猫が鳴くことは多々ありますが、日中に鳴かれるのと飼い主さんの睡眠中に鳴かれるのでは苦労が違います。
猫の夜鳴きにはいくつかの理由があるものの、原因を知ることが解決に繋がるもの。
夜鳴きはどのような理由で起こるのか、病気のリスクなどと合わせて詳しく解説していきます。
この記事の結論
- 発情行動やストレス、要求鳴きであったり病気であるという可能性まである
- ライフステージごとに夜鳴きの原因は大方わかり、事前に防ぐことが対策になる
- 夜鳴きによって考えられるのは、認知症や甲状腺機能亢進症という病気
- 夜鳴きに対して都度対応することや、叩いたり怒鳴ったりすることはNG
目次
猫の夜鳴きの原因

猫が夜鳴きをするのはいくつかの原因が考えられ、特定できるようなものではありません。
ただ、大まかでも原因を確認できないと解決に繋げることは難しいため、ひとつずつ原因を潰していくことになります。
そして残った原因が夜鳴きの原因とわかるため、その原因に適した解決策を用意してあげます。
夜鳴きをするのは猫にとって何かしらの理由があるため、その理由を知ることが解決に繋がるのです。
猫の習性
そもそも夜鳴きというのは、一般的に飼い主さんが寝ているであろう深夜帯に鳴くことを指します。
この時間に寝ている子もいればそうでない子もいるのは、猫が薄明薄暮性という動物であるためです。
薄明薄暮性は明け方や夕方に起きて行動を開始することで、なおかつ1回あたり短い睡眠を1日の中でわけて取ることになります。
その結果、夜間に起きて行動することも多々あり、鳴く理由があれば夜鳴きに繋がります。
発情行動
発情期があるのは猫の中でも女の子だけですが、男の子でも女の子でも発情行動によって夜鳴きをします。
発情期には異性を求めて鳴くことがあるため、夜鳴きに限らず1日中鳴いているような時期もあるでしょう。
特に活発に行動するのが前述の通り明け方や夕方なので、この時間帯は特に鳴くことが多くなります。
病気
飼い主さんがもっとも気をつけたい夜鳴きが、病気が原因となって鳴いているということです。
夜鳴きによって考えられる病気は後述の通り多くありませんが、いずれも気をつけなければいけません。
完全に防ぐことはできないものの、事前に予防することはできますので、予防策とあわせて確認しておきましょう。
ストレス
ストレスの原因になることはさまざまあり、細かなことであってもそれがストレスの原因になることはあります。
生活環境が少し変わっていたりフードが変わっていたり、運動不足だったりトイレ掃除ができていなかったり。
一口にストレスと言ってもその原因がさまざまであり、幅広いため簡単に特定することはできません。
ですが、ストレスを抱えているということは環境に問題があると言えるので、解決すべき事柄ではあるのです。
要求
前述のストレスに繋がるところもありますが、お腹が空いていたり運動不足だったり、トイレが汚れたままだと飼い主さんを呼ぼうとします。
これらを要求鳴きといいますが、要求鳴きをするということは不満を感じているということです。
その全てにその都度対応することは難しいものの、要求鳴きよりも前に対応してあげれば鳴くことはありません。
ライフステージごとに異なる猫の夜鳴き原因

猫の夜鳴きはライフステージごとにある程度の方向性がわかることもあり、参考にしてみると解決が早まることもあるはずです。
あくまで一例ではあるものの、ライフステージごとに鳴く理由をそれぞれまとめました。
子猫:寂しさや空腹
お迎えしたばかりの子猫期は、寂しさをより強く感じることもあるため、寂しくて鳴くことがあります。猫といえば単独で生活することをいとわない動物ですが、子猫期ばかりはその限りではありません。
また、子猫期は1回に食べる食事量が少なく、1日の中で5~6回にわけて与えることになります。日中に5~6回を与えていると、飼い主さんが寝ている時間帯にお腹が空くこともあるのです。
これを防ぐためには、自動給餌器がやはりお手軽。ふやかす時期を卒業した子猫なら、スケジュールセットできるものを使って深夜も与えてあげると良いです。
成猫:運動不足などのストレス
成猫期はすでに独立心も高まってきており、単独で過ごすことになるからと言って子猫期ほど寂しさを感じることは少ないでしょう。
この頃に夜鳴きをするのであれば、元気な時期でもあるため運動不足などのストレスが多いと考えられます。
日中、なかなか構えなければ運動不足になるのも当然で、飼い主さんとのコミュニケーション時間もなければ寂しく感じることもあります。
トイレが掃除されていないままだったり、ベッドが汚れているままだと同様にストレスに感じることがあります。
老猫:認知症などの病気
中高齢期に入ってくると、やはり認知症を始めとした病気に注意しなければいけません。
日常の行動の変化などから飼い主さんは気づかなければいけないので、簡単に見逃してしまいがちです。
それまではなんともなかったのに、急に夜鳴きばかりをするようであれば認知症の可能性も高いと言えるでしょう。
猫の夜鳴き時に考えられる病気

