猫と一緒に車で移動したり旅行をしたりするのは、楽しい反面、注意点もたくさんあります。
猫は環境の変化に敏感で、車内で強いストレスを感じやすい動物です。しかし、事前にしっかりと準備をすれば、猫との移動や旅行も安心して楽しめます。
本記事では、猫との車移動に関して、猫と車で移動する際の基本、旅行時の注意点や便利グッズ、ストレスを軽減する方法などを徹底解説します。
この記事の結論
- 車酔いや脱走など、普段あまり利用することがないと旅行中のトラブルに備えることが重要
- ペットと泊まれる宿には「犬限定」ということもあり、「猫可」かどうかを事前に必ず確認する
- 宿泊先では自宅に近い環境をできる限り再現し、猫の安心感を高めることが重要
- 持ち物や体調チェックなど、出発前の準備と体調管理が旅の成功の鍵
目次
猫と車で移動する前に知っておきたい基本知識

猫と一緒に車で移動する場合、普段の通院などの短距離移動から、旅行や引っ越しといった長距離移動まで、状況はさまざまです。
しかし共通して重要なのは、猫が環境の変化に敏感でストレスを感じやすい動物だということです。
車という閉ざされた空間、普段とは違う音や揺れにさらされることで不安や体調不良を起こす猫も少なくありません。
そのため、移動前の準備・慣れさせ方・安全対策などを理解しておくことが、猫と飼い主双方にとって安心・快適な移動につながります。
猫は車移動が苦手?理由と反応の特徴
猫の多くは車での移動を苦手とします。その理由は以下のような点にあります。
- 環境の変化に敏感:猫は縄張り意識が強く、自宅以外の環境に強いストレスを感じやすいです。
- 音や振動への過敏さ:車内のエンジン音や外の騒音、振動が不安を引き起こします。
- 酔いやすい体質:人間と同様に猫も車酔いをします。嘔吐、よだれ、鳴き続けるなどの反応が見られることも。
猫が示す苦手サイン
- キャリーに入りたがらない
- 鳴き声が大きくなる
- よだれを垂らす、嘔吐する
- トイレを我慢できず粗相してしまう
これらの反応を最小限にするためにも、事前の準備や「慣らし運転」が非常に大切です。
移動前に必ず行いたい準備
猫と安全に車で移動するためには、事前準備が不可欠です。以下の項目は最低限チェックしておきましょう。
体調が悪い状態での移動は猫に大きな負担をかけます。特に高齢猫や持病のある猫は要注意です。
キャリーバッグは猫のサイズに合った通気性の良いものを選びましょう。慣れてもらうために数日前から部屋に置いておくのがベストです。
トイレ・水分補給の準備も必要で、移動が長時間になる場合は、簡易トイレや給水ボトルの準備も忘れずに。
最後に持ち物の確認として、フード、毛布、トイレシートなど、猫が安心できるアイテムを持って行きましょう。
健康チェックとワクチン接種
猫と車で移動する際、まず大切なのが健康状態のチェックです。特に長距離移動や旅行の場合、動物病院での事前診察を受けておくと安心です。
確認ポイント:
- 体温・食欲・排泄などの異常がないか
- 感染症対策としてワクチンが接種されているか
- ノミ・ダニなどの外部寄生虫の予防ができているか
- 長距離移動時に必要な薬や処方があるか
また、移動先によってはワクチン接種証明書の提示が必要になる場合もあるため、事前に確認し、書類を準備しておきましょう。
キャリーバッグの選び方
キャリーバッグは猫の移動の必須アイテムです。選び方を間違えると猫がストレスを感じたり、安全性が確保できなかったりするため、慎重に選びましょう。
選び方のポイント:
- サイズ:猫が立ち上がって方向転換できる広さが理想
- 素材:プラスチック製(安定性・通気性が高い)がおすすめ
- 安全性:しっかり施錠でき、車のシートベルトで固定できるタイプ
- 掃除のしやすさ:取り外しやすい構造のものが便利
猫が安心できるように、キャリー内にいつもの毛布やタオルを敷いておくと効果的です。
慣らし運転のすすめ
猫が車に慣れていない場合、いきなり長距離移動をするのは避けた方がよいです。「慣らし運転」を行うことで、猫の不安を軽減できます。
