「愛犬の涙の量が多い気がする…」「涙が多いかどうかがわからない」
というのは愛犬との生活の中であり得る話ですが、普段と違って本当に多いのかを判断するのは難しいでしょう。
そのためには愛犬の様子を普段からチェックしておくことが大事で、多いかどうかは簡単に判断できるものではありません。
涙といえど、なんらかの病気の始まりである可能性は十分にあるため、原因と病気について理解しておきましょう。
この記事の結論
- 犬の涙は元から多い子もおり、なんらかのトラブルによって突然多くなることもある
- 安全な生理現象のほかに、排出経路の狭さや刺激によって涙が多くなることもある
- 涙が多くなる病気のひとつが流涙症で、小型犬によく見られる病気
- 愛犬の涙が多いと感じられるならば、まずは動物病院で診てもらうことが大切
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目次
犬の涙が多い?それとも元から?
涙の量が多いというのが、明らかにわかるほどに症状が出ることは多くありません。
そのため普段から健康管理ができていないと、本当に涙の量が多いかどうかを判断することは難しいです。
また、元から涙の量が多いという子もおり、体の構造によって涙の量が多くなることもあるのです。
普段と比べて多いのか、それとも元から多いのか、これを飼い主さんは理解しておく必要があります。
犬の涙が多くなる原因
涙は眼球を守るために大切な成分であり、常に涙は表面を覆っています。
そのため涙が突然多くなっているようであれば、涙の量が多いもしくは、涙の排出が適切にされていない可能性が考えられます。
生理現象
涙が瞬間的に多くなる原因としては、もっとも多くのケースで考えられる生理現象です。
目にゴミが入ってしまったり、風が当たるなど、ちょっとした刺激によっても涙は多くなります。
一時的なものであれば生理現象である可能性は高いですし、そうでなければ病気の可能性もあります。
排出経路が狭い、塞がっている
涙が溢れるのは、単純に涙の量が増えているだけとは限りません。
涙は目頭の涙点から涙小管、涙嚢、鼻涙管という順番で流れていくようになっています。
この排出経路において、どこかしらが狭くなっていたり、塞がっていると涙が適切に排出されなくなるのです。
その結果として涙が溜まるようになり、溢れ出して多いように見えることもあるでしょう。
目を刺激している
角膜が刺激を受けると、涙の生産量が上がるため、結果として涙の量が多くなります。
後述の結膜炎、角膜炎、角膜潰瘍などによって刺激があると、涙が増えるようになるのです。
そのほかにも目の周りに多くの被毛がある子であれば、その毛が目に入ることで涙が増えることもあります。
涙が保持されづらい
涙は眼球表面にとどまるように油性成分を含んでおり、これによって表面の涙がこぼれづらくなっています。
しかしこの油性成分が不足してしまうと、目から涙がこぼれやすくなり、結果として涙が多く見えます。
目が乾きやすくなるだけでなく、炎症が起きることもあることから、涙が多くなることもあります。
犬の涙が多いときに考えられる病気
生理現象を除き、もし愛犬の涙が多いと感じたならば、それは病気の可能性も考えられます。
特に流涙症などはよく知られている病気のひとつで、そのほかにも目に関する病気は存在します。
流涙症
流涙症(りゅうるいしょう)とは、涙が作られる量と排出される量が合わないことにより、目に涙が多く溜まってしまう病気のことです。
涙の量が多くなるため、常に目の周りが涙で濡れているようになり、涙やけの原因にもなります。
流涙症になる原因としてほかの病気も考えられるため、見られる症状はさまざまです。
眼瞼内反症、眼瞼外反症
眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)は、生まれつきまぶたが内側にめくれている状態のこと。
反対に眼瞼外反症(がんけんがいはんしょう)は、生まれつきまぶたが外側にめくれている状態のことです。
内反症では刺激によって涙が増えることもありますし、外反症では乾燥によって涙が多くなることがあります。
結膜炎、角膜炎
結膜炎は結膜に炎症が起きている状態で、角膜炎は角膜に炎症が起きている状態です。
細菌やウイルスの感染によって起こったり、外傷やアレルギーによって炎症が起こることもあります。
涙が増えるほかにも、目やにが増えたり、目の充血なども見られるようになります。
鼻涙管閉塞
目と鼻は繋がっており、この間には涙小管、涙嚢、鼻涙管などがあります。
これらの器官の一部が塞がっていることにより、排出されるべき涙が排出されないことで起こります。
排出がうまくいかないので涙が溜まってしまい、結果的に目から涙が増える原因になります。
犬の涙が多いときの対処法
どんな状況であっても、明らかに涙の量が多いと感じるならば、まずは獣医師の診察を受けましょう。
ある時期から急激に涙の量が増えてきたように感じるようであれば、いつ頃から増えてきたのかメモしておくと良いです。
涙が多くなる理由はさまざまなので、飼い主さん自身で原因を探るよりも、専門家に診てもらうほうが早いです。
眼の病気であれば最悪の場合、失明に至るようなものもあるため、早めの診断が肝心。
眼の充血や目やにが増えているなど、ほかに併発している症状がないかどうかも確認しておきましょう。
涙が多くなりやすい犬種
短頭種や小型犬は目のトラブルが多くなりがちで、涙やけになるケースもよく見られます。
シー・ズーやフレンチ・ブルドッグ、パグなどの短頭種については、目が大きいことから目のトラブルが多い傾向にあります。
チワワ、ポメラニアン、マルチーズ、トイ・プードルなどの小型犬は、鼻涙管が細く詰まりやすいと言われており、同じくトラブルが起こりやすいです。
このように体の構造によって涙が多くなることもありますが、自己判断ではなく専門家の意見を聞いておくと安心ですよ。
この記事の執筆者
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