ムーディーは、ハンガリー原産の珍しい牧羊犬で、知能が高く作業能力に優れた犬種として注目されています。
日本ではまだあまり知られていませんが、ヨーロッパを中心に作業犬や家庭犬として人気があり、愛好家の間でじわじわと人気が高まっています。
本記事では、ムーディーの基本的な特徴から性格、飼い方、かかりやすい病気まで、ムーディーについての知識を網羅的にご紹介します。
ムーディーに興味がある方や、珍しい犬種を家族に迎えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の結論
- ムーディーは賢く運動量が多いため、アクティブな家庭に向いている犬種
- 人との関わりを好む性格のため、長時間の留守番には向いていない
- 初心者でも飼育は可能だが、一貫したしつけと運動が重要
- 広いスペースや毎日の散歩を確保できる環境が理想的
目次
ムーディーとはどんな犬種?
ムーディーは、ハンガリー原産の中型犬で、主に牧羊犬として活躍してきた犬種です。
日本ではまだあまり知られていませんが、ヨーロッパでは賢さと高い運動能力を評価され、作業犬や家庭犬として人気があります。
見た目はややウェーブがかった毛並みと、筋肉質で引き締まった体が特徴です。ムーディーは、活発で頭脳明晰な犬を求める方にとって理想的なパートナーです。
陽気で注意深く勇敢
家族に対して愛情深い
吠える声が大きく吠えやすい
ドッグスポーツに優れている
その他情報
| 原産地 | ハンガリー |
| 犬種グループ | 1G:牧羊犬・牧畜犬 |
| 大きさ | 中型 |
| 平均寿命 | 12歳~14歳 |
| なりやすい病気 | 股関節形成不全,肘関節形成不全,膝蓋骨脱臼,てんかん,白内障 |
| 参考価格 | 30万円~50万円 |
被毛
| 抜け毛 | 少ない |
| 毛質 | ウェーブコート |
| 毛色 | フォーン,ブラック,ブルーマール,アッシュ,ブラウン,ホワイト |
ムーディーの原産国と歴史
ムーディーはハンガリーで生まれた犬種で、19世紀から20世紀初頭にかけて自然発生的に作出されました。
正式に犬種として認められたのは1930年代で、それ以前から農村部では家畜の誘導や番犬として活躍していたとされています。
この犬種の起源には明確な交配記録は少ないものの、プーリーやドッグ・オブ・ハンガリーなど、他の牧羊犬との交配によって生まれたと考えられています。
ムーディーは現在もハンガリー国内で非常に大切にされており、希少性の高い純血種として保存活動も行われています。
牧羊犬としての能力と役割
ムーディーは非常に優秀な牧羊犬で、家畜を効率よく誘導・管理する能力を持ちます。その役割は以下のように多岐にわたります。
- 羊や牛などの誘導・追い込み
- 不審者や野生動物から家畜を守る
- 指示を素早く理解し行動に移す
特に広大な農地や放牧地において、人間の手が届かない場所での作業を自主的に行えるほどの判断力があります。
また、瞬発力や持久力にも優れており、1日中動き回っても疲れにくいタフな犬種です。
他の牧羊犬との違い
ムーディーは同じ牧羊犬であるボーダー・コリーやプーリーと比較しても、独自の特徴を持っています。主な違いは以下の通りです。
| 項目 | ムーディー | ボーダー・コリー | プーリー |
|---|---|---|---|
| 被毛 | 短~中程度でウェーブ | 中長毛でストレート | ドレッド状 |
| サイズ | 中型(約40cm前後) | 中型 | 小~中型 |
| 作業特性 | 自主性が高い | 指示に忠実 | 跳ねるような動きが得意 |
ムーディーは特に自主的に判断し行動できるタイプで、農業の現場で高く評価されています。見た目はシンプルでも、その能力は他の犬種と比べても遜色ありません。
ムーディーの性格と特徴

ムーディーの魅力は、単なる作業能力だけではありません。性格も非常にバランスが取れており、家庭犬としても優秀です。
しっかりとしたしつけと運動環境を用意すれば、家庭でも安心して飼うことができる犬種です。
知能が高く学習能力に優れている
ムーディーは非常に賢く、しつけやトレーニングもスムーズに進む犬種です。特に以下のような能力に優れています。
- 新しいコマンドをすぐ覚える
- 状況を判断して行動できる
- 問題解決能力が高い
