愛猫の目の周りが赤くなっているのを見つけて、不安になった飼い主さんも多いのではないでしょうか。
赤みは一時的な刺激によるものから、病気のサインである場合までさまざまです。
本記事では、猫の目の周りが赤くなる原因や、その他に見られる症状、考えられる病気、対処法、受診の目安などを詳しく解説します。
愛猫の健康を守るためにも、正しい知識を身につけておきましょう。
この記事の結論
- 猫の目の周りの赤みは外的刺激や病気が原因
- 涙やけや目やにの放置が炎症を悪化させる要因となる
- アレルゲン除去や環境改善が予防につながる重要な対策
- 長引く赤みや食欲不振は動物病院での診察が必要
目次
猫の目の周りが赤くなるのはなぜ?

猫の目の周りが赤くなる原因はさまざまです。一時的な刺激による軽度な炎症から、感染症や皮膚病など病気が原因であるケースもあります。
特に目の周囲は皮膚が薄く、涙やけや目やに、かゆみなどが引き金になることもあります。
赤みが数日で引く場合もあれば、慢性的に続くこともあるため、原因を見極めたうえで適切な対処を行うことが重要です。早期発見・早期治療が猫の健康を守る鍵となります。
目の周りの赤みとはどんな状態?
目の周りの赤みとは、猫の目の下や目尻、まぶた周辺の皮膚が赤く炎症を起こした状態を指します。この赤みは、以下のような見た目の変化として現れることが多いです。
- 通常より皮膚が赤く見える
- 目やにが増え、涙で濡れているように見える
- 皮膚がただれている、毛が抜けている
赤みだけでなく、腫れやかゆみをともなう場合は何らかの疾患のサインである可能性が高く、注意が必要です。
赤みとあわせて見られる他の症状
猫の目の周りが赤い場合、他にも複数の症状があらわれることがよくあります。見逃さず観察することが、病気の早期発見につながります。
主に見られる併発症状は以下のとおりです。
- 涙やけや目やにの増加
- かゆみによる目元をこする仕草
- 皮膚の腫れやただれ
これらの症状の有無によって、軽い炎症か、感染症や皮膚疾患などの深刻な問題かを判断する材料になります。
涙やけ・目やにの増加
涙やけや目やにの増加は、目の周りの赤みとセットでよく見られる症状です。涙がうまく排出されずに目の下の被毛が濡れ続けると、皮膚が炎症を起こし赤くなることがあります。また、目やには感染や異物混入などで過剰に分泌されることもあります。
- 目やにが黄色や緑色なら感染の可能性
- 毎日同じ目だけに出るなら涙管の異常
- においや粘りがある場合は病院受診を
目元を清潔に保つことが、炎症の予防につながります。
かゆみ・こする仕草
猫が前足で目の周りを頻繁にこすっている場合、かゆみを感じているサインです。アレルギーや結膜炎、ノミやダニなどの皮膚トラブルが原因で目の周囲にかゆみが発生することがあります。強くこすり続けると、目の周りの皮膚がさらに赤くなったり、傷がついたりする恐れもあります。
- 目元を清潔に保つ
- こすりすぎによる二次的な皮膚炎に注意
- 症状が続く場合は早めに受診を
目をこする行動が見られたら、何かしらの不快感を感じているサインとして捉えましょう。
腫れ・ただれの有無
目の周りが赤くなるだけでなく、皮膚が腫れていたり、ただれていたりする場合は、炎症が悪化している可能性があります。
細菌感染、外傷、アレルギー反応などが原因で、皮膚が腫れたりジュクジュクした状態になることがあります。
このような状態は自己判断での対処が難しく、放置すると悪化して治療が長引くこともあるため、早期の動物病院受診が重要です。
| 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 腫れている | 細菌感染、虫刺され、外傷など |
| ただれている | アレルギー反応、過剰な掻き壊し |
症状が出やすい部位や片目・両目の違い
猫の目の周りの赤みは、出現する部位や左右の目のどちらに出ているかによって原因がある程度推測できます。
たとえば片目だけに赤みが出ている場合は、異物混入や外傷が原因のことが多く、両目に症状がある場合は感染症やアレルギーの可能性が高くなります。
- 上まぶた周辺:腫れやすい・かゆみが出やすい
- 目尻~頬にかけて:涙やけが起こりやすい
