愛するペットが亡くなるということは飼い主さんにとって悲しい出来事です。しばらくはショックを隠せず、動揺するもの。
これと同時に考えなければいけないのが、亡くなったペットをどうするのか。
「必要な手続きは何かあるのか」「遺体はどうすればいいのか」といった不安もあるでしょう。
そこで今回は、大切なペットが亡くなってしまったときに必要となる手続き・届け出についてまとめました。
担当ライター
もくじ
ペットが亡くなったらすべきこと

大切なペットが亡くなってしまったときには、大きく分けて2つのすべきことがあります。それは「葬儀・埋葬」と「届け出」の2つです。
動物によっては必要のない手続きもありますが、場合によっては必要となるため覚えておくと良いでしょう。
いずれの動物であっても大切な家族であることに変わりはないため、丁寧に埋葬してあげる必要がありますよね。その際に必要となる手順もまとめました。
葬儀・火葬に向けた準備をする
最初にすべきことは、葬儀や火葬に向けて準備するということです。まず、葬儀業者や火葬場の手配が必要になります。
そして遺体をキレイに保てるよう体勢を整えてあげたり、体を清めてあげるということが必要。
偲びながらも淡々と進めていき、亡くなったあとでも苦しくないようにしてあげましょう。
葬儀・火葬までに時間があきそうな場合には、遺体が腐敗しないように保冷する必要もあります。
こうして遺体をキレイな状態に保ちつつ、埋葬へと進めていきます。初めはつらいものですが、キレイな状態で旅立ってもらうためにも必要なことです。
自治体に死亡届を出す
ペットの葬儀が終わったら、死亡届を出す必要があります。
この死亡届は各自治体に提出するもので、犬の場合には提出が必要となります。
犬の場合は狂犬病ワクチンを接種する必要があるため、提出が義務付けられています。また、犬の他に提出が必要な動物は、人に生命に危害を加える可能性のある動物が対象。「オオカミ、コンドル、コブラ、ワニ」などが対象です。
この死亡届はペットが亡くなってからすぐに提出しなければならないわけではありませんが、30日以内に提出する必要があります。

ペットとお別れの準備

愛するペットとお別れをする際には、次のような準備が必要になります。
いずれもペットをキレイな状態で火葬するために必要なので、丁寧に行ってあげましょう。
早めに体勢を整えてあげる
ペットが息を引き取ったことを確認したら、普段から寝ているような姿勢に整えてあげましょう。
遺体は死後、2時間ほどが経過すると死後硬直が始まります。手足が伸び切ってしまっていたり、複雑な姿勢のままでは死後硬直後に動かすことが難しくなります。
また、目や口が開いてしまっていた場合は、閉じておいてあげましょう。
最初はショックで驚きを隠せないと思いますが、姿勢を整えてあげるにはあまり時間がないというのが現実。
体を清める
体勢を整えてあげたら、濡らしたタオルなどで体を拭いてあげましょう。
汚れているところがなければ、ブラッシングで毛並みを整えてあげることも忘れずに。
「目、鼻、口、耳、お尻」などは体液が漏れ出てくる可能性もあります。
必要に応じて、コットンなどを詰めてあげます。もし漏れてきたら再び濡れタオルなどで丁寧に拭いてあげましょう。
遺体を保冷する
遺体は時間が経つにつれて腐敗が進んでいってしまいます。そのため遺体をキレイな状態に保つには、保冷が必要です。
保冷する際にはドライアイスや保冷剤などを使い、体を埋めるようにして敷き詰めていきます。その上でタオルなどを使い、冷気が逃げるのを防ぐようにするのもあり。
また、保冷が長く続くように部屋の温度を下げておき、涼しい場所で安置します。
夏場は特に注意が必要で、保冷剤はすぐに保冷効果がなくなります。定期的に取り替えることや、室温調整が重要です。
ペットの火葬場を選ぶ

