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犬が玉ねぎを少量でも食べたら?中毒症状と致死量、応急処置まとめ

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玉ねぎ

愛犬が玉ねぎを口にしてしまったらと考えると、飼い主さんはとても不安になりますよね。

犬にとって玉ねぎは、たとえ少量であっても中毒を引き起こす可能性があり、大変危険です。

この記事では、玉ねぎが犬に与える影響の理由、具体的な中毒症状、危険な量の目安、万が一食べてしまった際の正しい対処法、そして日頃からできる予防策まで、飼い主さんが知っておくべき情報を詳しく解説します。

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目次

犬にとって玉ねぎは少量でも危険!その理由とは

玉ねぎ

私たち人間の食卓にはおなじみの玉ねぎですが、犬にとっては少量であっても非常に危険な食べ物です。

玉ねぎだけではなく、いわゆるネギ類というものは犬にとって危険な食べ物であり、広く周知されている食べ物とも言えるでしょう。

なぜ玉ねぎが危険な食べ物なのか、玉ねぎが引き起こす中毒のメカニズムや、加熱した玉ねぎ、エキスだけでも危険であること、そして犬が玉ねぎを食べてしまいがちな状況を理解しておくことが飼い主としては重要。

起こり得る誤食を引き起こさないためにも、飼い主として危険であることと、対策方法は十分に知っておかなければいけません。

なぜ犬に玉ねぎを与えてはいけないのか 中毒のメカニズム

犬が玉ねぎを食べてはいけない主な理由は、玉ねぎに含まれる「有機チオ硫酸化合物」という成分にあります。この成分は、犬の体内で赤血球に対して毒性を示します。

具体的には、有機チオ硫酸化合物が犬の赤血球内にあるヘモグロビンを酸化させてしまうのです。酸化されたヘモグロビンは変性し、「ハインツ小体」と呼ばれる物質を形成します。ハインツ小体が付着した赤血球は、体内で異物とみなされ、主に脾臓で破壊されやすくなります。この赤血球が通常よりも早く、そして大量に破壊される状態が「溶血」であり、その結果として引き起こされるのが「溶血性貧血」です。

溶血性貧血になると、体中に酸素を運ぶ役割を持つ赤血球が不足するため、元気消失、食欲不振、呼吸が速くなる、歯茎などの粘膜が白っぽくなる(貧血)、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、赤や茶色っぽい尿(血色素尿)などの深刻な症状が現れることがあります。

人間はこの有機チオ硫酸化合物を分解する酵素を持っていますが、犬はこの酵素の働きが弱いため、少量でも中毒症状を起こしやすいのです。

加熱した玉ねぎやエキスだけでも中毒を起こす可能性

「加熱すれば大丈夫なのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、それは大きな間違いです。

玉ねぎに含まれる中毒成分である有機チオ硫酸化合物は、加熱によって分解されにくい性質を持っています。そのため、炒めたり、煮込んだり、揚げたりした玉ねぎでも、犬にとっては依然として危険な食べ物です。

さらに注意が必要なのは、玉ねぎのエキスや煮汁です。ハンバーグや肉じゃが、カレー、シチュー、スープなど、玉ねぎを使った料理の煮汁には、中毒成分が溶け出しています。料理から玉ねぎ本体を取り除いたとしても、その煮汁やスープを犬に与えることは絶対に避けてください。

また、オニオンパウダーやオニオンエキスといった形で加工食品に含まれている場合もあります。人間用のスナック菓子や惣菜などを安易に与えないようにしましょう。

犬が玉ねぎを食べてしまう状況とは

飼い主さんが意図せずに、犬が玉ねぎを口にしてしまうケースは、日常生活の中に潜んでいます。以下のような状況には特に注意が必要です。

  • 調理中の拾い食い:料理中に床に落としてしまった玉ねぎのかけらを、犬が素早く食べてしまうことがあります。
  • 食卓からの盗み食い:食卓の上に置かれた人間の食事(ハンバーグ、すき焼き、中華料理など)を、飼い主さんが目を離した隙に食べてしまうことがあります。
  • ゴミ箱漁り:ゴミ箱に捨てられた玉ねぎの皮や芯、残飯などを漁って食べてしまうことがあります。
  • 良かれと思ってのおすそ分け:犬が欲しがるからといって、人間用のスープや煮込み料理などを少量与えてしまうケースです。悪気はなくても、これが中毒の原因となることがあります。
  • バーベキューやキャンプなど:屋外での食事の際に、落ちた食材の中に玉ねぎやネギ類が含まれていることがあります。

