愛犬の名前ランキングで常にトップ10入りし、ダントツ1位を獲得したこともあるチョコちゃん。フランス語のショコラちゃんも20位圏内の人気です。
特にトイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、チワワに多く、とろけるようにスイートで可愛い小型犬のイメージによく合います。
愛犬のネーミングにはぴったりのチョコ、ショコラですが、愛犬のおやつにチョコレートはNG。
その理由や、万が一、愛犬がチョコレートを食べてしまったときの対処法などについて解説いたします。
この記事の結論
- 犬はチョコレートに含まれるテオブロミンやカフェインによって中毒症状を起こす
- 犬の体重、チョコレートを食べた量によっては死に至ることもある
- 中毒症状はチョコレートを食べてすぐは現れず、翌日発症することもある
- 愛犬がチョコレートを食べてしまったら、自分で対処しようとせず、すぐ動物病院へ
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目次
チョコレートは犬に与えてはいけない食べ物

甘くてほろ苦いチョコレートは人間界では人気のスイーツで、近頃ではチョコレートに含まれるカカオポリフェノールの健康効果も注目されています。
ところが、犬にとってチョコレートは健康を害するタブーな食べ物。それどころか、大量に食べると命に関わる危険な食品です。
犬だけでなく猫にとってもチョコレートは危険な食べ物で、人間を除く多くの動物でチョコレートは危険だということがすでに知られているのではないでしょうか。
チョコレートは少量でも命に関わる食べ物なので、絶対に与えないようにしましょう。
まずは、その理由について調べてみました。
カカオの成分「テオブロミン」が中毒症状を引き起こす
チョコレートの原料であるカカオ豆には、テオブロミンという苦味成分が多く含まれています。
血液サラサラにして体温を上げ、脳内の「幸せホルモン」セロトニンに働きかけてリラックスさせ、食欲を抑えるなどの作用があるとされています。
人間には注目の物質として大歓迎されていますが、残念ながら犬はテオブロミンを分解・排出するスピードが非常に遅く、中毒を起こしてしまいます。
場合によっては神経や心臓に悪影響を与える、犬にとっては非常に怖い有害な成分です。
テオブロミンはチョコレート以外の食べ物にも含まれる
テオブロミンはカカオを原料として使用している食品すべてに含まれています。
たとえば、以下のようなチョコレート入りやチョコレート風味の食べ物は、愛犬に与えないよう注意しましょう。
- アイスクリーム
- ホイップクリーム
- パン
- ココア など
実は、人間もチョコレートを食べ過ぎると、テオブロミン中毒になることがあります。
人間も体重1kgあたりデオブロミン50mg~100mgで中毒症状を引き起こす可能性があるため、体重5kgの子どもが板チョコ1枚を食べるのは危険とされています。
チョコレートはカフェインや糖分も含まれている
チョコレートには少量ですが、カフェインが含まれています。
カフェインも犬が中毒を起こす成分で、愛犬の体重1kgあたり140mgが致死量とされています。
カフェインはチョコレートのほか、コーヒー、紅茶、緑茶、ココア、コーラなどの清涼飲料水やエナジードリンクにも含まれるので、注意が必要です。
また、肥満や糖尿病の原因となる、糖分や脂分がチョコレートには多く含まれています。
犬は「甘味・酸味・苦味・塩味・旨味」を感じ取ることができ、特に旨味と甘味には敏感でスイーツ好きな子もいるので気をつけましょう。
かつては旨味以外の4味だと言われていましたが、最近の研究では旨味も感じることができ、なおかつ好む傾向にあると言われています。
犬がチョコレートを食べて引き起こされる中毒症状

