猫の病気・健康

猫が鼻血を出したらすぐ病院へ!鼻血の原因と考えられる病気

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猫が鼻血を出したらすぐ病院へ!鼻血の原因と考えられる病気

猫は鼻血が出ることが滅多にないため、鼻血は飼い主さんへ危険を知らせる重要なサイン。

思わぬ病気や外傷が原因で鼻血が出ている可能性があるため、注意が必要です。

鼻血の出方によっては命にかかわる危険性もあるため適切に処置しなければならず、決して軽視してはいけません。

本記事では、猫の鼻血が出る原因について、具体的な病気の種類や、鼻血以外の症状まで詳しく解説します。

猫が鼻血を出したときにやってはいけない注意するべき対処法もご紹介しますので、痛みや苦しみを伝えられない愛猫のため、飼い主さんがしっかりと支えてあげてください。

この記事の結論

  • 鼻血の原因は、病気か外傷のどちらかにあると考えられる
  • 鼻血が出る病気は多々あり、鼻以外の病気がきっかけで鼻血が出るケースも多い
  • 猫の鼻血の原因になる歯周病は、日頃のデンタルケアで予防できる
  • 猫の鼻血は動物病院での止血が必要で、飼い主さんが独断で止血しようとしてはいけない
  • 子猫や高齢猫のほか、折れ耳の猫種は鼻血が出やすい傾向がある

かげさん

執筆・監修

かげさん

ライター/人とペットの終活アドバイザー

人とペットの終活アドバイザー兼ライター。
ライフエンディング業界にて、葬儀・お墓・仏壇・供養・遺品整理・相続など、生前準備から亡くなった後まで、幅広いご相談に対応しています。

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猫の鼻血の原因

猫の鼻血の原因は、『病気』と『外傷』のいずれかにあるのが大きな特徴です。放置しておくと死に至るケースもあるため、猫の鼻血には注意が必要。

人間は鼻を強くかんだり、自ら粘膜を傷つけて鼻血が出ることが多々あり、しばらく安静にしていると自然治癒する場合も多いですが、猫はそもそもそのような行為をしません。

つまり、猫の鼻血の原因は何らかの病気が進行して悪化している場合や、飼い主さんが気づかないうちにアクシデントが起こったことが想定されます。

猫はとても我慢強い性格で、病気や外傷による痛みがあっても普段どおりに過ごそうとする性質があるため、きちんと原因を解明して適切な処置をすることが大切です。

猫の鼻血によって考えられる病気

もし、愛猫が鼻血を出していたとしたら…。鼻血によって考えられる病気は、いずれも治療を必要とするものばかりです。

自然治癒によって治るようなものではありませんので、適切な診察を受けるようにしましょう。

猫の鼻血によって考えられる病気は、おもに次の7種類があります。

鼻腔内腫瘍

猫の鼻腔内腫瘍は、鼻の中にできる腫瘍のことをいい、リンパ腫と上皮細胞のガンが多くを占めています。

そんな猫の鼻腔内腫瘍は、悪性の確率が80%~90%と非常に高いことが特徴です。

初期症状はいびきやくしゃみ、鼻水といった鼻炎の症状に似ていますが、悪化すると鼻血が出ることもあります。

加えて呼吸困難や食欲の低下、体力や体重減少、顔面の変形を引き起こす場合もあります。

悪性腫瘍は致死率が高く、治療をしない猫の余命は約1か月程度と言われています。

抗がん剤による化学療法や放射線療法などを行っても、1年以上の生存確率は20%程度と危険な病気です。

歯周病、歯根膿瘍

歯周ポケットに細菌が繁殖する歯周病や、歯の根元に膿が溜まる歯根膿瘍や歯槽膿漏。

悪化すると、口と鼻を分ける薄い骨に穴が開き、飲食の刺激により鼻血が出る場合があります。

口の細菌は上顎の骨を溶かし、頬の皮下へ膿が拡がるケースもあります。

口腔と鼻腔がつながってしまう症状は、口鼻瘻管(こうびろうかん)と呼ばれ、治療には手術と投薬が必要です。

猫は歯石が溜まりやすく、近年の世界小動物獣医学会の調査結果によると、2歳までのうち70%の猫が歯周病を患っていることが発表されています。

出典:WSAVA Global Dental Guidelines

血液の凝固異常

血液の凝固異常とは、血が固まるために必要なタンパク質の凝固因子の減少や止血のメカニズムの異常によって、出血しやすくなる病気のことをいいます。

猫には、第XII因子が減少する血友病と呼ばれる遺伝性疾患や、基礎疾患により体内に血栓ができやすくなるDIC(播種性血管内凝固症候群)などがあり、適切な処置が必要です。