- 両目に赤み:ウイルス感染や体質的な問題を疑う
症状の出方にも注意を払うことで、原因特定と早期対処に役立ちます。
猫の目の周りが赤いときの考えられる原因と病気

猫の目の周りが赤くなる原因には、外的な刺激やアレルギー反応、感染症、皮膚疾患、さらには涙やけなどさまざまな要因が考えられます。
軽度の炎症で済む場合もあれば、治療が必要な病気が隠れていることもあります。
原因を見極めるには、赤みのほかに見られる症状や発生部位、持続期間が重要な手がかりになります。以下に、原因別に考えられる症状や特徴を詳しく解説していきます。
外的刺激による一時的な炎症
猫の目の周りはとてもデリケートで、日常的な刺激でも赤くなることがあります。
特に室内飼育でも、空気中のホコリや毛、洗剤の成分などが目に入り、一時的な炎症を引き起こすことがあります。
こうしたケースでは、赤みが数日で自然に治まることも多いですが、以下のような原因が考えられます。
- 空気中のゴミやホコリ
- 新しい洗剤・芳香剤など化学的刺激
- 猫同士のじゃれ合いによるひっかき傷
日常環境の見直しが必要なケースもあるため、注意深く観察しましょう。
ゴミやホコリの侵入
猫がホコリや小さなゴミに反応して目をしきりにこすったり、目の周囲が赤くなることがあります。これは外部から異物が侵入したことで目に刺激が加わり、軽度の炎症を起こしている状態です。
- 急に片目だけを気にしている
- 目を細めてしょぼしょぼしている
- 涙が多くなっている
異物が自然に排出されることもありますが、長時間続く場合や赤みが強まる場合は、動物病院で洗浄や診察を受けましょう。
アレルギー反応
アレルギーも猫の目の周りが赤くなる原因のひとつです。花粉やハウスダスト、食べ物など、アレルゲンはさまざま。目だけでなく、鼻水やくしゃみ、皮膚のかゆみなどを伴う場合があります。
- 花粉・ホコリ・カビ
- 新しい猫砂や洗剤
- 特定の食材(チキン、穀物など)
アレルギー性の赤みは繰り返しやすく、環境調整や食事の見直し、場合によっては抗アレルギー薬が必要です。
感染症によるもの
目の周りの赤みがウイルスや細菌などによる感染症から来ていることもあります。
特に「猫風邪」と総称される呼吸器系の感染症では、結膜炎とともに目の周囲の皮膚に炎症が及ぶことがあります。
感染症の場合は赤みのほかに、以下のような症状が現れることが一般的です。
- くしゃみ・鼻水
- 発熱・元気消失
- 膿のような目やに
慢性化する恐れもあるため、早期の治療が必要です。
猫風邪(ウイルス性鼻気管炎)
猫風邪は「ヘルペスウイルス」や「カリシウイルス」によって引き起こされ、子猫や免疫力が低下している猫がかかりやすい病気です。結膜炎や角膜炎を伴うことが多く、目の周りの赤みや腫れが目立ちます。
- 目の周りの赤みと腫れ
- くしゃみ、鼻水
- 食欲不振、元気低下
ウイルス性のため根本治療は難しく、症状の緩和と再発防止を目的とした治療が行われます。
クラミジア感染症
猫クラミジアは「クラミジア・フェリス」という細菌が原因で発症し、特に目に症状が出やすい感染症です。結膜が真っ赤に腫れ、涙や目やにが大量に出るのが特徴です。
- 両目または片目の結膜が赤く腫れる
- 黄緑色の粘ついた目やに
- 鼻水、くしゃみを伴うことも
抗生物質による治療が必要で、放置すると慢性化や他の猫への感染源になることがあります。
マイコプラズマ感染症
「マイコプラズマ」は猫の目に結膜炎や角膜炎を引き起こす病原体です。単独でも症状が出ますが、猫風邪やクラミジアと同時感染するケースも多く見られます。
- 目の充血や目やに
- 目の周りの皮膚の赤み・腫れ
- 発熱や元気喪失(重症例)
治療は抗生物質の投与が中心ですが、症状が長引く場合は根気よく治療を続ける必要があります。
結膜炎や角膜炎など目の病気
結膜炎や角膜炎は、目の表面に炎症を起こす病気で、目の周囲の赤みも併発することが多くあります。
猫は目にトラブルがあっても自分で訴えることができないため、異常に気づくには飼い主の観察力が重要です。
- まぶたが腫れている
- 目を開けづらそうにしている
- まばたきの回数が増えている
放置すると視力に影響を及ぼす可能性もあるため、早期の診察が望まれます。
皮膚疾患によるもの
