愛猫が下痢をしているのに、なぜかいつもと変わらず元気いっぱい。そんな時、「このままで大丈夫かな?」「病院に連れて行くべき?」と不安になりますよね。
猫が下痢をする原因はさまざまで、元気がある場合でも注意が必要なケースもあれば、自宅でのケアで改善することもあります。
この記事では、猫が下痢なのに元気な時に考えられる原因から、お家でできる対処法、そして動物病院を受診する目安まで、詳しく解説します。
大切な愛猫のために、正しい知識を身につけて、適切な対応をしてあげましょう。
この記事の結論
- 猫が下痢でも元気な場合、食事・ストレス・寄生虫・軽度胃腸炎が主な原因
- 自宅ケアでは食事の見直し、水分補給、ストレス軽減が重要であり、便の状態をよく観察すること
- 元気でも、嘔吐や血便、24時間以上続く下痢、子猫・高齢猫は動物病院受診が必須
- 動物病院では問診・便検査・必要に応じた血液/画像検査で原因を特定し、原因に応じた治療を行う
目次
猫が下痢でも元気な時に考えられる主な原因

愛猫が下痢をしているのに、なぜか元気いっぱいで普段と変わらない様子だと、飼い主さんは心配になりますよね。
猫が下痢をする原因は非常に多岐にわたりますが、元気がある場合は比較的軽度な問題であることも少なくありません。
しかし、中には注意が必要なケースも含まれるため、原因を特定し、適切な対処をすることが大切です。
ここでは、猫が下痢でも元気な時に考えられる代表的な原因について、詳しく見ていきましょう。
食事に関連する下痢
猫の消化器は非常にデリケートです。そのため、普段の食事内容や与え方によっては、下痢を引き起こすことがあります。
特に元気がある下痢の場合、食事に関連する要因が原因となっているケースが多く見られます。
食べ過ぎや消化しにくいフード
猫が一度に大量のフードを食べすぎたり、普段食べ慣れていない消化しにくい食材(人間の食べ物など)を口にしたりすると、消化不良を起こして下痢になることがあります。特に子猫や消化器が敏感な猫は、少量でも影響が出やすい傾向にあります。
- 規定量以上のフードを与えている
- 急におやつを大量に与えた
- 脂肪分の多い食事を与えた
- 人間用の食べ物を少し与えてしまった
新しいフードへの切り替え
フードを急に変えると、猫の体が新しい成分に慣れず、消化器に負担がかかって下痢になることがあります。
これは、腸内細菌のバランスが崩れたり、特定の成分に対する一時的な不耐性が生じたりするためです。
フードを切り替える際は、既存のフードに新しいフードを少量ずつ混ぜ、時間をかけてゆっくりと移行させることが推奨されます。
フードアレルギーの可能性
特定の食材に対してアレルギー反応を起こし、下痢を発症するケースもあります。
アレルギーは消化器症状以外にも、皮膚のかゆみや脱毛などを伴うことがありますが、下痢のみが現れることもあります。
もし特定のフードを与えた後に繰り返し下痢をするようなら、フードアレルギーを疑い、動物病院で相談してみましょう。アレルギー対応の療法食を試すことで改善が見られることもあります。
ストレスによる下痢
猫は非常に繊細な生き物で、環境の変化や精神的な要因によっても体の不調をきたすことがあります。
特に消化器系はストレスの影響を受けやすく、下痢という形で症状が現れることは少なくありません。
元気がある下痢でも、ストレスが原因である場合は、そのストレスを取り除いてあげることが重要です。
環境の変化が原因に
猫は縄張り意識が強く、環境の変化に敏感です。引っ越し、模様替え、家具の配置換え、新しいペットや家族が増えるなど、普段と異なる状況は猫にとって大きなストレスとなり得ます。
そのストレスが、消化器の動きに影響を与え、下痢を引き起こすことがあります。猫が安心して過ごせる場所を確保し、急激な変化は避けるよう心がけましょう。
来客や引っ越しが引き金となることも
一時的なストレス要因として、来客や旅行、動物病院への移動、そして最も大きなものとして引っ越しが挙げられます。
これらの出来事は、猫にとって普段のルーティンが崩れることになり、不安や緊張を招きます。
その結果、下痢をする猫も少なくありません。できるだけ猫が落ち着ける環境を用意し、ストレスを最小限に抑える工夫が必要です。
寄生虫による下痢
猫の消化管には、目に見えない小さな寄生虫が潜んでいることがあります。
