つぶらな瞳と垂れ耳、そして「スヌーピー」のモデルとしても有名なビーグル。その愛らしい見た目からは想像できないほどの、明るく陽気で活発な性格を持っています。しかし、「吠え癖が心配」「食欲旺盛で太りやすいと聞くけど大丈夫?」と、飼い方に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ビーグルの歴史から性格、そして健康で幸せに暮らすための飼い方、しつけのコツ、日々のケアまで、飼い主さんが知っておくべき情報を網羅的にご紹介します。
特に、吠え癖や豊富な運動量の重要性、そして食いしん坊なビーグルのための食事管理について詳しく解説。これからビーグルを迎えようと考えている方はもちろん、すでに一緒に暮らしている方も、愛犬との生活をより豊かにするためのヒントがきっと見つかるはずです。
この記事の結論
- 嗅覚ハウンド犬に分類され、国内でも飼育頭数が多く人気の犬種
- 人懐っこく寂しがり屋な性格をしており、食欲、好奇心が旺盛で活発
- 平均寿命は犬全体で見るとやや長めの12歳~15歳で、最高齢28歳のビーグルも
- ダブルコートで抜け毛が多いので、毎日のブラッシングは必須
目次
ビーグルとは?基本情報と歴史

野ウサギやキツネの穴に潜り込めるくらい小さなボディでありながら、がっしりとした筋肉質でタフ&アクティブ。嗅覚ハウンドのビーグルは、鋭い嗅覚で獲物を追跡し、追い詰めると大きな吠え声でハンターに知らせます。
「森の鈴、森のトランペッター、草原の声楽隊」などと呼ばれるように、よく通る鳴き声の持ち主です。
そんなビーグルは愛嬌があって表情豊か。大好きな飼い主さんに褒められるとしっぽをフリフリしたり、ピョンピョン飛び跳ねたり、顔中舐めてくれる子も。
数頭で狩りを行っていた習性からチームワーク力を発揮するのは得意なことから協調性があり、多頭飼いやお子さんのいるご家庭に向いています。
やんちゃで遊ぶことが大好き
人見知りをせず、懐きやすい
寂しさから吠えることもある
太りやすく、運動量が十分に必要
その他情報
原産地 | イングランド |
犬種グループ | 6G:嗅覚ハウンド |
大きさ | 中型 |
平均寿命 | 12歳~15歳 |
なりやすい病気 | 椎間板ヘルニア,外耳炎,副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群),白内障,緑内障 |
参考価格 | 20万円~30万円 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | トライカラー,ホワイト&タン,ブラウン&ホワイト,レッド&ホワイト,レモン&ホワイト,オレンジ&ホワイト |
ビーグルの原産地と歴史的背景
ビーグルの起源は古く、はっきりとしたことは分かっていませんが、古代ギリシャ時代にはすでにビーグルに似た犬がいたとされています。
現在のビーグルの祖先は、中世のイギリスでウサギ狩りなどの狩猟犬として活躍していました。
その名前の由来には諸説ありますが、フランス語で「小さい」を意味する「be'gueule(ベーグル)」からきているという説や、獲物を追いかける際に吠える様子から「beagler(ビーグラー)」と呼ばれていたという説が有力です。
狩猟犬としての起源と使役
ビーグルは、元々狩猟犬として活躍していました。その最大の武器は、優れた嗅覚と持久力です。獲物の匂いを追跡する能力に長けており、ウサギやキツネなどの小動物を追いかけるために使役されていました。
彼らは狩りの際に集団で行動するため、協調性や社交性を持ち合わせています。この狩猟犬としての歴史が、現在のビーグルの食欲旺盛な性格や、吠えるという習性、そして豊富な運動量を必要とする理由に繋がっています。
日本におけるビーグルの人気と現状
日本では、漫画「ピーナッツ」に登場するキャラクター「スヌーピー」のモデルとして広く知られており、その愛らしい見た目から人気を博しています。
