猫が「カッ、カッ、オエッ」と苦しそうに毛玉を吐く姿に驚いたことはありませんか?
これは多くの飼い主が経験する光景ですが、猫にとって毛玉を吐く行為は自然なことでもあり、時には体調不良のサインであることも。
本記事では、猫が毛玉を吐く理由から、対処法、予防法、受診の目安までをわかりやすく解説します。愛猫の健康を守るために、正しい知識を身につけましょう。
この記事の結論
- 猫が毛玉を吐くのは自然な行動だが頻度には注意が必要
- 毛玉の吐きすぎは病気のサインで早期受診が大切
- 毛玉予防にはブラッシングや食事・水分管理が効果的
- 吐けない猫もいるため日頃の観察とケアが重要
猫が毛玉を吐くのはなぜ?

猫が毛玉を吐くのは、毛づくろいによって飲み込んだ被毛が胃にたまり、それを体外に排出するためです。
猫の舌にはザラザラした突起があり、グルーミングの際に自然と毛が口の中に入ってしまいます。
特に長毛種や換毛期には大量の毛を飲み込みやすく、毛玉が胃の中にたまっていきます。消化できない毛が蓄積されると、やがて塊(毛玉)となって吐き出されるのです。
毛玉を吐くのは一見苦しそうに見えますが、猫にとっては健康維持のための行動でもあります。ただし、頻繁に吐く場合は注意が必要です。
猫はなぜ毛玉を飲み込んでしまうのか
猫は本能的に自分の体をなめて清潔に保つ「グルーミング」を頻繁に行います。
このとき、舌の表面にある突起(舌乳頭)が抜け毛を絡め取り、そのまま飲み込んでしまうのです。特に以下のような猫は毛玉を飲み込みやすくなります。
また、皮膚のかゆみやノミ、病気が原因で必要以上になめてしまうケースもあります。日頃の観察とケアが重要です。
毛玉を吐くのは自然なこと?
基本的に猫が毛玉を吐くのは自然な生理現象です。飲み込んだ毛は消化されないため、腸に流れる前に嘔吐という形で排出されます。
これは猫が自らの体を守るための行動でもあります。ただし、次のような場合には自然な範囲を超えている可能性があります。
- 吐く頻度が週に何度もある
- 食事後すぐに吐くことが多い
- 毛玉と一緒に血や異物が混ざっている
このような症状が見られる場合は、動物病院の受診を検討してください。吐かずに毛が腸に詰まると「毛球症」と呼ばれる状態になることもあるため、注意が必要です。
毛玉を吐く頻度の目安
毛玉を吐く頻度には個体差がありますが、一般的に健康な猫が毛玉を吐くのは月に1~2回程度が目安です。
長毛種や換毛期にはもう少し頻度が高くなることもありますが、以下のような状態は注意が必要です。
| 頻度 | 状態の目安 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 月1~2回 | 正常範囲 | 特に問題なし |
| 週1以上 | 要注意 | ブラッシングやフードの見直し |
| 週3以上 | 異常の可能性 | 獣医師の診察を検討 |
急に吐く回数が増えた場合や、他の体調不良(食欲低下・元気消失など)を伴う場合は、早めの対処が必要です。
猫が毛玉を吐いたときの対処法

猫が毛玉を吐いたとき、飼い主は落ち着いて対応することが大切です。多くの場合は問題ありませんが、状態によっては病院受診が必要となるケースもあります。
まずは吐いた毛玉の状態や量を確認しましょう。吐いた後の猫の様子(元気、食欲、排泄など)にも注目してください。
清潔に処理することも大切ですが、それ以上に飼い主が正しい知識を持って対応することが、愛猫の健康を守るポイントになります。
毛玉を吐いた直後にやるべきこと
猫が毛玉を吐いた直後は、以下のような対応を行いましょう。
①吐いた物の確認
- 毛の量や色、異物が混じっていないか確認
- 血や透明な液体が混ざっていないか要チェック
②猫の様子を観察
- 吐いた後すぐに落ち着くか
- 元気・食欲・排泄は普段通りか
③ 吐いた場所の掃除
- 嘔吐物には雑菌が含まれる可能性があるため、消毒を忘れずに
- 猫が確認に来ることもあるためアルコールを使用しないものだと安心
また、吐いた回数をメモしておくと、異常の早期発見に役立ちます。頻度や様子が気になる場合は、写真を撮って動物病院で相談するのも良い方法です。
吐いた毛玉の状態からわかること
吐いた毛玉の形状や混ざっているものによって、猫の健康状態をある程度把握できます。以下に代表的なパターンを紹介します。
