猫の病気・健康

猫のくしゃみの原因と危険なくしゃみの見分け方を詳しく解説

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猫のくしゃみの原因や症状とは?考えられる病気や対処法について

「猫がくしゃみをしている!」

猫のクシュン、とかわいらしいくしゃみの多くは生理現象です。

ホコリや小さな虫など異物が鼻に入って、粘膜を刺激したときに出るものがほとんど。

くしゃみが何度か出て終わるくらいであればよいのですが、中には早く病院に連れて行った方がいいケースもあります。

猫は具合が悪くてもそれを隠そうとする動物です。だからこそ、飼い主さんが注意するべきくしゃみに早く気づいてあげる必要もあるのです。

どのタイミングで病院に行くべきか、適切な治療をしてあげられるように、注意するべきことをこの記事でまとめてみました。

この記事の結論

  • 猫のくしゃみは、生理現象で起こるものと、病気の影響で起こるものがある
  • くしゃみに似たものとして「逆くしゃみ」というものがあり、息を吸い込む動作のこと
  • 予防には部屋を清潔に保ち、こまめなブラッシングやワクチン接種が効果的
  • 一時的なものなら良いが、くしゃみが続くようなら動物病院へ

執筆・監修

らみえる

らみえる

ライター、動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士

会員制猫専用ホテル&ペットシッターキャッツカールトン代表。
動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。猫の保護活動のためにブログ「ねこねこ王国」運営をはじめた知見を活かし、現在は動物ライター&デザイナーとしても活動。