しかし、その見た目からは想像できないほどの活発な性格や、吠え癖、食欲旺盛な性質を理解せずに飼い始め、手に負えなくなってしまうケースも少なくありません。
近年では、ビーグルの特性を正しく理解した上で迎え入れることの重要性が認識されつつあります。
ビーグルの特徴と魅力
筋肉質でがっしりとした体格
ビーグルは、体高約33〜40cmほどの中型犬ですが、見た目以上に筋肉質でがっしりとした体格をしています。これは、狩猟犬として野山を駆け巡るために必要な、強靭な体力を物語っています。
短い毛は硬く密生しており、防水性に優れているため、雨の日でも活発に動き回ることができます。愛らしい外見と、たくましい体格のギャップも魅力の一つです。
陽気で人懐っこい性格
ビーグルは、非常に陽気で人懐っこい性格の持ち主です。初対面の人や他の犬にも友好的に接するため、小さな子供のいる家庭でも飼いやすいとされています。
好奇心旺盛で遊び好きなので、毎日一緒に遊んであげられる時間を作ってあげましょう。
寂しがり屋な一面もあり、一人でいる時間が長いとストレスを感じてしまうため、家族との時間を大切にしてあげる必要があります。
食欲旺盛で食べることが大好き
ビーグルは食欲旺盛で、食べることが大好きな犬種として知られています。そのため、テーブルの上に置いてあるものを勝手に食べてしまったり、ゴミ箱を漁ったりすることがあります。
この食欲旺盛な性格は、時に肥満につながることもあるため、食事の管理を徹底することが重要です。
また、この性質を利用して、おやつを使ったしつけやトレーニングはスムーズに進みやすいというメリットもあります。
ビーグルの注意すべき病気と健康管理

ビーグルが健康で長生きするためには、日々の健康管理とケアが不可欠です。比較的丈夫な犬種ですが、特にかかりやすい病気がいくつかあります。
特に、遺伝的な疾患や、彼らの特徴的な体型・性質からくる病気には注意が必要です。ここでは、ビーグルが健康を維持するために飼い主さんが知っておくべきポイントを解説します。
かかりやすい病気と予防法
ビーグルは比較的丈夫な犬種ですが、特にかかりやすい病気がいくつかあります。日頃から愛犬の様子をよく観察し、異変があればすぐに動物病院を受診しましょう。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が飛び出し、脊髄を圧迫することで、痛みや麻痺を引き起こす病気です。ビーグルは胴が長いため、この病気にかかりやすい傾向があります。
- 予防法: 肥満を予防し、無理なジャンプや階段の上り下りを避ける、滑りやすい床にマットを敷くなどの対策が有効です。
外耳炎
垂れ耳のビーグルは、耳の中に湿気がこもりやすく、細菌や真菌が繁殖しやすい環境にあるため、外耳炎にかかりやすいです。
- 予防法: 定期的に耳の中をチェックし、専用の洗浄液で優しく耳掃除をしてあげましょう。
肥満と糖尿病
ビーグルは食欲旺盛なため、肥満になりやすい犬種です。肥満は、糖尿病や関節炎など、さまざまな病気の原因となります。
- 予防法: 適切な食事量と運動を心がけ、体重管理を徹底しましょう。
日々の健康チェックポイント
愛犬の健康を守るためには、日々の些細な変化に気づくことが非常に重要です。毎日のスキンシップを兼ねて、全身を触って健康チェックを行いましょう。
- 目: 目ヤニや涙が多くないか、充血していないか。
- 耳: 汚れやニオイ、かゆみがないか。
- 口: 歯茎の色や口臭、歯石がないか。
- 皮膚・被毛: フケや湿疹、脱毛がないか。
- 体重: 体重の増減がないか。
食事と栄養管理
肥満にさせないための食事量と選び方
ビーグルは食欲旺盛なので、肥満を予防するための食事管理が必須です。
- 食事量: ドッグフードのパッケージに記載された目安量を守り、おやつは少量に留めましょう。