飼い主さんの目の前で愛犬がチョコレートを食べたならすぐに気付けますし、すぐに対処することができます。
ですが、飼い主さんのいないところでチョコレートを食べてしまった場合は、症状が出て初めて気付き、慌てることになりますよね。
以下の症状が出たら、チョコレート中毒の可能性が高いので、すぐ動物病院へ連れて行きましょう。
また、症状が現れなくても、チョコレートを食べたことが分かった時点ですぐに動物病院へ連れて行きましょう。
初期症状(軽度)
中毒症状は食べた直後には現れず、食べてから4時間~5時間後、あるいは半日後や翌日に症状が現れることもあります。
愛犬の体重1kgに対して20mgほどのチョコレートを口にしただけで、以下のような症状がみられます。
症状には個体差もあるほか、もともと興奮しやすい子などは気づかないこともあります。
愛犬がチョコレートを食べても何も症状が出ないからといって、安心して看過してはいけません。
症状が出なくても、すぐ動物病院へ連れて行きましょう。
症状が現れてから進行することもあり、手遅れになればなるほど重症化や命の危険が増します。
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進行後の症状(重度)
愛犬が以下のような異常な様子を示したら、緊急治療を要する重度のチョコレート中毒症状です。
重症の場合は数日間の入院を必要とし、嘔吐、下痢、多尿、活動過剰または運動失調、興奮、痙攣などが3日ぐらい続くときもあります。
チョコレートの毒性が抜けるまで、最低でも4日はかかると覚悟しておきましょう。
また、テオブロミンが心不整脈や呼吸不全を起こすため、食べた量が多くて命を落とした例もありますので、油断できません。
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犬がチョコレートを食べて中毒症状が出るまでの時間

愛犬にチョコレート中毒の症状が現れるのは、食べてから4時間~6時間後が多いとされていますが、12時間後や24時間後に出る場合もあります。
食べたチョコレートの量や種類、愛犬の体重によっても、中毒症状が現れる時間は異なります。
食べ過ぎや早食いで愛犬が食事の直後に吐くことはありますが、何時間も経ってから吐くのは愛犬の体に何らかの異常事態が起きている証拠。
嘔吐、下痢、多尿、荒い呼吸などを見逃さず、すぐ動物病院へ行きましょう。
犬にとって危険なチョコレートの量

