外飼いの猫は特に喧嘩によるケガが多いですが、室内飼いの猫であってもケガをしてしまうこともあります。
万が一、愛猫がケガをしてしまった時の応急処置や、ケガをしないための予防方法を知っておく必要があります。
ここでは猫に多いケガや予防策について解説しています。
この記事の結論
- 猫に多いケガの種類は、「外傷」「脱臼・捻挫・骨折」などである
- 特に外傷については、他の猫との喧嘩によってできる傷が多い
- 噛み傷や引っかき傷は患部と出血量を確認し、清潔にしてから止血する
- 捻挫や打撲、骨折などは体をできる限り動かさず、すぐ動物病院へ
獣医師
その後、ペット保険会社、動物病院向けの専門商社に勤務。現在は2児の母で子育て奮闘中です。
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目次
猫がケガをする主な原因
人も日常生活のちょっとしたことで軽い傷を負うことがあるように、猫もケガをするシーンは日常生活にもあります。
特に外飼いされている猫はケガや事故にあう確率も高くなるため、完全室内飼いの猫以上に気をつける必要が出てきます。
猫に多いケガは「外傷」と「脱臼・捻挫・骨折」です。この2つについて詳しく解説します。
外傷の原因
なんといっても他猫との喧嘩によるケガが圧倒的に多いです。
喧嘩は以下の2つが主な要因となり発生しますので、その状況を作らないようにすることも大切です。
テリトリーの侵害 | 自分の縄張りに他猫が侵入してきた場合、排除するために喧嘩をしてしまいます |
女の子猫の取り合い | 発情期の男の子猫が女の子猫を取り合い喧嘩をしてしまいます |
外飼いの猫は他猫と町中で出会い、喧嘩に発展することがあります。
しかしこれは、完全室内飼いの猫であっても、多頭飼いをされている場合には起こりうる事態です。
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脱臼・捻挫・骨折
外飼いの猫であれば、交通事故・高所からの転落事故などでおこることが多いケガです。
室内飼いであれば人に踏まれてしまったり、太りすぎや栄養失調による骨折・着地の失敗での捻挫・脱臼などが主な要因としてあげられます。
運動スペースが広くない室内飼いでは、飼い主さんの意図しないところでケガをしてしまうこともあるのです。
外飼いになると危険なシーンが増えるということはもちろんのこと、完全室内飼いであってもケガをするシーンはたくさんあります。
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猫の主なケガの種類・症状
前述のケガ以外にも起こりうる、猫のケガの種類と症状についてご紹介します。
また、より詳しくケガの内容や症状についてまとめました。
噛み傷
猫の歯は長くて鋭いため噛まれた傷口は小さく、一見するとあまり深いケガに見えなかったり、すでに傷口が塞がっていることもあります。
ですが、実際は深く筋肉まで達していることも少なくありません。
猫の歯は細菌が多く付着しているため、放っておくと細菌感染を起こし、化膿・炎症を引き起こします。
ひっかき傷
ひっかき傷は主に猫同士で発生するケガになり、多頭飼いや外出先の猫とのケンカによって発生します。
噛み傷ほど深い傷になることは少ないですが、傷口からの細菌感染による化膿・炎症は注意が必要です。
特に野良猫との接触であれば、適切に病気チェックがされていないため、細菌感染のリスクが高まります。
捻挫・脱臼
室内外問わず、事故・転落・転倒・衝突・急な方向転換など、関節に負荷がかかることによって生じます。
足を引きずっていたり、腫れや熱感、歩くのを嫌がるなどの症状がみられた場合は脱臼や捻挫を疑いましょう。
また、脱臼は股関節と尻尾の付根部分で発生することが多く、尻尾の付根部分で起こった場合は排泄がうまくいかなくなることもあります。
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骨折
交通事故や高所からの転落事故など強い衝撃を受けた時に骨折をすることがあります。
また、低栄養や肥満など、栄養状態の悪化や骨の腫瘍などでも骨折をすることもあります。
骨折は強い痛みを伴いますので、脱臼や捻挫よりも気が付きやすいですが、早急に動物病院への処置が必要となります。
激痛のほかにマヒや骨の変形を伴うことが多く、骨折場所によっては呼吸困難になったりと症状はさまざまです。
火傷
ホットカーペットなどの暖房機器によるものや、お風呂への落下事故などが原因で火傷をすることがあります。
実は猫を発端とする火災事故なども実際に起きており、外出時には元栓を締めたり、コンロのロック機能を使う必要があります。
一般的なキッチン程度の高さであれば、子猫は難しくとも成猫になればジャンプするだけで登れる高さです。
キッチン周りに侵入してくることが多い子については、ガスコンロやIHなどの火傷についても注意しましょう。