猫の目の周囲の赤みが、実は皮膚病の症状であることもあります。特にノミやダニなど外部寄生虫が原因の場合、強いかゆみをともなうため、猫がひっかいて悪化させてしまうことがあります。症状が皮膚中心であるかどうかも見極めのポイントです。
ノミ・ダニによる皮膚炎
ノミやダニに刺されると、猫は強いかゆみを感じて目の周りをひっかくようになります。その結果、赤みや腫れ、出血を伴う皮膚炎が起こることがあります。
- 駆虫薬(スポットタイプ)で予防・治療
- 寝具やカーペットのこまめな洗濯
- 多頭飼いの場合は全頭同時に駆除
皮膚炎が重症化する前に、ノミ・ダニ対策を徹底しましょう。
アトピー性皮膚炎
アレルギー体質の猫がかかりやすい皮膚炎で、目の周囲に炎症が現れることもあります。慢性的なかゆみが特徴で、顔まわりを中心に皮膚が赤くただれることがあります。
- 季節によって悪化する
- 顔、耳、首にかゆみが出やすい
- 毛が抜けて部分的にハゲることも
対処には食事療法や環境調整、ステロイドなどの内服が必要となる場合があります。
涙やけによる変色や炎症
涙やけとは、涙が目からあふれて被毛や皮膚を長時間濡らすことで、目の周りが赤く変色したり、炎症を起こしたりする状態です。特にペルシャやヒマラヤンなど、鼻の低い短頭種に多く見られます。
- 目の周りを毎日拭く
- 涙が過剰に出る原因(逆さまつげ・鼻涙管閉塞)を調べる
- フードの見直し(アレルゲン除去)
涙やけが慢性化すると皮膚炎につながるため、早めのケアが大切です。
猫の目の周りが赤いときの対処法

猫の目の周りが赤くなっているのを発見したときは、まず慌てずに症状の程度や他の異常がないかを観察しましょう。
軽度の赤みであれば、自宅でのケアや環境の見直しで改善することもあります。
一方で、目やにの量が異常に多い、元気がない、目を開けにくそうにしているなどの症状を伴う場合は、速やかに動物病院を受診することが大切です。
正しい対処をするには、見極めと早期判断が重要です。
自宅で様子を見るべきケース
猫の目の周りが赤くなっていても、次のような場合は自宅で様子を見ることが可能です。
- 赤みが軽度で、猫が気にする様子がない
- 涙やけや軽い目やにが原因と思われる
- 目の開き具合や行動に変化がない
こうしたときは、目の周囲を清潔に保つようにし、日常的な変化をしっかり観察しましょう。
ただし、赤みが数日経っても引かない場合や、片目から両目へと広がる場合は、病気の可能性もあるため早めの診察が安心です。
目を清潔に保つケア方法
軽度の赤みや目やには、自宅でのケアによって改善することがあります。目の周囲が汚れていると、さらに炎症を引き起こす原因になるため、清潔を保つことが大切です。
- 濡らしたガーゼやコットンでやさしく拭き取る
- 刺激の強い洗浄剤やアルコールは使用しない
- 強くこすらず、やさしく丁寧にふき取る
また、目薬の使用に関しては、獣医師の診断が必要な場合が多いため、自己判断は避けましょう。
濡れたガーゼでの拭き取り
目の周りに付着した目やにや汚れを拭き取る際は、清潔な濡れガーゼを使うのが基本です。以下のように行うと、猫に負担をかけずにケアできます。
- ガーゼをぬるま湯で湿らせる
- 目頭から目尻に向かってやさしく一方向に拭く
- 両目を拭く場合は、清潔な面に替える
使い捨てのコットンやペット用ウェットティッシュでも代用可能ですが、香料や添加物が含まれていないものを選びましょう。無理にゴシゴシ拭くのは逆効果なので要注意です。
目薬の使用可否
猫に目薬を使用する場合は、獣医師の処方を受けてからが原則です。人間用の目薬や、市販のペット用目薬を自己判断で使うと、症状を悪化させる危険があります。
- 必ず獣医師の診断と指導を受ける
- 処方された目薬は指示通りに使用する
- 使用前後は手を清潔にする
誤った使い方は、角膜を傷つけたり、症状をこじらせる可能性があるため、見た目が軽度でも自己判断は避けましょう。
動物病院を受診すべきサイン
目の赤みが以下のような状態になっている場合は、自宅ケアでは改善が見込めない可能性があるため、すみやかに動物病院を受診しましょう。
- 赤みが数日続く、または悪化している
- 目やにが膿のような色(黄色・緑)をしている