これにより、アジリティ競技やドッグスポーツでも活躍しており、家庭でも知育玩具やトリック練習などを通して知的好奇心を満たすことが重要です。
活発で運動が大好き
ムーディーは非常にエネルギッシュな犬で、毎日しっかりと運動する必要があります。必要な運動量は以下の通りです。
- 1日60分以上の散歩(朝夕2回が理想)
- ボール遊びやフリスビーなどの運動
- ドッグランでの自由運動
運動不足はストレスや問題行動の原因になるため、運動が好きな家庭やアクティブなライフスタイルの方に向いています。
飼い主に忠実で愛情深い
ムーディーは非常に飼い主に対して忠実で、愛情深い一面を持っています。以下のような行動が見られます。
- 飼い主の指示をしっかり守る
- そばにいることを好む
- 守ろうとする警戒心がある
番犬としての役割も果たせる一方で、信頼関係を築くと甘えん坊な一面も見せます。しっかりとコミュニケーションを取ることで、より良い関係を築けます。
子どもや他のペットとの相性
ムーディーは適切に社会化されていれば、子どもや他の動物との生活にも比較的よく適応します。ただし、牧羊犬特有の「追いかける本能」があるため、以下の点には注意が必要です。
- 幼少期からの社会化トレーニングを重視
- 小動物に対しては遊びと本能の区別がつきにくい
- 活発な子どもとは相性がよい傾向
しっかりと環境に慣れさせ、トレーニングを行えば、多頭飼いや子どもとの生活にも適応できる柔軟な犬種です。
ムーディーの外見とサイズ

ムーディーは中型犬に分類される犬種で、筋肉質で引き締まった体格と軽快な動きが特徴です。
見た目はスマートながらも力強く、牧羊犬としての機敏さを感じさせます。ウェーブがかった被毛とピンと立った耳が印象的で、精悍な表情が魅力です。
外見は機能美を重視したデザインともいえるシンプルさで、無駄のない体型は作業能力の高さを裏付けています。
性別や個体差によってサイズには多少の幅があるため、目安を知っておくと選びやすくなります。
体高・体重・体型の目安
ムーディーの体型は、しなやかでバランスの取れた中型犬らしいスタイルです。平均的なサイズの目安は以下の通りです。
| 性別 | 体高 | 体重 |
|---|---|---|
| 男の子 | 約41~47cm | 約11~13kg |
| 女の子 | 約38~44cm | 約8~11kg |
体格はコンパクトながら筋肉質で、持久力と機動力に優れています。動きが俊敏で、ジャンプ力も高いため、柵のある庭やしっかりとしたリード管理が求められます。太りすぎには注意し、食事と運動のバランスを保つことが大切です。
被毛の特徴とカラーのバリエーション
ムーディーの被毛は中程度の長さで、ややウェーブがかかった二重構造(ダブルコート)です。密度が高く、雨風や寒さに対する耐性もあり、屋外での作業にも適した毛質です。
- ブラック(最も一般的)
- マール(まだら模様)
- ブラウン
- フォーン(黄褐色)
- グレー(ブルー)
マール模様を持つ個体は特に人気がありますが、繁殖には遺伝的リスクを伴うため注意が必要です。個体ごとに表情の違いがあり、見た目にも個性が光る犬種です。
抜け毛の量やお手入れのしやすさ
ムーディーはダブルコートのため、春と秋の換毛期には比較的多くの毛が抜けます。
ただし、普段のお手入れはそれほど手間がかからず、週に1~2回のブラッシングを行えば清潔な状態を保てます。
- 換毛期は毎日のブラッシングがおすすめ
- 毛玉ができにくいためトリミングの必要は少ない
- シャンプーは月1回程度でOK
被毛に汚れが付きにくいため、アウトドアでも比較的清潔に保てます。皮膚トラブルを防ぐためにも、定期的なチェックと清掃を心がけましょう。
ムーディーの飼い方のポイント

ムーディーは高い運動能力と知能を持つため、飼育にはある程度の経験と理解が求められます。単なる「かわいい犬」としてではなく、パートナーとして接する姿勢が大切です。
飼い方のポイントは運動・しつけ・生活環境・ケアの4つに集約されます。それぞれの項目をしっかり理解し、愛犬に合った生活環境を整えましょう。
適切な運動量と散歩の頻度
ムーディーは非常にエネルギッシュで、日々の運動が不可欠です。運動不足はストレスや問題行動の原因になるため、十分な時間と質の高い運動が求められます。
- 毎日60分以上の散歩(2回に分けると効果的)
- ドッグランでの自由運動や遊び