| 毛玉の状態 | 考えられること |
|---|---|
| 黒っぽくて細長い | 正常な毛玉(胃の中でまとまった被毛) |
| 液体と混じった透明の泡 | 空腹時の嘔吐、胃酸の逆流など |
| 血が混じっている | 胃や食道の炎症、潰瘍の可能性 |
| 食べ物が混ざっている | 食後すぐの嘔吐、消化不良の疑い |
血液や異物、嘔吐の頻度が高い場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。正常な毛玉吐きと異常の見極めが大切です。
吐いた後に元気がないときの対応
毛玉を吐いた後に猫がぐったりしていたり、食欲がない状態が続く場合、体調不良や病気の可能性があります。以下のような症状が見られたら注意しましょう。
- ぐったりして動かない
- 食事や水をとらない
- 何度も吐こうとしているが出ない
- 排便が少ない、または便秘気味
このような場合、毛球症や胃腸のトラブルが隠れていることも。自己判断で放置せず、なるべく早めに動物病院を受診しましょう。
また、猫の健康管理には普段の観察が重要です。いつもと様子が違うと感じたら、迷わず専門家に相談してください。
毛玉を吐かせないための予防策

猫が毛玉を吐くのは自然なことですが、頻繁に吐くようになると体への負担が大きくなります。
毛玉の予防には日々のケアが欠かせません。特に、以下のような方法を実践することで毛玉の発生を最小限に抑えられます。
- 定期的なブラッシングで抜け毛を減らす
- 毛玉ケアに特化したフードやおやつを取り入れる
- 十分な水分補給と食物繊維を意識した食生活
- サプリメントの活用で腸内ケアをサポート
これらの対策を組み合わせて実践することで、毛玉を「吐かせる」ではなく「吐かせずに排出させる」習慣を目指しましょう。
こまめなブラッシングの重要性
猫の毛玉対策で最も基本かつ効果的なのが、日々のブラッシングです。特に長毛種や換毛期には、抜け毛が増えるため頻度を増やす必要があります。
- 短毛種:週に2~3回
- 長毛種:毎日~2日に1回
- 換毛期:できれば毎日
こまめなブラッシングには以下のメリットもあります。
- 飲み込む毛を減らせる
- 被毛のもつれを防げる
- スキンシップにもなる
抜け毛をこまめに取り除くだけでなく、健康チェックの機会にもなるため、習慣化していくことが大切です。
毛玉ケア用キャットフード・おやつ
市販のキャットフードには「毛玉ケア」用として設計された製品が多く存在します。
これらには毛玉の排出をサポートする食物繊維や消化促進成分が配合されており、日常的に与えることで効果が期待できます。
毛玉ケアフードの特徴
- 不溶性&可溶性食物繊維をバランスよく含む
- 消化器の動きを助ける配合設計
- 普段のフードと同じように与えられる
また、補助的に毛玉ケア用のおやつを取り入れるのもおすすめです。おやつであれば食事に飽きてしまった猫でも喜んで口にすることが多く、日常のごほうびとしても活用できます。
水分補給と食物繊維の工夫
毛玉対策では、猫の消化を助けるために水分摂取量の確保と適切な食物繊維の摂取が非常に重要です。水分不足や便秘は、毛が腸内にたまってしまう原因になります。
水分を増やす工夫
- ウェットフードを活用する
- 自動給水器を設置して飲みやすくする
- スープや猫用ミルクを与える
食物繊維の摂取源
| 食材・製品 | 特徴 |
|---|---|
| キャットフード | 専用の毛玉ケア用を選ぶ |
| サツマイモなどの野菜 | 少量なら猫に与えてOK(加熱必須) |
| 猫用の食物繊維サプリ | 与えやすく便利 |
無理のない範囲で日常生活に取り入れましょう。
毛玉ケア用のサプリメント
サプリメントは、普段のフードだけでは補いきれない成分を補助的に摂取できる手軽な方法です。
毛玉対策用として販売されているサプリメントには以下のような成分が含まれています。
- オリゴ糖・乳酸菌:腸内環境を整える
- 食物繊維:便通をサポート
- 植物油やマルチビタミン:滑りを良くし、排出を助ける
主な形状
- 粉末タイプ(フードにふりかける)
- ペーストタイプ(そのまま与える)
- 錠剤タイプ(おやつ感覚で与える)
体質や好みに合ったものを選び、必ず用量を守って使用しましょう。効果は即効性よりも継続が大切です。
猫の毛玉の吐きすぎは病気のサインかも?

