明るく陽気で、いつも楽しそうに振る舞うフラットコーテッド・レトリーバー。その天真爛漫な姿から「永遠の子犬」と呼ばれることもあります。
ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーに比べると飼育頭数は少ないですが、一度その魅力に触れると虜になる方が多い犬種です。
この記事では、フラットコーテッド・レトリーバーの性格や特徴、適切な飼い方、健康管理のポイントまで、飼い主さんが知りたい情報をすべてまとめました。
フラットコーテッド・レトリーバーとの暮らしをより豊かにするために、ぜひ参考にしてください。
この記事の結論
- フラットコーテッド・レトリーバーは明るくフレンドリーな性格の愛されキャラ
- 中型犬で運動量の多い活発な犬種のため、飼育にはコツが必要
- 飼い方をしっかりマスターすれば良好な関係のパートナーになれる犬種
- レトリーバー種の中では小柄だが、中型犬にしては大きな体格をしている
目次
フラットコーテッド・レトリーバーってどんな犬?

フラットコーテッド・レトリーバーは、イギリスのイングランドを原産とする犬種。狩猟犬を意味するレトリーバー種で、垂れ耳と平らな被毛が特徴のスマートな中型犬です。
性格は明るくフレンドリーであり、賢い犬種のため家庭での飼育に向いています。しかし力強い中型犬であるため、飼育には注意点があります。
ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーと比べると飼育頭数は少ないですが、その愛らしさから根強い人気を誇ります。
このセクションでは、フラットコーテッド・レトリーバーという犬種がどのような特性を持っているのか、その魅力や歴史について詳しくご紹介します。
楽天的であり、友好的な性格
非常に懐きやすい
ほとんど吠えることはない
スタミナが豊富で、十分な運動が必要
その他情報
原産地 | イングランド |
犬種グループ | 8G:7グループ以外の鳥猟犬 |
大きさ | 中型 |
平均寿命 | 8歳~12歳 |
なりやすい病気 | 外耳炎,胃拡張捻転症候群,悪性リンパ腫 |
参考価格 | 30万円前後 |
被毛
抜け毛 | 平均的 |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | ブラック,レバー |
フラットコーテッド・レトリーバーの基本情報
永遠の子犬と呼ばれる陽気な性格
フラットコーテッド・レトリーバーは、成犬になっても子犬のように天真爛漫で、遊び好きな性格を持つことから「永遠の子犬(Peter Pan)」と呼ばれています。
家族への愛情が深く、飼い主さんと一緒に遊ぶ時間を心から喜びます。とても賢く、感受性が豊かなため、褒めて伸ばすしつけが効果的です。
レトリーバー種らしく、他の犬や人にも友好的で、社交的な一面も持ち合わせていますので、飼いやすい犬種と言えます。
美しい漆黒の被毛とスレンダーな体型
フラットコーテッド・レトリーバーの最大の特徴は、その美しい漆黒の被毛とスレンダーな体型です。
被毛は光沢があり、密集したダブルコートで水を弾く性質を持っています。毛色はブラックとレバー(茶色)が認められています。
また、他のレトリーバー種と比較すると細身で、優雅な見た目をしています。頭部は細長く、目はアーモンド型で、表情豊かな顔立ちも魅力のひとつです。
成犬の体高と体重、平均寿命
フラットコーテッド・レトリーバーは中型~大型犬という大きさです。成犬になった際の体高と体重、そして平均寿命の目安は以下の通りです。
項目 | 男の子 | 女の子 |
---|---|---|
体高 | 約59~61.5cm | 約56.5~59cm |
体重 | 約27~36kg | 約25~32kg |
平均寿命 | 約8~12歳 | 約8~12歳 |
これらの数値はあくまで目安であり、個体差があります。適切な食事管理と十分な運動、そして定期的な健康チェックによって、平均寿命を上回ることも十分に可能です。
