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盲導犬の犬種ランキング!適性や特徴、選び方のポイントを徹底解説

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盲導犬

この記事では、盲導犬として活躍する犬種のランキングを、それぞれの特徴や適性とともに詳しく解説します。

ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーがなぜ多く選ばれるのか、その理由が分かります。

また、盲導犬に共通して求められる資質や、育成団体が重視する選び方のポイント、さらには盲導犬に関するよくある疑問にもお答えし、あなたの知りたい情報を提供します。

この記事の結論

  • 盲導犬は視覚に障がいのある方々の安全を助けるための役割がある
  • 盲導犬になるためには厳しい訓練が必要で、乗り越えた子だけが盲導犬になれる
  • ラブラドール・レトリーバーとゴールデン・レトリーバーが盲導犬に最適とされている
  • 穏やかな気質や知性を持つ犬種が選定される重要な要素である

nademo編集部

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盲導犬とは?基礎知識を解説

盲導犬

盲導犬は、視覚に障がいのある方々の安全な歩行を助け、日々の生活をサポートする大切なパートナーです。

盲導犬がいることで、視覚障がい者はより自由に、そして安心して外出できるようになり、社会参加の幅も広がります。

この章では、盲導犬の基本的な役割や、一頭の盲導犬が誕生するまでの道のりについて詳しく解説します。

盲導犬の役割と視覚障がい者支援

盲導犬の最も重要な役割は、視覚障がいを持つ使用者(ユーザー)を安全に目的地まで誘導することです。

単に道を案内するだけでなく、さまざまな状況で的確な判断を下し、使用者の安全を守ります。具体的には、以下のような役割を担っています。

役割具体的な内容
障害物の回避歩行中の電柱、看板、段差、放置自転車、頭上の障害物(木の枝など)を避け、安全な通路を選んで進みます。
段差・階段の告知階段や段差の前で止まり、使用者にその存在を知らせます。
上りか下りか、段の高さなども考慮して行動します。
交差点での安全確認と誘導交差点や横断歩道の手前で必ず止まり、使用者に状況を伝えます。
使用者の指示に基づき、安全を確認しながら横断します。
指示された対象物の発見「ドア」「椅子」「カウンター」「駅の改札」など、使用者が指示した特定の対象物を見つけ、そこまで誘導します。
危険回避(不服従)使用者の指示が危険を伴う場合(例:信号無視、障害物への直進指示など)、あえて指示に従わず、安全を優先する行動をとります。
これを「インテリジェント・ディスオベイディアンス(賢い不服従)」と呼びます。

これらの活動は、視覚障がい者が自信を持って社会生活を送るための大きな支えとなります。

盲導犬は「身体障害者補助犬法」という法律で認定された犬であり、公共交通機関や施設への同伴が認められています。

盲導犬が装着している白いハーネス(胴輪)は、彼らが仕事中であることを示す大切な印です。

盲導犬になるための厳しい訓練と道のり

一頭の犬が盲導犬として活躍できるようになるまでには、長い時間と多くの人々の愛情、そして専門的な訓練が必要です。その道のりは決して平坦なものではありません。

盲導犬候補となる犬は、まず適性のある血統の両親から生まれます。生後約2か月から1歳になるまでは、「パピーウォーカー」と呼ばれるボランティアの家庭で、人間社会のルールやさまざまな環境に慣れるための社会化訓練を受けながら愛情豊かに育てられます。この期間は、人に対する信頼感や基本的なしつけを身につける上で非常に重要です。

1歳頃になると、パピーウォーカーの元を離れ、専門の訓練施設に入所します。ここから本格的な訓練が始まります。訓練は大きく分けて以下のステップで進められます。

訓練段階主な内容期間の目安
基本訓練「おすわり」「まて」「こい」などの基本的な服従訓練や、ハーネスを装着しての歩行訓練などを行います。
集中力や指示への理解力を高めます。
約6か月~8か月
誘導訓練実際の街中を想定し、障害物の回避、段差や階段の告知、交差点での安全確認、指示された場所への誘導など、盲導犬としての専門的な技術を習得します。約6か月~10か月
共同訓練盲導犬を希望する視覚障がい者とのマッチングが行われ、約4週間にわたり寝食を共にしながら、お互いの信頼関係を築き、歩行訓練や生活訓練を行います。約4週間

これらの訓練は、犬の個性や習熟度に合わせて慎重に進められます。すべての候補犬が盲導犬になれるわけではなく、適性評価の結果、盲導犬としての活動が難しいと判断される犬もいます。

最終的に盲導犬として認定されるのは、候補犬全体の約3割から4割程度と言われており、非常に狭き門です。

訓練を終え、使用者との共同訓練を無事に修了した犬だけが、晴れて盲導犬としてデビューし、視覚障がい者の大切なパートナーとして活躍を始めるのです。

盲導犬 犬種ランキング トップ3

盲導犬

日本で活躍する盲導犬の多くは、特定の犬種に集中しています。ここでは、盲導犬として特に選ばれることの多い犬種トップ3を、それぞれの特徴や適性とともに詳しくご紹介します。

どの犬種も素晴らしい資質を持っていますが、その中でもなぜ彼らが選ばれるのか、その理由に迫ります。

1位 ラブラドール・レトリーバー 選ばれる理由と特徴

学習能力がとても高く、従順な性格

とても懐いてくれる

あまり多くはない

高くないが、十分なお散歩が必要

 その他情報

原産地 カナダ
犬種グループ 8G:7グループ以外の鳥猟犬
大きさ 大型
平均寿命 10歳~13歳
なりやすい病気 外耳炎,股関節形成不全,白内障,緑内障,胃拡張捻転症候群
参考価格 20万円前後
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 ブラック,イエロー,チョコレート

