猫が大のお風呂嫌いということは有名な話で、愛猫と一緒に暮らしている人なら誰もが知っているでしょう。
汚れをさっぱり落とし、体をほぐす時間は人間にとっては贅沢なひとときですが、猫にとってはそうではありません。
本記事では、そもそも猫にお風呂は必要なのか、嫌がるときはどうしたらいいのかなど対処法を解説しています。
愛猫の入浴について困っている人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
この記事の結論
- そもそも猫は本能的に水を嫌う動物であるということを理解しておく
- お風呂に入れるペースは半年に1~2回に留めておくのが理想的
- お風呂に入れる前は事前に健康状態を確認し、お手入れに必要なものを準備しておく
- お風呂を嫌がる場合は、濡れタオルやウェットシートで拭く
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目次
猫は本能的にお風呂など濡れるのを嫌う動物
そもそも猫は、本能的に水を嫌う動物です。そのためお風呂やシャンプーを嫌がるのは、一般的な猫なら当然の行動だと言えるでしょう。
これは猫の祖先が、砂漠地帯で暮らしていたことが理由とされています。
砂漠は昼夜の寒暖差が激しく、体が濡れて体温が奪われてしまうことは生命の危機に関わります。
また縄張り意識の強い猫は、水に濡れることで自分のニオイが流されることを不快・不安に感じることもあります。
こうした理由から「濡れることは危険・怖い」という本能が働き、お風呂嫌いな猫が多いのです。
猫のお風呂の必要性
猫には基本的にお風呂は必要ありません。人間は汗をかくと体臭が気になりますが、猫は汗をかかないのでほとんど体臭がしないのです。
また、猫はとてもキレイ好きな動物なので、一日に何度も毛づくろいをして清潔を保っています。この毛づくろいだけで、基本的にはキレイに保つことができています。
ただ、ブラッシングだけでは汚れが取りきれなかったり、ニオイが気になる場合のみお風呂に入れてあげましょう。
基本的にシャンプーは必要ない
猫をお風呂に入れる際、基本的にシャンプーは必要ありません。ぬるま湯で優しく汚れを落とすだけでOKです。
必要以上にシャンプーをすると、皮膚が乾燥する原因となります。逆効果になってしまうこともある、ということをあらかじめ理解しておきましょう。
ただ、動物病院などでは治療の一環としてシャンプーが使われることもあります。
真菌感染症(カビ)などの症状がある場合には、放置すると脱毛が広がることもあるため専用のシャンプーが使われます。
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汚れやニオイが酷ければシャンプーを検討する
あまりにも汚れていたりニオイがキツイ場合には、シャンプーを検討しましょう。
歯周病などお口にトラブルがあると唾液のニオイがきつくなり、猫が自分で毛づくろいをすることで全身が臭くなってしまいます。
その場合は何度シャンプーしてもニオイは改善できないため、速やかに動物病院を受診してください。
とはいえシャンプーを嫌がる子は多いです。飼い主さん自身で判断するのではなく、獣医師に相談してから判断しても良いでしょう。
野良猫を迎え入れる場合はシャンプーするのがベスト
野良猫を保護した際は、最初に一度シャンプーをしてあげるのがおすすめ。
外で暮らしていた猫には、ノミ・ダニや汚れなどが付着していますので、キレイにしておきたいですよね。
先住猫がいる場合には病気の原因にならないよう、シャンプーが必要となるケースも多いです。
まずは動物病院でノミ・ダニの処理を済ませ、その後にシャンプーをして汚れを落としてあげましょう。
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猫をお風呂に入れる前に確認・実施すること
どうしても猫をお風呂に入れる必要がある際は、事前に愛猫の健康状態を確認しておく必要があります。
ここでは入浴前に確認・実施すべきことを解説するので、チェックしてみてください。
体調を確認する
お風呂に入れる前には必ず、熱がないか?体調に異変はないか?などの体調面をよく確認しましょう。