フラットコーテッド・レトリーバーの歴史と役割
フラットコーテッド・レトリーバーは、19世紀半ばにイギリスで誕生した犬種です。
当初は、水辺で撃ち落とされた鳥を回収する鳥猟犬として活躍していました。その優れた嗅覚と持久力、そして水の中でも躊躇なく飛び込む勇敢さから、ハンターにとって欠かせないパートナーでした。
この歴史的背景から、今でも泳ぐことや物を運んでくる遊びを好む傾向にあります。
フラットコーテッド・レトリーバーの飼い方と日常のケア

フラットコーテッド・レトリーバーは、その活発で賢い性格ゆえに、適切な飼い方と日常的なケアが不可欠です。
このセクションでは、彼らが心身ともに健康でいられるように、しつけのポイントから、豊富な運動欲求を満たす方法、食事、そして美しい被毛を保つためのお手入れまで、具体的な方法をご紹介します。
子犬期から成犬期まで!正しいしつけ方
賢く感受性豊かな性格に合わせたしつけのポイント
フラットコーテッド・レトリーバーは非常に賢く、人の言葉をよく理解する一方で、感受性が豊かで繊細な一面も持っています。そのため、大声で叱ったり、厳しく接したりするしつけ方法は逆効果になることがあります。
褒め言葉やご褒美を上手に使い、ポジティブ・フィードバックを基本としたしつけを心がけましょう。飼い主さんとの信頼関係を築くことが、しつけを成功させる鍵となります。
社会化トレーニングの重要性
フラットコーテッド・レトリーバーは社交的な性格ですが、子犬期の社会化トレーニングは非常に重要です。
生後3週~12週頃の社会化期に、さまざまな人や他の犬、場所、音に触れさせることで、成犬になってからの臆病さや問題行動を防ぐことができます。
パピー教室に参加したり、ドッグランに連れて行ったりして、多くの経験をさせてあげましょう。
豊富な運動量を満たすための方法
散歩だけでは足りない?必要な運動量は?
フラットコーテッド・レトリーバーは、鳥猟犬として活躍していた歴史から、非常に豊富な運動量を必要とします。そのため、毎日の散歩は、1日2回、それぞれ1時間程度は確保したいところです。
しかし、ただ歩くだけでは運動欲求を満たすのが難しい場合があります。時にはジョギングや自転車で伴走するなど、メリハリのある運動を取り入れることが大切です。
おすすめの遊びやスポーツ
フラットコーテッド・レトリーバーは、持ち前の運動能力と賢さを活かせる遊びやスポーツが大好きです。
- アジリティ:障害物をクリアしていく競技。運動能力と知能を同時に鍛えられます。
- ディスクドッグ:フリスビーを使って遊ぶ競技。彼らの走るのが好きな性格にぴったりです。
- レトリーブ:ボールやダミーを投げて持ってこさせる遊び。彼らの本能的な欲求を満たせます。
これらの遊びを通して、心身ともに健康を保ち、飼い主さんとの絆も深まります。
健康的で美しい体をつくる食事
年齢や運動量に合わせたドッグフードの選び方
フラットコーテッド・レトリーバーの健康維持には、適切な食事管理が欠かせません。
- 子犬期:骨や筋肉の成長をサポートする高タンパク・高カロリーのフードを
- 成犬期:活動量に見合ったカロリーのフードを選びましょう。
- シニア期:消化吸収に優れ、関節ケア成分などが含まれたフードがおすすめです。
体の大きな犬種は関節に大きな負担がかかりやすいため、健康的な食事に加えて、サプリメントなどの利用もおすすめです。
健康維持に役立つ食材と与え方の工夫
ドッグフードの他に、健康維持に役立つ食材を適量与えることもおすすめです。例えば、オメガ3脂肪酸は被毛のツヤを保ち、皮膚の健康に良いとされています。サーモンや亜麻仁油などに含まれています。
また、水をたくさん飲ませることで、尿路系の健康維持にもつながります。手作りのごはんを与える場合は、必要な栄養素をバランス良く摂取できるように、獣医師と相談しながら進めましょう。
美しい被毛を保つお手入れ
抜け毛対策!ブラッシングの頻度と方法
フラットコーテッド・レトリーバーは抜け毛が比較的多い犬種です。特に換毛期には、たくさんの毛が抜けます。そのため、毎日1回はブラッシングを行うことをおすすめします。