体高

男の子56cm~57cm
女の子54cm~56cm

体重

男の子29kg~36kg
女の子25kg~32kg

盲導犬といえば、多くの方が真っ先に思い浮かべるのがラブラドール・レトリーバーではないでしょうか。

実際に、日本の盲導犬の大多数を占めており、その活躍は広く知られています。彼らが盲導犬として圧倒的な支持を得ているのには、明確な理由があります。

ラブラドール・レトリーバーが盲導犬として選ばれる主な理由

ラブラドール・レトリーバーが盲導犬の代表格とされる理由は、その卓越した適性にあります。主な理由としては、以下の点が挙げられます。

  • 温厚で協調性が高い性格:人や他の犬に対しても友好的で、公共の場でも落ち着いて行動できる穏やかさを持っています。
  • 高い知能と訓練性能:物覚えが良く、訓練士の指示を理解し、複雑な作業もこなせる高い学習能力を誇ります。
  • 作業意欲の高さ:人に喜んでもらうことや、与えられた仕事をこなすことに喜びを感じる性質があり、盲導犬としての務めを積極的に果たします。
  • 適度な体格と体力:使用者を安全に誘導するのに十分な体格と、日々の活動を支える体力を兼ね備えています。
  • 健康面での安定性:遺伝的疾患に配慮した繁殖が行われており、比較的健康な個体が多いとされています。
  • 日本の気候への適応力:短毛であるため、比較的日本の気候にも適応しやすい犬種です。

これらの要素が総合的に評価され、ラブラドール・レトリーバーは盲導犬として最も多く選ばれているのです。

ラブラドール・レトリーバーの身体的特徴と性格

ラブラドール・レトリーバーは、がっしりとした体格でありながら、どこか愛嬌のある外見が特徴です。その基本的な情報を以下にまとめました。

項目詳細
原産国カナダ(ニューファンドランド島)、イギリスで改良
体高の目安男の子:約56~57cm
女の子:約54~56cm
体重の目安男の子:約29~36kg
女の子:約25~32kg
主な毛色ブラック、イエロー、チョコレート
被毛短く密集したダブルコート

性格は非常に賢く、人懐っこく、愛情深いことで知られています。好奇心旺盛で遊び好きな一面もありますが、訓練によって集中力と忍耐力を養い、盲導犬としての役割を忠実にこなします。家族の一員としても素晴らしいパートナーとなる犬種です。

盲導犬としてのラブラドール・レトリーバーの適性

ラブラドール・レトリーバーの盲導犬としての適性は、単に賢いだけでなく、使用者との深い信頼関係を築けるコミュニケーション能力の高さにもあります。

危険を察知し、冷静に判断して使用者を安全な場所へ導く能力は、日々の厳しい訓練の賜物です。また、さまざまな環境や状況の変化にも柔軟に対応できる適応力も、盲導犬には不可欠な資質と言えるでしょう。

2位 ゴールデン・レトリーバー 人気の秘密と適性

温厚で知的、気配りもできる

主人に気に入られるよう努力するほど

大人しいためあまり吠えない

能力は高くなく、運動不足になりがち

 その他情報

原産地 スコットランド
犬種グループ 8G:7グループ以外の鳥猟犬
大きさ 大型
平均寿命 10歳~12歳
なりやすい病気 股関節形成不全,耳血腫,甲状腺機能低下症,悪性リンパ腫
参考価格 10万円~30万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 ゴールド,クリーム

体高

男の子56cm~61cm
女の子51cm~56cm

体重

男の子29kg~34kg
女の子24kg~29kg

ラブラドール・レトリーバーに次いで、盲導犬として活躍する姿をよく見かけるのがゴールデン・レトリーバーです。その優雅な外見と温和な性格から、家庭犬としても絶大な人気を誇りますが、盲導犬としての資質も非常に高い犬種です。

ゴールデン・レトリーバーが盲導犬として人気な理由

ゴールデン・レトリーバーが盲導犬として選ばれる理由は、その賢さと優しさにあります。主な魅力は以下の通りです。

  • 非常に穏やかで優しい性格:人に対して非常に友好的で、愛情深く、辛抱強い性格は、使用者に安心感を与えます。
  • 高い知性と訓練への適応力:ラブラドール・レトリーバー同様、知能が高く、訓練に対する理解力と集中力に優れています。
  • 人との強い絆を築く能力:使用者とのコミュニケーションを大切にし、深い信頼関係を築こうとする傾向があります。
  • 美しい外見と存在感:長く美しい被毛は多くの人を魅了し、その存在は周囲にも温かい印象を与えます。

これらの特性から、ゴールデン・レトリーバーは盲導犬として、また使用者のかけがえのないパートナーとして活躍しています。

ゴールデン・レトリーバーの身体的特徴と性格

ゴールデン・レトリーバーは、その名の通り美しいゴールドの被毛が特徴的な大型犬です。その基本情報を以下にまとめました。

項目詳細
原産国イギリス(スコットランド)
体高の目安男の子:約56~61cm
女の子:約51~56cm
体重の目安男の子:約29~34kg
女の子:約25~29kg
主な毛色ゴールド、クリーム
被毛長くウェーブがかかった、または直毛のダブルコート

性格は非常に温和で、賢く、人懐っこいことで知られています。感受性が豊かで、人の気持ちを察する能力にも長けていると言われています。

ただし、その美しい長毛は定期的なブラッシングなどのお手入れが必要です。また、暑さにはやや弱い傾向があるため、夏場の活動には配慮が求められます。

盲導犬としてのゴールデン・レトリーバーの適性

ゴールデン・レトリーバーは、その穏やかな気質から、特に落ち着いた歩行を好む使用者や、犬との深い精神的なつながりを求める使用者に適していると言われることがあります。

