ある日突然、大切な愛猫が亡くなってしまうということは、現実に起こり得ることです。
万一の場合でも適切な手順でお別れをしてあげることができれば、愛猫も安心して天国へと旅立てるでしょう。
現在、愛猫の死と直面していらっしゃる飼い主さんや、事前に知識を学んでおきたい飼い主さんに向けて、この記事ではお別れの手順と供養の方法をまとめました。
生涯最後となる愛猫とのお別れでパニックにならないよう、どのように対処すべきかを知っておきましょう。
この記事の結論
- もし愛猫が死んでしまったら、まずは確実であることを確認するために死亡確認をする
- 死亡確認が終わったら、体を清めて苦しまないように整えてあげる
- 現在では火葬が一般的で、民営の火葬と自治体による火葬の2種類がある
- 犬とは違って、猫の場合には死亡届の提出が必要なく、提出書類は特にない
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目次
愛猫が亡くなったら最初にすべきこと
愛猫が亡くなっているかもしれない場合、最初にやるべきことは「死亡確認」です。
死亡しているかどうかは、以下の3つの動作から確認することが可能です。
呼吸の停止 | お腹の動きを確認、口や鼻にティッシュを当てて確認 |
脈拍の停止 | 胸に触れて動きを確認 |
瞳孔反射 | 瞳に光を当てて反応を確認 |
亡くなっているかどうかは、大きくこの3つで判断することができます。
また、死後硬直が始まると、体は冷たくなっていきます。そのため、全身の硬直や極端な体の冷たさからも、死亡していることが判断できます。
死後硬直が始まってから時間が経つと体を動かすことが難しくなるため、姿勢を整えてあげるなど、お別れの準備を早めに始めましょう。
ショックで冷静な判断がしづらいと思いますが、飼い主さんがいかに冷静に対応できるかが重要なポイントです。
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愛猫とのお別れの準備
もし愛猫が亡くなってしまったら、次の3つの手順で、早めに旅立ちのためのケアとお別れの準備を始めます。
- 姿勢を整えてあげる
- 体を清めてあげる
- 体を冷やして安置する
体に負担のないように整えてあげながら、体を清めてあげます。
そのままにしておくと腐敗してしまうため、体は冷やして保ってあげましょう。
姿勢を整えてあげる
愛猫の体は、一般的に死後30分程度で死後硬直が始まり、2時間ほど経つと体を動かすことが難しくなります。
猫は本来、横になった姿勢が一番くつろいでいる楽な体勢なので、飼い主さん自身の手で優しく直してあげてください。
棺に入らないケースもあるため、手足が伸びきっている場合や、姿勢が苦しそうな場合は、楽な体勢を整えてあげましょう。
四肢を体に寄せて内側に折りたたんで、眠っているような姿勢に整えるのがベストです。
もし死後硬直が始まってから時間が経っていて、体を動かすことが難しい場合は、無理に整える必要はありません。
かげさん
・もしも体が硬直してしまったら?
