マッサージは人間相手だけでなく、猫に対しても効果的であることが、最近少しずつ知られてきました。
難しい作業が必要なわけではないので、やり方さえわかれば自宅でも簡単にできます。
愛猫に対するマッサージ方法は、正しいやり方を知っていれば良い効果も得られます。
反対に正しいやり方を知らないまま始めてしまうと、逆効果になることもあるので注意しましょう。
この記事の結論
- 猫に対してもマッサージは効果的で、さまざまな効果を得ることができる
- 運動後や食事後は逆効果になることもあるので、マッサージは控えておく
- アロマオイルなどは猫にとって有害になるものもあるため、使わないようにする
- 部位によっては嫌がることもあるので、無理に続ける必要はない
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目次
猫にマッサージを行う目的
マッサージといえば普段の疲れを癒やすためにも受けますが、リハビリとしても受けます。
猫も疲れは溜まるものなので、簡単なマッサージを飼い主さんができれば、癒やしの時間になるのではないでしょうか。
寝てばかりいる猫に癒やしの時間がほかに必要なのかと思いますが、体に触れることに慣れてもらったり、コミュニケーション時間にもなります。
リハビリとしてのマッサージを行う際には、獣医師の指示があった上で行うことになります。
それぞれ目的は異なりますが、いずれもマッサージはさまざまな効果を得られる愛猫へのケアなのです。
猫のマッサージで得られる効果
マッサージが人気になっている理由のひとつに、多数の効果を得られる点にあります。
さまざまな効果が期待できるため、継続してマッサージを行っていくと愛猫の健康サポートに繋がります。
血の巡りを良くする
マッサージによって全身の血の巡りを良くしていく、血行促進の効果が期待されます。
丸まって寝ていることも多く、特に冬は血の巡りが悪くなりがちです。
少しでも血行促進をさせるためにマッサージを行い、代謝をあげることもできるのです。
筋肉をほぐす
頻繁に運動している猫は多くありませんが、キャットタワーに飛び乗ったり、キッチンに飛び乗ったり。
全身を使った運動は見えないところでもしており、そうして使われた筋肉をほぐすことができます。
立っている状態でも人間よりは低い位置に顔があるため、見上げてばかりいれば首が疲れることもあるでしょう。
人間のように凝っているからマッサージをする、というばかりではありませんが、癒やしの効果を得られます。
毛ヅヤの改善
マッサージにはブラッシングと同じような効果があるため、毛ヅヤの改善も期待できるでしょう。
前述の通り、血の巡りを良くすることができますので、ブラッシング回数が少ない子は特に見違えるツヤになることも。
マッサージもブラッシングもそれぞれ異なる効果があるため、どちらも行えるとなお良いです。
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便秘改善
水をたくさん飲まない猫は、ドライフードばかりでは便秘になってしまうこともあります。
基本的には水を飲んでもらえるような対策が必要なものの、マッサージでも一定の効果を期待できます。
特にお腹を中心にマッサージしてあげれば、胃腸の運動を促進して便秘改善も期待できるでしょう。
ストレス解消
きちんとマッサージのやり方を理解し、嫌がらない気持ちの良いマッサージができれば、ストレス解消にも繋がります。
猫は人間以上にストレスをためやすく、ちょっとした環境の変化でもストレスを抱えてしまうもの。
ストレスの元となることを取り除くのが最優先ですが、マッサージでも多少のストレス解消は期待できます。
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愛猫とのコミュニケーション
マッサージは前述の効果が期待できるだけではなく、愛猫との大切なコミュニケーション時間にもなります。
猫には犬のように散歩時間がないため、それ以外の触れ合いでコミュニケーションを取る必要があります。
しかし、直接体に触れられるコミュニケーションは多くないため、マッサージはその大事な時間になるでしょう。
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体の異変に気付きやすい
毎日のようにマッサージを行っていれば、愛猫の体に異変があったとき、気付きやすくなります。
普段からブラッシングを週に数回程度しか行っていないと、愛猫の全身を確認することは多くないはず。
異変があったときにすぐ気付けるよう、マッサージを習慣にしてしまうのが良いです。
愛猫のマッサージを始める前の注意点
愛猫に対してマッサージを始めるならば、その前にはいくつかのポイントを抑えておきましょう。
次の項目に注意して始めないと、マッサージが逆効果になってしまう可能性もあります。
大人しいタイミング(リラックスしている状態)で始める
マッサージは無理に始めるものではなく、大人しくてリラックスしているときに始めるようにします。
緊張しているときや呼吸が荒いとき、なにかをしているときに急に始めてはいけません。
リラックス状態にあるからこそマッサージの効果を得られますし、マッサージを嫌がることもあります。