訓練によって培われた集中力と判断力はもちろんのこと、使用者に対する献身的な愛情が、彼らを優れた盲導犬たらしめている大きな要因です。

ラブラドール・レトリーバーと比較されることも多いですが、それぞれに素晴らしい個性と適性を持っています。

3位 ラブラドールとゴールデンのミックス F1の強み

近年、盲導犬の世界で注目を集めているのが、ラブラドール・レトリーバーとゴールデン・レトリーバーの一代交雑種、通称「F1(エフワン)」です。両親犬種の優れた特性を受け継ぐことが期待され、盲導犬としての新たな可能性を秘めています。

F1(一代交雑種)とは?

F1とは、「Filial 1」の略で、異なる純血種同士を交配して生まれた第一世代の子犬のことを指します。盲導犬におけるF1は、主にラブラドール・レトリーバーとゴールデン・レトリーバーの組み合わせが多く見られます。

F1には、「雑種強勢(ざっしゅきょうせい)」という現象が期待されることがあります。これは、異なる遺伝的背景を持つ親から生まれることで、両親よりも強健性や環境適応能力などが向上する可能性があるというものです。

F1が盲導犬として期待される強み

F1が盲導犬として期待される強みは、両親犬種の長所をバランス良く受け継ぐ可能性にあります。

  • 両犬種の長所の融合:例えば、ラブラドール・レトリーバーの作業意欲の高さや短毛で手入れがしやすい点と、ゴールデン・レトリーバーの温和で優しい性格や人懐っこさなどを兼ね備えることが期待されます。
  • 健康面でのメリット:雑種強勢により、特定の遺伝的疾患のリスクが軽減される可能性が指摘されています。ただし、これは必ずしも保証されるものではなく、両親の健康状態が重要であることに変わりはありません。
  • 性格の多様性と適応力:両親の特性の組み合わせにより、個体ごとの性格に幅が出ますが、それがかえって多様なユーザーのニーズに応えられる可能性も秘めています。

もちろん、F1だからといって必ずしも全ての個体が盲導犬に適しているわけではありません。個体ごとの適性評価と訓練が重要であることは、純血種の場合と同様です。

盲導犬としてのF1の可能性

F1の盲導犬は、ラブラドール・レトリーバーの持つ盲導犬としての高い作業能力と、ゴールデン・レトリーバーの持つ穏やかで優しい気質を併せ持つことが期待されています。

被毛の長さや質も両親の中間的な特徴を示すことが多く、手入れのしやすさと外見の魅力のバランスが取れている場合もあります。

育成団体によっては、積極的にF1の育成に取り組んでおり、その活躍は今後ますます広がっていくことでしょう。

使用者との相性や、個々の犬の性格・能力を丁寧に見極めることで、F1は盲導犬の選択肢を広げる存在として大きな期待が寄せられています。

ランキング以外の盲導犬として活躍する犬種

盲導犬

盲導犬といえばラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバー、そしてそのミックス犬が主流ですが、それ以外にも数は少ないながら、ユーザーの状況や特性に合わせて活躍している犬種がいます。

ここでは、そうした少数精鋭の犬種や、新たな可能性を秘めた犬種についてご紹介します。

少数精鋭 ジャーマン・シェパード・ドッグの盲導犬

とても警戒心が強く、落ち着きのある性格

家族に対しては愛情深い

軍用犬としても人気が高く吠えやすい

運動意欲が高く、十分なお散歩が必要

 その他情報

原産地 ドイツ
犬種グループ 1G:牧羊犬・牧畜犬
大きさ 大型
平均寿命 10歳~12歳
なりやすい病気 胃拡張捻転症候群,股関節形成不全,膵外分泌不全,副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群),熱中症
参考価格 35万円~55万円
       

被毛

抜け毛 多い
毛質 ダブルコート
毛色 オールブラック,ブラック&タン,グレー

体高

男の子60cm~65cm
女の子55cm~60cm

体重

男の子30kg~40kg
女の子22kg~32kg

ジャーマン・シェパード・ドッグは、警察犬や災害救助犬としても知られる非常に知能が高く、訓練性能に優れた犬種です。

盲導犬としての歴史も古く、その作業意欲の高さと忠誠心から、特定の状況下では非常に頼りになるパートナーとなります。

体格が大きく力強いため、体力のあるユーザーや、より安定した誘導を求めるユーザーに適している場合があります。

ジャーマン・シェパード・ドッグの能力

ジャーマン・シェパード・ドッグは、状況判断能力にも長けており、冷静沈着に行動できる個体が多いとされています。しかし、その鋭敏さや警戒心から、育成には高度な訓練技術と深い犬への理解が求められます。

そのため、日本ではラブラドール・レトリーバーなどに比べて盲導犬としての数は限られていますが、その特性を活かして活躍している「少数精鋭」の存在と言えるでしょう。彼らは、使用者との間に強い信頼関係を築き、安全な歩行をサポートしています。

ジャーマン・シェパード・ドッグが盲導犬として持つ主な適性は以下の通りです。

ジャーマン・シェパード・ドッグの盲導犬としての適性ポイント

特性盲導犬としての適性ポイント
知能・学習能力非常に高く、複雑な指示や状況変化への対応を学習しやすいです。
作業意欲・忠誠心仕事への集中力が高く、使用者に対して献身的に尽くす傾向があります。
判断力・冷静さ危険を察知し、冷静に回避行動をとる能力に優れています。
育成上の配慮点感受性が豊かで警戒心も持ち合わせるため、専門的な知識に基づいた丁寧な社会化訓練と育成が不可欠です。

