愛する家族の突然の死は、誰もが慌てふためいてしまい、落ち着けるようなことではありません。
ですがもしそうなったとき、ただ呆然とするだけでは可哀想ですよね。
愛犬の飼い主としてできることはたくさんありますので、何が必要になるのか事前に知っておくと良いでしょう。
また突然の死であっても、安らかにお別れできるよう、必要な手続きや届け出について知っておきましょう。
担当ライター
もくじ
愛犬が亡くなったらすべきこと

もし愛犬が亡くなってしまったら。飼い主さんがすべきことは大きく分けて2つあります。
- お別れの準備
- 供養の方法を決める
- お別れする
愛犬とのお別れの準備を行い、そして供養の方法を決めます。
最後は業者に任せることもありますが、お別れをするということ。
突然の出来事であればあるほど、こうした細かな部分はなかなか行き届かないものです。
そのため愛犬が元気なうちに必要な手続きや届け出を確認しておき、いざとなったときにバタバタしないよう覚えておくことをおすすめします。
大変なことではありませんが、いざとなったときには冷静ではいられません。そんなときのための備えと考えておきましょう。
最初に死亡確認をする
まずすべきことは、本当に死んでしまったのかという死亡確認です。
呼吸の停止 | お腹の動きを確認、口や鼻にティッシュを当てて確認 |
脈の停止 | 胸に触れて動きを確認 |
瞳孔反射 | 瞳に光を当てて反応を確認 |
呼吸の停止を確認する際には、お腹の動きをチェックしましょう。
手を触れて確認したり、口や鼻などにティッシュを当てて確認するというのも良いでしょう。
続いて脈の停止については、胸に手を触れて確認します。
最後に瞳孔反射。瞳にライトなどで光を当てて、反応がなければ死亡確認が完了します。
早めに準備が必要なもの
死亡確認が終わったら、供養するまでに安置するための準備物を用意します。
事前に準備しておかないと常に常備しているようなものは少ないので、あらかじめ考えておくことが大切です。
- 棺(急な場合はキレイなダンボールでも可)
- タオル
- ガーゼ、コットン
- ドライアイス、保冷剤
安置のためには必要な棺は、もしなければキレイなダンボールなどでも良いでしょう。
そして遺体をくるむためのタオル・バスタオル。体液が漏れ出てくる可能性もあるため、ガーゼやコットン。
最後に遺体が腐敗しないよう、ドライアイスや保冷剤が必要になります。
死後硬直に注意
ここまでスピーディーにお話してきましたが、もし仮にここまで時間がかかってしまうと死後硬直により体を動かしづらくなります。
死後硬直は一般的に、2~3時間程度で始まります。
もし死後硬直が始まってしまったら姿勢を整えてあげたり、棺に入れてあげることが困難になるので注意が必要です。
飼い主さんにとってみれば非常にショックの大きい時間ではありますが、それでも急がなければならない、というのが現実です。

愛犬とお別れの準備

それでは愛犬とのお別れ準備について、必要な手順をご紹介します。
完全に死んでしまってから死後硬直は始まりますので、なるべく早めに行わなければいけません。
早めに姿勢を整えてあげる
寝ているような姿勢であれば、あまり問題はありません。
ですが、もし四肢が伸びているようなら、内に折りたたんであげましょう。
苦しい姿勢のまま何時間も放置するわけにもいきませんから、適切な姿勢に整えてあげるんです。
また、四肢が伸びきってしまっているままでは棺に納めることが難しいです。
四肢を折りたたんであげることで、その後の供養までが困難ではなくなります。
体を清めてあげる
旅立っていく愛犬の体を清めてあげることは、飼い主さんができる最大限のことでもあるでしょう。
仮に汚れていなかったとしてもブラッシングしてあげたり、最後になでであげることも忘れずに。
人間も同様ですが、死亡してしまうと体液が漏れ出てくることもあります。特に口や鼻、耳やお尻などに注意して、拭いてあげましょう。
必要に応じて、ガーゼやコットンなどを使い漏れを抑えることも大事です。
遺体を保冷して安置する
ここまで終わったら、供養するまでの安置となります。
タオルでくるんであげた遺体の周りにドライアイス(保冷剤)を置き、遺体が腐敗しないようにしてあげましょう。
特に夏場は腐敗が早く進行してしまうため、保冷剤では止められない可能性もあります。
涼しい風が当たる場所や部屋全体を冷やすこと、そしてお腹まわりにドライアイスを設置し、タオルでくるんで保冷効果を高めておきましょう。
愛犬の供養の方法