運動後や食事後は避ける
運動後はまだ興奮状態にある可能性も高いですし、簡単にリラックスできるような状態ではありません。
食事後にも胃の中にまだ食べ物が残っているため、下手にマッサージをすると吐き戻しの原因になることも。
なにかしらの行動が終わっていたとしても、直後にすぐ始めることは避けるようにしましょう。
嫌がったら無理に続けない
本来、マッサージは気持ちの良いものなので、嫌がってしまっているならそれは間違っているということ。
気持ちの良いマッサージができているなら問題ありませんが、そうでないならば無理に続ける必要はありません。
飼い主さんのやってあげたい気持ちもわかりますが、受け入れてくれれる状態のときだけにしておくことが肝心。
嫌がるそぶりを見せたらすぐに中止し、また時間や日をおいて試して見るようにしましょう。
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爪切りをしておく
場合によってはマッサージによって暴れてしまうこともあるため、事前に爪切りをしておきましょう。
もちろん嫌がったらすぐに話してあげることは当然として、飼い主さんがなるべくケガをしないための事前対策です。
爪切りは定期的に行っていると思いますが、直前に爪が伸びていないか、割れていないか確認しておくと安全です。
猫自身がケガをする可能性もありますし、飼い主さんがケガをしてしまう可能性もあります。
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手を温めておく
冷たい手で触れられてしまうと、それだけで逃げてしまう子もいますし、マッサージを嫌がるようになります。
解決策は簡単で、ホットタオルなどを使ってきちんと手を温めてから、マッサージを始めるようにしましょう。
マッサージは触れることだけでなく、温かい手で愛猫の体を温めてあげることも大切なことです。
オイルやクリームは必要ない
私たち人間が受けるマッサージでは、専用のオイルやクリームを使うこともあります。
しかし、猫にとっては有害になる成分も中には存在するため、使わない方が安全だと言えるでしょう。
一部にはペット用のものも存在しますので、使う際にはそうしたペット用のものを使うようにすると良いです。
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猫のマッサージの基本的なやり方
マッサージを実践する際に抑えておきたいポイントとして、4つほどをご紹介します。
いずれも簡単なポイントばかりなので、愛猫に気持ちよくマッサージを受けてもらえるように覚えておきましょう。
始める前に声をかける
マッサージを始める前には、びっくりさせないように声をかけておきましょう。
「今からマッサージを始めるね」と声をかけ、体に触れることを理解しておいてもらいます。
突然に触れるとびっくりしてしまうので、サッと手を出すのではなくゆっくり手を出します。
手でなでるだけでOK
マッサージといえば、気持ち良いと感じられるよう、凝り具合に合わせて力加減を調整します。
ですが、猫に対するマッサージに関していえば、必要以上に力をいれる必要はありません。
それどころか、手を添えてなでるようにマッサージをするだけで問題ないのです。
力を必要としないので飼い主さんが疲れることもなく、猫にとっても痛い思いをしなくて済みます。
一部位ずつを短時間で行う
疲れているところを集中的にマッサージできればよいのですが、愛猫のどこが疲れているかはわかりません。
人間の言葉を話すことができない以上は、全身をサッとマッサージしていく程度でOK。
一部位に集中してマッサージをするのではなく、一部位ずつを短時間で終わらせていけば良いです。
全身を一度に行う必要はない
一度に全身をササッと終わらせることができれば良いですが、無理をする必要はありません。
猫は自由を奪われることが大嫌いなので、何十分もマッサージしていると嫌がります。
中には大人しくできる子もいますが、ストレスをためがちになるので、ポイントを絞ってマッサージしていけばOKです。
部位によって異なる猫のマッサージ方法
全身をマッサージするとしても、どの部位も同じ力加減でやるべきではありません。
中にはデリケートな部位もありますので、丁寧に一箇所ずつ確認していきましょう。
背中
寝転がっているリラックス状態から始めるには、まず嫌がりづらい背中から始めると良いでしょう。
背中をマッサージする際には、首元からお尻にかけてゆっくりとなでていきます。
背骨に沿ってスッとなでるだけなので、嫌がりづらいはずです。
首
背中をなでていく流れで首元もマッサージしてあげると、比較的スムーズにマッサージしやすいです。
飼い主さんを見上げることも多い猫にとって、首は疲れやすいポイントのひとつ。
少し揉み込む程度のマッサージをしてあげると、より気持ちよく感じてくれるはずですよ。
脚
中には掴まれることを嫌がる脚ですが、日頃から爪切りに慣れている子ならばスムーズです。
脚は付け根部分から脚先にかけてなでていき、優しくマッサージしてあげましょう。
肉球
脚先までマッサージしたら、そのまま肉球まで触らせてくれるか試してみてください。