これらの状況を防ぐためには、玉ねぎや関連食品の管理を徹底し、犬の生活環境に危険がないか常に気を配ることが重要です。具体的な予防策については、後の章で詳しく解説します。

犬が玉ねぎを食べた際の中毒症状チェックリスト

犬

愛犬がもし玉ねぎを口にしてしまった場合、どのような変化が現れるのでしょうか。

玉ねぎ中毒は、犬の赤血球を破壊し、深刻な貧血(溶血性貧血)を引き起こす可能性のある危険な状態です。

ここでは、飼い主さんが気づくべき中毒症状を初期段階と重度の段階に分けて具体的に解説します。早期発見と迅速な対応のために、これらのサインを見逃さないようにしましょう。

こんな症状が出たら要注意:初期症状

玉ねぎを食べてから比較的早い段階で見られることが多い初期症状です。消化器系の不調や、なんとなく元気がなくなる様子がサインとなることがあります。

ただし、これらの症状が必ずしも玉ねぎ中毒だけを示すわけではありませんが、玉ねぎを食べた可能性がある場合は特に注意が必要です。

初期症状の例簡単な説明
嘔吐食べた玉ねぎや胃の内容物を吐き戻します。
下痢軟便や水様便が見られます。
元気消失ぐったりして動きたがらない、いつもの活発さがない状態です。
食欲不振ごはんを食べたがらない、残すようになります。
腹痛お腹を触られるのを嫌がる、丸まった姿勢をとるなどが見られます。
よだれが多い(流涎)口からよだれが普段より多く垂れることがあります。

絶対に見逃してはいけない:重度の症状

玉ねぎ中毒が進行し、赤血球の破壊(溶血)が進むと、貧血に関連するより深刻な症状が現れてきます。

これらの症状が見られた場合は、命に関わる危険な状態である可能性が高いため、一刻も早く動物病院を受診する必要があります。

重度の症状の例簡単な説明 / 関連
歯ぐきや舌の色が白い(粘膜蒼白)貧血により、普段ピンク色の粘膜が白っぽくなります。
皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)赤血球が破壊されることでビリルビンが増加し、黄疸が出ることがあります。
赤色〜茶褐色の尿(血色素尿)破壊された赤血球のヘモグロビンが尿に混ざり、尿の色が濃くなります。血尿とは異なります。
呼吸が速い、息苦しそう(呼吸促迫)貧血により酸素を運ぶ能力が低下し、酸素不足を補おうとして呼吸が速くなります。
心拍数が速い(頻脈)不足した酸素を全身に届けようと心臓が過剰に働きます。
ふらつき、ぐったりする(虚脱)重度の貧血や体の衰弱により、立てなくなったり、意識が朦朧としたりします。
けいれん極めて重篤な場合、神経症状としてけいれんを起こすことがあります。

症状が出るまでの時間には個体差がある

犬が玉ねぎを食べてから中毒症状が現れるまでの時間は、食べた玉ねぎの量、犬の体重や感受性(個体差)、健康状態などによって大きく異なります。

一般的には、食べてから数時間後から1~数日後に症状が出始めるとされています。嘔吐や下痢などの消化器症状が比較的早く現れ、貧血に関連する症状は少し遅れて出てくる傾向があります。

食べた直後に症状が見られないからといって安心せず、必ず動物病院に連絡し、指示を仰ぐことが重要です。時間が経過してから重篤な状態になるケースも少なくありません。

犬が玉ねぎをどのくらい食べると危険?中毒量と致死量の目安

玉ねぎ

愛犬が玉ねぎを口にしてしまったかもしれない時、飼い主さんが最も気になるのは「どのくらいの量なら大丈夫なのか」ということでしょう。

しかし、犬にとって玉ねぎは非常に危険な食べ物であり、安全な量というものは基本的に存在しないと考えるべきです。ここでは、中毒を引き起こす可能性のある量や致死量の目安について解説します。