アメリカの動物虐待防止協会によると、中毒症状が出るテオブロミン摂取量(愛犬の体重1kgに対して)は以下の通りです。
摂取量が多いほど症状も重くなりますが、量が少ないからと言って安全だというわけではありません。
テオブロミンの量 | 中毒症状の重さ |
---|---|
20mg | 軽度 |
40mg~50mg | 重度 |
60mg | より重度で深刻に |
100mg~200mg | 致死量 |
文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、一般的なミルクチョコレート100gあたりのテオブロミン含有量は200mg。
板チョコ1枚がだいたい50gですので、テオブロミンは100mg含まれる計算になります。
体重4kgの超小型犬なら板チョコ1枚を食べると、中毒を発症する可能性が高いということです。
しかし、チョコレートによってカカオ保有量が違うため、少量でも中毒を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
【犬のチョコレート中毒】結局どれくらいの量を食べると危ないの?獣医師が解説します。:かいぼっち
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チョコレートの種類別の目安量
種類 | テオブロミン含有量 (目安) | 犬の体重あたり危険量 (目安)¹ | 引き起こされる可能性のある症状 (目安) |
---|---|---|---|
ホワイトチョコレート | ごくわずか | 大量摂取で影響の可能性² | 消化器症状 (嘔吐、下痢など)² |
ミルクチョコレート | 比較的少ない (約1.0-2.1mg/g) | 約20g/kg³ | 軽度な症状 (嘔吐、下痢、多飲多尿、興奮など) |
ダークチョコレート | 多い(約4.4-8.8mg/g) | 約6g/kg³ | 重度な症状 (心拍数の増加、不整脈、震え、痙攣など) |
製菓用チョコレート | 多い(約15mg/g前後) | 約3g/kg³ | 重度な症状、命に関わる可能性 |
ココアパウダー | 非常に多い(約4.6-38mg/g) | 約1g/kg³ | 重度な症状、命に関わる可能性 |
¹ 犬の体重1kgあたりのチョコレート摂取量(あくまで目安であり、個体差や製品による違いがあります)
² ホワイトチョコレートはテオブロミンの含有量が非常に少ないため、中毒の危険性は低いとされますが、糖分や脂肪分が多く含まれるため、消化器症状を引き起こす可能性があります。
³ これ以上の量を摂取した場合、中毒症状が現れる可能性が高まります。特にカカオ含有量の多いチョコレートは少量でも危険です。
危険量はあくまで一般的な目安
上記の危険量はあくまで一般的な目安です。犬の感受性や健康状態によって、より少ない量でも中毒症状が現れることがあります。
チョコレートの種類だけでなく、カカオの含有率によってテオブロミンの量が大きく異なります。高カカオチョコレートほど少量でも危険性が高いです。
チョコレート中毒には解毒剤がありません。もし愛犬がチョコレートを食べてしまった場合は、少量であっても自己判断せず、すぐに動物病院に連絡して指示を仰いでください。食べたチョコレートの種類、量、時間を正確に伝えることが重要です。
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愛犬がチョコレートを食べてしまった場合の対処法
犬はチョコレートの成分であるテオブロミンやカフェインを分解しづらく、排泄するまでに時間がかかってしまいます。
では、時間をかければ自然に排泄できるのかと言うと、そうではありません。体内に長くとどまるため、毒素が吸収され、中毒を起こすのです。
そんな愛犬のチョコレート誤飲に対して、飼い主さんができる対処法とは何か、それは「すぐ動物病院へ行くこと」です。
様子見をせず、すぐに動物病院へ行く
愛犬の症状はもちろん、体重に対するチョコレートを食べた量や種類によっても対処法は異なります。
動物病院に連絡する際、獣医師へ食べたチョコレートの量、種類や商品名を伝えられるようにしましょう。
成分などが記載されたチョコレートの包み紙やパッケージがあれば、動物病院へ持参することをおすすめします。
摂取量に関係なく愛犬が一口でもチョコレートを食べてしまったら、できるだけ急いで動物病院へ行きましょう。
動物病院に連絡する際に伝えるべき情報
愛犬がチョコレートを食べてしまったことに気づいたら、慌てずに、できるだけ早く動物病院に連絡してください。その際、以下の情報を正確に伝えることで、獣医師が迅速かつ適切な判断を下すための助けとなります。
食べたチョコレートの種類
例:ミルクチョコレート、ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、製菓用チョコレート、ココアパウダー、それらが含まれるお菓子など、具体的な製品名やカカオ含有量が分かれば伝えてください。可能であれば、パッケージを持参するか、写真に撮っておくと良いでしょう。
食べた量
おおよその量で構いませんので、どれくらいの量を食べてしまったかを伝えてください。例:板チョコ〇かけら、〇グラム、クッキー〇枚など。
食べた時間
いつ頃食べてしまったのか、おおよその時間を伝えてください。
犬の体重
愛犬の正確な体重を伝えてください。危険な量は体重によって異なります。
現在の症状
チョコレートを食べてから現在までに、何か変わった様子(嘔吐、下痢、震え、落ち着きがない、呼吸が速いなど)が見られる場合は、具体的に伝えてください。症状が出ていない場合でも、食べたという事実を伝えてください。
犬の年齢と基礎疾患
愛犬の年齢や、何か持病(心臓病、腎臓病など)がある場合は必ず伝えてください。
連絡先の電話番号
病院からの折り返し連絡が必要になる場合があるため、連絡のつく電話番号を伝えてください。
これらの情報を伝えることで、獣医師はチョコレート中毒の危険性を評価し、来院の必要性や自宅での一時的な対応について指示してくれます。自己判断で対応せず、必ず専門家の指示に従ってください。
絶対に自分で処置・対処はしない
残念なことに、テオブロミンを解毒する薬は存在しませんので、愛犬が食べたチョコレートをとにかく早く吐かせることが肝心です。
とは言え、飼い主さんご自身で愛犬に吐かせようとするのは、危険なので絶対に止めましょう。
特に興奮したり震えたり痙攣している愛犬の口に手を突っ込むと、指を噛みちぎられる恐れもあります。
また、食塩水やオキシドールを飲ませて吐かせる方法がネットで紹介されていますが、かえって愛犬の命を危うくするので厳禁です。
誤った吐かせ方による誤嚥性肺炎のリスク
インターネットなどで見かける情報の中には、食塩水を飲ませて犬を吐かせるといった方法が紹介されていることがありますが、これは非常に危険です。
無理に吐かせようとすると、吐瀉物(吐いたもの)が気管に入り込んでしまい、「誤嚥性肺炎」を引き起こす可能性があります。
誤嚥性肺炎は、肺に炎症を起こし、呼吸困難などを引き起こす深刻な病態であり、命に関わることも少なくありません。また、食道や胃の粘膜を傷つけてしまうリスクもあります。
塩分中毒の危険性
特に、食塩水を大量に飲ませる方法は「塩分中毒」を引き起こす危険があります。
犬にとって必要な塩分量は人間に比べてはるかに少なく、過剰な塩分摂取は体内の電解質バランスを崩し、高ナトリウム血症を引き起こします。
塩分中毒の症状としては、嘔吐、下痢、多飲多尿、脱水、神経症状(震え、痙攣、昏睡など)が現れ、重症の場合は死に至る可能性もあります。安易な自己判断による塩分摂取は絶対に避けるべきです。
犬がチョコレートを食べてしまった場合の病院での治療法