- フード: 筋肉質な体を維持するため、高タンパクでバランスの取れたフードを選びましょう。
年齢に合わせた食事の工夫
犬の食事は、年齢に合わせて切り替える必要があります。
- 子犬: 成長に必要な高カロリー・高タンパクな子犬用フードを与えます。
- 成犬: 体重管理に配慮した成犬用フードに切り替えます。
- 高齢犬: 消化が良く、カロリーを抑えたシニア用フードを選びましょう。
ビーグルの適切な飼い方と環境

ビーグルは、元々ウサギ狩りをしていた狩猟犬です。そのため、有り余るほどの体力とスタミナを持ち合わせています。
彼らが心身ともに健康でいられるためには、ただ散歩をするだけでなく、適切な運動を毎日たっぷりさせてあげることが不可欠です。
運動不足はストレスにつながり、問題行動の原因となるため、ビーグルの飼い方で最も重要なポイントと言えます。ここでは、ビーグルが快適に暮らせるための運動方法と飼育環境のポイントを解説します。
豊富な運動量が必須!適切な運動方法
散歩の目安と遊び方の工夫
ビーグルの散歩の目安は、1日2回、それぞれ1時間以上が理想です。ただ歩くだけでなく、途中から思いっきり走らせてあげたり、公園でボールやフリスビーを使って遊んであげたりするなど、運動に変化をつけてあげましょう。
また、ビーグルは嗅覚が非常に優れているので、散歩中に自由に匂いを嗅がせてあげることも、彼らの本能を満たす上で大切です。
運動不足が与える影響
運動不足は、ビーグルの心身にさまざまな悪影響を及ぼします。
- 身体的影響: 肥満や糖尿病、関節炎などの病気のリスクを高めます。
- 精神的影響: ストレスが溜まり、無駄吠えや物を破壊するなどの問題行動につながります。
これらの影響を避けるためにも、毎日の運動は欠かせません。
室内での快適な環境づくり
ビーグルは基本的に室内での飼育が推奨されます。活発な性格ですが、寒さにはあまり強くないため、快適な温度を保ってあげることが大切です。
また、好奇心旺盛なため、安全な環境を整える工夫も必要です。好奇心旺盛だと誤飲などのリスクも高まりますので、十分注意しましょう。
冷暖房による温度・湿度管理のポイント
ビーグルが快適に過ごせる室温は20~25℃、湿度は40~60%が目安です。
暑い夏場は熱中症にならないよう、エアコンで室温を調整しましょう。寒い冬場は、暖房器具の近くで長時間過ごすことによる低温やけどに注意が必要です。
ペット用のヒーターや毛布などを使い、自分で温度調節できるスペースを作ってあげると良いでしょう。
イタズラ対策と安全なスペースの確保
ビーグルは好奇心旺盛で、退屈するとイタズラに走りがちです。
- おもちゃ: 知育玩具やコングにフードを詰めて与えることで、遊びながら頭を使い、退屈を紛らわせることができます。
- 片付け: 床に物を置かない、電気コードを隠すなど、イタズラされないように環境を整えましょう。
留守番中は、安全なケージやサークルの中で過ごさせることで、誤飲や感電などの事故を防げます。
ビーグルのしつけとトレーニング

ビーグルは賢く物覚えが早い一方で、頑固でマイペースな一面も持っています。そのため、しつけには根気が必要ですが、彼らの持つ特性を理解し、適切な方法でトレーニングすることで、素晴らしいパートナーとなってくれます。
ここでは、ビーグルとの信頼関係を築き、より良い関係を築くためのしつけとトレーニングのポイントを解説します。
吠え癖はなぜ?ビーグル特有の性質
ビーグルは、吠え癖がある犬種として知られています。これは、元々狩猟の際に獲物の居場所を仲間に知らせるために吠えていた、ビーグル特有の性質です。
そのため、吠えることを完全にやめさせるのは難しいですが、無駄吠えを減らすためのしつけは可能です。
吠え癖の原因と対策
吠え癖の原因はさまざまで、吠える原因がわからなければ具体的な対策も難しくなります。何が原因となって吠えているのか、まずそこから把握するようにすると良いです。
吠え癖の原因 | 対策例 |