特に猫は殺鼠剤による中毒に気をつけなければならず、血液の凝固異常が起こると、鼻血以外にも尿の色が濃くなることや血便・黒色便、皮膚の内出血などが見受けられます。

血小板減少症

日本ではマダニによる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に注意が必要で、猫の致死率は64.7%と非常に高い病気です。

これは人間にも感染することが注意喚起されているので、特に注意が必要。

そのほか、猫ではあまり症例がありませんが、IMTと呼ばれる血小板減少症によっても鼻血が出るケースがあります。

血小板の減少による出血は、止血ができないためとても危険です。

血小板減少症の治療には、ステロイド剤や免疫抑制剤の投薬が行われますが、そもそも腫瘍や感染症などが原因の場合もあるため、複合的な検査が必要となります。

出典:厚生労働省 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

鼻炎(アレルギー、感染症など)

猫は花粉やハウスダストによるアレルギーや、ヘルペスやカリシウイルスやカビによる感染症から鼻炎になります。

そして、くしゃみや鼻水、流涙を伴う症状のほか、鼻血が出る場合があります。

ステロイド点鼻や抗生物質、炎症を抑える抗炎症剤などによる治療をおこないますが、悪化すると慢性鼻炎や副鼻腔炎になり、呼吸に支障をきたすため注意が必要です。

さらに、鼻炎は腫瘍や歯周病が原因で発症するケースも多いため、鼻炎による鼻血はきちんと原因の解明をおこなうことが大切といえます。

外傷

ケガによる外傷で鼻血が出ている場合、屋外なら猫同士のケンカや事故が疑われます。

ただ、室内飼いでも、高所からの転落や打撲、骨折などにより鼻血が出る場合があります。

猫にとって頭部の外傷や内臓損傷を伴う鼻血は命の危険性が高く、そもそもの患部を即座に治療しないと致命傷につながるケースが少なくありません。

愛猫の鼻や口の中の傷口からの出血で鼻血が出ている場合でも、ほかの部位に問題がないかどうかをしっかりと診察してもらうことが大切です。

高血圧

人間と同じように猫も高血圧を患うケースがあり、寒さにより血管が収縮した場合や興奮したとき、運動によって鼻の中の毛細血管が切れて鼻血が出ることがあります。 

猫は慢性腎不全などの腎疾患や甲状腺機能亢進症といった、ほかの疾患が原因で高血圧症になりやすいです。

食事のナトリウムの量が血圧に影響を及ぼすとも言われています。

最高血圧が140mmHg以上になると猫は高血圧とみなされ、血圧降下剤によって血圧のコントロールを行います。

ただ、そもそもの原因である基礎疾患の治療には、早期発見が最も効果的です。

猫の鼻血の出方による危険度

鼻血はどのような出方であっても危険であることには変わりなく、少なくとも様子見をするものではありません。

ですが、特に注意しなければいけない鼻血や、危険度についても理解しておきましょう。

猫は鼻血の出方によって危険度を判断でき、次の3つのポイントによって、おおよそ分類することができます。

【要検査】少量の鼻血とくしゃみや鼻水

くしゃみや鼻血に少量の薄い血が混ざった鼻血の場合は、一般的に猫風邪による鼻の粘膜の損傷が疑われ、鼻血は自然と止まるケースも多いです。

猫風邪は免疫力と体力があれば、自然治癒力で改善できますが、悪化すると結膜炎や鼻炎、気管支炎などになりかねません。

鼻血の原因ともども、きちんと原因を検査しましょう。

【要検査】片方の鼻からのみ鼻血が出る

片方の鼻からのみ鼻血が出る場合、鼻炎の悪化による出血や鼻腔内腫瘍の疑いがあります。

仮に少量の鼻血であっても、出血が続く場合には検査が必要です。

さらに、鼻腔内腫瘍は悪化すると他方の鼻へと進行するため、両方の鼻から鼻血が出るケースもあります。

【危険】大量の鼻血が出る

大量の鼻血を流している場合はとても危険で、ただちに処置しなければ命にかかわる重大な問題を抱えている可能性が高いため気をつけなければなりません。

また、鼻血による大量出血は、貧血や呼吸困難、意識障害などを引き起こす要因になるため、必ず止血が必要です。

血液凝固異常による大量出血では、輸血が必要な場合があります。

猫の鼻血の対処法

猫の鼻血の対処法では、人間の鼻血に対する対処法とは異なります。