これらの寄生虫が腸内で増殖すると、炎症や消化不良を引き起こし、下痢の症状が現れることがあります。
寄生虫感染による下痢の場合、猫が元気そうに見えても、放置すると栄養吸収の阻害や体力低下につながる可能性があるため注意が必要です。
お腹の虫が下痢を引き起こす
回虫や鉤虫、条虫などの腸管寄生虫は、猫の消化器にダメージを与え、下痢の原因となります。特に子猫は母猫から感染したり、野良猫と接触したりすることで感染しやすい傾向にあります。
便に虫体が混じっていたり、米粒のようなものが付着していたりする場合は、寄生虫感染を強く疑うべきです。定期的な駆虫薬の投与が予防につながります。
子猫に多い寄生虫感染
子猫はまだ免疫力が十分に発達していないため、成猫に比べて寄生虫に感染しやすく、また症状も出やすい傾向があります。
母猫からの垂直感染や、感染した環境から口を通して感染することが一般的です。
子猫が下痢をしている場合は、元気そうに見えても早めに動物病院を受診し、便検査で寄生虫の有無を確認してもらうことが重要です。
軽度の胃腸炎
猫の下痢の原因として、胃腸炎も考えられます。胃腸炎は、消化管の炎症を指し、ウイルスや細菌、あるいは異物の摂取などによって引き起こされることがあります。
軽度の胃腸炎であれば、猫が元気そうに見えることもありますが、注意が必要です。
ウイルスや細菌感染による一時的なもの
ウイルス性腸炎や細菌性腸炎など、病原体による感染が原因で一時的に下痢を引き起こすことがあります。
多くの場合、軽度であれば自然に治癒することもありますが、感染源によっては他の猫にも感染する可能性があるため注意が必要です。
特に多頭飼育の場合、感染が広がるリスクも考慮し、早期の対処が求められます。
異物誤飲の可能性
猫は好奇心旺盛な動物で、おもちゃの破片、ひも、植物の一部など、本来食べてはいけないものを誤って飲み込んでしまうことがあります。
消化できない異物が胃や腸に到達すると、消化管に刺激を与えたり、炎症を引き起こしたりして、下痢や嘔吐の症状が現れることがあります。
元気そうに見えても、異物誤飲が疑われる場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。
愛猫が下痢の時に自宅でできるケア

愛猫が下痢をしていても元気がある場合、まずは自宅でできるケアを試してみることで症状が改善することもあります。
ただし、あくまで一時的な対処であり、症状が改善しない場合や悪化するようなら、すぐに動物病院を受診することが大切です。
ここでは、猫が下痢の時に飼い主さんが自宅でできる具体的なケア方法についてご紹介します。
食事の管理を見直す
猫の下痢の原因で最も多いのは食事に関連するものです。そのため、まずは食事の内容や与え方を見直すことが、症状を改善させるための第一歩となります。
消化器に負担をかけないよう、一時的に食事の質や量を調整してみましょう。
消化しやすいフードに切り替える
下痢をしている時は、消化器に負担の少ない、消化しやすいフードに切り替えるのがおすすめです。
市販の「消化器ケア用」や「低脂肪」の療法食を一時的に与えることも検討できます。これらは、腸への負担を軽減し、栄養の吸収を助けるように作られています。
切り替える際は、少量ずつ混ぜながら徐々に移行させ、猫の様子をよく観察してください。
一度食事を控える選択肢も
下痢が軽度で、猫が元気な場合は、一時的に食事を控える(絶食させる)という選択肢もあります。
これは、胃腸を休ませ、回復を促すためです。ただし、絶食させる場合は以下の点に注意が必要です。
- 絶食は24時間以内に留める:猫は絶食時間が長すぎると肝臓に負担がかかることがあります。
- 子猫や高齢猫には適用しない:体力のない猫には絶食させないでください。
- 必ず水は自由に飲めるようにする:脱水症状を防ぐため、新鮮な水を常に用意してください。
水分補給を促す
下痢は、体から多くの水分が失われるため、脱水症状を引き起こす可能性があります。
猫が元気そうに見えても、脱水は深刻な状態につながることがありますので、意識的に水分補給を促すことが重要です。
新鮮な水を常に用意する
猫がいつでも新鮮な水を飲めるように、複数の場所に水飲み場を設置したり、水入れをこまめに洗浄して清潔に保つことが大切です。