猫が毛玉を吐くのは自然なことですが、頻度が多すぎる場合は体に異常がある可能性も考えられます。
例えば、吐く回数が週に何度も続く、吐いた後にぐったりしている、食欲がない・体重が減っているなどの症状が見られる場合は注意が必要です。こうした状態が続くと「毛球症」などの病気を引き起こすリスクもあります。
毛玉の吐きすぎは「単なる生理現象」と見過ごさず、猫の健康状態を見極める重要なサインと捉えることが大切です。
吐く頻度が多いときに疑うべき病気
猫が頻繁に吐く場合、以下のような病気の可能性が考えられます。
- 毛球症:毛玉が胃腸に詰まり、排出できなくなる
- 胃炎・腸炎:消化器系の炎症による嘔吐
- 異物誤飲:毛以外の異物を飲み込んでしまった
- 腫瘍や慢性疾患:特に高齢猫に多くみられる
症状の例
| 疑われる病気 | 主な症状 |
|---|---|
| 毛球症 | 食欲不振、便秘、吐き気 |
| 胃腸炎 | 吐き気、下痢、食欲減退 |
| 異物誤飲 | 断続的な嘔吐、ぐったりする |
頻繁な嘔吐は、病気の初期症状であることも多いため、油断せず早めに受診を検討しましょう。
受診の目安となる症状とは?
猫が毛玉を吐いた後でも元気なら問題ないことが多いですが、以下のような症状が見られた場合は、病院で診てもらうべきサインといえます。
- 吐いた後にぐったりしている
- 食欲がまったくない、もしくは急に減った
- 数日間うんちが出ていない(便秘)
- 吐くものが液体のみ、泡状、または血が混ざっている
- 連日・1日に複数回吐く
猫は不調を隠す習性があるため、日々の観察が非常に重要です。少しでも「いつもと違う」と感じたら、早めの受診をおすすめします。
毛球症とは何か
毛球症(もうきゅうしょう)とは、猫がグルーミングで飲み込んだ毛が胃や腸に溜まり、吐き出せず排出もできない状態になる消化器の病気です。
通常は便と一緒に排出されますが、繰り返し溜まると胃腸に詰まってしまいます。
- 吐こうとしているが何も出ない
- 食欲不振や便秘
- 元気がなくなる、動かない
重度になると開腹手術が必要になるケースもあるため、早期のケアが大切です。予防には「食物繊維の摂取」や「定期的なブラッシング」が非常に効果的です。
猫の毛玉トラブルに関するよくある質問(FAQ)
毛玉に関する疑問は猫の飼い主にとって非常に多く寄せられるテーマです。ここでは、よくある質問をQ&A形式でわかりやすく解説します。
子猫でも毛玉を吐くの?
子猫でも毛玉を吐くことはあります。特に生後2~3か月以降になるとグルーミングを始めるため、少しずつ毛を飲み込むようになります。
ただし、成猫に比べて吐く頻度は少なく、吐いた場合は以下のように注意しましょう。
- 毛玉の量や状態をチェック
- 嘔吐後の様子(元気かどうか)を確認
- 子猫用の毛玉ケアフードやおやつを活用
吐く回数が多い、体重が減っている、下痢を伴うなどの症状があれば、早めの受診が推奨されます。
毛玉を吐けない猫もいる?
猫の中には毛玉をうまく吐けない体質の子もいます。特に以下のようなケースでは注意が必要です。
- 消化機能が弱い猫
- 腸の動きが鈍いシニア猫
- ブラッシング不足で毛が大量にたまる猫
このような猫は、毛玉を吐かずに腸内で詰まらせてしまうリスクがあります。以下のような対策をおすすめします。
- 毛玉ケアフードで便から排出を促す
- 食物繊維を意識した食事
- 必要に応じてサプリメントの使用
吐かない=問題がないと安心せず、定期的なケアと観察が大切です。
猫には毎回吐かせた方がいいの?
毛玉は毎回吐かせる必要はありません。本来は便と一緒に自然と排出されるのが理想であり、頻繁に吐くことは胃腸に負担をかけます。
理想的な毛玉処理の流れ
- グルーミングで飲み込んだ毛
- 食物繊維と水分で腸に流れる
- 便として排出される
もし吐かせようと無理な方法を取ると、かえって猫にストレスを与えてしまいます。日々のブラッシングや食事管理で「吐かなくてもいい体づくり」を目指しましょう。
この記事の執筆者
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