慣らし運転の手順:
- キャリーに慣れさせる:普段から部屋に出して自由に出入りできる状態にする
- エンジンをかけた状態で車内に置く:まずは揺れや音に慣れることが目的
- 短時間のドライブ:近所を5~10分ほどドライブし、徐々に時間を伸ばしていく
- 帰宅後にご褒美をあげる:「車 = 良いことがある」と印象づける
このステップを繰り返すことで、猫が車を怖がらなくなり、移動時のストレスも大幅に軽減されます。
猫との車移動を快適にするための工夫

猫は車内という非日常の空間に強い不安を感じやすいため、少しの工夫で移動時の快適さは大きく変わります。
最も大切なのは「安心できる環境づくり」です。キャリーバッグの設置場所、車内の温度管理、においや音への配慮を行うことで、猫のストレスを最小限に抑えることができます。
また、途中で適度な休憩を取ることも、体調維持や精神的負担を減らすうえで非常に効果的です。
“安全”と“安心”の両立が、快適な車移動のカギとなります。
キャリーの設置場所と固定方法
車内でのキャリーバッグの設置場所や固定方法は、安全面において非常に重要です。不安定な場所に置くと、急ブレーキ時に転倒したり、猫がケガをするリスクがあります。
おすすめの設置場所とポイント
- 後部座席に横向きで設置:猫の視界が減り落ち着きやすくなります
- シートベルトでしっかり固定:キャリーにベルトを通して動かないように固定
- 足元には置かない:衝突時に踏みつけられる危険があるためNG
布製キャリーよりも、安定性のあるハードタイプが推奨されます。猫の安全を守るために、キャリーの固定は必ず行いましょう。
車内温度・換気の重要性
猫は人間以上に暑さに弱いため、車内温度の管理は非常に重要です。特に夏場の車内は短時間で危険な高温になり、熱中症のリスクが高まります。
快適な車内温度の目安
- 20~25℃が理想
- エアコン使用時は直接風が当たらないよう注意
また、換気をこまめに行うことで、こもったにおいや二酸化炭素の滞留を防ぐことができます。
ただし、窓を開けすぎると猫が驚いて暴れたり、逃げ出す可能性もあるため、開ける幅は最小限にしましょう。
移動中は、「猫ファースト」で温度と空気の質を意識することが大切です。
音やにおいへの配慮
猫は聴覚と嗅覚が非常に優れているため、車内の音やにおいに強く反応します。不快な音やにおいはストレスの原因になり、パニックを起こすこともあります。
音に対する配慮
- 大音量の音楽やラジオは控えめに
- ウィンカーやエンジン音に過剰に反応する場合は、静かな運転を意識
においへの配慮
- 車内の芳香剤はできるだけ無香料に
- -猫が安心できる自宅のにおい付き毛布やタオルをキャリーに敷くと効果的
猫にとって快適な空間を作るには、「人間には気にならない刺激にも注意する」ことがポイントです。
途中休憩のとり方と給水のコツ
長距離移動では、猫の体調を保つために途中での休憩と水分補給が欠かせません。目安としては1~2時間に1回程度の休憩が理想です。
休憩時のポイント
- エンジンを切った状態での車内放置は絶対にNG
- 停車中でもキャリーから出さず、落ち着かせてあげることが大切
- 水はボウルや携帯給水器でこまめに与える
また、暑い時期は氷を数個入れた水を用意するのもおすすめです。飲水量が少ない猫の場合は、ウェットフードを与えるのも水分補給の一助になります。
無理のないペースで休憩をとることで、猫の健康と精神状態を良好に保つことができます。
猫との旅行で必要な持ち物リスト

猫との旅行には、普段の生活とは異なる環境で快適に過ごせるような準備が欠かせません。
フードや水といった基本的なものに加えて、トイレ用品や安心感を与えるグッズ、暑さ・寒さ対策グッズなども重要です。
猫は環境の変化に敏感なので、慣れ親しんだにおいのする毛布など、ストレスを軽減するアイテムも忘れずに持参しましょう。
ここでは「基本の持ち物」と「あると便利なグッズ」に分けて紹介します。
基本の持ち物
旅行に最低限必要な猫用グッズを揃えることで、移動中や宿泊先でのトラブルを防ぐことができます。以下のようなアイテムは必ず準備しておきましょう。