犬の体重別 玉ねぎの中毒量の目安

犬が玉ねぎ中毒を起こす量は、犬の体重や健康状態、個体差によって大きく異なります。

一般的に、犬の体重1kgあたり15g〜20g以上の玉ねぎを摂取すると、中毒症状を引き起こす危険性が高いと考えられています。

しかし、これはあくまで目安の数値であり、これより少ない量でも症状が出る可能性は十分にあります。

中くらいの大きさの玉ねぎ(約200g)を例に、体重別の中毒量の目安を以下の表に示します。

繰り返しになりますが、これはあくまで目安であり、犬種や体質、その時の健康状態によって感受性は大きく変わるため、参考程度に留めてください。

犬の体重中毒を引き起こす可能性のある玉ねぎの量(目安)
3kg約45g〜60g(中玉ねぎ 約1/4個)
5kg約75g〜100g(中玉ねぎ 約1/3〜1/2個)
10kg約150g〜200g(中玉ねぎ 約3/4〜1個)
15kg約225g〜300g(中玉ねぎ 約1個〜1.5個)
20kg約300g〜400g(中玉ねぎ 約1.5個〜2個)

玉ねぎの中毒に関する注意点

  • 上記の量はあくまで一般的な目安です。感受性の高い犬では、これよりはるかに少ない量でも中毒を起こすことがあります。
  • 子犬や老犬、持病のある犬は、より少ない量で重症化するリスクがあります。
  • 柴犬秋田犬などの日本犬は、遺伝的に玉ねぎ中毒を起こしやすい傾向があるとも言われています。

致死量について知っておくべきこと

玉ねぎの致死量については、明確なデータは確立されていません。これは、中毒量と同様に個体差が非常に大きく、犬の状態によって大きく左右されるためです。

中毒量を超える大量の玉ねぎを摂取した場合、重度の溶血性貧血や多臓器不全などを引き起こし、命に関わる事態に陥る可能性は十分にあります。

しかし、「致死量に至らなければ大丈夫」という考え方は非常に危険です。中毒症状は犬にとって大きな苦痛を伴いますし、重度の貧血は命の危険がある深刻な状態です。

致死量という数値を気にするよりも、「少量でも命に関わる危険がある」と認識し、誤食が疑われる場合はすぐに動物病院を受診することが最も重要です。

少量でも絶対に安全とは言えない理由

「ほんの少し舐めただけ」「かけらを拾い食いしただけ」といった場合でも、絶対に安全とは言い切れません。その理由は以下の通りです。

個体差が大きい前述の通り、犬によって玉ねぎに対する感受性は大きく異なります。
他の犬では問題なかった量でも、ご自身の愛犬にとっては危険な量である可能性があります。
慢性中毒のリスク一度に大量に食べなくても、少量の玉ねぎやそのエキスを含む食品を継続的に摂取することで、毒性成分が体内に蓄積します。
徐々に赤血球が破壊され、貧血などの症状が現れる「慢性中毒」を引き起こす可能性があります。
飼い主さんが気づかないうちに進行しているケースもあります。
加熱しても毒性は消えない玉ねぎに含まれる中毒成分(有機チオ硫酸化合物)は、加熱しても分解されません。
そのため、煮込み料理やスープ、炒め物などに含まれる玉ねぎや、そのエキスが溶け出した煮汁なども同様に危険です。