愛猫は硬直しても24時間経過すると、再び柔軟性を取り戻しますので安心してください。翌日、体が柔らかくなってから体勢を整えてあげましょう。
無理に体を動かすと遺体を損傷してしまう可能性があるため、避けておきましょう。
体を清めてあげる
愛猫に汚れた部分があれば拭き取り、被毛にはブラッシングをして、体を清めてあげましょう。
目や口が開いていたら、優しく閉じてあげましょう。目はまぶたの上にハンカチなどをしばらく乗せておくと固定できます。口は布や紐で結んでおきます。
「口、鼻、お尻」などは体液や糞尿が漏れ出てしまうこともあるため、コットンやガーゼなどを使って、キレイにしてあげてください。
飼い主にとっての最後の責任として、汚れた状態のままで送り出してあげることはできません。頭から尻尾まで丁寧に清めてあげましょう。
体を冷やして安置する
そのままにしておくと遺体は徐々に腐敗してしまうため、特に夏場は冷やしてあげることを徹底しましょう。
ペット用の棺があれば棺に、なければキレイなダンボールなどを使って寝かせてあげます。
箱の底にはペットシーツを敷いて、腹部を中心に遺体の周りには保冷剤やペットシーツに包んだドライアイスを置きます。
この際、冷却効果を高めるためにも、愛猫をタオルやケットなどで体を優しく包んであげてください。
棺は直射日光が当たらないような涼しい場所で安置し、保冷剤やドライアイスはこまめにチェックして、遺体の腐敗を防ぎましょう。
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愛猫の供養方法
遺体を安置したら、供養の方法を決めて火葬業者などへ連絡しなければなりません。
愛猫の供養方法は、次の3種類の方法がありますので、後悔しないようにしっかりと家族で話し合って選びましょう。
- 火葬
- 土葬
- 自治体による引き取り
「愛猫が亡くなってしまうかもしれない」ということは考えたくもないことですが、そうした兆候が見られたら事前に決めておくのがおすすめです。
火葬
愛猫の供養方法は、民間のペット火葬業者や霊園などへ依頼して、火葬することが一般的となっています。
近年、ペットの火葬方法は選択肢がたいへん多くなってきており、その魅力のひとつが”手厚い供養”です。
葬儀から火葬においても、その後の遺骨返却なども、全て丁寧に対応してくれるため、安心して任せられるでしょう。
ただし、手厚い供養である反面、料金はやや高額になりがちです。
そのため、複数の火葬業者とプラン内容を比較して、最適なサービスを選択することがおすすめです。
土葬
一昔前までは遺体を土に埋葬する土葬が一般的でしたが、今ではかなり少なくなってきています。
土葬は、費用負担を抑えられることが最大のメリットです。
もし自宅の敷地が大きければ、庭の隅などへの土葬も可能ですが、そもそもこのような土地がなければできません。
さらに、近隣住民へのニオイの配慮や、他動物による掘り起こしなどのデメリットもあります。
もちろん私有地以外には埋葬することができないため、これらの理由から選択する方が少なくなっている傾向にあるといえるでしょう。
かげさん
ペットの遺体や遺骨は、公園や山林などへ埋葬すると「不法投棄」とみなされ、次の法律違反になる可能性があるためご注意ください。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反
5年以下の懲役(個人)、1,000万円以下(法人は3億円以下)の罰金またはこの併科 - 軽犯罪法違反
1日以上30日未満の拘留の拘置または1,000円以上1万円未満の罰金
そのほか、地域によっては条例違反になるケースもあります。
自治体による引き取り
愛猫の遺体は、数千円程度の安い料金で、清掃局などの自治体による引き取りも可能です。
しかしながら、葬儀や火葬というよりも、焼却処分という扱いになるケースが多いため注意が必要です。
”廃棄物”として処理され、地域によってはゴミと一緒に焼却処分されてしまうケースもあるため、気を付けなければなりません。
また、一般的に遺骨の返却にも対応していないため、大切な愛猫のことを思うと、選びづらい要素が多いでしょう。
愛猫の火葬業者の選び方
ペットの火葬業者は、特徴や魅力がそれぞれ異なります。メリットやデメリットを比較し、飼い主さん自身と愛猫に最適な業者・プランを選びましょう。
猫の飼育頭数は、ペットフード協会「令和5年 全国犬猫飼育実態調査」からもわかるように、犬の飼育頭数を上回っています。
この背景には「ペットも家族である」という考え方の広まりがあり、動物愛護の精神から、手厚い供養ができる火葬業者も増えています。
オプションサービスもさまざまあり、納骨後は定期的な読経による供養をしてもらえるお墓もあるため、後々の供養や料金まで確認しておくと安心です。
合同火葬
合同火葬とは、他の飼い主さんが飼育していたペットたちと一緒に火葬するというプランです。
