猫は元々後ろ足で耳をかく仕草をよくしますが、耳をかく仕草が頻繁になったり激しく頭を振るようになると、なんらかのトラブルを抱えていたり、病気の可能性が高まります。
放っておくと重大な病気や怪我の原因になってしまうかもしれないので、「ただ耳をかいているだけ」と思わず適切なタイミングで動物病院を受診する必要があります。
今回の記事では猫が耳を頻繁に耳をかく時はどんな病気の可能性があるのか、受診のタイミングや予防法と一緒にご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の結論
- 猫が耳をかく原因はさまざまで、病気に限らず精神面が原因になることもある
- 外から見える外耳の部分は、被毛や環境の影響を受けやすく、荒れやすい部分
- 猫の耳はデリケートなので、飼い主さんがお手入れするのは外から見える「耳介」まで
- 気づきにくい猫の耳の病気にいち早く気づくため、普段からの観察やコミュニケーションは欠かさずに
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目次
猫がよく耳をかく原因
猫が耳をかく原因は、なんらかの要因で炎症を起こしているからというだけでなく、精神的なものから寄生虫までさまざまな理由が存在します。
ストレスを感じることでかくようなこともあれば、異物や寄生虫などが原因となることもあります。
何かしらの異常が見られる場合は特定しやすいですが、専門家でなければわからないようなこともあります。
普段から愛猫の耳の中をチェックしておいたり、行動に異常がないか観察するなどしておくと、早期発見早期解決につながります。
ストレス
猫はストレスを抱えていると、体の一部に対して過剰にグルーミングを行ってしまいます。
この場合は痒いからかいているのではなく、気持ちを落ち着かせているためにかいている場合が多いです。
過剰なグルーミングの他にも、イカ耳になっていたり、尻尾を小刻みに振っていたり、ストレスによる異常行動が見られる場合は何がストレスになっているか原因を突き止め、できるだけ取り除いてあげると良いでしょう。
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異物
外に出入りし草むらに好んで入る子は、植物の種や塵などの異物が耳に入りやすくなります。
異物が耳に入ってしまうと違和感から耳を頻繁に気にしたり、頭を降ったり、耳をかいたりしてしまいます。
気にするあまり耳を触りすぎてしまうと外耳道を傷つけ、外耳炎の原因になることも。
愛猫が外出から帰ってきたら、コミュニケーションの一環として耳の見える範囲を部分をチェックし、表面を優しく拭いてあげると良いでしょう。
また、こうしたリスクを考えると、やはり猫の放し飼いは適切ではないと理解していただけるのではないでしょうか。
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感染症
猫が罹りやすい感染症として、猫ウイルス性鼻気管炎、猫クラミジア感染症などがあげられます。
このような感染症に罹ると辛い感染症状に加えて、精神的にストレスを感じてしまう場合があります。
前述したようにストレスも過剰に耳をかく原因になるので注意が必要です。
感染症はワクチンで予防できるものもあるので、定期的なワクチン接種が症状を悪化させないためには重要。
細菌やウイルスは家の中にも入ってくるので、室内飼いの猫も感染症には注意が必要です。
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アレルギー
食べ物やハウスダスト、花粉などの環境原因にアレルギーを持っている猫は、アレルギー反応によって耳を痒がることがあります。
食べ物の場合は牛肉、豚肉、ラム肉、乳製品、卵などがアレルギー原因の一因とされています。
飼い始めたばかりや、フードを変更したばかりの場合は注意が必要です。
いつもより嘔吐していないか、耳を気にしていないかなど様子をチェックしておくと良いでしょう。
アレルギー反応を起こしアトピー性皮膚炎などの症状が出ると、耳を掻き壊して外耳道を傷つけ、二次的に外耳炎を起こしやすくなってしまうので注意が必要です。
寄生虫
猫の寄生虫は大きく分けて、体の外に寄生する外部寄生虫と、体の内部に寄生する内部寄生虫の2種類に分けられます。
主に耳に強い痒みを引き起こさせる要因となるものは外部寄生虫。ノミ、ミミヒゼンダニ、シラミなどがあげられます。
ノミは気温が13℃あれば繁殖可能なので、室内は格好の繁殖場所。一度、室内に連れ帰ってしまうと、適切に対処しなければイタチごっこのように増え続けてしまうのです。
猫はノミに寄生されるとノミアレルギー性皮膚炎を発症することがあるので、ノミを発見した場合は早急に対策を行います。