これらの理由から、「少量だから様子を見よう」と自己判断することは非常に危険です。

たとえ食べた量が少ないと思われる場合でも、念のため動物病院に連絡し、獣医師の指示を仰ぐようにしましょう。

もし愛犬が玉ねぎを食べてしまったら?飼い主ができる応急処置と対処法

犬

万が一、愛犬が玉ねぎや玉ねぎを含む食品を口にしてしまった場合、飼い主さんは冷静に対応することが求められます。

慌ててしまう気持ちはよく分かりますが、まずは落ち着いて、愛犬の安全を最優先に行動しましょう。

ここでは、いざという時に飼い主さんができること、知っておくべき対処法を順を追って解説します。

まずは落ち着いて状況を確認

愛犬が玉ねぎを食べてしまったかもしれないと気づいたら、まずは深呼吸をして、飼い主さん自身が落ち着くことが大切です。

パニックにならず、状況を正確に把握することが、迅速かつ適切な対応につながります。

いつ、何を、どのくらい食べたか把握する

落ち着いて、以下の情報をできる限り正確に確認しましょう。これらの情報は、のちに動物病院へ連絡する際に非常に重要になります。

いつ食べたか何分前、何時間前なのか、おおよその時間を把握します。
時間が経つほど吸収が進むため、食べた時間が早いほど緊急性が高まります。
何を食べたか生の玉ねぎか、加熱されたものか(炒め物、スープなど)、玉ねぎを含む加工食品(ハンバーグ、ドレッシング、お菓子など)かを確認します。
玉ねぎの種類や調理法によっても対処が変わる可能性があります。
どのくらい食べたか食べた玉ねぎの量や、玉ねぎを含む食品の量を推定します。
「ひとかけら」「スライス1枚」「スープをお皿一杯」など、できるだけ具体的に把握しましょう。
食品のパッケージが残っていれば、成分表示も確認してください。

これらの情報をメモしておくと、後で慌てずに済みます。

自己判断は危険!すぐに動物病院へ連絡を

玉ねぎを食べてしまった場合、たとえ少量であっても、また症状がまだ出ていなくても、自己判断で様子を見るのは非常に危険です。

必ず、すぐに動物病院に連絡し、獣医師の指示を仰いでください。

インターネットの情報だけで判断したり、自己流で吐かせようとしたりするのは絶対にやめましょう。

獣医師に伝えるべき情報

動物病院に連絡する際は、先ほど確認した情報に加えて、愛犬の現在の状態などを正確に伝えることが重要です。以下の情報を整理して伝えると、獣医師が状況を把握しやすくなります。

伝えるべき項目具体的な内容例
犬の情報犬種、年齢、おおよその体重、性別(避妊・去勢の有無)、持病やアレルギーの有無など
食べた状況いつ食べたか
(例:「約30分前」「今日の昼頃」)
食べたもの玉ねぎの種類(生、加熱、乾燥、エキス)、玉ねぎを含む食品名
(例:「ハンバーグの一部」「オニオンスープ」)
食べた量推定される量
(例:「親指の先くらい」「スライス2枚分」「スープを数口」)
現在の犬の様子症状の有無(嘔吐、下痢、元気消失、ふらつき、歯茎の色など)、普段と違う様子はないか
飼い主が行った処置もし何か行っていれば正直に伝える
(例:「水を飲ませた」など ※自己判断での処置は推奨されません)

電話口で獣医師や動物看護師の質問に落ち着いて答えられるよう、事前にメモを準備しておくと安心です。

動物病院での主な治療法

動物病院では、状況に応じて以下のような処置が行われることが一般的です。ただし、犬の状態や食べた量、時間経過によって治療法は異なります。

  • 問診・診察:飼い主さんから詳しく状況を聞き取り、犬の全身状態をチェックします。
  • 催吐処置:玉ねぎを食べてから時間が経っていない場合(通常1〜2時間以内)、薬を使って胃の中のものを吐かせる処置を行うことがあります。ただし、犬の状態によっては行えない場合もあります。
  • 胃洗浄:催吐処置が適切でない場合や、催吐だけでは排出しきれないと判断された場合に行われることがあります。
  • 活性炭の投与:消化管内に残った毒素を吸着させ、体内に吸収されるのを防ぐ目的で活性炭を経口投与することがあります。
  • 輸液療法(点滴):脱水を防ぎ、血中の毒素濃度を薄め、尿からの排泄を促すために行われます。循環を改善する目的もあります。
  • 血液検査:貧血の進行度や、肝臓・腎臓などの臓器への影響を調べるために行われます。中毒の重症度を判断する指標にもなります。
  • 酸素吸入:重度の貧血により呼吸が苦しい場合に行われることがあります。
  • 輸血:重度の溶血性貧血を起こしている場合に、命を救うために行われることがあります。

