願いしてくるでしょう。
猫がどのような意味で頭突きをしているのかを知るためには、日頃からコミュニケーションを取る必要があります。
逆にいつも頭突きをしてくるタイミングでゴツンをしてこない時は、不安を感じていたりストレスが溜まっているサインだと考えられます。
頭をゴツンしてくるのを甘えているだけと思わず、愛猫と良い関係が築けるように、日々の観察を心がけましょう。
猫の頭突きはやめさせるべき?
猫の頭突きはコミュニケーションの一環であり、マーキングのように本能が伴う行動でもあります。
頭突きを止めさせることはコミュニケーションの手段を取り上げるようなことになりかねないので、基本的に止めさせる必要はありません。
しかし、あまりにも頭突きが強い時やしつこい時は、愛情表現以外の理由が含まれていることが多く見受けられます。
他にも何か要求していたり、異変を感じ取って不安を伝えていることもあります。
愛猫がどんな気持ちで頭突きをしてくるのかよく観察して、必要以上に頭突きしないで済むように考えてあげましょう。
声をかけてなでてあげるだけでOK
頭突きを止めさせる必要はないものの、時には落ち着かせてあげることも必要です。
また、頭をゴツンとすると要求を満たしてくれると覚えてしまうと、今度はしつけの面で問題が生じかねません。
頭突きの理由を考えて、要求に応え過ぎないように注意しましょう。
頭をゴツンとしてきた時に愛猫の名前を呼んで撫でてあげると、「通じた」と感じます。
コミュニケーションを取ることで頭突きをする必要がなくなれば、自然と猫は頭突きをしなくなります。
こまめに愛猫と接して満足させてあげましょう。
異変があってこすりつけている可能性もある
猫は何かを訴えたい時に頭突きをしてくることもあります。
頭突きで気持ちを訴えてくる時は、ケガや病気よりも精神的に不安になっていたりストレスを感じていることが多いでしょう。
特に引っ越しなどで取り巻く環境が大きく変化した時や飼い主が家を留守にしている時間が長かったりすると、いつもよりも額を擦りつけてきます。
そのような時は撫でてもしばらく傍から離れなかったり、いつも以上に甘えた仕草をするでしょう。
猫は言葉が話せない代わりに、ボディランゲージで気持ちを表します。
愛猫の様子を観察して、どこか変わった行動を取っていないか考えてあげましょう。
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猫が頭突き後に噛んでくる理由
猫は気まぐれでマイペースな生き物です。擦り寄って甘えてきた愛猫を撫でていたら、突然噛まれることもあるでしょう。
初めて猫とお迎えした時は、急激な態度の変化に驚くこともあるかもしれません。かと思えば、またすり寄ってくるなんてことも。
頭突きの後に噛んでくる行為には攻撃的な意味はありません。しかし、噛まれれば誰でも痛いものです。
もしケガをしてしまうと、猫の口の中にいる常在菌から感染症にかかってしまう可能性も否定しきれません。
愛情表現の延長線上であっても、噛まれた時はしっかり痛いと伝えるようにしましょう。
構ってくれたから遊んでいるつもりで噛んだ
頭突きをしてきた時に撫でていると、手を噛んでくることがあります。
これは甘えているうちに遊びスイッチが入ってしまい、手をおもちゃ代わりにしてしまうために起こります。
猫は遊びのつもりでじゃれているので、時には後ろ足でのケリケリも加わることもあるでしょう。
愛情表現のひとつでも、人の手をおもちゃ代わりにするのは好ましくありません。
少し大げさに痛がったり、痛いと伝えると理解してくれます。噛んできた時は、その気持ちを伝えて止めさせる努力をしましょう。
なでる時間が長くて嫌だったから噛んだ
猫はコロコロと気分が変わります。大人しく寝てたかと思えば、突然遊びだして走り出すこともあるでしょう。
気分屋でマイペースに行動するのが猫であり、それは人間に対しても同様です。
撫でている時間が長くなると撫でられることに飽きてしまい、抗議するように噛んでくることがあります。苛立ったように尻尾で床を叩くような仕草をすることも。
そんな時はおもちゃでの遊びに切り替えたり、暫く時間を置いて気持ちを落ち着かせてあげましょう。
愛猫の気分や興味を他に移すことで平常心を取り戻し、また撫でさせてくれるようになります。
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猫の頭突きで見極める感情
猫の頭突きは感情表現やコミュニケーションの一種ですがその反面、頭突きだけではどのような気持ちを表現しているのか分かりづらいところがあります。
大抵は頭突きだけで終わることがなく、付随する行動が見られます。頭突きに伴う行動を観察することで、どんな感情を表現しているのか理解できるようになるでしょう。
そのためには普段どんな行動を取っているのか知ることも重要な要素です。
日常的にコミュニケーションを取って、愛猫が普段どんなタイミングで頭をゴツンとしてくるのかわかるようにしましょう。
頭突き&スリスリ:愛情表現
頭突きをした後に頬や耳元を擦り付けてくるのは愛情を示しています。
マーキングをして自分のものと主張する意味もありますが、どちらにしても信頼の証として大好きな人にしか行いません。
猫からの愛情表現の中では最上級の大好きと言っても良いでしょう。
特にご機嫌の時はゴロゴロ喉を鳴らして、嬉しそうな表情も見せてくれます。
頭突きの後にスリスリ頬を擦りつけてきた時は優しく撫でたり、額をコツンと合わせたりして猫の愛情表現に応えてあげましょう。
頭突き&鳴く:要求がある
頭突きの後に鳴き声を上げるのは、何かをしてほしいと要求しています。
ご飯やおやつがほしい時やトイレを掃除してほしい時は、鳴いて誘導することもあるでしょう。
しかし、いつも要求に応えてしまうと、要求すれば叶えてくれると覚えてしまい、わがままになってしまいます。