飼い主さんができる愛猫のケガの応急処置
応急処置をしようとすると、傷が痛くて暴れたり噛みついたりして抵抗するケースが多いです。
そのためタオルで包んでから処置を行うなど、飼い主さん自身が嚙まれない状況を作ることが大切です。
一般的に動物は人間よりも痛みに敏感と言われています。
また、動物病院に連れていくまでの間、患部を舐めさせないようにしましょう。
噛み傷・ひっかき傷
まずは患部を見つけ、出血量を確認します。
噛み傷やひっかき傷は出血していれば見つけやすいですが、出血していないと見つけづらいです。
しっかり被毛をかき分けて確認し、しきりに気にしている場所がないか確認してみてください。
出血が少ない場合
汚れている場合は流水で汚れを洗い流し、ガーゼやタオルなど清潔な布を当てて止血しましょう。
特に嚙み傷の場合は出血が少なくても、内部で感染がおこっている可能性がありますので、動物病院を受診しましょう。
出血が多い場合
通常サイズの猫の場合は、250cc前後位の血液量しかなく、人間の出血と比べると少しの量であっても猫にとっては大出血になります。
猫の意識がなかったり、ぐったりしているのであれば、できる限り早く動物病院を受診しましょう。
捻挫
腫れや発赤が確認できる場合、できる限り患部を動かさずに氷水などで冷却します。
脱臼や骨折との区別が難しい場合は、動物病院を受診することをおすすめします。
脱臼・骨折
骨折や脱臼の場合は添え木をあて、周辺の関節部分ごと動かないように包帯などで巻いて固定します。
強く巻きすぎると血流を阻害してしまうため、注意が必要です。
添木などが難しい場合にはケージなどに入れ、幹部を動かさないように急いで動物病院に連れて行きましょう。
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火傷
まずは患部を冷水や氷、冷たい濡れタオルなどで熱感がなくなるまで冷やします。
猫は体毛で覆われていますので、痛がらない程度に毛をかき分けて患部を冷やします。
重度の火傷で皮膚がめくれてしまっていたり、水ぶくれが出来てしまっているときは患部を冷やしながら直ぐに動物病院に連れて行きましょう。
愛猫のケガに気付いたときの注意点
猫はケガや病気を隠すのがとても上手で回復力も強い動物です。
そのため、飼い主が注意深く観察し、ちょっとした変化に飼い主さん側が気付く必要があるのです。
いつもと様子が違っていたり、元気や食欲がなかったり、と少しの変化に気が付いてあげることがとても重要です。
病院嫌いな愛猫も多いかと思いますが、飼い主の判断で投薬や処置を行うことはとても危険ですので、必ず動物病院でみてもらいましょう。
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愛猫のケガの予防策
愛猫がケガをしてからでは遅い、というケースもあり得ます。
だからこそケガを事前に予防できる対策を施しておくことが、愛猫の安全を守る上では重要。
ケガの種類に応じて、事前にできるケガの予防策をそれぞれご紹介します。
外傷の予防方法
外飼いの猫の場合は去勢・避妊(不妊)手術をすることで発情期がなくなり、異性の取り合いによる喧嘩は減らせると思います。
そもそも猫の放し飼いは飼育環境としては適しておらず、できれば愛猫の健康を守ることができるように室内飼いがおすすめ。
室内での多頭飼いなどの場合はそれぞれの猫の性格を把握し、テリトリーを守ってあげることが大切です。
できるだけ同じスペースが過ごしたい子もいれば、自分のテリトリーをしっかりと確保できることが重要だと考える子もいます。
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捻挫・脱臼・骨折の予防方法
一般的なフローリングなどの滑ってしまう床は、ラグやマットを敷くことでケガの予防に繋がります。
ツルツルと滑るフローリングの上を元気いっぱいに走ることはできますが、その負担は少しずつ蓄積していき、シニアになったときに大きな障害となってきます。
高いところから飛び降りることを防ぐためにキャットタワーを設置するなどして、高いところから下りれるステップを設けましょう。
また、骨折や落下事故は栄養失調や肥満が原因になることもあるため、日頃から栄養状態を管理することを心掛けてください。
火傷の予防方法
ストーブなど火傷の恐れがある暖房器具には近づけないように、柵などを設置しましょう。
危険なものだと学習できるようになるまでには、その分、ストーブに触れてケガをする必要がでてきます。
そのため飼い主さんができることは、火傷をする可能性がある場所に近づけない、入れないようにするということ以外にはないのです。
できる限りエアコンを使い、乾燥しすぎないように湿度を保つといった方法が、冬には適切と言えるでしょう。
この記事の執筆者・監修者
nademo編集部
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