- 目が開かない、しょぼしょぼしている
- 猫が頻繁に目をかく、壁にこすりつける
目の病気は進行が早く、放置すると失明など深刻な影響を及ぼすこともあるため、早めの対応が重要です。
症状の長期化や悪化
目の周りの赤みが数日経っても改善しない、あるいは徐々にひどくなるようであれば、それは単なる炎症ではなく病気の兆候かもしれません。特に以下のような状態は危険です。
| 症状の変化 | 注意点 |
|---|---|
| 赤みが広がっている | 感染症の可能性 |
| 涙・目やにの増加 | ウイルス・細菌感染の疑い |
| 目の腫れ・ただれ | 結膜炎や角膜炎など重症化 |
症状が軽いと思っても、長期化している場合は必ず診察を受けましょう。
食欲不振や元気の低下があるとき
目の周りの赤みに加え、猫がご飯を食べなくなったり、元気がなくじっとしているような場合は、体全体に何らかの不調が起きているサインです。
単なる目のトラブルではなく、ウイルス感染や全身疾患の一部として目の異常が出ていることもあります。
- 食欲の低下が1日以上続く
- 呼吸が荒い、熱っぽい
- 目を閉じたまま開けない
こうした症状が見られたら、できるだけ早く動物病院で診察を受けることが重要です。
猫の目の周りが赤くなる原因予防と日頃のケアについて

猫の目の周りが赤くなるのを防ぐには、日頃からの予防とケアが重要です。外的刺激や感染症、皮膚トラブルなどさまざまな原因があるため、総合的な対策が求められます。
特に目の清潔を保ち、アレルゲンとなる物質を取り除くこと、そして健康状態を定期的に確認することが赤みの発生を防ぐカギとなります。
猫は不調を隠す動物です。些細な変化にも気づけるよう、普段からのスキンシップや観察を心がけましょう。
目の周りを清潔に保つ習慣
目の周りを清潔に保つことで、赤みや炎症の予防につながります。涙や目やにがたまりやすい猫の場合、放っておくと雑菌が繁殖し、皮膚に炎症を起こす原因となることも。毎日1回は目元を確認し、必要に応じて以下のようなケアを行いましょう。
- ぬるま湯で濡らした清潔なガーゼで目元をやさしく拭く
- 目やにが硬くこびりついている場合は、数秒湿らせてから除去
- 両目を拭くときは左右別のガーゼを使う
日常的に目元をきれいに保つことで、軽度の炎症を未然に防ぐことができます。
アレルゲン対策や室内環境の整備
猫の目の周りが赤くなる原因のひとつに、アレルギーがあります。花粉、ハウスダスト、カビ、香料など、日常の中には猫にとって刺激となる物質が多く存在します。
これらのアレルゲンをできる限り排除することで、目の赤みや皮膚トラブルを防げます。
- 空気清浄機を活用し、室内のホコリや花粉を除去
- 掃除はこまめに行い、カーペットやカーテンは定期的に洗濯
- 合成香料入りの洗剤や柔軟剤は避け、無香料タイプを使用
- 猫砂やおもちゃも低刺激・無香料のものを選ぶ
環境を整えることで、アレルギー症状の予防や改善が期待できます。
定期的な健康チェックの重要性
猫の目の赤みは、体調不良や病気のサインであることもあります。普段からの健康チェックによって、早期に異常に気づくことが可能になります。
特に目の異常は放置すると悪化しやすいため、定期的な確認が欠かせません。
- 目の白さ・濁り・目やにの量や色を確認
- 皮膚や被毛の状態、耳や鼻の異常がないかチェック
- 食欲・元気・排泄状況の変化もあわせて観察
また、年に1~2回の健康診断を受けることで、目には見えない病気の早期発見にもつながります。日々の観察+定期検診が、猫の健康維持に欠かせません。
まとめ|猫の目の周りが赤いときは冷静に判断を
猫の目の周りが赤くなる原因は一時的なものから、病気のサインまで多岐にわたります。
大切なのは、赤み以外にどのような症状があるかを冷静に観察し、適切な対応を取ることです。
軽度であれば自宅でのケアで様子を見ることも可能ですが、症状が長引いたり悪化するようであれば、すぐに動物病院を受診しましょう。
日頃のケアと早期対応が、愛猫の目の健康を守る第一歩です。心配なときは、迷わず専門家に相談することをおすすめします。
この記事の執筆者
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