猫にとってお風呂はストレスがかかることであり、かなり体力を消耗します。体調が悪いのに怖がって暴れてしまえば、余計に体調を悪化させてしまう可能性もあり得ます。
体調が悪いときにはより疲れてしまうお風呂を避けて、元気があるときに検討するようにしましょう。
また、ワクチン接種後・手術後・妊娠中のお風呂は避けてください。体調が悪化する危険性もあります。
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お風呂場の環境やグッズに慣れさせる
水が嫌いな子の多い猫は、お風呂自体に馴染みがありません。そのため、お風呂に入れる前には、必ずお風呂場の環境に慣れさせます。
まずはお風呂場へ何度か連れて行き、見知らぬ場所ではないということを認識してもらいましょう。
お風呂場に慣れてきたらシャワーやドライヤーの音に慣れさせ、最後にシャンプーの香りやお湯(シャワー)を浴びることに慣れてもらうのがおすすめです。
爪を手入れしておく
爪が伸びている場合は、事前に切っておくのがベスト。猫は濡れるのが嫌いなので、お風呂では逃げ出そうと暴れることがよくあります。
日常的にお手入れしていれば問題ありませんが、爪とぎなどで爪をキレイに研いでいると、飼い主さんがケガをすることもあります。
引っかかれてケガをすると、細菌を含んでいた場合、重症になる可能性もあります。
暴れるかどうかは実際にお風呂に入れてみないとわからないところなので、安全策として爪は切っておきましょう。
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耳の状態を確認しておく
外耳炎などの耳の病気にかかっていないか確認します。汚れがあれば耳掃除をしておきましょう。
耳垢があるままお風呂に入ると、湿気を含んだ際に耳の奥に耳垢が詰まってしまいます。
通常であれば自然に排出される耳垢が、お風呂によって耳の奥に詰まるとさまざまな病気を引き起こす可能性があるのです。
外耳炎の子はもちろん、中耳炎になる危険性も考慮して判断しましょう。
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ブラッシングをしておく
人間の場合にもシャンプー前にブラシで髪をとかしておくと良い、と言われるように猫の場合にもブラッシングをしておくのがおすすめです。
お風呂に入れる前に、丁寧にブラッシングをしてあげることで、汚れを落としやすくなります。
猫の毛は水に濡れるとフェルト状に固まり、ほどけなくなってしまいます。そのため事前にとかしておかないと、適切なシャンプーができません。
また、毛が絡まっていると汚れをしっかりと落とすことができません。
ブラッシングだけでも多くの汚れを落とすことができるため、ぜひやっておきましょう。
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愛猫をお風呂に入れる前に準備する物
お風呂嫌いな動物は多く、入浴中に色々と準備していては危険なことも多いです。
あらかじめお風呂の付近に使うものを用意しておくと、スムーズに入浴させられますのでおすすめですよ。
柔らかめのブラシ
出典:Amazon
お風呂に入れる前のブラッシングや、毛を乾かす際にはブラシがマストアイテムです。
濡れた皮膚を傷めないように、なるべく柔らかめのブラシをチョイスしましょう。
入浴前、入浴後にも使えますので必須アイテムとも言えるでしょう。
被毛が濡れた状態でブラシを使いたい場合は、後で洗うこともできるラバーブラシなどが使いやすいですよ。
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猫用シャンプー
出典:Amazon
シャンプーを使って体を洗う際は、必ず猫用のシャンプーを使用しましょう。
人間用のシャンプーは猫にとって刺激が強く、必要な皮脂を落としすぎてしまうのでNGです。
また、人間用のシャンプーの中には猫にとって有害なものが含まれていることもあるため、もし舐めてしまったら危険です。
皮膚病にかかっている子であれば、獣医師の処方したシャンプーを必ず使うようにしてください。