スリッカーブラシやピンブラシを使って、毛の流れに沿って優しくブラッシングしてあげましょう。定期的なブラッシングは、毛玉や皮膚病の予防にもつながります。
耳掃除やデンタルケアのポイント
垂れ耳を持つフラットコーテッド・レトリーバーは、耳の中が蒸れやすく、外耳炎にかかりやすい傾向があります。
週に1回は耳の中をチェックし、汚れが目立つ場合はペット用のイヤークリーナーを使って優しく耳掃除してあげましょう。
また、歯周病予防のために、子犬の頃から歯磨きを習慣づけることが大切です。歯ブラシや歯磨きシートを使って、毎日歯を磨いてあげましょう。
フラットコーテッド・レトリーバーの健康管理とかかりやすい病気

フラットコーテッド・レトリーバーは、一般的に健康な犬種ですが、遺伝的にかかりやすい病気がいくつか存在します。
特に大型犬に多い関節疾患や、残念ながら悪性腫瘍のリスクが高いことが知られています。
このセクションでは、フラットコーテッド・レトリーバーの飼い主さんが知っておくべき、病気の知識と予防策について詳しく解説します。
日々の健康チェックを習慣化し、病気のサインを見逃さないようにすることが大切です。
遺伝的にかかりやすい病気と注意すべきサイン
悪性腫瘍(ガン)について知っておくべきこと
フラットコーテッド・レトリーバーは、他の犬種と比べて悪性腫瘍(ガン)を発症するリスクが高いと言われています。特に注意すべきは、骨肉腫や血管肉腫、リンパ腫などです。
早期発見が非常に重要で、しこりやできものができた、食欲がない、急に痩せた、元気がない、といったサインが見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。
定期的な健康診断や、飼い主さんが日頃から体を触ってチェックする習慣が、早期発見につながります。
股関節形成不全や肘関節形成不全の予防と対策
フラットコーテッド・レトリーバーのような大型犬は、股関節形成不全や肘関節形成不全といった関節の病気にかかりやすい傾向があります。
これらの病気は遺伝的な要因が大きいですが、環境要因も影響します。予防のためには、子犬期に過度な運動をさせないことや、急な階段の上り下りを避けることが重要です。
また、滑りにくい床材を使用し、適正体重を維持することで、関節への負担を軽減することができます。
飼い主が知っておくべき病気のサイン
フラットコーテッド・レトリーバーが体調を崩しているサインには、以下のようなものがあります。
- 足を引きずる、歩き方がおかしい:関節炎や関節形成不全の可能性があります。
- 口の中や歯茎に異常がある:歯周病や、口内の腫瘍のサインかもしれません。
- 排尿や排便の仕方がおかしい:膀胱炎や、消化器系の疾患が考えられます。
- 咳や呼吸が荒い:心臓病や呼吸器系の病気のサインの可能性があります。
これらのサインが見られた場合は、様子見をせずに、すぐに動物病院を受診しましょう。
日々の健康チェックと動物病院との付き合い方
自宅でできる簡単な健康チェックリスト
自宅で毎日できる簡単な健康チェックを習慣化しましょう。
- 体重:定期的に体重を量り、急激な増減がないか確認する。
- 体:体を触って、しこりや腫れがないか、熱を持っていないかチェックする。
- 目・耳・鼻:目やにや耳垢、鼻水が出ていないか、赤みがないか確認する。
- 口:口臭がないか、歯茎の色が健康的なピンク色かチェックする。
- 食欲・飲水量:食事の量や水を飲む量に変化がないか確認する。
このチェックリストを参考に、日頃から愛犬の様子をよく観察してあげましょう。
フラットコーテッド・レトリーバーに関するQ&A

このセクションでは、フラットコーテッド・レトリーバーを家族に迎えることを検討している方からよく寄せられる質問にお答えします。
彼らの魅力的な性格や、どのような人に向いているのか、そして迎え入れる方法について、分かりやすく解説します。
フラットコーテッド・レトリーバーはどんな人におすすめ?