日頃から肉球ケアをしている子ならば難しくないものの、肉球を触られるのは嫌がる子も多いです。
親指で肉球を広げるようにマッサージしてあげてください。脚も疲れやすい部位のひとつです。
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顔
顔は少しデリケートな部分なので、日頃から歯磨きや顔拭きなどのお手入れが重要になります。
マッサージにおいてもデリケートな部分であることは変わらず、特に目の周りは優しくなでるのがコツ。
眼球を抑えるようなことは絶対にせず、目の周りの骨に沿ってマッサージしてあげてください。
マズル部分も中心から外側にかけてなでていく程度で十分です。
耳
耳も使うことが多く、常に警戒心が高い猫は疲れやすいポイントのひとつです。
耳の付け根から耳先にかけてなでてあげて、優しく耳先を引っ張るようなマッサージも良いでしょう。
折れ耳の子は特にデリケートなので、必要以上にマッサージをする必要はありません。
お腹
お腹は動物にとっての急所になっているため、簡単には触らせてくれないかもしれません。
触れられても長時間は難しいので、短時間でサッと終わらせることがポイントになります。
基本的には「の」の字を描くようにクルクルとマッサージすることで、便秘改善の効果が期待できます。
猫のマッサージで避けるべき部位
マッサージによって得られる効果はたくさんありますが、中には避けるべき部位もあります。
これらを抑えておかないと悪影響を与える可能性もあるため、次のようなものが確認される際には、動物病院の受診も検討するのが良いです。
ケガをしている部位
明らかにケガをしている部位はもちろんのこと、マッサージ中に見つけたところも注意しましょう。
どんなタイミングでケガをしているかはわかりませんし、見つけづらい可能性もあります。
マッサージ中に突然暴れたり逃げ出してしまったなら、そこはケガをしている部位である可能性もあるのです。
ケガをしているから避けるのはもちろんのこと、すぐに動物病院で診てもらうことも大切です。
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腫瘍がある、異変がある部位
ケガとは違い、腫瘍のようなものができている可能性もありますが、これも避けるべきポイント。
マッサージやブラッシングをしているからこそ見つけられることもあり、下手に触れると悪化することもあります。
腫瘍ではなかったとしても、異変があると感じたなら、すぐにマッサージをやめて動物病院へいきましょう。
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マッサージで愛猫が気持ちよさそうにしているサイン
うまくマッサージができていれば、きっと気持ちよさそうにしてくれているはずです。
そのサインは愛猫自身から見て取れるはずなので、次のようなサインを参考にしてみてください。
体がこわばっていない
得体のしれないものや、なにをされるかわからないというときには、体がこわばってしまうもの。
体がガチガチになっており、常に緊張している状態では、「全身の力を抜いてください」とマッサージ師に言われた経験がある人もいるのではないでしょうか。
気持ちよく思えているのであれば、全身から力が抜けて、手足もブラブラしている状態です。
お腹を見せてくれる
お腹は動物にとって急所で、それは猫も同じ。信頼している相手にしか見せてくれません。
付き合いの長い飼い主さんなら見せてくれることもあるはずですが、お腹を見せてくれていれば、問題ない証です。
マッサージの部位としてお腹にも触れることができていれば、なお良いですね。
眠そうにしている
目がトロン…としているようであれば、そのマッサージのやり方が合っているということです。
気持ちの良いマッサージを受けていると、眠くなってきてしまう…というのは経験したことがあるでしょう。
猫も同じように眠くなってくることがあるので、そのまま眠ってくれることもあるかもしれませんね。
猫のマッサージの頻度
マッサージの頻度については、できる限り継続していくことが大切だと言えます。
体に触れることに慣れていない子ならば、期間があいてしまうと触れられ慣れるところから再スタートです。
マッサージを継続して行うことによって、体に触れられることにも慣れてもらうことができます。
1回5分~10分程度でOK
マッサージを何十分、何時間と続ける必要はなく、1回あたり5分~10分程度で問題ありません。
時間がない日やすぐに嫌がるようならば、数分程度でもOK。
長く続けてしまうと嫌がるようにもなりますし、暴れてしまうようだとケガをしてしまう可能性もあります。
短時間で終わらせられるように少しずつ行い、マッサージによってストレスをためないようにしましょう。
できる限り毎日、継続する
愛猫に慣れてもらうためにも、疲れをためすぎないためにも、できれば毎日継続しましょう。
1回あたりに必要なマッサージの時間も多くありませんし、何時間もかける必要はありません。
継続すること自体はブラッシングや歯磨きと一緒で、数分程度で終わるので難しくないでしょう。
この記事の執筆者
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