アレルギーにも配慮 スタンダード・プードルの可能性

明るく温厚で有効的

知能が高く、人に懐きやすい

神経質な面もあるため、たまに吠えることも

運動神経がよく、十分な運動を欲する

 その他情報

原産地 フランス
犬種グループ 9G:愛玩犬
大きさ 大型
平均寿命 12歳〜15歳
なりやすい病気 副腎皮質機能低下症,胃拡張捻転症候群,皮膚疾患
参考価格 20万円~30万円
       

被毛

抜け毛 少ない
毛質 シングルコート
毛色 ブラック,ホワイト,レッド,ブルー,グレー,ブラウン,アプリコット,クリーム,シルバー

体高

男の子45cm~62cm
女の子45cm~62cm

体重

男の子10kg~20kg
女の子10kg~20kg

スタンダード・プードルは、その特徴的な被毛からアレルギーを持つ人々にとって、盲導犬の新たな選択肢として注目されています。

プードルの被毛はシングルコートで抜けにくく、犬アレルギーの原因となるアレルゲンが飛散しにくいとされているため、アレルギー体質の視覚障がい者の方でも共に生活しやすい可能性があります。

スタンダード・プードルの能力

知能の高さは全犬種の中でもトップクラスと言われ、訓練への適応力も非常に優れています。明るく社交的な性格の個体が多く、人とのコミュニケーションを好むため、盲導犬としての適性も十分に備えています。

また、体格も中型から大型で、盲導犬として必要な体力も有しています。海外では既に盲導犬として活躍している実績もあり、日本国内でも育成に取り組む団体が出始めています。

まだ数は多くありませんが、アレルギーを持つ方々にとって希望の光となる可能性を秘めた犬種です。

スタンダード・プードルの盲導犬としての適性ポイント

スタンダードプードルが盲導犬として注目される主な理由は以下の通りです。

特性盲導犬としての適性ポイント
アレルギーへの配慮抜け毛が少なく、低アレルゲンとされる被毛は、アレルギーを持つ使用者にとって大きなメリットです。
知能・学習能力非常に賢く、訓練の飲み込みが早いため、効率的な育成が期待できます。
性格人懐っこく、協調性があるため、使用者や周囲の人々とも良好な関係を築きやすいです。
育成上の配慮点被毛が伸び続けるため、定期的なトリミングなどのお手入れが必須となります。

これらの犬種は、それぞれ特有の強みを持ち、多様なニーズに応える形で盲導犬としての道を切り拓いています。

犬種ごとの特性を理解し、適切な育成とマッチングが行われることで、より多くの視覚障がい者の方々が安全で快適な生活を送れるようになることが期待されます。

盲導犬に向いている犬種に共通する適性とは

盲導犬

盲導犬は、視覚に障がいのある方々の安全な歩行をサポートする大切なパートナーです。

特定の犬種が盲導犬として活躍することが多いですが、犬種そのものよりも、盲導犬としての任務を遂行するために必要な共通の適性を備えているかどうかが重要視されます。

これらの適性は、日々の訓練を通じて磨かれ、ユーザーとの信頼関係を築く上で不可欠な要素となります。ここでは、盲導犬に求められる主要な適性について詳しく解説します。

温厚で人懐っこい性格が盲導犬の基本

盲導犬は、家庭内だけでなく、不特定多数の人々が行き交う公共の場所や交通機関など、さまざまな環境で活動します。そのため、どのような状況でも落ち着いて行動できる温厚な性格が最も基本的な適性として求められます。

人や他の動物に対して過度に興奮したり、攻撃的な態度を見せたり、臆病すぎたりする犬は盲導犬には不向きです。ユーザーに安心感を与え、良好な信頼関係を築くためには、人懐っこく、人と一緒にいることを喜ぶ性質も重要になります。

性格的特徴盲導犬としての重要性
穏やかさ・落ち着き公共の場での冷静な対応、ユーザーへの安心感の提供、突発的な出来事への冷静な対処。
人懐っこさ・協調性ユーザーやその家族との良好な関係構築、社会生活への適応、訓練への積極的な取り組み。
従順さユーザーからの指示を的確に理解し、実行する能力。訓練の効率向上。
ストレス耐性さまざまな環境や刺激に対して過度なストレスを感じにくく、安定したパフォーマンスを維持する力。

また、ユーザーの指示に素直に従う従順さや、他の人や動物とも上手に接することができる社会性も、盲導犬にとって欠かせない資質です。

高い知能と学習能力 訓練をこなす力

盲導犬は、ユーザーを安全に誘導するために、多くのことを学び、記憶し、状況に応じて応用する必要があります。そのため、高い知能と優れた学習能力が不可欠です。

訓練では、基本的な服従訓練に始まり、障害物の回避、段差や階段の告知、交差点での安全確認、目的地までの誘導など、複雑で多岐にわたる指示や作業を習得します。

これらの訓練を効率的にこなし、確実に身につけるためには、物事を理解する力、記憶する力、そして新しいことを学ぶ意欲が求められます。

能力訓練や実務におけるポイント
指示理解力口頭での指示やハーネスを通じた合図を正確に理解し、行動に移す。
記憶力よく行く場所へのルート、障害物の位置、危険な場所などを記憶する。
応用力・問題解決能力訓練で学んだことを未知の状況や新しい環境でも応用し、安全を最優先に問題を解決する。
学習意欲新しい指示や作業に対しても積極的に取り組み、習得しようとする姿勢。