---|---|
警戒心 | 来客や物音に吠えたら、冷静に「やめ」と指示を出す。 |
要求 | 吠えても要求に応じない。吠える前に要求を満たしてあげる。 |
退屈・ストレス | 運動量を増やし、遊びの時間を作る。 |
子犬期からの社会化トレーニングの重要性
ビーグルに限らず、子犬期からの社会化トレーニングが非常に重要です。この時期に慣れたものは、大きな刺激を受けづらくなるためです。
生後3週から12週の「社会化期」に、さまざまな人、犬、環境、音に触れさせてあげることで、物怖じしない、落ち着いた性格に育ちやすくなります。
子犬期から多くの刺激に慣れさせることで、成犬になってからも警戒心からくる吠え癖の予防にも繋がります。
賢さを活かすしつけのポイント
ビーグルは賢く、物覚えが早いため、しつけは比較的スムーズに進められます。ただし、頑固な一面もあるため、飼い主さんが根気強く向き合うことが大切です。
一貫した指示とポジティブトレーニング
しつけをする際は、家族全員が一貫した指示を出すことが重要です。例えば、「待て」の合図は全員が同じ言葉を使いましょう。
また、彼らは褒められることが大好きなので、ポジティブトレーニングが効果的です。成功したときにたくさん褒めてあげることで、良い行動が定着しやすくなります。
鼻を使った遊びで本能を満たす
ビーグルは、優れた嗅覚を持つ犬種です。しつけや遊びに鼻を使った遊びを取り入れることで、彼らの本能的な欲求を満たしてあげることができます。
- ノーズワーク: おやつを隠し、匂いを辿って探させる遊びです。
- 宝探し: 家の中に隠したおやつを、匂いで探させます。
これらの遊びは、身体だけでなく、頭も使うので、エネルギーの消費にも繋がり、満足感を与えられます。
ビーグルを長生きさせるための秘訣

ビーグルと少しでも長く一緒にいるために、飼い主さんができることはたくさんあります。彼らの特性を理解し、毎日のケアや健康管理を徹底することが、長寿に繋がります。
ここでは、ビーグルが健康で幸せな一生を送るために、特に重要な3つの秘訣をご紹介します。
定期的な健康診断の重要性
ビーグルが健康で長生きするためには、日々のケアだけでなく、定期的な健康診断が非常に重要です。特に、加齢とともに病気のリスクが高まるため、年に一度は動物病院で健康診断を受けさせましょう。
健康診断では、血液検査やレントゲン検査などを行い、見た目では分からない病気の早期発見に繋がります。
病気は早期に病気を発見できれば、治療の選択肢も広がり、愛犬の負担を減らすことができますので、早期発見を心がけましょう。
ストレスのない生活環境
犬にとって、ストレスは万病の元です。ビーグルは元々群れで生活していたため、一人でいる時間が長かったり、運動不足だったりするとストレスを溜め込みやすいです。
ストレスの原因 | 対策例 |
---|---|
運動不足 | 毎日たっぷり運動させてあげる。 |
一人でいる時間 | 留守番中は知育玩具を与えたり、BGMを流したりする。 |
不潔な環境 | トイレやベッドを清潔に保つ。 |
コミュニケーション不足 | 毎日スキンシップの時間を設ける。 |
愛犬とコミュニケーションを深める方法
ビーグルは、飼い主さんとのスキンシップや遊びを何よりも喜びます。日々のコミュニケーションを大切にすることで、愛犬との絆を深め、精神的な安定にも繋がります。
- ブラッシング: ブラッシングは毛並みを整えるだけでなく、大切なコミュニケーションの時間です。
- 優しく撫でる: 喜ぶ場所(顎の下や背中など)を優しく撫でてあげましょう。
- 話しかける: 穏やかな声で話しかけることで、安心感を得ます。
- 遊び: おもちゃを使って、毎日一緒に遊んであげましょう。
ビーグルの理解度チェック
この記事の執筆者
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