対策としては、動物病院でノミ駆除薬を処方してもらうと良いでしょう。
その次に、猫の毛フケに似た動く白い粉のようなものがついている場合は、シラミの可能性が高いです。
シラミは無症状なこともありますが、痒みや炎症などの皮膚トラブルを引き起こす原因にもなりえるので、見つけた場合は対策するのが無難です。
駆除薬の他、駆除効果のあるシャンプーを使用すると良いでしょう。
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猫がよく耳をかく際に考えられる病気
この項目では、猫がよく耳をかく際に考えられる病気をご紹介します。
中には放っておくと重症化したり、病気を繰り返すようになるなど、猫にとってつらい状況になってしまうものもあります。
いざという時しっかりと対策が取れるようチェックしておきましょう。
外耳炎
猫において、一般的によく見られる耳の病気は外耳炎です。
外耳炎はなんらかの疾患で免疫力が下がったり、アレルギー症状を起こしたり、生まれつきの耳の形に問題があったりとさまざまな要因で発症します。
外耳炎の症状が悪化すると、耳に触れることを嫌がったり、かさぶたや脱毛、体液によるジクジクとした湿り気が見られることがあります。
そのため、下手に様子見をすることなく、早期に医療機関を受診することが重要です。
放置してしまうと、生活にストレスを感じてしまう他、外耳道の閉鎖、耳が聞こえにくくなるなどの症状が発症する可能性が高まりますので、放置せず病院を受診しましょう。
中耳炎
中耳炎は鼓膜の奥にある鼓室という部分に炎症が起こった状態です。主に外耳炎が重症化して発症し、鼓膜が破れている場合もあるので注意が必要です。
中耳炎になると耳の痒みだけでなく、耳の中がひどく痛むため、食欲不振・元気消失・発熱などの症状がみられるようになります。
さらに重症化すると炎症が内耳に波及し、顔面の神経や平衡感覚を司る器官に障害が出ることがあります。
前述した通り主に外耳炎が重症化して発症する他、猫風邪や鼻咽頭ポリープなども発症の原因になりえます。
中耳炎は猫にとってつらい症状が出てしまうので、早めに病院を受診しましょう。
耳疥癬症(耳ヒゼンダニ症)
猫が耳を痒がる原因のひとつに、「ミミヒゼンダニ」という目に見えないほど小さなダニが要因の場合があります。
ミミヒゼンダニは、耳の穴の中を好んで寄生する小さなダニで、感染すると激しく痒がる他、耳から黒い砂のような耳垢が大量に出る、異臭がするなどの症状がでます。
ミミヒゼンダニの感染原因は、感染した猫との接触や、ブラシやタオルの共有が含まれます。
そのため、感染した猫との接触を避けることや、ブラシやタオルなどの体に触れるアイテムは共有しないことが感染予防に繋がります。
感染が確認された場合、ミミヒゼンダニを駆除するための薬剤を投与する必要があります。
一般的な治療法としては、首の後部に薬を滴下する形で投与する「セラメクチン」という駆虫薬が用いられます。
ミミヒゼンダニは卵から成虫になるのに3週間ほどかかるので、治療は数週間の間隔を空けながら複数回行う必要があります。
またほとんどの場合、外耳道が傷つき細菌などの感染により外耳炎も併発しているので、外耳炎の治療も行います。
猫の外耳道は傷つきやすいので、自宅では耳の周辺を拭く程度にして、外耳道は病院にお任せするのが良いでしょう。
猫の耳の病気を予防する方法
猫の耳の病気を予防することで、過剰に耳をかいてしまうのを防ぐことができ、耳をかくことで発症するさまざまな病気を防ぐことができます。
病気の予防は愛猫とのコミュニケーションの一環にもなりますので、ぜひ参考にして実践してみてください。
汚れは早めに拭き取り、常に清潔に保つ
特に放し飼いの猫は室内飼いの猫よりも汚れる機会が多いので、耳の見えている部分を中心に優しく汚れを拭き取ってあげると良いでしょう。
また室内飼いの猫も、「折れ耳」の種類の方が通気性が悪くなるため耳が汚れやすい傾向にあり、立ち耳の猫種よりもお手入れが必要になってきます。
しかし猫の耳には自浄能力が備わっているので、それほど頻繁にお手入れを行う必要はありません。
むしろ頻繁に行ってしまうと、耳を傷つける原因にもなりかねないので、愛猫のコンディションを見ながら、嫌がるならすぐ辞めるなどして少しずつ行いましょう。
お手入れの方法は下記項目に後述してありますので、参考にしてみてください。
異物がないか定期的にチェックする
前述した通り、放し飼いの猫は草むらなどに入ってしまうと、植物の種や塵などが入りやすい傾向にあります。
愛猫が外から帰ったら、コミュニケーションの一環として耳の中に異物がないか定期的にチェックすると良いでしょう。
もちろん室内飼いの猫も、異物が入りこむ可能性が全くないとは言い切れません。
愛猫が近くに来た時や甘えたいタイミングを狙って、耳の中のチェックも行いましょう。