一昔前までは土葬も行われていましたが、現在では火葬が一般的となっています。
火葬であれば愛犬が寂しくないよう、遺骨を身近に置いておくこともできます。
そんな火葬にもいくつかの種類がありますので、火葬場選びの基準として知っておいてください。
民営火葬
民営の火葬場ではとても手厚い火葬ができるようになっており、その反面で費用が高い、というデメリットもあります。
遺骨 | 返却可能 |
立会い | 可能 |
プラン | 幅広い |
対応エリア | 幅広い |
費用 | 数千円~数万円 |
費用が公営火葬よりも高いだけあって、最初から最後までオリジナルにすることができる業者もいます。
対応エリアも幅広いですし、夜間に急ぎで火葬してあげたいというときにでも、対応してくれる業者は存在しています。
最期まで手厚く供養してあげたい、と思う飼い主さんは民営火葬がおすすめだといえるでしょう。
公営火葬
それぞれの自治体でもペット火葬が行われています。公営火葬の大きなメリットは費用が安いということ。
ですがそれ以上にデメリットも多いです。
遺骨 | 返却不可 |
立会い | 不可 |
プラン | 原則なし |
対応エリア | 各自治体に準ずる |
費用 | 数千円 |
といったように、お世辞にも手厚い供養ができるというものではありません。
とにかく費用を安く済ませたいという人にはおすすめできますが、とても寂しい手続きになってしまいがちです。
必ずしも悪いといったものではありませんので、各自治体で調べてみることが大事です。
愛犬の死亡届を提出

葬儀や火葬が終わったら、愛犬の死亡届を提出するという手続きも必要になります。
すぐにやらなければいけないわけではありませんが、期限もあるので覚えておきましょう。
犬の場合にのみ、死亡届の提出が必要
死亡届は狂犬病予防のためにも必要な書類で、飼い主さんには提出の義務があります。
必要な情報としては、飼い主さんの「氏名、住所、愛犬の死亡年月日、登録番号」等が必要となっています。
提出する死亡届は各自治体のHPなどからダウンロードすることができます。
また、死亡届は犬の場合にのみ提出する義務があるもので、猫の場合には必要ありません。
犬鑑札、注射済票を提出
死亡届は単体で提出するものではなく、「犬鑑札、狂犬病ワクチン接種済票」と一緒に提出することとなります。
下記のようなものが必要になりますので、提出時に用意しておきましょう。
▼犬鑑札

▼狂犬病ワクチン接種済票

亡くなってから30日以内に自治体へ提出
この死亡届は、愛犬が亡くなってから30日以内に提出することが義務付けられています。
お住まいの自治体に提出するだけなので時間もかかりませんし、早めに提出しておくのがおすすめ。
提出方法や必要な情報は自治体によって異なりますので、詳しくは各自治体の情報を確認しておきましょう。
もし死亡届の提出を怠ってしまうと法律違反となってしまいます。
提出を忘れていたとしても、気付いたタイミングで必ず提出するようにしましょう。

まとめ
もし愛犬がなくなってしまったら?と考えたくはないのが飼い主さんの気持ちです。
しかし、そのもしはいつか来るものでもあり、何の準備もできていなければ愛犬が苦しい思いをしてしまうかもしれません。
せめてそのときが来たら安らかに眠ってもらうため、飼い主として必要なことを覚えておきましょう。
特に死亡確認ができてから最初の数時間はとても大事。その後は遺体の腐敗が進む前に、火葬業者へと連絡しましょう。
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