- キャリーバッグ(移動時の安全確保)
- フード(いつも食べ慣れているものを小分けに)
- 水と給水器(ペットボトル装着型が便利)
- トイレセット(猫砂、トイレ本体またはシート)
- 毛布やタオル(におい付きで安心感UP)
- ワクチン証明書(宿泊施設で必要な場合あり)
特にキャリーバッグとトイレは必須。これが揃っていないと猫も飼い主もストレスを感じやすくなります。
フード・水・おやつ
旅行中でも、猫の食事ペースを崩さないようにすることが大切です。いつも食べているフードを持参することで、体調不良や食欲不振を防げます。
- ドライフード・ウェットフード:必要日数分を小分けにして持参
- 飲料水:ミネラルウォーターではなく、普段から飲んでいる水道水がベスト
- おやつ:移動後のご褒美や、ストレス緩和に活用
フードを入れる軽量のフードボウルや給水皿も忘れずに用意しておきましょう。
トイレセット
猫にとって、安心して排泄できる環境は非常に重要です。旅行中でも普段のトイレ環境をなるべく再現することがポイントです。
- 猫砂(使い慣れたタイプ)
- トイレ本体または携帯用トイレトレー
- ゴミ袋(使用済みの砂の処理用)
消臭袋や除菌シート
移動中や宿泊先で粗相を防ぐためにも、トイレ用品は余裕を持って準備しておくのが安心です。
毛布やタオル(匂い付き)
猫は自分のにおいがするものに強い安心感を覚えるため、旅行の際には必ず持参しましょう。
- 普段使っているタオルやブランケットをキャリー内に敷く
- 新品ではなく、使用済みで洗っていないものの方が効果的
においのある布類を入れておくことで、車内や宿泊先での落ち着きやすさが格段に向上します。
あると便利なグッズ
絶対に必要というわけではないものの、あると快適さや安心感がアップするアイテムを紹介します。
- 携帯用猫トイレ(中・長距離移動向け)
- 冷感シートや保冷剤(夏の暑さ対策に)
- ペット用消臭スプレー(粗相時や車内のにおい対策)
これらのグッズは、状況に応じて柔軟に対応できる安心感を与えてくれます。トラブルに備えて、できるだけ持っておくとよいでしょう。
携帯用猫トイレ
特に長距離移動や宿泊先にトイレを持ち込めない場合に便利です。折りたたみ式や使い捨てタイプなど、コンパクトに持ち運べる製品が増えています。
- 軽量かつ防水素材
- 猫が入りやすい形状
- 砂が飛び散りにくい構造
コンビニなどで簡易的に使える場所を探すこともできるため、1つ持っておくと非常に安心です。
冷感シートや保冷剤
夏場の車内は特に高温になりやすく、熱中症のリスクが高まるため要注意です。冷感グッズで快適な環境を保ちましょう。
- 冷感マットやアルミボード
- ペット用保冷剤(凍らせても硬くならないタイプ)
キャリーの中にタオルで包んで入れておくと、猫が暑さでグッタリするのを防げます。
ペット用消臭スプレー
万が一の粗相や、長時間車内にいることで発生するにおい対策に役立つアイテムです。ペット専用のスプレーは、猫に優しい成分で作られているので安心して使えます。
- 粗相や嘔吐後の応急処理
- キャリーや車内のにおい消し
- 宿泊先でにおいを残さない配慮
予想外のトラブルに備え、1本携帯しておくととても便利です。
猫と一緒に泊まれる宿を選ぶポイント

猫と旅行する際には、猫の性格や過ごし方に合った宿選びが重要です。犬向けの宿泊施設は多い一方で、猫に対応した施設はまだ少ないため、事前調査が欠かせません。以下の点をチェックしましょう。
- 「猫OK」と明記された宿か
- ケージやトイレの持ち込みが可能か
- 家具の配置がシンプルで脱走リスクが低いか
- 鳴き声への配慮がなされているか
特に、猫専用ルームや個室対応の宿を選ぶと、他の宿泊者への気遣いも減り、安心して過ごせます。
ペット可宿泊施設の種類と特徴
ペット可の宿泊施設にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。猫との旅行に向いているかどうかを判断する際の参考にしましょう。