担当執筆者

nademo編集部

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猫のくしゃみの原因とは

人間がくしゃみをする理由には、ホコリなどを吸い込んだときについクシャンとする生理現象もあれば、風邪などの病気にかかったときもあります。

人間のくしゃみの大多数は生理現象であることが多く、一時的なくしゃみで終わるものです。

猫も同様に生理現象であれば心配ないのですが、病気でくしゃみをしているときがあります。

一時的なくしゃみであれば心配することも少ないでしょうが、病気を疑い始めると、飼い主さんにとっては気が気でないと思います。

猫のくしゃみにはどんな原因があるのか、その原因・理由を解説します。

異物による刺激

猫が異物を鼻から吸い込むと、鼻の粘膜が刺激されてくしゃみになります。異物とはハウスダストや煙、小さな虫などです。

通常は2~3回程度でくしゃみはおさまり、原因となった異物が排出されれば、くしゃみは収まります。

激しく運動した後には室内をどれだけ掃除していても多少のホコリは舞うものなので、そこからくしゃみをすることがあります。

ニオイによる刺激

猫の嗅覚は人間よりはるかに優れており、鼻や口から匂いを感じとる細胞の数は人間の2倍、嗅ぎ分ける能力は数万から数十万倍の嗅覚があります。

このため人間にとっては無臭、気にならないようなニオイでも猫にとっては刺激となり、くしゃみを起こす可能性があります。

人間にとってはなんでもない香りでも、猫にとっては強い刺激がある日用品は実はとても多いです。

当たり前に使っているもので気付きにくいものとしては、香水や洗剤、芳香剤、柔軟剤の匂いやタバコなども、猫にとっては避けたいものです。

アレルギー

猫も人間と同じようにアレルギーによってくしゃみが起こります。

代表的なものはハウスダスト、花粉、ダニなどです。アレルゲンが体内に入るとくしゃみ、鼻水、鼻詰まりといった症状が起こります。

アレルギーはくしゃみだけでなく、目の腫れやかゆさ、皮膚のかゆみなどもあります。アレルギーは動物病院のアレルゲン検査で知ることができます。

病気

猫のくしゃみを引き起こす病気は軽いものも、慢性的なもの、すぐに動物病院で治療が必要なものなど、いろいろあります。

くしゃみをしたからといってすぐに病気であると気付けるわけではありませんので、心配な場合は受診してみましょう。

特にくしゃみと併発して他の症状も見られるときには、様子見する必要はなく、動物病院を受診するのが適切です。

猫の逆くしゃみとは

くしゃみとは普通は勢いよく空気を吐き出す動作ですが、猫の逆くしゃみとは、発作性呼吸ともいわれ、鼻から勢いよく立て続けに息を吸い込みます。

通常のくしゃみとは違い、空気を吸い込む動作でもあるため、問題のないケースも多い逆くしゃみ。

見た目こそ、最初はビックリしてしまうものですが、原因を理解しておけば冷静な判断ができます。

逆くしゃみの原因

くしゃみは通常鼻や口から空気を勢いよく吐き出すものですが、逆くしゃみは名前のとおり、空気を思い切り吸い込むことで起こります。

呼吸困難のように見えるので一瞬ビックリしますが、ほとんどは通常のくしゃみと同じように、ホコリなど異物が原因で、すぐに収まることが多く心配ないことが多いです。

逆くしゃみを起こしやすい猫種

「ブサカワ」などといわれる鼻ぺちゃな顔が特徴の短頭種に起こりやすいです。

猫種としてはヒマラヤンペルシャエキゾチックショートヘアなど。鼻が長くない、特徴的な猫種たちです。

生まれつき鼻孔や鼻腔が短い、狭いなどでうまく呼吸がしにくいために、起こりやすいです。

逆くしゃみは問題ないことが多い

吸い込むときに発作のように息を苦しそうにしていたり、鼻からグーグーとかブーブーとか、大きな音がなることも多いです。

しかし、いずれも数回程度で終わることが多く、終わったらケロリとしています。

最初こそ心配になってしまうものですが、何度か経験すると心配ないことが多いというのも理解できるでしょう。

ただ、逆くしゃみはわかりにくいところがありますので、逆くしゃみが長く続いて心配な場合は動物病院で確認してくださいね。

猫のくしゃみから考えられる病気

病院

猫のくしゃみは、生理的なものであれば心配する必要はありません。ですが、その中には心配すべきものもあります。

くしゃみを始めとし、ウイルスや細菌による感染症の原因は多くあります。初期のうちはサラサラとした鼻水が出ますが、しだいに粘りのある膿のような鼻水に変わります。

特に子猫のうちや、シニアになってからは体力も少なく、ちょっとした見過ごしが重症になる可能性もあります。

猫風邪

猫風邪は猫のくしゃみの原因としてとても多く、人間の風邪によく似た症状を引き起こします。

ウイルスや細菌など猫風邪の原因もいろいろありますが、主な3つの原因をご紹介します。

猫カリシウイルス感染症

猫カリシウイルスが原因の感染症です。主な症状は以下の通りです。

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 発熱
  • 食欲低下
  • 口内炎
  • 口の中の潰瘍

ヘルペスウイルスが原因の猫ウイルス性鼻気管炎と症状は似ていますが、口の中に症状が出やすい感染症です。よだれや口臭の原因にもなります。

猫ウイルス性鼻気管炎

くしゃみや鼻水の他に、結膜炎、目やに、目の充血、涙など目や上部気道に症状が出やすいです。

ヘルペスウイルスが原因で、一度感染するとウイルスが体に残ります。

症状が一度おさまっても、免疫が落ちたときにぶり返します。

猫クラミジア感染症

くしゃみや鼻水の他に、結膜炎で目が赤くなったり、腫れる、ねっとりとした目やにが出やすいです。

クラミジアという微生物が原因で、子猫は重度の結膜炎になりやすいです。

全身に潜伏するため、免疫が低下している猫では肺炎になることもあります。

感染力が強いので、多頭飼育の家では他の猫に移さないように注意してください。

クリプトコッカス症

クリプトコッカスという名前の真菌(カビ)が原因です。

くしゃみ、粘りのある鼻水、鼻血などが特徴で、人や犬などにもあるのですが、猫の場合は感受性が強いため症状が出やすいです。

発生頻度は低いのですが、神経症状や鼻が曲がるなど、深刻な病状になることもあります。

鳥類のフンやその分で汚染された土などから感染します。外出させないのが一番の予防ですが、ハトなどが近くにいる場合は特に気をつけましょう。

副鼻腔炎(ふくびくうえん)