これらの治療は、獣医師が犬の状態を総合的に判断して決定します。治療内容や入院の必要性については、獣医師から十分な説明を受けてください。

家庭での応急処置は獣医師の指示に従う

愛犬が玉ねぎを食べてしまった際に、「すぐに吐かせた方が良いのでは?」と考える飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、自己判断で無理に吐かせることは非常に危険です。

例えば、塩水を飲ませて吐かせようとする方法がインターネットなどで見られますが、これは塩分中毒を引き起こす可能性があり、命に関わることもあります。

また、無理に口を開けさせたり、喉に指を入れたりすると、犬を傷つけたり、吐いたものが気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)を引き起こしたりするリスクがあります。

家庭でできる応急処置は、基本的には「何もしないで、すぐに動物病院へ連絡する」ことです。獣医師から電話で特別な指示があった場合にのみ、その指示に従ってください。

例えば、「水は飲ませても良いですか?」など、気になることがあれば必ず獣医師に確認しましょう。

夜間や休日に犬が玉ねぎを食べてしまった場合の対応

犬の誤食は、時間を選ばずに起こる可能性があります。かかりつけの動物病院が診療時間外である夜間や休日に玉ねぎを食べてしまった場合に備えて、事前に対応を確認しておくことが重要です。

夜間救急動物病院の情報を調べておくお住まいの地域や近隣にある夜間・救急対応可能な動物病院の連絡先、住所、診療時間などをリストアップし、すぐに連絡できるように準備しておきましょう。
スマートフォンの連絡先や、冷蔵庫など目につく場所にメモを貼っておくと安心です。
かかりつけ医の夜間対応を確認するかかりつけの動物病院が、提携している夜間救急病院を紹介してくれる場合や、留守番電話で緊急連絡先を案内している場合があります。
できれば事前に自宅近くから行ける病院を確認しておきましょう。

いざという時に慌てないためにも、日頃から緊急時の連絡体制を整えておくことを強くお勧めします。

玉ねぎだけじゃない!犬に与えてはいけないネギ類とその仲間

犬にとって危険なのは玉ねぎだけではありません。玉ねぎと同じネギ属(Allium属)の植物や、それらを含む加工食品にも注意が必要です。

愛犬の健康を守るために、これらの食材についても正しく理解しておきましょう。

長ネギ、ニラ、ニンニクなども犬には危険

玉ねぎ中毒の原因となる成分「有機チオ硫酸化合物(アリルプロピルジスルフィドなど)」は、長ネギ、ニラ、ニンニク、わけぎ、あさつき、らっきょうといったネギ属の植物に共通して含まれています。

これらの野菜も、犬が摂取すると玉ねぎと同様に赤血球が破壊され、溶血性貧血を引き起こす可能性があります。加熱調理しても毒性は分解されないため、調理済みの料理にも注意が必要です。

特にニンニクは、少量でも玉ねぎより強い毒性を示す可能性があるという報告もあります。健康に良いイメージがあるかもしれませんが、犬に与えるのは絶対にやめましょう。

それぞれの野菜について、犬に与えてはいけない理由を下の表にまとめました。

ネギ類の種類犬への影響・注意点
長ネギ 玉ねぎと同様に赤血球を破壊する可能性があります。
すき焼きの残りや薬味など、誤食に注意が必要です。加熱しても毒性は消えません。
ニラ 少量でも中毒症状を引き起こすことがあります。
餃子や炒め物、チヂミなど、料理への混入に特に注意が必要です。
ニンニク 玉ねぎよりも毒性が強いとされる報告もあります。ひとかけらでも危険な場合があります。
ガーリックパウダーやガーリックオイルなどの加工品にも十分注意してください。
ラッキョウ ネギの仲間であり、犬には与えてはいけません。
甘酢漬けなどを誤って食べないように注意しましょう。
ワケギ・アサツキ 薬味として使われることが多いですが、これらも犬にとっては危険なネギ類です。
少量でも与えないようにしましょう。

玉ねぎを含む加工食品にも注意(ハンバーグ、スープ、お菓子など)

