ペットコラム

【獣医師監修】ペットアレルギーの基礎知識とペットとの過ごし方

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ペットと一緒に過ごしていると、「咳やくしゃみが止まらない」「目がかゆくなる」「皮膚がかゆくなる」なんて経験はありませんか?

もしそのような症状が出たら、それはペットアレルギーかもしれません。

ペットアレルギーは日常生活にも影響が出るだけでなく、最悪の場合、命に関わる危険もあります。

そこで今回は、ペットアレルギーとはどういうものなのか?原因や症状、検査方法、対処方法まで解説していきます。

この記事の結論

  • ペットアレルギー(動物アレルギー)とは、犬や猫などと触れ合うことでアレルギー症状が出ること
  • ペットアレルギーは、ペットの毛や唾液、排泄物などに含まれるアレルゲンによって引き起こされる
  • 主な症状は「鼻水・鼻詰まり・くしゃみ・咳・湿疹・蕁麻疹・めまい・下痢・嘔吐」など
  • ペットアレルギーは現在のところ根治する方法はなく、症状を緩和させる治療が基本となる

監修者

宮崎 謙二郎

宮崎 謙二郎

獣医師

東京農工大学附属動物医療センター全科研修医課程終了後、同施設腫瘍外科にて勤務。2023年4月、東京都江戸川区に小岩どうぶつ診療センターを開業。

担当執筆者

nademo編集部

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ペットアレルギー(動物アレルギー)とは

アレルギー

ペットアレルギーとは、犬や猫などの動物に触れ合うことで、身体に様々な不調がでるアレルギー症状のことです。

アレルギーの原因物質(アレルゲン)となる動物は犬や猫だけでなく、鳥・うさぎ・ハムスターなど様々。

そのため、アレルゲンの動物の名前を指して、犬アレルギーや猫アレルギーなどと呼ばれています。

アレルギーは犬や猫も発症することがあるため、本記事では人が発症するアレルギーを「人の犬アレルギー・人の猫アレルギー」と表記しています。

ペットアレルギーになる原因

ペットの毛

ペットアレルギーをはじめ、アレルギー反応には免疫系と呼ばれる感染・病気から身体を守る防御反応が関係しています。

アレルギー反応を起こす物質(アレルゲン)に対して、免疫系が過剰に働くことで身体に様々な障害をもたらすのです。

ペットアレルギーは主に、ペットの毛やフケ・唾液・糞尿(ふんにょう)などによってアレルギー反応が引き起こされます。

アレルギーは飼い始めに発症しなくても、飼っていくうちに発症してしまうということもあります。

今までが大丈夫だったとしても、今後アレルギーを発症してしまう危険性もあるということですね。

ペットアレルギーの主な症状

アレルギー

ペットアレルギーの症状は軽度のものから、場合によっては重度のものまであるため、どの程度なのかは人によって異なります。

軽度のものであれば大きく生活に支障が出ないものの、それが長く続けば不便でしょう。

また、重度のペットアレルギーでは生活に支障が出るだけではなく、最悪の場合には命に関わることもあります。

咳・鼻水・鼻詰まり・くしゃみ

ペットアレルギーが軽度の場合「咳、鼻水、鼻詰まり、くしゃみ」など、風邪や花粉症に似たような症状が発症します。

このような症状はペットに触るだけでなく、同じ空間に長時間いるだけで発症する可能性もあります。

ただ風邪と似たような症状のため、一般的な風邪と勘違いされる人もいるので注意が必要です。

湿疹・蕁麻疹(じんましん)

犬や猫に触れたり舐められると、皮膚の湿疹や蕁麻疹(じんましん)などを発症する場合もあります。

目やそのまわりが赤くなる、耳や首のまわりがかゆくなったり、湿疹やぶつぶつができるなどの症状が見られます。

ペットに触れるたびにこのような炎症が出ている場合は、ペットアレルギーの可能性が高いです。

特に手や腕などのペットに接触している機会が多い部位に見られる場合には注意が必要です。

めまい・下痢・呼吸困難・嘔吐(おうと)

症状が重くなると下痢や嘔吐、呼吸困難など、日常生活に支障をきたす症状を引き起こす場合もあります。

またペットと遊ぶたびに「めまい」などの症状が現れた際も、その後に呼吸困難や嘔吐になる可能性があるため注意が必要。

これらの症状は最悪の場合、命に関わる可能性があるため、不調を感じたらすぐ病院で診察を受けましょう。

ペットアレルギーの検査方法

検査

ペットアレルギーの検査方法は、皮膚検査と血液検査の2種類が主流です。

皮膚検査は皮膚にアレルゲン物質を触れさせることで、アレルギー陽性であれば皮疹や発赤などの反応が確認できます。

血液検査は採血をして、血中の抗体価を確認する方法です。

アレルギーは内科や耳鼻科、皮膚科、アレルギー科で検査できるので、自分に合った検査方法を選びましょう。

アレルギー検査自体は数千円程度で行えますので、気になったら一度やってみるのがおすすめです。

ペットアレルギーの治療法

今のところ犬アレルギーや猫アレルギーなどペットアレルギーと診断された場合、根本的な治療法はありません。

そのため、症状を緩和する対症療法(たいしょうりょうほう)が基本となります。

対症療法とは病気の原因を直接治すような治療ではなく、少しでも症状を軽減するための治療法です。

対症療法は、発症した箇所や症状によって薬が異なるので、医師と相談して適切な薬を処方してもらうようにしましょう。

ペットアレルギーなのか、飼う前に確認する方法

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ペットをお迎えしてからアレルギーを発症してしまうと、軽度のものでも辛い生活になってしまいます。