主なポイントは3つ。次の3つのポイントを押さえておきましょう。

自己判断の対処はせず、必ず動物病院へ

たとえ軽微の鼻血であっても、猫が鼻血を出すこと自体が異常であることを理解して、万が一の際には速やかに動物病院で診察してもらってください。

飼い主さんとして大事なことは、決して自己判断ではなく、気になる症状や仕草などを正しく獣医師へ伝えることにあります。

ティッシュを詰めて止めるのはNG

猫は鼻呼吸のため、鼻血が出ているからといって、愛猫の鼻にティッシュを詰めて止血しようとすると息ができなくなるため、絶対に避けてください。

鼻血が出ると焦って止めたくなる気持ちもわかりますが、下手な止め方は命に関わります。

自宅でできる鼻血の処置方法はありませんので、動物病院で止血剤や点鼻薬を処方してもらいましょう。

顎を上げて止めようとするのもNG

鼻血を止めようと顎を上げると、誤嚥や嘔吐の危険性があるため、愛猫の顔は上向きしないようにしてください。

顎を上げるのも鼻血を止めたいからだと思いますが、同様に体に悪影響を与えること。

飼い主さんの動揺は愛猫にも伝わるため、暴れたり興奮したりして鼻血が悪化しないよう冷静に対処して、スムーズに動物病院へ連れて行ってあげてください。

猫の鼻血の予防方法

猫の鼻血の予防方法として、次の2つの予備知識を把握しておきましょう。

病気は正確な予防が難しい

猫はさまざまな病気に見舞われる可能性があり、鼻血はほかの複合的な症状が現れてから、検査によって初めて病気の原因を発見できるケースが多いです。

予防には定期的なワクチン接種や健診が有効的ですが、先天的な病気もあれば、必ずしも鼻血にまつわるすべての病気を回避できるとは限らないことを知っておきましょう。

一方で、鼻血は止血が不可欠なため、愛猫のためには万が一の際に昼夜を問わずにすぐ診察してもらえる動物病院を探しておくことが、安心できる未然の対策方法といえます。

また、何らかの疾患がある場合は、きちんと治療をすることで鼻血を防ぐきっかけにつながる可能性が高いです。

愛猫の異変に気付いたら、速やかに診察してもらうことが大切です。

歯周病は適切なデンタルケアで予防する

猫がかかりやすく、鼻血の原因にもなる歯周病は、適切なデンタルケアによって予防でき、飼い主さん自身ができる唯一の予防法です。

できれば毎日の歯磨きが理想ですが、難しい場合は1週間に2~3回程度の歯磨きを定期的な習慣にするよう心がけましょう。

最近は液状フードも登場して、猫が好むウェットフードや液状おやつを与える飼い主さんも多いと思いますが、歯石が付着しやすいデメリットもあるため、しっかりケアしてください。

鼻血が出やすい猫種とは?

猫の鼻血はどんな猫種であっても起こり得るものですが、特に注意したい子たちもいます。

鼻血が出やすい猫種には、次のような2つの傾向があるため、該当する場合はご注意ください。

子猫、シニア猫

免疫力が低い子猫やシニア猫は、猫風邪にかかりやすく、特に高齢猫は歯周病や鼻腔内腫瘍、高血圧症にもなりやすいです。

老猫だからといって、うっかり見逃してしまいがちなのが、食欲不振や寝てばかりいる状態です。

特にシニア猫は普段と変わらない様子であっても、急に病気による症状も見られることがあるため、油断をしないように気をつけましょう。

持病を持っている子

猫の鼻血は、前述で解説した病気以外にも、遺伝的に折れ耳の骨軟骨異形成症を持病としたスコティッシュフォールドマンチカンといった猫種は、鼻血が出やすい傾向にあります。

愛らしさがあり人気の猫種である一方で、垂れ耳型の猫は100%遺伝する持病で、鼻血や関節症を発症するリスクを伴うことを理解しておくことが重要です。

この記事の執筆者

かげさん

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かげさん

ライター/人とペットの終活アドバイザー

人とペットの終活アドバイザー兼ライター。
ライフエンディング業界にて、葬儀・お墓・仏壇・供養・遺品整理・相続など、生前準備から亡くなった後まで、幅広いご相談に対応しています。
多くの経験を生かして、皆さまのお困りごとを即解決できるよう、便利で役立つ情報を沢山お届けできたら嬉しいです。

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