犬の玉ねぎ誤食は、生の玉ねぎや調理されたネギ類そのものを食べてしまうケースだけではありません。

人間の食べる加工食品の中には、風味付けや隠し味として玉ねぎやニンニクが使われていることが非常に多いです。

飼い主さんが意図せず与えてしまう可能性もあるため、十分に注意が必要です。

特に注意したい食品の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ハンバーグ、ミートボール、餃子、焼売などの肉加工品
  • カレー、シチュー、ハヤシライスなどの煮込み料理
  • コンソメスープ、オニオンスープなどのスープ類
  • ドレッシング、ソース、ケチャップなどの調味料
  • ポテトチップス(オニオン味など)、一部のスナック菓子
  • ベビーフード
  • 惣菜パン

これらの食品には、玉ねぎそのものだけでなく、玉ねぎエキスやオニオンパウダー、ガーリックパウダーといった形で含まれていることがあります。エキスやパウダー状でも、犬にとっては中毒の原因となり得ます。

人間の食べ物を与える前には、必ず原材料表示を確認する習慣をつけましょう。「ネギ類は入っていないだろう」と思い込まず、少しでも不安な場合は与えないことが賢明です。

人間の食事のおすそ分けは、塩分や糖分の過剰摂取、肥満の原因になるだけでなく、こうした予期せぬ中毒のリスクも伴います。愛犬の健康のためにも、人間の食べ物は基本的に与えないようにしましょう。

犬の玉ねぎ誤食を防ぐために日常でできる予防策

ドッグフード

犬の玉ねぎ中毒は、飼い主さんの注意と工夫で未然に防ぐことができます。

日常生活の中で、愛犬が玉ねぎやネギ類に接触する機会をなくすための具体的な予防策をご紹介します。少しの心がけが、愛犬の健康を守ることに繋がります。

玉ねぎやネギ類の保管場所を見直す

玉ねぎ誤食の多くは、犬が届く場所に玉ねぎが置かれていたことが原因です。

まずは、玉ねぎや長ネギ、ニラなどのネギ類の保管場所を徹底的に見直しましょう。

犬の手が届かない場所へ保管する

最も基本的な対策は、犬が物理的にアクセスできない場所に保管することです。

床や低い棚に置くのは絶対に避け、扉付きの食品庫(パントリー)や戸棚、冷蔵庫の野菜室など、犬が開けられない場所にしまいましょう。

特に、好奇心旺盛な犬や、食べ物への執着が強い犬の場合は、より厳重な管理が必要です。

買い物袋の放置に注意

買い物から帰宅した後、玉ねぎなどが入った袋を床に置いたままにするのは危険です。

犬が袋を漁って中身を食べてしまう可能性があります。購入後はすぐに所定の保管場所へ移す習慣をつけましょう。

根菜類と一緒に保管しない

じゃがいもなどと一緒に、カゴなどに入れて床付近に保管しているご家庭もあるかもしれませんが、玉ねぎは犬にとって危険なため、他の野菜とは別に、安全な場所で管理することが重要です。