複数の犬猫などが一緒に火葬されるため、遺骨の返却はできず、個別火葬と比較すれば料金は安く済みます。
火葬業者や霊園などが合同火葬に対応しており、一定数の遺体が集った時点や、規定の日程によって合同火葬が行われます。
火葬業者 | 火葬を依頼し、火葬後は提携先の霊園等で埋葬・供養される |
ペット霊園 | 火葬から埋葬・供養まで一括して行える |
火葬業者によって火葬した後の遺骨は、提携先の霊園や寺院等の墓地で、他のペットの遺骨と一緒に合祀されることが一般的です。
これに対して、ペット霊園に依頼した場合は、火葬から埋葬までを現地で行えるため、後々のお墓参りが可能なケースが多いというメリットがあります。
なお、合同火葬でかかる費用は、5,000円〜10,000円程度が目安料金となっています。
個別火葬
個別火葬は、愛猫を一体ずつ個別に火葬してもらえるため、合同火葬よりも手厚く供養してあげることが可能です。
この個別火葬もいくつかの種類があり、「一任、訪問、立会」といったプランがあります。
一任 | 立会いやお骨上げはできず、火葬スタッフに全て任せる |
訪問 | 自宅までお迎えに来てもらえて、移動火葬車なら火葬後に拾骨や返骨ができる |
立会い | 火葬に際して立会いが可能となる |
一任の場合は、立会いやお骨上げができず、基本的には火葬業者のスタッフに火葬や骨上げを全てを任せるプランとなっています。
返骨できる業者とできない業者とがありますが、個別火葬の中では最も費用が安く済みます。
訪問や移動火葬車などのサービスもある
訪問の場合は自宅までお迎えに来てもらい、遺体を引き取ってもらうことが可能です。
また、移動火葬車なら、その場で火葬が行えます。環境によっては近隣住民へ配慮し、移動してから火葬が行われることもありますが、安全面では安心できるでしょう。
仕事や家事でお忙しい飼い主さんにとってはメリットが大きく、業者指定の時間まで待てないといった場合にも、臨機応変に対応してもらえます。
立会いの場合は、火葬時の立会いが可能で、訪問と立会いが併用できるケースも多いです。
火葬から収骨に至るまで、飼い主さん立会いが可能なため、最も手厚い個別火葬となっており、これに伴って料金も高くなります。
愛猫を火葬した後の自宅供養で必要なもの
火葬後、愛猫の遺骨をご自宅で供養したい方のために、最適な供養用品をご紹介します。
どうぞ愛猫との出会いと絆を大切に、身近で供養してあげてください。
仏壇・仏具
出典:Amazon
仏具やフォトフレームがすべてセットになった愛猫のためのお仏壇です。
蓋を閉じることができるため、ホコリの心配がなく、遺骨も収納できます。
線香
出典:Amazon
煙の少ないフローラルな香りのペット用のお線香です。
お線香は、あの世では食事になると言われています。
ロウソク
出典:Amazon
愛猫へ感謝の気持ちを伝えるペット専用のロウソクのセット。
小さなミニロウソクなので、どんなペット仏壇にも似合います。
遺骨アクセサリー
出典:Amazon
ペンダントにもキーホルダーにも対応できるマルチタイプの遺骨アクセサリーなら、愛猫といつも一緒にお出かけできます。
軽量で丈夫なステンレス製です。
猫に死亡届は必要?
死亡届とは、ペットが死んだとき、住んでいる自治体などに対して提出が必要となる届け出のことです。
結論から言えば、犬の場合には死亡届の提出が必要とされていますが、猫の場合には必要ありません。
愛犬の場合には犬鑑札や狂犬病ワクチン接種済票などを登録しており、これらと一緒に死亡届を提出します。
ですが愛猫の場合にはこうした登録自体を行っていないので、亡くなった場合にも死亡届の提出は必要ありません。
ただし、マイクロチップの登録などを行っていた場合には、マイクロチップ情報登録サイトにて届け出の必要があります。
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まとめ
愛猫が亡くなったときは何よりショックが大きいと思いますが、まずはしっかりと死亡確認を行いましょう。
すぐにお別れの準備に取り掛かる心境になれなくても、時間をかけすぎると死後硬直が始まってしまいます。
安らかに眠ってもらえるよう、”死後硬直が始まるまでに姿勢を整えてあげる”ということを忘れずにいてあげてください。
火葬や死後の供養方法は、事前にご家族と話し合っておくとスムーズに進められます。
また、いざ愛猫の死と向き合うと精神的な負担が大きいため、事前準備や心構えをしておけば、万一のときに慌てることもありません。
愛猫の死はとても悲しい出来事ですが、「ありがとう」の感謝の気持ちを込めて、手厚い供養で安らかに眠ってもらうことを心がけましょう。
この記事の執筆者・監修者
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