- フリスビーやボール投げなどのアクティブな遊び
アジリティなどのドッグスポーツとの相性も抜群です。体力と知能の両方を満たすような活動を取り入れると、より満足度の高い生活を送らせることができます。
しつけやトレーニングのコツ
ムーディーは非常に賢く、指示を理解する能力が高いため、正しい方法でしつけを行えば早い段階で習得できます。ただし、自立心が強いため「納得するしつけ」がポイントです。
- 一貫性のあるコマンドを使う
- ご褒美や声かけでポジティブ強化
- 短時間で頻度を多めにして飽きさせない
叱るよりも褒めることを重視し、自信を育てる接し方が効果的です。早期からの社会化トレーニングも忘れずに行いましょう。
室内飼いと屋外飼いの適性
ムーディーは基本的に室内飼いが望ましい犬種です。外での活動に適した体力を持っているものの、家族との絆を重視するため、孤独には弱い傾向があります。
- 室内飼い:家族との接触が多く、問題行動が起きにくい
- 屋外飼い:長時間の放置はストレスになりやすい。十分な運動と声かけが必要
また、屋外で飼う場合は気候対策(夏の暑さ、冬の寒さ)と安全なスペースの確保が不可欠です。
日常的なケアとグルーミング
ムーディーの日常的なケアは比較的シンプルですが、定期的なチェックを欠かさないことが健康維持につながります。
- 耳・目・歯のチェックと清掃(週1回)
- ブラッシング(週2~3回)
- 爪切り(月1回程度)
- シャンプー(汚れたときや月1回程度)
特に耳は立っていてゴミが入りやすいため、清潔を保つことが重要です。歯磨きも口臭や歯周病の予防に役立ちます。ケアを通してスキンシップを深めることもできます。
ムーディーの健康管理と寿命

ムーディーは健康で活動的な犬種ですが、健康維持には日々のケアと定期的なチェックが不可欠です。
特に活発な犬種ゆえに、関節や運動器のトラブルに注意が必要です。遺伝的な疾患の早期発見や、ライフステージに合わせた食事・運動の見直しも重要です。
日々の観察と予防を意識することで、健康寿命を延ばし、愛犬とより長く幸せな時間を過ごせます。
平均寿命はどのくらい?
ムーディーの平均寿命は12~14歳と、中型犬としてはやや長めです。適切な運動と食事、精神的な刺激が長寿に寄与します。
| 食生活 | バランスの取れた食事が免疫力を保つ |
| 運動量 | 筋力・代謝維持のために毎日の運動が重要 |
| 心の健康 | 愛情ある接し方と適度な刺激が必要 |
| 定期健診 | 早期発見と予防が寿命延長のカギ |
老化が始まる7歳以降は特に健康チェックを強化し、関節ケアやシニア向けの食事に切り替えると良いでしょう。
かかりやすい病気とその予防法
ムーディーは基本的に丈夫な犬種ですが、いくつか注意すべき病気があります。以下は代表的な疾患とその予防法です。
| 病気名 | 特徴 | 予防法 |
|---|---|---|
| 股関節形成不全 | 関節の異常で痛みや歩行障害を伴う | 肥満予防、適度な運動、定期検診 |
| 眼疾患(白内障など) | 加齢に伴い視力が低下する可能性あり | 目やに・涙のチェック、早期発見 |
| アレルギー性皮膚炎 | 被毛や皮膚にかゆみが生じる | 定期的なシャンプー、アレルゲン除去 |
また、遺伝性疾患を防ぐためには信頼できるブリーダーから迎えることが第一です。定期的な健康診断と日々のケアで、健康を維持しましょう。
動物病院での定期健診の重要性
ムーディーの健康を守るうえで、年に1~2回の定期健診は欠かせません。病気の早期発見だけでなく、健康状態を数値で把握することで、年齢に応じた生活改善が可能になります。
- 体重・体脂肪の測定
- 血液検査・尿検査
- 関節や歯、皮膚のチェック
- ワクチン接種やフィラリア予防の確認
特にシニア期(7歳以降)は半年に1回の健診が理想的です。健康管理は飼い主の大切な役目。日々の観察+プロの視点を組み合わせることで、より良い生活をサポートできます。
ムーディーの価格と迎え方

ムーディーは日本ではまだ希少な犬種であるため、価格帯やお迎え方法に特徴があります。
迎える際は価格だけでなく、ブリーダーの信頼性やアフターケア体制、子犬の健康状態などを総合的に判断することが大切です。
また、「里親」としての選択肢も増えており、自分のライフスタイルに合った方法を検討しましょう。
ムーディーの子犬の価格相場