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ペット用のバスタブや洗面器
出典:Amazon
ペット用のバスタブや洗面器を準備します。洗面台にお湯を張る方法でもOKです。
人間であればシャワーで洗い流すことも苦ではありませんが、猫にとっては辛いものです。
キレイに洗い流す必要はありますが、まずはお湯を溜めてシャワー時間を少なくできるようにしてあげましょう。
ハンドタオルとバスタオル2~3枚
お風呂が終わったらすぐに体を拭いてあげられるように、小さめのハンドタオルとバスタオルを2~3枚準備してください。
ハンドタオルは顔まわりなど細かな部分を拭く用に、バスタオルは体全体を拭く用に使います。
体が濡れたままでは体温を奪われてしまい、体調を崩してしまう可能性があります。
お風呂が終わったらすぐにタオルで拭いて、体温を奪われないようにしてあげましょう。
ドライヤー
出典:Amazon
毛を素早く乾かすためには、人間と同じくドライヤーが必要です。
大きな音がするため怖がる場合もありますが、嫌がらない場合はドライヤーをかけて乾かしてあげましょう。
順番としては先にタオルドライ。そして水気が少なくなったら、ドライヤーで早めに乾かします。
嫌がるときには無理に使わないよう、注意しましょう。
子猫のうちから音に慣れてもらえれば、ドライヤーをあてていても気にしなくなりますよ。
猫のお風呂の入れ方と洗う時の手順
愛猫をお風呂に入れることは難しいことではないものの、手順を理解しておいた方が安全に入浴できます。
なるべく猫のストレスを軽減するためにも、手早くかつ優しく丁寧に行うのがポイントです。
ステップ1. お湯は35℃前後のぬるま湯にして猫用シャンプーを溶かす
まずはバスタブにぬるま湯を張って、そこに猫用のシャンプーを溶かします。
お湯の温度は高すぎても低すぎても良くないので、ぬるま湯となる35℃前後に調整しましょう。
熱すぎると猫が驚いてしまったり、皮脂が落ちすぎて乾燥してしまいます。冷たすぎると風邪を引きます。
人間の手で触って少しぬるく感じるくらいでOKです。
ステップ2. 愛猫をお湯に入れてやさしく洗う
嫌がる子も非常に多いので、ゆっくりと様子を見ながらお湯につけて優しく洗います。
特に顔が濡れることを嫌がるので、お湯につけるのは首あたりまでに留めましょう。
頭や顔付近はぬるま湯を含ませた柔らかいスポンジなどを使い、丁寧に洗います。
肛門付近は汚れやすいため、より丁寧に洗ってあげてくださいね。
ステップ3. 洗い流してトリートメントする
シャンプーをすると皮脂も多く落としてしまいがちなので、乾燥しないようにトリートメント(リンス、コンディショナー)も行っておくのがおすすめ。
一般的にはトリートメントインシャンプーやリンスインシャンプーになり、これらを使えば手間も減ります。
毛ヅヤをキレイに保ち、被毛が乾燥しないように、トリートメントもぜひ行いましょう。
ステップ4. 洗い流してタオルドライする
トリートメントを洗い流し、しっかりとタオルドライをします。
どうしてもシャワーを嫌がってしまいがちですが、少なくとも洗い残しのないように注意しましょう。
洗い残しは皮膚病の原因になってしまうため、入念に洗い流します。
タオルドライはゴシゴシと擦るのではなく、タオルを体に押し当てるようにして優しく拭いてあげましょう。
ドライヤーの時間をなるべく短くするため、複数枚のタオルを使ってしっかりと水気をとってあげることが重要です。
ステップ5. 愛猫の様子を見ながらドライヤーで乾かす
ドライヤーはとても大きな音が出るため、使用する際には愛猫の様子をうかがいます。
少しずつ当てて反応を見ながら、風が強すぎない弱風に設定するのがおすすめです。
温度は低めに設定し、体から20cmほど離してドライヤーをかけます。
手ぐしを使って温度を確認しつつ、根本にしっかりと風を送って乾かしましょう。
ステップ6. 乾いたらブラッシングで毛並みを整えて完了
体がしっかり乾いたら、ブラッシングして毛並みを整えて完了です。
終わったあとはいっぱい誉めてあげてくださいね。
猫をお風呂に入れる場合の頻度は半年に1~2回を目安に