急に愛猫が夜鳴きを始めたようであれば、特に老猫期には次のような病気が考えられます。
どのような病気であるのか、そもそも病気であるのかどうかについては、獣医師の診断を受けるようにしましょう。
認知症
人間でもよく知られている認知症は、犬や猫にも起こります。そして平均寿命が伸びてきている今、猫でも多く見られるようになっているのです。
認知症の症状には夜鳴きや徘徊などがあり、現時点では治療法が確立されていません。
睡眠時間や寝ている時間帯の変化などもあるため、日中に行動して夜中に動き出すようなこともあります。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)とは、甲状腺ホルモンが過剰分泌されることによりさまざまな障害を引き起こす病気のことです。
甲状腺は喉にありますが、ここから甲状腺ホルモンというホルモンを分泌します。
この甲状腺ホルモンが過剰分泌されると、極端に活発な行動を取ったり、食欲が異常に増して痩せていくなどの症状が見られます。
症状のひとつには夜鳴きもありますので、この甲状腺機能亢進症が原因となっている可能性もあります。
猫の夜鳴きの対応策:原因に合わせた対処法

猫の夜鳴きには、要求やストレス、病気などさまざまな原因が考えられます。原因を見極め、適切な対策を講じることで、猫も飼い主も安心して夜を過ごせるようになります。
猫の夜鳴きにはいくつかの対応策があり、比較的簡単にできるものばかりとなっています。夜鳴きの対応を事前にしておいてあげれば、飼い主さんにも愛猫にも負担は少なくなるでしょう。
狩猟本能を満たす遊び方で夜泣きを予防する
夜中に活発になる猫の習性を利用し、寝る前に十分な遊びでエネルギーを発散させてあげることが、夜鳴きの予防につながります。
遊びを通じて猫の狩猟本能を満たし、心身ともに満足させることがポイントです。
狩猟シミュレーション
レーザーポインターや羽つきの棒、猫じゃらしなどを使って、獲物を追いかける遊びを取り入れましょう。獲物が隠れる、飛び跳ねるなど、本物の狩りに近い動きを再現すると、猫はより夢中になります。
ただし、レーザーポインターを使用する際は、光を直接猫の目に当てないよう注意し、遊びの最後に必ず捕獲できるおもちゃを与えて、達成感を感じさせてあげましょう。
遊びの時間
1回あたり15分程度の遊びを、寝る2時間前と直前の2回行うのが効果的です。
遊びの終わりには、おやつや食事を与えて、「遊びの後は美味しいご飯がもらえる」というルーティンを確立させると、夜の食事が楽しみになり、夜鳴きを抑制できる場合があります。
安心できる睡眠環境を整える
猫が安心して眠れる場所がないと、不安から夜鳴きにつながることがあります。猫が落ち着ける、自分だけのスペースを用意してあげましょう。
静かで安全な場所
飼い主の寝室やリビングの隅など、人通りが少なく、騒音から離れた場所に猫のベッドを置くと良いでしょう。
高所
猫は高所から周囲を見渡すことで安心感を得ます。キャットタワーの最上階や、窓際の棚の上など、お気に入りの高い場所にベッドを設置してあげましょう。
ベッドの選び方
ドーム型や段ボール、毛布など、猫が体をすっぽりと隠せるものが安心感につながります。猫の習性を考慮して、複数の場所にベッドを置いて、猫自身に好きな場所を選ばせてあげてください。
発情期による夜鳴きの対処法
発情期の雌猫は、雄猫を求めて大きな声で鳴き続けます。これは生理現象であり、しつけで止めることは困難です。
去勢・避妊手術
発情期の夜泣きは、去勢・避妊手術をすることでほぼ確実に止めることができます。夜鳴きだけでなく、病気のリスク軽減にもつながるため、特に繁殖を考えていない場合は、手術を強く推奨します。
ストレス軽減
手術がすぐにできない場合は、猫のストレスを軽減することが重要です。発情期の猫は特に、落ち着けるスペースや、新しいおもちゃなど、気分転換になるものを用意してあげましょう。
猫が落ち着く音
クラシック音楽や、猫がリラックスできるとされる特定の周波数の音楽を小さく流すことも、猫の興奮を鎮めるのに役立つ場合があります。
これらの対策を講じることで、猫の夜泣きを根本から解決し、快適な共同生活を送ることができます。
猫の夜鳴きに対する誤った対処法

飼い主さんが寝ている間に夜鳴きをされるとどうしても辛いもので、イライラが溜まってしまうこともあるでしょう。
反対に鳴いてばかりで心配になることもあるでしょうが、夜鳴きには誤った対処法があります。
前述の対応策と合わせて確認しておくことで、夜鳴きをしなくなるようにコントロールしてあげましょう。
夜鳴きに対して都度対応する
愛猫が夜鳴きをしていれば「可哀想だ」と思って、その都度ついつい対応してしまう人もいるでしょう。
しかしこれはNGです。鳴けば飼い主さんに対応してもらえると学習してしまうようになります。
大事なことはこうした学習をさせないことなので、夜鳴きの理由が要求鳴きなどであれば無視することが解決に繋がります。
ただ、怪我をしていたりトイレが汚れているなどの理由もあるため、これらは早めに対応しておくと良いでしょう。
叱ったり怒鳴ったりする
絶対にやってはいけないのが、夜鳴きする愛猫に対して手を出してしまったり、怒鳴ったりしてしまうことです。
これは愛猫と飼い主さんとの信頼関係を崩す重大な原因となってしまい、今後の生活にも影響が出てしまいます。
一度壊れた信頼関係を修復することは大変なので、絶対にやらないようにしましょう。
怒鳴って一時的に鳴かなくなったとしても、今度は威嚇されるようになる…なんてこともあり得ます。
この記事の執筆者
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