ムーディーの子犬は、国内では希少なため流通量が少なく、価格はやや高めです。
国内ブリーダーからのお迎えでは、約30万円~50万円が目安です。海外からの輸入になると、50万円以上(渡航費・検疫費用含む)となるでしょう。
見た目や価格だけでなく、性格や健康状態を優先して選ぶことが、長く良好な関係を築く第一歩です。
日本での入手方法とブリーダーの選び方
ムーディーは日本では流通が少ないため、信頼できる専門ブリーダーからのお迎えが基本です。ペットショップでの取り扱いは極めて稀です。
- 見学を受け入れているか
- 犬舎の衛生管理が行き届いているか
- 親犬の性格や健康情報を公開しているか
- 質問に丁寧に答えてくれるか
信頼できるブリーダーは、犬を「商品」としてではなく、「命」として大切に扱っています。見学時は、実際の飼育環境や犬たちの様子をよく観察し、疑問点は遠慮せずに確認しましょう。
里親として迎える選択肢もチェック
ムーディーは希少犬種のため、里親募集の機会は限られますが、保護団体や里親サイトを定期的にチェックすることで出会える可能性があります。
- 犬の命を救うことができる
- 費用を抑えて迎えられる(譲渡費用のみ)
- 成犬であれば性格が分かりやすい
里親として迎える際は、譲渡条件や飼育環境の確認が行われる場合が多く、信頼関係を築くことが大切です。迎える前にじっくりと準備と心構えを整えましょう。
ムーディーはどんな人に向いている?

ムーディーは非常に知能が高く、エネルギッシュな犬種です。そのため、飼い主にもある程度の経験や犬との関わり方への理解が求められます。
単に「かわいいから飼いたい」という動機では、十分な運動やしつけが行き届かず、ストレスや問題行動の原因になることも。
反対に、時間と愛情をかけて向き合える人にとっては、抜群の信頼関係が築ける理想のパートナーとなるでしょう。
ムーディーが向いている家庭環境
ムーディーにとって最適な家庭環境には、次のような特徴があります。
- 広めのスペースがある:活発な性格のため、走り回れる庭や公園が近くにあると理想的。
- 家族の在宅時間が長い:人との関わりが大好きな犬種なので、長時間の留守番は不向き。
- 運動に積極的な家庭:毎日の散歩やアクティビティを欠かさず楽しめる環境が望ましい。
小さな子どもがいる家庭でも、正しい接し方を教えることで良い関係が築けます。ムーディーは愛情深く社交的なので、家族全員で育てるスタイルが向いています。
ムーディーの飼育に向いている性格の人
ムーディーはしつけや訓練にとても反応がよい犬ですが、それだけに飼い主の接し方が重要です。以下のような性格の人に向いています。
- 根気強く一貫性がある:賢いためルールのブレをすぐに見抜く。継続したしつけが大切。
- 活動的でアウトドア好き:長時間の運動を一緒に楽しめるタイプだとベスト。
- 愛情深くコミュニケーションを取れる:孤独を嫌うため、声かけやふれあいが大切。
気まぐれだったり、忙しすぎて世話に時間を割けない人にはやや不向きな面もありますが、逆に言えば“向き合う気持ち”があれば初心者でも十分飼育可能です。
初めて犬を飼う人でも大丈夫?
ムーディーは高い知能と順応性を持っているため、初めて犬を飼う人でも飼育は可能です。ただし、いくつかの点に注意が必要です。
| ポイント | 初心者が気をつけたい点 |
|---|---|
| 運動量 | 1日2回以上の散歩と知的な刺激が必要 |
| しつけ | 一貫性とポジティブな強化が鍵 |
| 社会性 | 他人や動物との接し方に慣れさせる必要あり |
初めての飼育でも、ドッグトレーナーやしつけ教室などを活用すれば安心です。初心者の方は、信頼できるブリーダーや譲渡元からアドバイスを受けながらスタートするのがおすすめです。
まとめ|ムーディーは賢く活発な理想のパートナー
ムーディーは、知能が高く運動好きで、愛情深い性格を持つ犬種です。しっかりとしつけを行い、日々の運動やコミュニケーションを欠かさなければ、家族にとってかけがえのない存在となるでしょう。
初心者にとっても、しっかり準備すれば決して難しい犬種ではありません。ムーディーとともに、充実した犬との暮らしを始めてみてはいかがでしょうか。
この記事の執筆者
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