また、単に指示されたことをこなすだけでなく、状況を判断し、時には自ら考えて行動する能力も重要です。

例えば、いつも通る道が工事で通れない場合に、安全な迂回路を見つけ出すといった問題解決能力も、この高い知能と学習能力に支えられています。

冷静な判断力と集中力 安全誘導のために

盲導犬の最も重要な役割の一つは、ユーザーの安全を確保することです。そのため、周囲の状況を的確に把握し、潜在的な危険を察知して回避する冷静な判断力が求められます。

例えば、横断歩道を渡る際には、車の流れや信号の色だけでなく、自転車や歩行者の動きにも注意を払い、安全が確認できるまでユーザーを待たせる判断が必要です。

重要な能力具体的な行動例
状況判断力障害物(電柱、看板、段差など)を認識し、安全に避ける。道の分岐点や曲がり角をユーザーに知らせる。
危険察知・回避能力接近してくる自転車や自動車、頭上の障害物などを察知し、ユーザーを安全な場所に誘導する。
集中力騒がしい場所や人混みの中でも、ユーザーの指示や周囲の状況に注意を払い続ける。
不服従ユーザーが気づいていない危険(例:赤信号での横断指示、障害物への直進指示)に対して、指示に従わず停止したり、安全な方向へ誘導したりする。

また、街中にはさまざまな音や匂い、動くものなど、犬の注意を引くものがたくさんありますが、そのような誘惑に気を取られることなく、任務に集中し続ける高い集中力も不可欠です。

特に重要なのが「不服従」と呼ばれる能力で、これはユーザーからの指示が危険を伴うと判断した場合に、あえてその指示に従わないという高度な判断力です。この能力によって、ユーザーを予期せぬ事故から守ることができます。

健康で十分な体力 長時間の活動を支える

盲導犬は、ユーザーの目となり、日々の活動をサポートするため、健康で十分な体力を備えている必要があります。

ユーザーのライフスタイルによっては、長時間の歩行や外出に付き添うことも少なくありません。そのため、一定の運動量をこなせる持久力や、さまざまな気候条件に対応できる丈夫さが求められます。

遺伝的な疾患のリスクが低いことも重要で、特に股関節形成不全や肘関節形成不全といった大型犬に多い関節疾患や、進行性網膜萎縮症などの眼疾患がないかなどが厳しくチェックされます。

健康・体力面での要件ユーザーへの影響と重要性
持久力・スタミナユーザーの外出や活動範囲を広げ、社会参加を促進する。長時間の任務でも安定したパフォーマンスを維持。
遺伝性疾患の少なさ盲導犬としての活動期間を長く保ち、ユーザーとの安定した関係を継続。医療費負担の軽減。
関節・骨格の健全性長期間の歩行や誘導業務による身体的負担に耐えうる。痛みなく活動できることで、犬自身の福祉にも繋がる。
適切な体格と体重管理ユーザーがハーネスを通じて犬をコントロールしやすく、安全な誘導に繋がる。公共の場での受け入れやすさ。

また、ユーザーを安全に誘導するためには、適切な体格も考慮されます。犬が小さすぎるとハーネスを通じてユーザーを的確にコントロールすることが難しく、大きすぎると公共交通機関の利用や狭い場所での活動に支障が出ることがあります。

もちろん、定期的な獣医師による健康診断や適切な食事管理、運動によって、その健康状態を維持していくことが大前提となります。

盲導犬の選び方のポイント 育成団体はここを見る

盲導犬

盲導犬の育成は、非常に専門的で多岐にわたる知識と技術、そして深い愛情が求められる活動です。

視覚障がいのある方々にとってかけがえのないパートナーとなる盲導犬は、どのように選ばれ、育てられるのでしょうか。

ここでは、盲導犬の育成団体がどのようなポイントに着目して候補犬を選び、育成しているのか、その具体的なプロセスと基準を詳しく解説します。

血統や遺伝的疾患の有無 健康状態のチェック

盲導犬の候補となる犬を選ぶ際、育成団体が最も重視するポイントの一つが健康状態です。将来にわたって視覚障がいのある方を安全にサポートするためには、心身ともに健康であることが不可欠です。そのため、血統や遺伝的疾患の有無、そして現在の健康状態について、専門的な知見に基づいた厳格なチェックが行われます。

特に、盲導犬として活躍する犬種に比較的見られやすい遺伝的疾患については、細心の注意が払われます。例えば、ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーに多いとされる股関節形成不全や肘関節形成不全、進行性網膜萎縮症などの眼疾患は、早期発見と繁殖計画からの除外が重要となります。

国内の多くの盲導犬育成団体では、繁殖犬の段階からこれらの遺伝的疾患に関する検査を徹底し、リスクの低減に努めています。これには、公益財団法人日本盲導犬協会や国家公安委員会指定の各法人などが連携して情報共有を行うこともあります。

子犬が生まれてからも、定期的な獣医師による健康診断は欠かせません。ワクチン接種や寄生虫の駆除はもちろんのこと、成長段階に応じた骨格や眼の検査、内臓機能のチェックなどが行われ、その記録は大切に保管されます。これらの情報は、将来の健康状態を予測し、適切なケアを行う上で非常に重要なものとなります。

主な健康チェック項目

  • 遺伝性疾患のスクリーニング検査(股関節X線検査、肘関節X線検査、眼科検査など)
  • 定期的な血液検査、尿検査、便検査
  • 視力、聴力検査(特に眼疾患の早期発見に注力)
  • 心肺機能のチェック(聴診、必要に応じて心電図検査など)
  • 歯や口腔内、皮膚の状態の確認
  • アレルギー体質の有無の確認