副鼻腔炎は、蓄膿症(ちくのうしょう)ともいわれる病気です。

鼻の穴の奥に鼻腔といわれる広めの空間があり、その奥に迷路のような構造をした副鼻腔があります。

副鼻腔炎は慢性鼻炎が進行して鼻の奥にある副鼻腔に炎症が起こった状態。人間の副鼻腔炎と同じように、くしゃみの他、黄色がかったネバネバとした鼻水が主な症状です。

感染症の他、ハウスダスト、花粉、異物、外傷、主要、ポリープなどさまざまな原因があります。

副鼻腔は奥にあり複雑な構造をしているため薬が届きにくく、完治はしにくいです。

アレルギー性鼻炎

人間と同じようにハウスダスト、ダニや花粉に対してアレルギーを持っていると、くしゃみなどの反応を起こすことがあります。

家庭によくある芳香剤、消臭剤、お香、柔軟剤、アロマなどもアレルゲンとなりえます。

くしゃみの他に鼻水鼻詰まり、皮膚のかゆみや皮膚炎といった症状を併発することがあり、放置すると重症になる可能性も。

歯周病

歯周病は口の中や歯の病気だと思われがちですが、上顎の歯は鼻の近くにあります。

歯を支える骨や口と鼻にある骨が溶ければ、細菌が鼻に到達します。

歯根の奥に炎症があると、鼻の粘膜に到達して炎症につながり、これがくしゃみの原因となることがあります。

高齢の7歳以上の猫には注意が必要です。

ポリープ、腫瘍

鼻の中にポリープや腫瘍ができることで刺激になり、くしゃみを起こすことがあります。

最初は片方の鼻から起こるのですが、腫瘍が鼻の真ん中の骨(鼻中隔)を溶かすと両方の鼻から鼻水がでるようになります。

腫瘍から出血があると鼻血になったり、腫瘍が大きくなると顔の変形が見られることがあります。

鼻にできるものは悪性腫瘍のケースも多いので、早期発見と治療が大切です。

特に7歳以上の高齢猫によく見られますので、中高齢期に差し掛かってきたらよく確認してあげてください。

猫のくしゃみの予防・対策

猫のくしゃみや、その原因となる病気を予防するためにどんなことをすればいいのでしょうか?

