かぎしっぽの猫は幸運を呼ぶとか、長生きの猫はしっぽが2つに分かれて猫股(猫又/ねこまた)になるとか、猫のしっぽにまつわる言い伝えはいろいろ。
それだけ昔から洋の東西を問わず、人は猫のしっぽの形や動きに惹きつけられてきたということでしょう。
しっぽは猫のボディランゲージツール。たとえば、ピーンとしっぽを立てているとき、愛猫がどんな気持ちなのか、あなたはわかりますか?
主に今回は、しっぽを立てているときの理由、気持ちについてご紹介します。
この記事の結論
- 猫のしっぽにはさまざまな役割があり、そのひとつが感情を表すこと
- うれしい気持ちのときはピーンとまっすぐしっぽを立てる
- 怒っているときや驚いているときは毛を逆立ててしっぽを膨らませる
- しっぽは猫にとって大事な体の部位で、感情を表すほかにも役割がある
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目次
猫がしっぽを立てる理由とは
長尾のメインクーンやシンガプーラ、ジャパニーズボブテイルの別名がある短いしっぽの日本猫、しっぽのないマンクスなど、しっぽの長さもいろいろ。
長いしっぽの猫の場合、尾椎(びつい)という骨がおよそ18個~20個並んでいて、神経も尾の先まで通っています。
尾椎の周りにはしっぽを動かすための筋肉がついていて、左右の筋肉が同時に収縮するとしっぽが背中側に上がり、ピーンと立つ仕組みです。
猫がしっぽを立てるのは、子猫時代に親猫から世話してもらっていた頃の名残と言われています。
子猫がまだ幼いうちは、親猫が排泄を促すため子猫の肛門を舐めますが、子猫は世話してもらいやすいようにしっぽを立てて親猫に近づくからです。
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しっぽを立てているときの猫の気持ち
子猫が親猫に世話してもらおうとしっぽを立てて近づくように、愛猫がしっぽを立てながら飼い主さんのほうへ来たら、それは信頼と愛情の証。
ただし、しっぽの動き、太さや形をよく観察してみてください。
その違いによって、猫のしっぽには以下のような感情とメッセージが込められています。
甘えている
愛猫がしっぽをまっすぐ上にピーンと立てて、あなたのほうへすり寄って来ましたか?
それは、子猫が親猫に対するのと同じような感情を、飼い主さんに対して抱いているシルシです。
つまり、甘えたい、かまってほしいという感情が込められていると思って良いでしょう。
おねだりしている
愛猫が親猫に対するのと同じように、しっぽをまっすぐ立てて近づいてくるのは、ただ甘えたいだけとは限りません。
「ごはんがほしい」「おやつがほしい」と、おねだりしているときもしっぽを垂直に立てます。
ちなみに、母猫が子猫を連れて狩りへ出かける際、母猫はしっぽを立てて先を歩き、子猫もしっぽをピンと立ててついて行きます。
団体旅行でガイドさんが旗を立てて歩くように、母猫も子猫もお互い迷子にならないための目印ではないかと言われています。
喜んでいる
親猫から世話をされたり、狩りで得た食べ物をもらったりすると、子猫は愛情や安心感を体で覚え、うれしい気持ちになります。
そのため、うれしい気持ちになると、しっぽをまっすぐピンと立てるようになると言われています。
立てたしっぽの先が小刻みにプルプル震えていたら、愛猫がうれしくて興奮していることの表れ。
飼い主さんが仕事や学校、あるいは長時間の外出や旅行から帰宅したとき、愛猫がしっぽを立てて震わせていたら喜びを爆発させている証拠です。
挨拶をしている
親猫や飼い主さんだけでなく、猫同士でもしっぽをピンと立てて、お互いに鼻をくっつけあったり、体をすり寄せたりすることがあります。
これは、お互いに好意や信頼感を抱いている猫同士の挨拶です。
相手に対して敵意がなく、親しみを抱いていることを体と態度で示しています。
興奮している
猫がうれしさのあまり興奮しているとき、しっぽは天に向かって垂直に立てられ、その先だけがプルプルと小刻みに震えています。