これらの徹底した健康管理とチェックを通じて、盲導犬としての重責を長期間にわたり担うことができる、健康な犬だけが次のステップへと進むことができるのです。

子犬の頃からの適性評価 将来性を見極める

盲導犬としての適性は、身体的な健康だけでなく、その気質や性格にも大きく左右されます。そのため、育成団体では子犬が生まれて間もない頃から、将来盲導犬として活躍できる可能性を見極めるための適性評価を開始します。この評価は、成長の各段階で繰り返し行われ、多角的な視点から判断されます。

生後約2か月から1歳頃までの約10か月間、子犬は「パピーウォーカー」と呼ばれる育成ボランティアの家庭で愛情豊かに育てられます。この期間は、人間社会のさまざまな刺激(家庭内の音、多様な人々、他の動物、乗り物、街の喧騒など)に触れ、社会性を身につける上で非常に重要な時期です。

育成団体の担当者は、パピーウォーカーからの定期的な報告や家庭訪問、合同でのしつけ教室などを通じて、子犬の行動特性、学習能力、ストレスへの対処方法などを注意深く観察し、記録します。

子犬期の主な適性評価ポイント

評価項目具体的な観察ポイント
社会性・対人関係初対面の人や子供、他の犬に対して友好的か。
過度な攻撃性や臆病さ、興奮性がないか。人に触られることを受け入れるか。
環境への順応性新しい場所や物音、予期せぬ出来事に対してパニックにならず、落ち着いて対応できるか。
好奇心を持って探索できるか。
集中力・学習意欲人の指示や呼びかけに注意を向けられるか。
簡単な指示(おすわり、まて等)を喜んで覚えようとするか。遊びや訓練への関心が高いか。
好奇心と警戒心のバランス物怖じしすぎず、さまざまなものに興味を示すか。
同時に、危険なものに対しては適切な警戒心を持てるか。
問題解決能力・忍耐力小さな障害物やおもちゃを使った課題に対して、自分で考えて対処しようとするか。
多少のフラストレーションに耐えられるか。
健康・身体的特徴食欲や排泄は安定的か。活動的で、年齢相応の体力があるか。
特定の音や物に対する過敏な反応がないか。

これらの評価は、特定のテスト形式で行われることもあれば、パピーウォーカーとの日常のふれあいや散歩中の行動観察を通じて行われることもあります。

重要なのは、一時点の行動だけでなく、さまざまな状況下での行動パターンや成長の過程を継続的に観察し、その犬が持つ本質的な気質や将来性を見極めることです。

将来、使用者にとって信頼できる、穏やかで賢明なパートナーとなれるかどうかの基礎が、この大切なパピーウォーキング期間中の評価によって築かれます。

訓練への反応と習熟度 個体差を考慮

パピーウォーカーの元での愛情深い社会化期を終え、おおむね1歳になると、盲導犬候補犬は育成団体の訓練センターに入所し、本格的な専門訓練を開始します。

この訓練期間(通常約6か月~1年程度)における犬の反応や習熟度は、盲導犬としての適性を最終的に判断する上で極めて重要な指標となります。

育成団体は、犬一頭一頭の個性や能力を注意深く見守りながら、科学的根拠に基づいた体系的な訓練プログラムを進めていきます。

訓練士との信頼関係を構築

訓練では、まず基本的な服従訓練(座れ、伏せ、待て、来いなど)を確実に習得させ、訓練士との信頼関係を構築します。その後、ハーネスを装着しての誘導訓練へと移行し、障害物(電柱、看板、段差、階段など)の回避、交差点や横断歩道での安全確認と横断、駅のホームや電車・バスの乗降、エスカレーターの利用など、視覚障がいのある方が安全に移動するために必要なさまざまなスキルを段階的に学びます。

訓練士は、犬が指示をどれだけ速く正確に理解し、一貫性を持って実行できるか、また、新しい課題や環境に対してどれだけ意欲的に、かつ冷静に取り組めるかを評価します。

集中力の持続時間や、予期せぬ出来事(大きな音、人混み、他の動物の接近など)に対する冷静な対応力も重要なチェックポイントです。

個々にあった訓練を行う

犬にもそれぞれ個性があり、得意なことや苦手なこと、学習のペースには大きな個体差があります。

そのため、画一的な訓練プログラムを押し付けるのではなく、それぞれの犬の性格、気質、体力、集中力、ストレス耐性などを考慮し、ポジティブリンフォースメント(褒めて教える方法)を基本とした訓練方法で、その犬に合ったアプローチを調整することが求められます。

例えば、少し臆病な犬には時間をかけて自信をつけさせ、新しい環境や課題に徐々に慣れさせます。逆に、活発で好奇心旺盛な犬には、集中力を高める工夫や、より複雑な課題を与えることで意欲を引き出します。

訓練士は、日々の訓練の様子や進捗状況を詳細に記録し、定期的な評価会議で他の訓練士や獣医師、行動学の専門家などと情報を共有しながら、その犬に最適な訓練計画を立案・修正していきます。

訓練中の主な評価ポイント

  • 指示(口頭指示、ハーネスを通じての指示)への理解度と反応の正確性・迅速性
  • 学習意欲と記憶力、新しいことへの適応能力
  • 集中力の持続性と、さまざまな誘惑に対する抵抗力
  • 環境変化(天候、場所、時間帯など)への適応力と行動の安定性
  • ストレス耐性と、ストレスフルな状況からの回復力
  • 人間(訓練士、他のスタッフ)との協調性、信頼関係の構築
  • 「不服従の知性」と呼ばれる、使用者の安全を優先して危険を回避するための自発的な判断力
  • ハーネスを装着しての作業意欲と、長時間の作業に対する忍耐力