流水を好む猫のために、循環式の給水器を導入するのも効果的です。水分の摂取量を増やす工夫をしましょう。
ウェットフードで水分補給を助ける
普段ドライフードを与えている場合でも、下痢の時はウェットフードを取り入れてみましょう。
ウェットフードは水分含有量が多いので、食事と一緒に効率よく水分を摂取させることができます。
猫の好みに合わせてさまざまな種類のウェットフードを試してみるのも良いでしょう。
ストレス軽減に努める
猫はストレスに敏感な動物で、精神的な負担が下痢として現れることも少なくありません。
愛猫が下痢をしていて元気がある場合でも、最近何かストレスになるような出来事がなかったか振り返り、ストレスを軽減するための環境づくりを心がけましょう。
安心して過ごせる環境づくり
猫が安心して過ごせる静かで落ち着ける場所を確保してあげましょう。高い場所や隠れることができる場所(キャットタワー、段ボール箱など)を用意してあげると、猫は安心感を覚えます。
また、大きな音や急な動き、見慣れない来客など、猫が苦手とする要因をできるだけ排除してあげることが大切です。
遊びを通してストレス発散
適度な運動や遊びは、猫のストレス発散に非常に効果的です。お気に入りのおもちゃで遊んだり、キャットタワーで体を動かしたりする時間を作りましょう。
飼い主さんとのコミュニケーションは、猫の心の安定にもつながります。ただし、下痢で体力が低下している可能性もあるため、無理のない範囲で遊ばせてあげてください。
下痢の状態をチェックするポイント
愛猫が下痢をした時、その便の状態を詳しく観察することは、原因を特定したり、動物病院で適切な診断を受ける上で非常に重要な情報となります。元気がある下痢の場合でも、便の状態から重症度や緊急性を判断できることがあります。
色、臭い、回数、量を確認する
下痢をしている時の便は、普段の健康な便とは異なる点がいくつかあります。以下の項目を観察し、メモしておくと良いでしょう。
- 色:普段と比べて極端に黒い、赤い、白い、緑がかった色をしていないか。
- 臭い:いつもと違う、特に強烈な悪臭がしないか。
- 回数:一日の排便回数が増えていないか。
- 量:一回あたりの便の量が多すぎる、または少なすぎないか。
- 形状:水っぽい、泥状、ゼリー状など、どんな形をしているか。
これらの情報は、獣医師が診断する際の大きな手がかりとなります。
便の写真を撮っておくと便利
動物病院を受診する際、下痢便の写真を撮っておくと非常に役立ちます。言葉で説明するよりも、実際の写真を見せることで、獣医師はより正確な情報を得ることができます。
スマートフォンのカメラで、色や形状が分かりやすいように、明るい場所で何枚か撮影しておきましょう。可能であれば、便のサンプルを少量持参することも診断の助けになります。
こんな場合は動物病院へ!猫の下痢による受診の目安

愛猫が下痢をしていても元気そうに見える場合でも、状況によっては速やかに動物病院を受診する必要があるケースもあります。
特に、下痢以外の症状を伴う場合や、下痢の状態が特定の変化を示している場合は、病気が隠れている可能性が高まります。
ここでは、猫の下痢で動物病院を受診すべき目安について詳しく解説します。
元気がない、食欲不振、嘔吐を伴う場合
猫が下痢をしていて、さらに元気がなかったり、食欲がなくなったり、嘔吐を繰り返している場合は、単なる消化不良以上の問題が起きている可能性が高いです。
これらの症状が複数現れている場合は、体力が急激に消耗しているサインかもしれません。
複数の症状が出ている時は要注意
下痢に加えて、以下のような複数の症状が見られる場合は、注意が必要です。
- 元気がない、ぐったりしている
- 食欲がない、または全く食べない
- 繰り返し嘔吐している
- 水を飲まない
- 発熱している
これらの症状は、胃腸炎の悪化、異物誤飲、膵炎、腎臓病、肝臓病など、より重篤な病気のサインであることがあります。症状が重なるほど、緊急性が高まります。
ぐったりしている場合は緊急性が高い
猫が明らかにぐったりしている、または意識が朦朧としているように見える場合は、非常に危険な状態です。
重度の脱水症状やショック状態に陥っている可能性があり、命に関わることもあります。この場合、一刻も早く動物病院に連れて行く必要があります。
夜間や休日であっても、緊急動物病院の受診をためらわないでください。