でも、そのしっぽが膨らんで、毛が逆立っていたら要注意。うれしさとは逆の意味で興奮している状態です。
興奮のあまり飛び掛かってくる危険性もありますから、猫を構わずに、黙ってすぐその場を離れましょう。
驚いている
猫が何かに驚いたとき、ピョーンとその場で飛び上がったり、飛び退いたりすることがあります。いわゆる「猫っ飛び」と呼ばれる動作です。
漫画のようにビックリ顔になる子もいて、「ギャッ」とか「ビャッ」とか悲鳴を上げることもあります。
そんなとき、しっぽの毛は逆立ち、「タヌキしっぽ」とも呼ばれるようにブワッと膨らんでいます。
怖がっている
何かに怯えたときも、猫のしっぽは突然太くなることがあります。不安と恐怖を感じ、敵に対して自分を大きく見せようとしっぽを膨らませるのです。
怖がって興奮しているときは突然攻撃に転じ、飼い主さんに対しても引っ掻いたり、噛み付いたりすることがありますから、すぐにその場を離れましょう。
さらに恐怖や不安が続くと、猫はしっぽを曲げて体の下にしまい込みます。これは降参・服従のサインです。
怒っている
怒りをアピールするときも、猫は体を大きく見せて威嚇するために毛を逆立て、しっぽを膨張させます。
「やんのかステップ」や「オラオラ歩き」と呼ばれる不満を示す歩き方をするときも、しっぽは大きく膨らんでいます。ただし、下向きが多いようですね。
「シャーッ」「フーッ」という威嚇の声を上げることもあります。こんなときも、すぐにその場を離れましょう。
猫のしっぽの役割
愛猫の長いしっぽを間違って踏んでしまい、「ギャッ」と叫び声をあげられ、うらめしそうな顔をされたことはありませんか?
昔から、「猫のしっぽを引っ張ってはいけない」と、よく言われます。
猫のしっぽには「尾骨神経」が通っていて、骨盤や陰部、下腹などにある重要な神経と部分的につながっています。
そのため、しっぽの神経が傷つくと、通称「猫踏んじゃった症候群」と呼ばれる、歩行障害、排尿排便障害、下半身麻痺などを起こす可能性があります。
では、そもそも、なぜ猫にはしっぽが生えているのでしょう?しっぽには、どんな役割があるのでしょう?
体のバランスを保つ
細い塀の上を悠々と歩いたり、木の枝に飛び乗ったり…。高いところから降りるときに体制を崩していても、ヒョイっとキレイに着地できる猫。
こうしたことを猫ができるのも、実はしっぽのおかげ。しっぽでこのバランス感覚を保っているのです。
マンション数階から飛び降りても無事だと言われている猫。その凄さはしっぽが大きなポイントになっているのでしょう。
感情を表現する
猫がしっぽをピーンと立てるのは、うれしいときやごはんがほしいとき。毛を逆立てて、しっぽを膨らますのは、驚いたときや怯えたとき、怒ったとき。
そのほかにも、以下のようなしっぽの様子には、愛猫の感情が込められていることがあります。
クネクネさせる | 楽しくてワクワクしているとき。飼い主さんを遊びに誘っているのかもしれません。 |
山なりに上下に動かす | 「近づくな」のサイン。ちょっと距離を置いて、そっとしておきましょう。 |
座ったまま前足を隠すように巻きつける | リラックスしているとき。この場合も、そっとしておいてあげましょう。 |
座ったまま左右にパタンパタン打ち付ける | イライラしているときです。下手に構わず、様子を見守りましょう。 |
座ったまま左右にユラユラ大きく動かす | これは逆に、ご機嫌の良いとき、リラックスしているときです。 |
座ったまま上下にゆっくり動かす | しっぽをクルリンとさせたり、パタッパタッと上下にゆっくり動かすのは、考え事をしているときだとか。思索の邪魔をしないようにそっとしておきましょう。 |
伏せや座った姿勢で先をピクピク動かす | 獲物を狙うときに取る体勢です。神経を集中させているので、邪魔しないこと。 |
寝た姿勢でしっぽの先だけ小さく振る | 飼い主さんが名前を呼んだときなどに、動くのが面倒なので、しっぽでお返事しています。 |