事前に確認することができれば後悔することも少なくなりますので、できる限りチェックしておきましょう。

友人や知人のペットに触れ合わせてもらう

友人や知り合いでペットを飼っている方がいれば、一緒に触れ合ったりして遊んでみるのがおすすめです。

ペットアレルギーは元々アレルギーが無くても突然発症する可能性があるため、定期的に遊べばアレルギーの有無を確認することもできます。

さらにペットとのリアルな暮らしを間近で体験できるので、これからペットを飼う人はとても参考になりますよ。

猫を飼う予定がある人は猫カフェを利用する

猫を飼う予定がある人は、猫カフェを利用してみるのもおすすめ。

猫カフェとは猫と触れ合いができる喫茶店のことで、猫を撫でたり抱っこをしたりできます。

ただし猫カフェは猫との距離が非常に近くなるので、体調に変化がある場合は早めに退店するようにしましょう。

一緒に暮らすことで発症するケースも多い

「友人の犬や猫と触れ合ってみて大丈夫だったから飼うことにしたけれど、アレルギーが出てしまった」というケースは少なくありません。

数日間を共にするだけでアレルギーを発症するケースもあれば、数年間や数十年間を共にしてから発症するケースもあります。

現在ではペットの平均寿命も少しずつ伸びてきており、20年近くを共にするケースも多くなってきています。

どのタイミングでアレルギーを発症するのかはわからず、その覚悟を持ってお迎えするかどうかを検討するほうが良いでしょう。

ペットアレルギーの症状を軽くする方法

掃除

ここからは、ペットを飼い始めた後にアレルギーが発症した場合の対処法についてご紹介していきます。

症状を全くなくすことはできませんが、できる限り症状を抑えることで無理なく暮らしていくことができますよ。

ペットに触れたらこまめに手を洗う

アレルゲンが付着した手で目や鼻を触ると、かゆみなどの症状が発症する可能性があります。

そのためペットと遊んだときや撫でたり触ったりした後は、必ず手を洗うようにしましょう。

また、空気中のアレルゲンを少しでも身体の中に入れないようにマスクをつけたり、遊んだ後はうがいも忘れずに行うのが大切です。

室内をこまめに掃除する

ペットアレルギーは毛やフケ、唾液や排泄物が主な原因なので、すぐにできる対策として室内をこまめに掃除しましょう。

中でも犬や猫の毛やフケはとても軽く、室内で動き回ると床だけでなくカーテンなどにも付着している場合があります。

そのため、頻繁に掃除機をかけるだけではなく、カーテンを洗ったり、壁なども定期的に拭くようにしましょう。

ブラッシングやシャンプーでペットの体を清潔に保つ

犬や猫を飼っている人は毛をブラッシングして、常に毛の状態を良くしましょう。

ブラッシングをすることで、抜け毛を減らしたり、毛についた汚れも落とすことができます。

また皮膚が乾燥してフケが出ている場合は、保湿効果のあるシャンプーやリンスで定期的にケアをするのがおすすめです。

ペットとの居住スペースを分ける

ペットと接触する時間が長くなるほど、アレルギーが発症する確率が高くなります。

そのため室内で飼っている場合は、居住スペースを別々にするのもおすすめです。

特に寝室は1日の約3分の1を過ごす空間なので、ケージなどを付けて分けておくようにしましょう。

室内飼いで自由にさせている場合には、寝室に入らないように対策を施すことも重要です。

長く飲み続けられるアレルギー薬を処方してもらう

ペットとの暮らしは10年~20年の話になるので、「薬に頼りたくはない」という人も多いのではないでしょうか。

ただ、現在ではこうしたアレルギー薬も進化してきており、長く飲み続けられる薬も増えてきています。

一時的に強い薬で抑えることができたとしても、必要なのは最期まで一緒に快適に暮らせるよう、症状を抑えられること。

前述のお手入れを徹底した上で、適切な薬を処方してもらうことにより、愛犬・愛猫との快適な暮らしを実現することができます。

症状によって異なりますが、皮膚科や耳鼻咽喉科、アレルギー科などを受診してみましょう。

ペットアレルギーだと感じたら早めに病院に行くことが大事

病院

ペットアレルギーは飼い始めた後に突然発症することもあるため、すぐに対策を取らないと長期間アレルギー症状に苦しんでしまいます。

そのため、アレルギー症状かもと少しでも感じたら、自分だけで判断せずにすぐに病院へ行くことが大切ですよ。

検査結果からアレルギーだと分かった場合は、治療を継続しながらペットとの生活環境を工夫しましょう。

症状は人それぞれ。だからこそ自分に合う方法が見つかるよう、医師と十分に相談して生活していけるようにしてみてください。

この記事の執筆者・監修者

監修者情報

宮崎 謙二郎

幼少期よりウェルシュコーギーと育ったことが影響し獣医の道へ。
東京農工大学附属動物医療センター全科研修医課程終了後、同施設腫瘍外科にて勤務。2023年4月、東京都江戸川区に小岩どうぶつ診療センターを開業。

執筆者情報

nademo編集部

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