普段から愛猫の耳をチェックしておくと、異変にもすぐ気づけるようになり病気の予防につながります。
耳ダニには耳ダニ駆除薬
前述したミミヒゼンダニなどの寄生虫には、駆虫薬を使用することが有効です。
病院を受診して薬をもらう方が確実で、市販のものは個人輸入などが含まれていることも多いです。
個人輸入のものと動物病院で仕入れているものでは安心感が違うため、必ず動物病院で購入するようにしましょう。
猫の耳の正しいお手入れ方法
猫の耳は繊細なので、間違ったやり方をすると傷ついたりして病気の原因になってしまいます。
正しいお手入れ方法を覚えて、愛猫の健康を守ってあげましょう。
耳掃除はガーゼなどを使い、耳介だけをお手入れする
猫の耳は繊細なので、傷つけないようガーゼやコットンを使用してお手入れを行います。
また、自分では奥まった耳道まで掃除せず、見えている「耳介」部分の掃除にとどめておきましょう。
お手入れ方法は以下の通りです。
- 柔らかいガーゼやコットンを湿らせて優しく拭き取ってあげます。
- 耳垢などがこべりついていてなかなか取れない場合は、猫の耳掃除専用の洗浄液(イヤークリーナー)を使用すると良いでしょう。
綿棒などの細いものは、傷付ける可能性があるので使用しない方が安全です。
オリーブオイルはガーゼに少量染み込ませて滑りを良くする程度であればOKですが、耳の中に垂らすのはNGです。
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お風呂はシャンプー液や水が入らないようにし、しっかり洗って水分を拭き取る
猫は水に濡れることを嫌がるので、お風呂ではシャンプーや水が入らないように注意しながらお手入れを行います。
耳は湿らせたガーゼやコットンで優しく拭きあげ、最後に渇いたタオルで耳の中まで軽く拭います。
猫は自ら頭を振って耳の水を出すので、深追いして拭く必要はありません。
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耳の病気になりやすい猫種
猫の耳には古い角質や分泌物を排出する自浄能力が備わっているので、ある程度の異物や病原菌は排出することが可能です。
しかし、一部の猫種には耳の形が原因となり、耳の病気にかかりやすい種類の猫が存在します。
アメリカンカール
カールした耳が特徴のアメリカンカールは、その特徴的な耳のカタチで耳道が狭く、外耳炎にかかりやすい傾向があります。
特に免疫の低い子猫や老猫は注意が必要です。
耳が蒸れやすい夏場に起こりやすいので、こまめに耳をチェックしてあげると良いでしょう。
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スコティッシュフォールド
折れた耳が特徴のスコティッシュフォールドですが、実は70%の確率で立ち耳の子が生まれます。
折れ耳が生まれる確率は30%。スコティッシュフォールドは、耳が折れている時点で骨軟骨異形成症を患っています。
その特徴的な折れ耳は通気性を悪くさせるため、外耳炎を発症しやすくなる原因となっています。
特に蒸れやすい夏場は注意が必要ですが、1年中通してこまめに耳のチェックを行うことが重要です。
また、折れ耳ほどではありませんが、立ち耳のスコティッシュフォールドも一般的な猫と同じように耳のチェックを行うことが必要です。
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気づきにくい愛猫の耳の中は定期的に確認することが重要
猫は病気になっても気づきにくい生き物なので、飼い主さんがいち早く愛猫の異変に気づけるよう、普段からのコミュニケーションを通して耳の中をチェックしてあげる必要があります。
それでも見えない部分だと気づきにくいもの。
普段より耳を気にしていないか、過剰にかいていないか、頭を振ったり床や壁に擦り付けたりしていないか、愛猫の行動を良く観察しておくことが大切です。
愛猫を守ることができるのは飼い主さんであるあなただけ。
もし異常行動や普段と違う様子がみられた場合は、いち早く動物病院を受診しましょう。
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この記事の執筆者
WEBライター/LINEスタンプクリエイター/医療事務
通算10年以上アパレルで働き、店長補佐&接客指導を担当。
「自分のペースで働きたい」という思いが大きくなりアパレルを退職。
現在はフリーランスのWEBライター&時々LINEスタンプクリエイターとして活動中です!
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nademo編集部
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