獣医師は嘔吐を促す薬を使って、犬にチョコレートを吐かせます。
テオブロミンの排出を促す点滴や、テオブロミンの吸着剤として活性炭の投与などを並行して行うこともあります。
うまく吐けなかったり、大量のチョコレートを食べているようなら、胃洗浄を行います。この場合、全身麻酔を要します。
また、チョコレートを食べてから時間が経ってしまうと、テオブロミンが腸へ移動しているため浣腸を行うこともあります。
テオブロミンの吸収が始まってしまうと、処置の施しようがありません。
救命の道が絶たれてしまいますので、できる限り早く病院へ連れて行くことが肝要です。
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愛犬のチョコレート誤食を予防する方法

愛犬がチョコレート中毒を起こさないための予防と対策は、とにかく「チョコレートを食べさせないこと!」に尽きます。
愛犬が勝手に食べたり、誤飲したりしないよう、愛犬に見つからない場所に保管しておくこと。
飼い主さんやご家族が食べかけたものの出しっぱなしや、愛犬が首を突っ込みやすい買い物かごの中への入れっぱなしも要注意です。
また、飼い主さんが食べていたチョコレートが床に落ちていることもあるでしょう。
調理中にキッチンに一時的にでも出していた、というだけということもあるでしょう。
いずれにしても一瞬の不注意で誤食してしまう可能性はあるため、適切に管理することが大切です。
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犬に与えてはいけないチョコレート以外の加工食品

チョコレート以外にも、愛犬に与えてはいけない食品が多々あります。特に以下のものは愛犬が食べないよう気をつけましょう。
犬に与えてはいけない食品
- ハム
- ソーセージ
- ベーコン
- ナッツ類
- キシリトール
- チョコレート
- レーズン など
ハム、ソーセージ、ベーコンといった加工肉はつい与えてしまいがちですが、犬にとっては塩分や食品添加物も過多なので、健康を損なう可能性があります。
ナッツは脂質が多くて消化しにくいので、愛犬が下痢することがあります。特にマカダミアナッツは中毒を起こしやすいので、絶対に与えてはいけません。
ブドウを犬に与えると、急性腎不全を起こす恐れがあります。ブドウを原料にしたレーズンも同様です。
飼い主さんが何か食べていると愛犬がおねだりしてきて、可愛いあまりついあげたくなりますが、原則として犬には犬用の食べ物と心得ておきましょう。
ココアパウダー
チョコレートの原料であるカカオ豆を粉末にしたもので、チョコレート以上にテオブロミンの含有量が多い場合があります。少量でも犬にとっては非常に危険で、重篤な中毒症状や命に関わる事態を引き起こす可能性があります。
チョコレート味のパン
パン生地にココアパウダーが練り込まれていたり、チョコチップやチョコレートクリームが含まれていたりします。加熱してもテオブロミンの毒性は消えないため、チョコレートの量によっては危険です。また、パン自体も犬にとって塩分や糖分が多い場合があります。
チョコレート味のクッキー
チョコレートチップが含まれていたり、生地にココアパウダーが使用されています。クッキーの種類によってチョコレートの含有量は異なりますが、少量でもテオブロミンを摂取する可能性があります。バターや砂糖も多く含まれており、消化不良の原因にもなり得ます。
チョコレート味のアイスクリーム
チョコレート成分が含まれているため、テオブロミンによる中毒の危険性があります。また、乳製品や多量の糖分が含まれているため、消化不良や下痢、肥満の原因となる可能性もあります。冷たいものは犬の胃腸に負担をかけることもあります。
チョコレート味の飲み物(ココア、チョコレートドリンクなど)
ココアパウダーやチョコレートシロップなどが使用されており、テオブロミンやカフェインが含まれています。特に濃厚なものやココア含有量の多いものは危険性が高いです。糖分も多く含まれています。
製菓用チョコレート
カカオ含有量が多く、テオブロミンの量が多いため、少量でも非常に危険です。お菓子作りなどで使用する際は、犬の届かない場所に厳重に保管する必要があります。
チョコレートでコーティングされた食品
チョコレートで覆われたお菓子やフルーツなども危険です。チョコレートの厚さや量によって危険度は異なりますが、犬が好む甘い香りで誤食を誘発しやすいです。
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