フラットコーテッド・レトリーバーは、以下のような人に特におすすめの犬種です。
- 運動を習慣にしている人:彼らは豊富な運動量を必要とするため、毎日一緒にジョギングや散歩を楽しめる人に向いています。
- 家族と一緒に過ごす時間を大切にする人:寂しがり屋で甘えん坊な性格なので、留守番が少なく、常に一緒にいてあげられる家庭が理想的です。
- しつけを根気よく行える人:賢いですが、いたずら好きでやんちゃな一面もあるため、褒めて伸ばすしつけを根気よく続けられる人が向いています。
フラットコーテッド・レトリーバーを家族に迎えるには?
フラットコーテッド・レトリーバーを家族に迎える方法は、主に「ブリーダーから迎える」と「里親になる」の2つがあります。
- ブリーダーから迎える:両親犬の健康状態や性格、飼育環境などを確認できるため、安心して子犬を迎えることができます。
- 里親になる:保護団体や譲渡会を通じて、フラットコーテッド・レトリーバーの里親になることができます。成犬を迎えることが多いため、性格がある程度分かった上で迎えられるのがメリットです。
どちらの方法でも、フラットコーテッド・レトリーバーを迎え入れる前には、飼育環境やライフスタイルが彼らのニーズに合っているか、十分に検討することが大切です。
フラットコーテッド・レトリーバーと繋がりがあると考えられる犬種
カーリーコーテッド・レトリーバー

カーリーコーテッド・レトリーバーは、レトリーバー種でもっとも歴史のある犬種のひとつと言われています。
フラットコーテッド・レトリーバーは、カーリーコーテッド・レトリーバーを祖先犬とする説があります。
スマートな体格や被毛の毛色は似ていますが、カーリーコーテッド・レトリーバーは被毛のカールの巻きが強いという大きな違いがあります。
知能が高く、温厚な性格
非常に懐きやすい
無駄に吠えることはない
スタミナが豊富で運動好き
その他情報
原産地 | イギリス |
犬種グループ | 8G:7グループ以外の鳥猟犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 10歳~12歳 |
なりやすい病気 | 股関節形成不全,胃拡張捻転症候群,白内障,眼瞼内反症,眼瞼外反症,角膜ジストロフィー |
参考価格 | 20万円~30万円 |
被毛
抜け毛 | 少ない |
毛質 | シングルコート |
毛色 | ブラック,レバー |
ラブラドール・レトリーバー

フラットコーテッド・レトリーバーはラブラドール・レトリーバーと毛色や体格など見た目が似ているため、同種と間違えられることが多いです。
というのも、祖先犬の掛け合わせの中には、ラブラドール・レトリーバーが含まれているという説があります。
また、ラブラドール・レトリーバーの祖先犬とされるセント・ジョンズ・レトリーバーは、先述のカーリーコーテッド・レトリーバーと繋がりがあると言われていることも。
以上のことから、ラブラドール・レトリーバーとフラットコーテッド・レトリーバーも繋がりがあると考えられます。
学習能力がとても高く、従順な性格
とても懐いてくれる
あまり多くはない
高くないが、十分なお散歩が必要
その他情報
原産地 | カナダ |
犬種グループ | 8G:7グループ以外の鳥猟犬 |
大きさ | 大型 |
平均寿命 | 10歳~13歳 |
なりやすい病気 | 外耳炎,股関節形成不全,白内障,緑内障,胃拡張捻転症候群 |
参考価格 | 20万円前後 |
被毛
抜け毛 | 多い |
毛質 | ダブルコート |
毛色 | ブラック,イエロー,チョコレート |
フラットコーテッド・レトリーバーの理解度チェック
この記事の執筆者
ライター
男の子のプクくんと女の子のユキちゃんは社交的、陽気な性格で毎日とっても可愛く癒されます。
すべての犬種を愛しておりますが、ビション・フリーゼの見た目や性格が特に大好きです。
愛犬家のみなさまに喜んでいただけるような役立つ情報発信を心がけています。よろしくお願いいたします!
nademo編集部
編集部
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