下痢が続く、頻度が増す場合
下痢の症状が一時的ではなく、長時間続いたり、排便の頻度が異常に増えたりする場合も、注意が必要です。
特に、猫が元気そうに見えても、これらの状態が続けば脱水のリスクが高まり、体力も消耗してしまいます。
24時間以上続く下痢は危険信号
猫の元気があるように見えても、下痢が24時間以上続く場合は、動物病院を受診するべきです。
たとえ軽度の下痢でも、長時間続くことで体内の水分や電解質が失われ、脱水症状が悪化する可能性があります。
特に、子猫や高齢猫、持病のある猫は、体力消耗が早く、重症化しやすい傾向があるため、より早期の受診が望ましいでしょう。
頻繁な排泄は脱水のリスク
猫が頻繁に排泄を催し、少量ずつでも水のような下痢を繰り返している場合も、脱水のリスクが非常に高まります。
頻繁な排泄は腸の炎症が強いことを示している可能性もあり、体への負担も大きいです。このような状態が見られたら、迷わず動物病院に相談し、適切な処置を受けてください。
血便や粘液が混じる場合
下痢便の中に血液や異常な粘液が混じっている場合は、単なる消化不良ではない可能性が高いです。
これらは消化管のどこかで炎症や損傷が起きているサインであり、放置すると重篤な病気に進行する恐れがあるため、すぐに動物病院を受診する必要があります。
便に異常が見られる場合
下痢便の中に以下のような異常が見られたら、危険なサインです。
- 鮮血が混じっている(赤い便):大腸や肛門付近からの出血が考えられます。
- タール状の黒い便(黒色便):胃や小腸など、消化管の上部からの出血が考えられます。
- ゼリー状の粘液が混じっている:腸の炎症が強く、粘膜が剥がれている可能性があります。
- 白い塊や虫のようなものが混じっている:寄生虫感染の可能性が高いです。
これらの便の異常は、炎症性腸疾患、腫瘍、重度の寄生虫感染など、さまざまな病気の可能性があります。
病気のサインを見逃さない
便の異常は、猫の体内で何らかのトラブルが起きている明確なサインです。特に、出血性の下痢は緊急性が高いことが多いです。
飼い主さんが「元気だから大丈夫だろう」と自己判断せずに、すぐに獣医師に相談し、適切な検査と治療を受けることが、愛猫の命を守る上で非常に重要です。便の写真を撮っておくと、診察時に役立ちます。
子猫や高齢猫の場合
子猫や高齢の猫は、成猫に比べて体力がなく、免疫力も低い傾向があります。
そのため、下痢をした際の体力消耗が著しく、重症化するリスクも高いため、下痢の症状が見られたら元気があっても慎重な対応が必要です。
免疫力の低い猫は注意が必要
子猫はまだ免疫システムが完全に発達しておらず、病原体への抵抗力が弱いです。また、高齢猫は加齢とともに免疫力が低下し、体力の回復も遅くなりがちです。
- 子猫:脱水症状を起こしやすく、あっという間にぐったりしてしまうことがあります。パルボウイルス感染症など、致死率の高い病気の可能性もゼロではありません。
- 高齢猫:持病を抱えていることも多く、下痢によって基礎疾患が悪化したり、新たな病気を引き起こしたりするリスクがあります。
重症化しやすい傾向
子猫や高齢猫の場合、たとえ一時的に元気そうに見えても、下痢によって体力が急激に消耗し、短時間で重篤な状態に陥ることが少なくありません。
そのため、これらの猫が下痢をした場合は、「様子を見る」のではなく、早めに動物病院を受診することをおすすめします。早期発見・早期治療が、重症化を防ぎ、愛猫の命を救う鍵となります。
猫の下痢に関する動物病院での検査と治療の流れ

愛猫が下痢をしていて動物病院を受診した場合、獣医師は原因を特定し、適切な治療を行うためにさまざまな検査を行います。
猫が下痢をしていても元気がある場合でも、隠れた病気が潜んでいる可能性もあるため、獣医師は慎重に診察を進めます。
ここでは、猫の下痢に対する動物病院での一般的な検査と治療の流れについてご紹介します。
問診と身体検査
動物病院に到着したら、まず獣医師による問診と身体検査が行われます。
これらは、愛猫の現在の状態を把握し、今後の検査や治療方針を決定する上で非常に重要なステップです。
どんな検査が必要になるかは状況によって変わっていくため、ここでは一般的に考えられる検査項目などをまとめました。
詳細なヒアリングの重要性