体の汚れが気になる場合でも、お風呂は半年に1~2回に留めましょう。毛玉のできやすい長毛種であったとしても、年に2~4回ほどで十分です。
あまり頻繁にお風呂に入れると、必要な皮脂を落としすぎて皮膚トラブルの原因にもなります。
基本的には猫の毛づくろいに任せましょう。
愛猫がお風呂を嫌がるときの対処法
いざ愛猫をお風呂に入れようとしても、嫌がって大暴れしてしまう……。
そんな経験をしたことがある飼い主さんも、多いのではないでしょうか。
ここでは、猫がお風呂を嫌がる場合の対処法をご紹介します。
濡れタオルやペット用ウェットシートで拭く
出典:Amazon
どうしても入浴が難しい場合には、水で湿らせたタオルや市販のペット用ウェットシートで拭いてあげましょう。
目や口の周り・肛門周りなど体の一部が汚れているくらいであれば、拭いてあげるだけで十分です。
日常的なブラッシングとこれだけでも、多くの汚れを落とすことができますよ。
洗い流す必要のないドライシャンプーをする
出典:Amazon
お風呂がどうしても苦手な子に対しては、洗い流さないドライシャンプーも便利です。
ドライシャンプーは水のいらないシャンプーで、ドライシャンプーを使えば後で洗い流す必要がありません。
泡・スプレー・パウダーなどさまざまなタイプがあるので、使いやすいものを選んでみてください。
ただし、中には香りが強いものもあり、猫が嫌がる場合もあるので注意が必要です。
トリミングサロンでプロに洗ってもらう
自力では不可能なほどに猫が暴れる場合は、トリミングサロンにお願いする方法もあります。
無理に自宅でお風呂に入れるよりは、プロにお任せすることも検討してみてくださいね。
ただし、手に負えないほど暴れるようだと施術をお断りされることもあります。
必要なときにトリミングサロンも使えるよう、ある程度は自宅で慣れてもらうのが良いでしょう。
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猫がお風呂についてくる理由とは
飼い主さんがお風呂に入っていると、愛猫がお風呂場までついてくることがよくあります。
猫はお風呂が嫌いなはずなのに、なぜついてくるのでしょうか。
飼い主さんの行動が気になる
単純に飼い主さんの行動が気になってついてきます。もしくは、家の中をパトロールする意味もあるのだとか。
自分の見えないところで飼い主さんがなにをしているのか気になり、好奇心からついてきていると考えられます。
お風呂に入りたくて付いてきている、というケースは少なく、あくまで気になっているというだけ。
嫌がっていないならば、水を手先に少しだけつけて愛猫の反応を見てみるのも良いでしょう。
構ってほしい
お風呂場や洗面所は人間も使うスペースで、日常的に長い時間、使用している人も多いはず。
そうなると一定時間は愛猫に構うことができなくなるため、猫側からすると「飼い主さんに構ってほしくてついてきている」という説も。
飼い主さんと離れる寂しさや不安からついてきている場合もあるので、お風呂の中から声をかけて不安を和らげてあげましょう。
猫のお風呂に関する気になるQ&A
いざ猫をお風呂に入れる際「これってどうなの?」と、心配になることも多いですよね。
ここでは、猫のお風呂にまつわるQ&Aをまとめてみました。
猫をお風呂に入れるのは何歳から?
猫をお風呂に入れるのは、生後3か月を過ぎてからにしてください。
生まれたばかりの子猫は体温調節がうまくできず、全身が濡れて急激に体温が下がると命に関わります。
生後3か月を過ぎてワクチンを接種し、抵抗力がついてから入浴を開始しましょう。
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猫の中にもお風呂が好きな子はいる?
猫にも人間同様個性があり、お風呂が好きな子もいます。
小さいときから慣れさせていると、お湯の中で気持ちよさそうにリラックスする猫もいるのだとか。
ですが、どんなにお風呂好きであっても猫に負担がかかることに変わりないので、頻繁な入浴は避けてくださいね。
この記事の執筆者
nademo編集部
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