部屋を掃除することやこまめなブラッシング、適切な温度や湿度管理など、人間の健康管理のためにもなるものばかりですね。

部屋を清潔に保つ

人間同様にとても大事なことが、お部屋自体を清潔に保つこと。ハウスダストや花粉などを、できるだけ取り除きましょう。

掃除をこまめに行うのが基本ですが、人間の目に見えず、とらえられない汚れを除去してくれる空気清浄機を利用することもおすすめです。

猫のトイレはもちろんのこと、布団やシーツ、猫用のクッションなども選択して常に清潔にしておくこと。

花粉の季節は、玄関先で体をはたいてから室内に入りましょう。

こまめにブラッシングする

ブラッシングは猫の抜け毛を取り除いてくれます。猫の抜け毛が部屋に散らかることを防ぐだけでなく、猫が自分の体をなめて毛を飲みこむことを防いでくれます。

猫によってはブラッシングを嫌がることがありますが、ブラシの形を変えたり、やり方を変えればうまくいくことがあります。

ブラシはクシのような形、ワイヤーやシリコンゴムなどさまざまな材質があるのでいくつか試してください。

猫はシャンプーをしなくても自分で体をなめて清潔を保ちますが、体の汚れが気になる場合などは年に1~2度シャンプーをすると良いです。

水を使用しない泡状シャンプーや、体を拭き取るシートもありますので活用してみてください。

適切な湿度を保つ

空気が乾燥していると感染症にかかりやすくなります。

ウイルスは温度が低く乾燥した空気の中で増えていきます。ウイルスを増殖させないためには、湿度を適切に保つことが大切。

特に冬は人間が風邪を引きやすくなるのと同じように、猫も風邪を引きやすくなります。

気温が低く寒い上に、湿度も低くなるので注意してください。

乾燥した空気中ではくしゃみなどによりウイルスの飛沫が飛散しやすくなります。また、喉の粘膜が乾燥すると血の巡りが悪くなり、免疫が低下します。

室温は20℃~28℃、湿度は50%~60%が適切です。季節や環境によっても異なるので、あくまで目安として覚えておいてください。

温度計や湿度計を部屋に置き、必要に応じて加湿しましょう。また、換気を30分から1時間に1度ほど行います。

ワクチン接種を受ける

猫風邪の原因のうち、猫ヘルペスウイルスと猫カリシウイルスは、ワクチン接種で予防することが可能です。

ワクチンは年に1度。猫風邪の原因となるウイルス以外にも、クラミジアなどによる感染を防ぐことができます。

トリミングサロンなどの施設を利用する際にはワクチン接種証明書が必要になることも多いので、健康診断と併せて定期的に受けさせましょう。

愛猫のくしゃみが止まらないときの対処法

くしゃみの回数が多い、連発して止まらないなどの場合など、どのようなことに気をつけたらいいでしょうか。

また、動物病院をどのタイミングで受診をするべきでしょうか。

一時的なものなら問題なし

猫のくしゃみが単発であったり、数回程度で収まれば特に心配はありません。

普段から愛猫の様子を観察して、記録をつけておくと非常に便利です。アプリなどで手軽に管理できるものもありますよ。

くしゃみが何日も止まらないなど、次の章に出てくるような「いつもと違う」状態が続いたり、くしゃみや鼻水が普段と違う様子である場合は、獣医さんに診せてくださいね。

異変のあるくしゃみは動物病院へ

くしゃみの様子をよく観察しましょう。下記のような症状に気づいたり、その症状が続いたりした場合は動物病院を受診してください。

  • くしゃみが連続している、何日も続いている
  • 食欲が落ちている
  • 元気がない
  • 大量の鼻水が出ている
  • 鼻血が出ている
  • 鼻水に粘り気がある

など、他にも「いつもと違う」と感じることがあれば、病院に行くこと。

できればスマートフォンなどでくしゃみの様子を撮影しておくと、獣医さんも判断がしやすくなります。

「愛猫の調子が悪いのに撮影しているなんて…」と思うかも知れませんが、治療時に役立つ記録となってくれますよ。

愛猫の変化で気になることは獣医師さんへ相談

猫は不調があってもそれを見せないようにするため、早期発見が大切です。

気づいたときには手遅れ、とならないように、愛猫の健康管理は、日ごろから猫の様子を観察することから始まります。

普段から食べているフードや飲水の量などもチェックして、食欲不振や元気がないなどの変化を見逃さないようにしましょう。

普段からの様子をノートにつけておくこと、病院で定期的な検診を行い、「普段と違う」異常に気づく飼い主の心構えが重要。

また、くしゃみなどの症状はスマートフォンで撮影しておくと、動物病院での診察のときに参考になります。

愛猫の健康を守るのは飼い主の責任です。そのためにはまず飼い主自身が元気でいられるように、自分自身の健康管理も大切ですね。人間と猫がともに長く楽しく元気で暮らせますように。

この記事の執筆者

執筆・監修者の情報

らみえる

らみえる

ライター、動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士

会員制猫専用ホテル&ペットシッターキャッツカールトン代表。
動物取扱責任者、愛玩動物飼養管理士。慶應義塾大学卒、大手企業で企業で広報、編集、校正の仕事に従事していた経験や、猫の保護活動のためにブログ「ねこねこ王国」運営をはじめた知見を活かし、現在は動物ライター&デザイナーとしても活動。

執筆者情報

nademo編集部

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