宿泊タイプ | 特徴 | 猫向きか? |
---|---|---|
ホテル型 | 設備が充実。ペット専用フロアもある場合あり | △(犬優先が多い) |
コテージ型 | 独立した建物で騒音や脱走の心配が少ない | ◎(プライベート空間が安心) |
民泊型 | ホストによる管理。柔軟な対応が可能な場合も | △(ルールの確認が必要) |
猫にはコテージや一棟貸しタイプの宿が特におすすめです。
事前確認すべき宿の条件
猫と宿泊する際は、予約前に以下の条件を必ず確認しましょう。
- 猫の宿泊が許可されているか(犬限定の施設も多い)
- 必要な持ち物(トイレ・ケージなど)を持参する必要があるか
- 追加料金や頭数制限の有無
- 室内での行動制限(ベッドに上がってよいか等)
- 緊急時に近くの動物病院があるか
これらの情報は、公式サイトや電話で事前に問い合わせるのが安心です。
猫が快適に過ごせる部屋作りのコツ
猫は環境の変化に敏感なので、宿でもなるべく自宅に近い雰囲気を再現することが大切です。
- キャリーを開放して避難場所にする
- いつも使っている毛布やおもちゃを持ち込む
- トイレの設置場所は静かで落ち着ける場所に
- ドアや窓の開閉時には脱走対策を徹底
初めての環境で落ち着かない様子が見られる場合は、照明を暗めにし、声をかけて安心感を与えましょう。
猫との旅行中によくあるトラブルと対処法
猫との旅行では、普段の生活では起きにくいトラブルが発生することもあります。以下のようなトラブルに備えておきましょう。
- 車酔い:移動中に嘔吐・ぐったりする
- 脱走:ドアの隙間から外へ
- 体調不良:食欲不振や下痢
- 鳴き続ける:環境の変化による不安
対処法を事前に知っておくことで、慌てず冷静に対応でき、猫の不安も最小限に抑えられます。
車酔いしたときの対応方法
猫も人間と同じように、車酔いをすることがあります。特に長時間の移動では注意が必要です。
症状の例
- よだれが増える
- 嘔吐
- 落ち着きがなくなる
- キャリー内でじっと動かない
対処法
- 事前に動物病院で酔い止めを処方してもらう
- 移動中はこまめな休憩を取り、換気を行う
- 揺れの少ない走行と静かな音楽で環境を安定させる
空腹・満腹どちらでも酔いやすいため、食事のタイミングにも注意が必要です。
脱走・迷子対策
慣れない場所では猫が驚いて逃げ出してしまう危険性があります。以下の対策をしておきましょう。
- キャリーやハーネスは必ずロックする
- 宿泊中はドアや窓を常時閉める
- 万一のために迷子札やマイクロチップを装着
- 首輪に連絡先を書いたタグをつける
脱走した場合に備えて、猫の最新写真をスマホに保存しておくと、捜索時に役立ちます。
体調不良時の応急処置と動物病院の探し方
旅行中に体調不良を起こす猫もいます。特に下痢、嘔吐、ぐったりするなどの症状が見られた場合、迅速な対応が必要です。
応急処置の例
- 水分補給(シリンジで与える)
- 静かな環境で安静にさせる
- 食事を無理に与えず様子を見る
動物病院の探し方
- 旅行前に目的地近くの病院を調べておく
- 日本動物病院協会(JAHA)などのサイトを利用
- 宿のスタッフに相談するのも有効
ペット保険証やワクチン証明書のコピーも持参すると診察がスムーズです。
猫との車旅行は準備がカギ!安心・安全に楽しむために必要なこと
猫との旅行は、しっかりとした準備をすれば楽しく安全な思い出作りになります。以下の点を押さえておくことが成功のカギです。
- 事前準備(持ち物、宿の確認、健康チェック)
- 移動中の快適さ(キャリー設置、温度管理、静音対策)
- 宿での安心感(においのあるアイテム、部屋の安全対策)
- トラブルへの備え(車酔い、脱走、体調不良)
猫の気持ちに寄り添い、無理をさせない旅程設計が大切です。準備万端で出かければ、きっと素敵な思い出になるでしょう。
この記事の執筆者
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