すべての訓練課程を修了し、盲導犬として適格であると最終的に判断される犬は、候補犬全体の約3割から4割程度と言われています。

非常に厳しい基準をクリアし、どのような状況下でも安定したパフォーマンスを発揮できると判断された犬だけが、次のステップである使用者とのマッチングに進むことができるのです。

使用者との相性 マッチングの重要性

盲導犬の育成において、最終的かつ最も重要な段階の一つが、厳しい訓練課程を修了した盲導犬と、盲導犬を希望する視覚障がいのある使用者とのマッチングです。

単に優秀な盲導犬であれば誰にでも合うというわけではありません。使用者と盲導犬が、互いにとって最高のパートナーシップを築き、長年にわたり安全で快適な生活を共に送るためには、双方の特性やニーズを細かく考慮した、きめ細やかで慎重なマッチングが不可欠です。

面談を行う

育成団体では、まず盲導犬を希望する使用者からの申し込みを受けると、専門の相談員やソーシャルワーカーが面談を行います。

この面談では、視覚障がいの程度や原因、他の身体機能の状態、現在の生活環境(住居の形態、家族構成、周辺の交通状況など)、仕事や学業の内容、主な移動手段や範囲、外出の頻度、歩行速度や体力、性格や趣味、そして盲導犬との生活に期待することなどを詳しくヒアリングします。

過去に盲導犬と生活した経験の有無や、その際の経験も重要な情報となります。これらの情報をもとに、使用者のニーズやライフスタイル、そして盲導犬に求める役割を深く理解します。

盲導犬との相性を確認する

一方で、訓練を終えた盲導犬についても、それぞれの性格(例えば、活発で遊び好きなタイプか、穏やかで落ち着いたタイプか、甘えん坊か比較的自立心が強いかなど)、歩行のペース(速いかゆっくりか)、得意な誘導の場面や苦手とする状況、体格(大型か小柄か)、作業意欲の高さ、コミュニケーションの取り方の好みなどが、訓練士によって詳細に評価され、記録されています。

これらの使用者と盲導犬双方の情報をデータベース化し、専門のマッチング担当スタッフが、長年の経験と専門知識に基づいて、最も相性が良いと思われる組み合わせを複数検討します。

マッチングにおける主な考慮事項

使用者側の要素盲導犬側の要素
生活スタイル(活動的で外出が多いか、比較的自宅や近隣での活動が中心か)性格・気質(活発さ、従順さ、慎重さ、社交性、作業意欲など)
歩行速度、1日の平均歩行距離、体力レベル歩行ペース、持久力、体格(使用者の体格とのバランスも考慮)
住環境(都市部か郊外か、一戸建てか集合住宅か、階段の有無、近隣の交通量など)環境への適応力、得意な誘導場面(人混み、静かな道など)、騒音への耐性
性格やコミュニケーションの取り方の好み(指示の出し方、声のトーンなど)人との関わり方の好み、指示への反応の仕方、褒められ方への反応
過去の盲導犬使用経験の有無、犬の飼育経験訓練経験、得意な作業、他の犬やペットとの共生経験
家族構成や同居者の理解・協力体制子供や他のペットとの相性

候補となるペアが絞られると、通常は約4週間にわたる「共同訓練」と呼ばれる期間が設けられます。この期間中、使用者は育成団体の訓練センターに宿泊するか、自宅から通いながら、盲導犬との基本的なコミュニケーション方法(指示の出し方、褒め方、叱り方)、ハーネスを使った歩行技術、食事や排泄、ブラッシングなどの日常的なケアの方法、健康管理について集中的に学びます。

そして、訓練士の指導のもと、実際に盲導犬と一緒にさまざまな場所(訓練センター内、近隣の住宅街、商店街、駅、バスなど)を歩行する訓練を繰り返し行います。

訓練士は、この共同訓練の様子を注意深く観察し、両者の歩調や呼吸が合っているか、指示がスムーズに伝わっているか、お互いにリラックスして信頼関係を築けているか、そして何よりも安全に歩行できているかを評価します。

使用者と盲導犬の間に良好な感情的なつながりが芽生え、お互いが安心して頼れる存在だと感じられるかどうかが、マッチング成功の最も重要な鍵となります。

共同訓練期間の最後に最終的な評価が行われる

この共同訓練期間の最後に最終的な評価が行われ、使用者と盲導犬の双方が良好なパートナーシップを築けると判断された場合に、正式にペアとして認定され、盲導犬が貸与されます。

育成団体は、盲導犬が引退するまでの間、定期的な家庭訪問や電話相談などのフォローアップを行い、使用者と盲導犬が安全で快適な生活を継続できるよう、継続的なサポートを提供します。

このきめ細やかなマッチングと手厚いサポート体制こそが、盲導犬と使用者の幸せな共生を実現するために不可欠なのです。

盲導犬に関するよくある質問

盲導犬は私たちの社会に欠かせない存在ですが、その育成や引退後の生活、街で見かけた際の接し方など、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

ここでは、盲導犬に関するよくあるご質問にお答えし、理解を深めていただくための一助となれば幸いです。

盲導犬の引退後の生活はどうなる?