だらんと下げる | 元気がないとき。叱られてしょんぼりしている場合もありますが、体調が悪そうだったら、すぐ動物病院へ。 |
また、抱っこされてバタバタ激しくしっぽを振るのは「早く下ろして」の合図で、しっぽを自分のお腹にピタッと付けたら怖がっている可能性があります。
しっぽに顔をうずめて体を温める
寒い日、首にマフラーを巻くと、全身が暖かく感じることがありますよね。
首には太い頸動脈が通っていて、血液や酸素を全身に送っているためだそうです。
猫もマフラー代わりにしっぽを使います。長いしっぽの猫が体を丸めて自分のしっぽに顔をうずめるようにするのは、防寒のためだと考えられます。
クルンと丸まってしっぽをマフラー代わりにしているようであれば、室温を確認してあげても良いでしょう。
臭腺でマーキングをする
猫が自分の縄張りを示す行為をマーキングと呼びます。爪とぎ、頬や頭をスリスリするのもマーキング行為ですが、代表的なのがスプレーでしょう。
スプレーとは、立ったままいつもより濃い少量の尿を壁などに掛けて、テリトリーを主張する行為です。
しっぽをピンと高く上げ、小刻みに振ってオシッコを吹きかけます。しっぽの付け根のお尻にある臭腺を使ってスプレーするので、強烈なニオイがします。
愛猫がしっぽが立てていたらどうするべき?
長いしっぽの子はもちろん、短いしっぽの子も動作や振り方で感情を表します。
可愛い愛猫が感情を込めてしっぽを立てて近寄ってきたら、飼い主さんとしてはしっかり受け止めてコミュニケーションしたいですよね。
そこで、愛猫がしっぽを立てて何かをアピールしてきたときの対処法をご紹介します。
すり寄ってきたときはたくさんスキンシップをとる
愛猫がピーンとしっぽを立てて、ゴロゴロと喉を鳴らしながらすり寄ってきたら、それは甘えたいシルシ。
飼い主さんのことを親猫のように慕って、愛情を感じている証拠です。
上智大学の研究チームによる実験で、猫は自分の名前を聞き分けることが証明されたそうですから、いっぱい名前を呼んで可愛がってあげましょう。
頭やあご、首、肩をなでてあげたり、抱っこしてあげるのも良いでしょう。
「お腹が空いた」のときもありますから、ごはんの時間の場合はご用意を。
怒っているときはそっとしておく
立てたしっぽが膨らんでいる場合は、怒っているか、何かに驚いて不安になっている場合です。
毛も逆だって、「フー」とか「ハー」とかいう唸り声を上げていることもあります。
飼い主さんに対して怒っていなくても、こういうときは興奮して襲いかかってくることもありますから、刺激しないようにそっとその場を離れましょう。
怖がっているときは、その原因を取り除く
猫の聴覚は人間の3倍以上あると言われ、大きな音を発するものに怯えます。
掃除機、インターホン、ドライヤー、雷や花火の音は大嫌い。こういったものの音がすると、ベッドの下や家具の後ろなどに隠れてしまう子もいます。
また、猫は見知らぬものに警戒心を抱くので、突然、毛を逆立ててしっぽを膨らませたと思ったら、新しい毛布を怖がっていたなんてことも。
見たことのない毛布やセーター、ぬいぐるみなどは、不審な動物と思うのでしょうか?そういうときは「大丈夫」とやさしく言って排除してあげましょう。
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しっぽを立てる理由を知って愛猫との絆を深めよう!
ピンとまっすぐに立てたしっぽは愛情表現。そう知ってみると、ますます愛猫が愛おしくなってきますね。
帰宅したとき「おかえりなさい」とは言ってくれなくても、愛猫がしっぽを立てて出迎えてくれたら、あなたが帰ってきたうれしさを爆発させている証。
短いしっぽの猫も、さまざまな感情をしっぽで表現するそうですから、愛猫のしっぽをよく観察して、コミュニケーションを深めていきましょう。
この記事の執筆者
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