特にご飯やおやつは与えすぎると肥満に繋がり、結果的に体調を崩す原因にもなりかねません。
トイレ掃除のような早めに解決した方が良い要求以外に応える時は時間を置いてから応えたり、程々のところで我慢させるようにしましょう。
頭突き&ゴシゴシ:痒い、違和感がある
頭突きをしてきた後、いつも以上に擦りつける時は、痒かったり体に違和感を感じている時があります。
特に頭の上や肩甲骨周りなどは自分で毛づくろいができないため、体を擦りつけて痒いのを解消しようとします。
また遊んでいる時に、うっかりゴミが毛に絡まってしまってしまい違和感を感じていることもあるでしょう。
痒みや違和感はそのままにしておくと、ストレスの原因にもなりかねません。
早めに原因を取り除いて、愛猫が安心して快適に過ごせるようにしてあげましょう。
頭突き&噛む:遊んでいる
頭突きをした後に、甘噛みをしてくる時は遊びたい気分の時が多いです。
そのまま撫でているとヒートアップして、手をおもちゃ代わりにし始めることもあるでしょう。
猫にとってはコミュニケーションのつもりでじゃれてるつもりでも、人の手を噛んで遊ぶことは良くありません。
強く噛む前にダメということをしっかりと伝えて、しつけするようにしましょう。
また、時間を空けてクールダウンさせた後に猫じゃらしなどで遊んであげると、愛猫の気分も変わります。
メリハリをつけて、一緒に楽しく過ごせるようにしましょう。
猫の頭突き以外の感情表現方法
猫は感情が豊かな生き物です。頭突きにもさまざまな感情が込められていますが、他にも色々な動作で気持ちを伝えてきます。
尻尾の動きや鳴き声も喜んでいる時と怒っている時とでは違いがあるでしょう。
猫は体全体で、その豊かな感情を表現します。
ひとつの動作だけを見て考えるのではなく総合的に観察するようにすると、臨機応変にどのような感情を伝えてきているのかわかるようになります。
コミュニケーションを取って、愛猫の気持ちがわかるようになりましょう。
しっぽ
猫は尻尾の動きで、感情や気分を伝えてきます。
例えば尻尾をピンと立てている時は、機嫌の良い時や友好的な気持ちを表しています。
逆に尻尾をお腹の方に巻き込んでいたり、先端まで力が入っている時は恐怖や警戒しているでしょう。
尻尾を激しく左右に振っていたり床を叩いている時は不機嫌な気分になっています。この時に手を出すと、飼い主さんでも怒られることはあります。
尻尾の動きで愛猫の感情を読み取り、円滑なコミュニケーションを心がけるようにしましょう。
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耳
人の耳の筋肉が6に対して、猫の耳には32の筋肉があります。
そのために、猫はとても細やかに耳を動かすことができ、感情表現のひとつに利用しています。
また、アンテナのように色々な方向に耳を向けられるのも猫の特徴のひとつでしょう。
穏やかな気分の時の耳は正面を向いており、力も入っておりません。
物音が聞こえたり、何かを注視している時はその音の方向に耳を向けて、音の原因を探ります。
怒っている時は耳を後ろに向けたイカ耳になります。
愛猫がどのような音に反応しているのか観察して、どんなことに興味を示しているのかわかるようにしましょう。
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舐める・噛む
猫はよく毛づくろいをするので綺麗好きだと言われます。しかし、この毛を舐める行動にはコミュニケーションの意味もあります。
猫同士では毛づくろいしあうことで交流を深め、人に対しては手や足を舐めることで甘えたい気持ちを伝えてくるでしょう。
時には舐める行動と一緒に、甘噛みをすることもあります。
これらの行動は愛情を表現しており、とても信頼されている証拠でしょう。
一見舐めてるだけに見える行動でも、そこにはさまざまな感情が含まれています。
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鳴き声
猫の鳴き声はとてもわかりやすい感情表現になります。
甘えたい時は、ニャーンと優しく鳴き、威嚇する時や怒っている時はシャーッと甲高い声を発します。
また人や子猫を呼ぶ時は訴えるように断続的に鳴くでしょう。
グゥっと喉の奥で唸るような声は警戒している声になります。
猫は人間のように言葉を話すことはできませんが、鳴き方や声のトーンを変えることで感情を豊かに表現します。
巧みに沢山の声を操る鳴き声は、猫の気持ちを知るための重要な要素になると言えるでしょう。
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姿勢
猫の筋肉はとても柔軟性があり、人間では決して真似できないような姿勢も取ります。
座り方も前足と後ろ足を折り畳んだ香箱座りや、前足をピンと伸ばしたスフィンクス座りなど、色々な姿勢がとれる柔らかさがあります。
香箱座りのように、すぐに動き出せない姿勢を取っている時は、警戒心を解いてリラックスしてるでしょう。
エジプト座りとも呼ばれる犬のお座りのような姿勢はすぐに動き出せますので、周囲を警戒していることが多いです。
もしもいつもと違う座り方をしていたり、座るのを嫌がる時はケガを隠していることがあります。
猫の座り方の意味を知ることにより感情を理解するだけでなく、異変に気がつくこともできるようになるでしょう。
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この記事の執筆者
ライター/愛玩動物飼養管理士/トリマー/グルーマー/ベテリナリーテクニシャンズ
地元の動物園や水族館に観察しに行ったり、遠方の生物イベントまで足を運んだりしています。
現在は、保護猫と拾い猫の下僕。毎日布団の奪い合いをしています。
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