盲導犬は、おおむね10歳前後になると現役を引退します。人間でいえば高齢期にあたり、体力や集中力の低下が見られるようになるためです。

引退後の盲導犬たちは、その犬の性格や健康状態、そしてそれまで関わってきた人々の状況などを総合的に考慮し、穏やかに余生を過ごせるよう配慮されます。

主な引退後の生活の場としては、以下のような選択肢があります。

  • 引退犬飼育ボランティアの家庭:一般の家庭で、愛情豊かな環境の中で家族の一員として過ごします。多くの盲導犬育成団体では、引退犬を温かく迎え入れてくれるボランティアを募集しています。
  • 元パピーウォーカーの家庭:子犬の頃に育ててくれたパピーウォーカーの元へ戻り、再び一緒に暮らすケースもあります。
  • 訓練施設の関連施設:訓練施設によっては、引退犬専用のケア施設を設けている場合もあり、専門のスタッフによるケアを受けながら過ごします。

いずれの場合も、盲導犬として長年活躍してきた功労に感謝し、静かで安心できる環境で、残りの犬生を幸せに過ごせるように最大限の努力が払われます。引退後の医療費についても、育成団体がサポートする体制が整っている場合が多いです。

盲導犬の育成費用は誰が負担している?

盲導犬を1頭育成するには、多額の費用と長い年月が必要です。具体的には、食費、医療費(ワクチン接種、定期健診、病気や怪我の治療費など)、訓練費、施設の維持管理費などが含まれます。これらの費用は、盲導犬を希望する視覚障がい者の方が直接負担するわけではありません。

盲導犬の育成費用は、主に以下のような形で賄われています。

  • 寄付金:個人や企業、団体からの温かい寄付が、育成事業の大きな支えとなっています。継続的な支援や遺贈寄付など、さまざまな形での協力があります。
  • 助成金:国や地方自治体からの助成金も、安定的な育成事業の運営に不可欠です。
  • 募金活動やチャリティーグッズの販売:盲導犬育成団体が主催するイベントや、オリジナルグッズの販売収益なども育成費用に充てられます。

日本国内には、公益財団法人日本盲導犬協会をはじめとする複数の盲導犬育成団体があり、これらの団体が責任を持って盲導犬の育成と無償貸与を行っています。

視覚障がい者の方が経済的な心配なく盲導犬と共に生活できるよう、社会全体で支える仕組みが構築されているのです。

街で盲導犬や使用者を見かけたら私たちができることは?

街でハーネスを装着した盲導犬と、共に歩く使用者の方を見かけることがあるかもしれません。その際、私たち一人ひとりが正しい知識を持ち、適切な配慮をすることで、彼らがより安全で快適に移動できるようサポートできます。大切なのは、彼らの集中を妨げず、温かく見守る心遣いです。

基本的な心構え

まず基本として、盲導犬は「仕事中」であるということを理解しましょう。使用者の安全を守るという重要な役割を担っています。そのため、私たちの行動が彼らの集中を削いでしまうことのないよう、注意が必要です。

  • 温かく見守る:静かに見守ることが、一番のサポートになる場合が多いです。
  • 声をかけるタイミング:もし使用者の方が道に迷っているように見えたり、何か困っている様子だったりした場合は、「何かお手伝いできることはありますか?」と優しく声をかけてみましょう。その際、いきなり体に触れたり、盲導犬に話しかけたりするのは避け、まず使用者の方に声をかけるのがマナーです。

してはいけないこと

良かれと思ってした行動が、かえって盲導犬や使用者の方を危険に晒したり、困らせてしまったりすることがあります。以下の行動は避けるようにしましょう。

行動理由
ハーネスを装着した盲導犬に触る、声をかける、口笛を吹く、じっと見つめる盲導犬の集中力を奪い、安全な歩行の妨げになります。
盲導犬に食べ物を与える健康管理や訓練に影響を与える可能性があります。
また、食べ物に気を取られてしまうと危険です。
クラクションを不必要に鳴らすなど、大きな音で驚かせる盲導犬が驚いてしまい、パニックになったり、使用者を危険な方向へ誘導してしまったりする可能性があります。
盲導犬や使用者の進行方向をふさぐ、急に割り込む安全な歩行を妨げ、衝突の危険性があります。
自分のペットを近づける盲導犬が他の犬に気を取られたり、興奮したりする可能性があります。

私たちにできるサポート

使用者の方が助けを必要としていると感じたら、以下のようなサポートが考えられます。必ず事前に声をかけ、手助けが必要かどうかを確認してから行動しましょう。

道案内や情報提供:

「どちらへ行かれますか?」「この先に段差があります」など、具体的な情報を提供します。方向を伝える際は、「右へ3歩ほどです」のように具体的に伝えると分かりやすいです。

障害物の通知:

前方に障害物がある場合や、危険な場所がある場合は、その旨を伝えます。

公共交通機関での配慮:

電車やバス内で席を譲ったり、乗り降りの際にスペースを確保したりするなどの配慮は喜ばれます。

お店や施設での理解:

身体障害者補助犬法により、盲導犬は飲食店や宿泊施設、公共施設など、原則としてどこへでも同伴できます。この法律への理解を深め、受け入れを拒否するようなことがないようにしましょう。もし同伴を拒否されている場面に遭遇したら、法律について説明するなど、理解を促す手助けができるかもしれません。

盲導犬と使用者が安心して社会参加できるよう、私たち一人ひとりの理解と協力が不可欠です。温かい気持ちで接し、必要なときには適切なサポートを心がけましょう。

まとめ

盲導犬として活躍する犬種には、ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバー、そしてそのミックス犬(F1)が多く選ばれています。

その背景には、温厚な性格や高い学習能力といった、盲導犬に不可欠な共通の適性があるからです。

育成団体は、血統や健康状態、訓練への反応などを厳しく見極め、使用者との相性も重視して慎重に選んでいます。

この記事が、盲導犬の犬種ごとの特徴や求められる適性、そして育成団体がどのように選んでいるのかについて、皆様の理解を深める一助となれば幸いです。

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