調理中の落下や盗み食いに注意する

飼い主さんが料理をしている最中も、誤食事故が起こりやすいタイミングです。

調理に集中していると、犬の行動への注意が散漫になりがちです。

調理中はキッチンへの立ち入りを制限する

可能であれば、調理中は犬をキッチンに入れないようにするのが最も安全です。

ベビーゲートを設置したり、ケージやサークルで待っていてもらうなどの対策を検討しましょう。

食材の管理を徹底する

調理中に玉ねぎのかけらが床に落ちることはよくあります。落とした場合はすぐに拾い、犬が口にする前に処理しましょう。

また、切った玉ねぎを調理台の上に出しっぱなしにせず、使い終わったらすぐに片付ける、あるいは蓋付きの容器に入れるなど、犬が盗み食いできないように工夫が必要です。

ゴミ箱の管理も重要

玉ねぎの皮や切れ端が入ったゴミ箱を漁ってしまうケースもあります。

ゴミ箱は必ず蓋付きのものを選び、犬が簡単に開けられないタイプのものを使用するとより安全です。

人間の食べ物を与えない習慣をつける

「少しだけなら大丈夫だろう」という油断が、誤食に繋がることがあります。

普段から人間の食べ物を与えない習慣を徹底することが、玉ねぎ中毒の予防において非常に重要です。

「おねだり」に応じない強い意志を持つ

愛犬が可愛い目で見つめてきても、人間の食事を与えることはやめましょう。

一度与えてしまうと、犬は「もらえるものだ」と学習し、おねだりがエスカレートする可能性があります。食事中は犬を別の部屋で待たせるなどの工夫も有効です。

食卓からの「おすそ分け」は厳禁

家族の誰かが食卓から食べ物を分けてしまうと、犬はテーブルの上の食べ物に興味を持つようになります。

ハンバーグやシチュー、肉じゃがなど、玉ねぎが含まれている料理は多いため、特に注意が必要です。

人間の食事は犬にとっては塩分や脂肪分が過剰であることも多く、健康面からも推奨されません。

犬用のおやつを活用する

何かご褒美をあげたいときや、コミュニケーションを取りたい時には、必ず犬用に作られた安全なおやつを与えましょう。

家族や来客にも犬に玉ねぎを与えないよう周知する

飼い主さん自身が気をつけていても、同居している家族や家を訪れた来客が、知らずに玉ねぎを含む食べ物を与えてしまう可能性も考えられます。

家族全員で情報を共有する

犬にとって玉ねぎがいかに危険であるかを、家族全員が正しく理解しておく必要があります。

特に、小さなお子さんや、犬の飼育経験がない家族、高齢の家族などは、悪気なく食べ物を与えてしまうことがあるため、丁寧に説明し、協力を求めましょう。

来客への事前説明

友人が遊びに来た際や、親戚が集まる機会など、来客がある場合には、「犬には人間の食べ物を与えないでください。特に玉ねぎやネギ類は危険です」と事前に伝えておくことが大切です。

食卓の周りやキッチンに犬を近づけないよう協力をお願いするのも良いでしょう。

注意喚起のメモなどを活用する

冷蔵庫やキッチンの目立つ場所に「犬に玉ねぎ・ネギ類は与えないで!」といったメモを貼っておくのも、うっかりミスを防ぐのに役立ちます。

主な予防策のポイント

これらの予防策を日常生活に取り入れることで、犬の玉ねぎ誤食のリスクを大幅に減らすことができます。以下の表に、主な予防策のポイントをまとめました。

状況具体的な対策例注意点・ポイント
保管時冷蔵庫、扉付き収納、高い棚など犬の手が届かない場所へ。
床置き厳禁。買い物袋放置しない。
パントリーの扉は確実に閉める。
他の根菜類と分けて保管する。
調理中犬をキッチンに入れない(ケージ、サークル活用)。
切った玉ねぎはすぐに片付ける。
床に落としたらすぐに拾う。
ゴミ箱は蓋付きを選ぶ。盗み食いに注意。
食事中・普段の生活人間の食べ物は与えない。
おねだりには応じない。
食卓に近づかせないしつけ。
犬用のおやつを与える習慣を。
テーブルマナーを教える。
家族・来客対応家族全員で危険性を共有。
来客には事前に食べ物を与えないよう伝える。
子供や高齢者への注意喚起。
「与えてはいけないものリスト」の共有も有効。
注意喚起メモの活用。

愛犬の安全は何よりも大切です。日々の生活の中でこれらの予防策を習慣化し、玉ねぎ中毒の悲劇から愛犬を守りましょう。

まとめ

犬にとって玉ねぎは、たとえ少量であっても深刻な中毒を引き起こす可能性のある、非常に危険な食べ物です。

加熱しても有害な成分はなくならず、溶血性貧血などを招く恐れがあります。

もし愛犬が玉ねぎを口にしてしまった場合は、自己判断せずに直ちに動物病院へ連絡することが不可欠です。

玉ねぎだけでなく、長ネギやニラなどのネギ類、それらを含む加工食品にも十分注意し、日頃から誤食させない環境を整えることが、愛犬の健康を守るために何よりも大切になります。

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