問診では、飼い主さんから猫の症状について詳しくお話を伺います。
いつから下痢をしているのか、便の色や形状、回数、食事内容の変化、最近のストレス要因、ワクチン接種歴など、細かく情報を提供することで、獣医師は原因を絞り込むことができます。
- 下痢はいつから始まったか
- 便の色、形状、臭い、粘液や血液の有無
- 下痢の頻度と量
- 食欲や元気、嘔吐などの付随症状の有無
- 最近の食事内容の変化、おやつなど
- 新しいおもちゃや植物を口にしていないか
- 他の猫や動物との接触があったか
- ストレスとなるような出来事がなかったか
視診、触診で状態を把握
問診と並行して、獣医師は猫の身体検査を行います。これは、猫の全身状態を視覚と触覚で確認するもので、以下のような項目をチェックします。
- 視診:猫の被毛の状態、粘膜の色(脱水の有無)、目の輝き、お腹の膨らみなどを観察します。
- 触診:お腹を優しく触って、痛みがないか、しこりや異物がないか、腸の動きなどを確認します。
- 聴診:心臓や肺の音、腸の動きなどを確認します。
これらの初期検査によって、緊急性の有無や次に必要な検査の方針が立てられます。
便検査で原因を特定
下痢の原因を特定する上で、便検査は非常に重要な検査です。便の中に潜む病原体や異常を確認することで、的確な診断につながります。
便検査では、顕微鏡を使って便の中に寄生虫の卵や虫体がいないか、また異常な細菌が増殖していないかなどを調べます。
寄生虫は下痢の一般的な原因のひとつであり、特に子猫によく見られます。
また、特定の細菌感染が下痢を引き起こしている場合もあります。必要に応じて、特定のウイルス抗原検査を行うこともあります。
必要に応じた血液検査や画像診断
便検査だけでは原因が特定できない場合や、猫の全身状態をより詳しく把握する必要がある場合には、血液検査や画像診断が追加で実施されることがあります。
全身状態の把握
血液検査は、猫の脱水状態の確認、炎症の有無、貧血の有無、肝臓や腎臓などの臓器の機能に異常がないかなどを調べるために行われます。
下痢が続くと電解質のバランスが崩れることもあるため、これらの数値を確認することで、体への負担の程度を把握し、全身的な治療方針を立てる上で役立ちます。
内臓疾患の可能性を探る
レントゲン検査や超音波検査などの画像診断は、消化管内に異物がないか、腸の動きに異常がないか、腫瘍などの病変がないか、他の内臓に問題がないかなどを確認するために行われます。
特に、異物誤飲が疑われる場合や、便検査で異常が見つからないのに下痢が続くような場合に有効な検査です。必要に応じて、より詳細なMRIやCT検査を提案することもあります。
治療方法の選択
検査結果に基づいて、獣医師は猫の状態に合わせた最適な治療方法を提案します。
治療は、症状を和らげる「対症療法」と、下痢の原因を取り除く「原因療法」を組み合わせて行われることが一般的です。
対症療法と原因療法
下痢の治療は、大きく分けて2つのアプローチがあります。
- 対症療法:下痢の症状そのものを緩和するための治療です。
- 整腸剤:腸内環境を整え、消化吸収を助けます。
- 下痢止め:腸の過剰な動きを抑え、排便回数を減らします。
- 輸液療法:脱水がひどい場合や食欲がない場合に、点滴で水分や電解質、栄養を補給します。
- 原因療法:下痢の根本原因を取り除くための治療です。
- 駆虫薬:寄生虫がいる場合に投与します。
- 抗生剤:細菌感染が原因の場合に投与します。
- 療法食:食事アレルギーや消化器疾患の場合に、専用のフードに変更します。
投薬や点滴のケース
検査結果と猫の元気度、下痢の重症度に応じて、内服薬の処方や点滴などの治療を組み合わせます。
- 軽度で元気な場合は、整腸剤や下痢止めの内服薬を処方し、ご自宅での様子観察をお願いすることが多いです。
- 脱水が見られる場合や、食欲不振が続く場合は、皮下点滴や静脈点滴を行い、速やかな回復をサポートします。
- 寄生虫や細菌感染が確認された場合は、それに対応する駆虫薬や抗生剤を処方し、根本的な治療を目指します。
よくある質問:猫の下痢と元気に関するQ&A
猫が下痢をしていて元気そうに見える時でも、飼い主さんには多くの疑問や不安が湧き出てくるものです。ここでは、猫の下痢と元気に関するよくある質問にお答えします。
猫が下痢の時でもおやつをあげても大丈夫?