ペットが亡くなった場合、一般的には火葬を選択することになります。
ひと昔前までは土葬が一般的だったものの、現在では土葬ができても火葬を選ぶという人が多いです。
自分の手で埋葬するというのは精神的にも辛いものですし、土葬となればその場所も考えなければいけません。
そうした背景から火葬を選ぶ人は増えてきているので、火葬場の違いについて知っておきましょう。
民営は遺骨返却が可能だが、料金は高い
民営・民間の業者に依頼する場合は、手厚い供養ができるようになっています。そんな民営業者のメリットは以下の通り。
- 業者数が多く、比較して選択できる
- 遺骨をキレイに残して返却してくれる
- 火葬と一緒に葬儀ができる場合もある
- 火葬の料金が割高になる傾向がある
一覧で見るとわかるように、料金が割高になること以外については、民営の方がメリットは多いです。
業者数がとても多くなるので自分のペットに合った業者を選ぶことができますし、違いを比較して検討することも可能です。
また、とても重要なのが遺骨に関する部分。民営の業者では、とても丁寧に扱ってくれることが多いため、遺骨をキレイな状態で返却してくれます。
火葬と一緒に葬儀などの相談ができることもありますので、葬儀から火葬まで一括してお願いするということが可能です。
公営は遺骨返却不可能だが、料金は安い
自治体など、公営の火葬場を選ぶときには、料金面で大きなメリットがある反面、デメリットの方が多いと考えてよいでしょう。
- 数千円からでも火葬できる
- 遺骨は戻らないこともある
- 犬猫限定といった受付が多い
- 葬儀や納骨などはできない
自治体などが運営するペットの火葬場は、料金の安さが大きなメリット。ですが、それ以上にデメリットも多いと感じられる項目ばかりではないでしょうか。
場合によっては複数の動物を一緒に火葬するようなこともあり、業務的な手続きになっています。
遺骨が戻ってこないこともありますので、遺骨の有無は必ず確認しておきましょう。
火葬だけを目的としていることが多く、一緒に葬儀や納骨をすることは難しいです。
また、火葬という印象を受ける人は少ない方法なので、慎重に検討して判断することが大事です。
ペットの死亡届を提出

葬儀や火葬が終わったなら、死亡届を出すことも忘れないようにしておきましょう。
出し方は各自治体で異なり、同時に必要となる証明も異なります。
届け出は愛犬には必要、愛猫には必要なし
死亡届は犬の場合に必要となります。
これは生後91日を過ぎた犬には、狂犬病ワクチンを接種する必要があるためです。狂犬病は人にも感染して最悪の場合、死に至るため、届け出も必要になります。
反対に猫の場合には必要ありません。その他、うさぎやインコ、ハムスターなどの小動物も死亡届の提出は必要ありません。
ただし、人に危害を加える可能性のある動物についてはその限りではありません。
例として「オオカミ、コンドル、コブラ、ワニ」などは、飼う前の許可と亡くなった後の届け出が必要です。
犬鑑札、注射済票を提出
死亡届を提出する際には、一緒に鑑札や注射済票を提出することが求められます。
登録している犬を特定するために鑑札が必要となり、狂犬病ワクチン接種を証明するためにも注射済票が必要です。
そして死亡届には「登録年、番号、生年月日、毛色」といった登録情報と身体的特徴を記入する項目もあります。鑑札を確認し、これらの記述をしましょう。
一般的には提出すると戻ってきませんが、窓口によってはもらえることもあります。一度相談してみても良いでしょう。
▼犬鑑札

▼注射済票

他界してから30日以内に自治体へ提出する
ペットロスの期間は短い人もいれば長い人もいます。だからといって、愛犬・愛猫が亡くなったことですぐに立ち直れる人は少ないでしょう。
ですが、手続きは30日以内に必要とされています。
各自治体への提出には期限がありますので、こちらも事前に確認しておくことをおすすめします。
死亡届の提出が必要な犬などは、届け出の提出が義務付けられていますので覚えておきましょう。
届け出の方法は自治体によって異なる
死亡届を自治体に提出する際は、書類を用意して提出します。このとき、住んでいる自治体によって形式は異なるので、自治体のホームページを確認しましょう。
届け出と一緒に必要なものなども記されていますので、死亡届のフォーマットをダウンロードして記入します。
不明な場合は、各自治体に問い合わせが必要です。
一般的に提出が必要となるものは以下のとおりです。
- 死亡届
- 鑑札
- 注射済票
- 引取料金(必要な場合)
死亡届をはじめ、鑑札や注射済票などはどんな自治体でも必要になることが多いです。
そして自治体に遺体を引き取って火葬してもらうようなときには、引取料金も必要になります。こちらは数千円程度であることが多いです。

まとめ

最愛のペットが亡くなってしまったときは、何よりも悲しみが優先してしまうものです。
しっかり悲しみ、偲んだらキレイな状態で見送ることができるように、適切な対応を心がけましょう。
特に死後硬直を迎える、死後2時間以内については迅速な行動が必要。体が硬直してしまった状態では、適切な安置が難しくなってしまいます。
適切な処置さえできていれば、葬儀までの間はゆっくりと一緒にいてあげることができます。その時間を大事にするためにも、体をキレイに保ってあげるためにも早めの対応が必要になります。
そして犬の場合には死亡届を出すことも忘れないよう、注意しましょう。
こうした手続きや処置は愛するペットにとって一生に一度のこと。事前に手続きや届け出の手順を確認しておくことがおすすめです。
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