愛猫が下痢をしている時は、基本的におやつは控えるのが賢明です。
おやつはメインの食事とは異なり、消化に負担がかかる成分が含まれていたり、腸の動きを刺激したりすることがあります。
特に、人の食べ物や普段食べ慣れないおやつは、下痢を悪化させる原因になりかねません。
消化器に負担をかけず、回復を早めるためには、まず獣医師の指示に従い、消化の良いメインフードに専念させることが重要です。
症状が改善し、獣医師から許可が出てから少量ずつ再開するようにしましょう。
猫が下痢のときは療法食に切り替えるべき?
猫の下痢が続く場合や、原因が食事にあると疑われる場合、獣医師の指示に基づいて療法食に切り替えることを検討すべきです。
療法食は、特定の疾患や症状に合わせて栄養バランスが調整されており、消化器への負担を軽減したり、必要な栄養素を効率的に吸収させたりする目的で作られています。
自己判断で療法食に切り替えるのではなく、必ず獣医師に相談し、愛猫の状態に合ったものを選んでもらいましょう。適切な療法食を選ぶことで、下痢の改善に繋がる可能性が高まります。
猫の下痢は他の猫にうつる可能性はある?
猫の下痢の原因によっては、他の猫にうつる可能性があります。
特に、ウイルス性腸炎や細菌感染、寄生虫(回虫、ジアルジアなど)が原因である場合、感染力を持つ病原体が便を介して他の猫に広がるリスクがあります。
多頭飼育の場合、感染を広げないために以下の点に注意が必要です。
- 下痢をしている猫を一時的に隔離する:可能であれば、別の部屋で過ごさせましょう。
- トイレを清潔に保つ:排泄物は速やかに処理し、トイレの砂はこまめに取り替えて消毒しましょう。
- 食器や水飲み場を分ける:共有しないようにしましょう。
- 手洗いを徹底する:猫の世話をした後は必ず石鹸で手を洗いましょう。
もし、他の猫にも下痢の症状が見られた場合は、早めに全員まとめて動物病院を受診してください。
まとめ:愛猫のサインを見逃さずに適切なケアを
愛猫が下痢をしていても元気がある場合、飼い主さんとしては「大丈夫かな?」と様子を見てしまいがちです。
しかし、この記事で見てきたように、元気がある下痢にも食事やストレスといった比較的軽度な原因から、寄生虫感染や軽度の胃腸炎など、注意が必要なケースまでさまざまです。
大切なのは、愛猫の便の状態を日頃からよく観察すること。便の色、形、臭い、そして回数などをチェックすることで、異変にいち早く気づくことができます。
また、下痢に加えて「元気がない」「食欲がない」「嘔吐している」「血便が出る」「下痢が続く」といった症状が見られた場合は、たとえ少しでも気になる点があれば、自己判断せずにすぐに動物病院を受診することが何よりも重要です。特に子猫や高齢猫は、体力が低下しやすく、重症化するリスクが高いため、慎重な対応が求められます。
早期に適切なケアをすることで、愛猫の辛い症状を和らげ、健康を守ることができます。この記事が、あなたの愛猫の健康維持の一助となれば幸いです。
この記事の執筆者
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