愛らしいはずの愛犬が、自分のうんちや他の犬のうんちを食べているのを見て、驚きや戸惑いを隠せない飼い主さんは少なくありません。
なぜ犬はそのような行動をするのでしょうか?病気なのか、それとも何か伝えたいことがあるのか、さまざまな疑問が頭をよぎるかもしれません。
この記事では、犬がうんちを食べてしまう行動(食糞)について、その行動の裏に隠された心理や身体的な理由を深く掘り下げます。
そして、この行動を改善するための効果的なしつけ方、日々の食事でできる工夫、さらには動物病院を受診すべきケースまで、獣医師のアドバイスを交えながら詳しく解説していきます。
愛犬とのより良い関係を築き、健やかな毎日を送るための一助となれば幸いです。
この記事の結論
- 食糞は生理現象、ストレス、栄養不足、病気など複数の要因で起こる
- 排泄物の即時片付けや遊びで環境と行動面から対策する
- 消化の良い食事やサプリメントで体の中から改善を促す
- 体調不良や長期化する食糞は獣医師への相談が必要
目次
犬がうんちを食べる意外な理由とは?行動から分かる犬の気持ち

愛犬が自分のうんちや他の動物のうんちを食べてしまう行動は、食糞(しょくふん)と呼ばれ、犬の飼い主さんを悩ませる問題のひとつです。一見すると理解しがたいこの行動ですが、実は犬にとってはさまざまな理由があります。
単なる好奇心から、ストレス、さらには病気のサインまで、その背景は多岐にわたります。
まずは、なぜ犬が食糞をしてしまうのか、その意外な理由と、行動から読み取れる犬の気持ちについて深く掘り下げていきましょう。愛犬の行動の裏側を理解することは、適切な対策を講じるための第一歩となります。
生理現象としての食糞
犬の食糞には、病気や問題行動とは異なる、生理的な要因が関係している場合があります。
特に、ある特定の状況下では、犬にとって自然な行動として食糞が見られることがあります。これは、犬が古くから持つ本能的な行動や、消化機能の未熟さなどからくるもので、必ずしも深刻な問題を示すわけではありません。
しかし、飼い主さんがその背景を理解しておくことで、無用な心配を減らし、適切な対応をとることが可能になります。
子犬の時期によく見られる行動
子犬は、成犬と比べて好奇心が旺盛で、目に入ったものや口に入るものを何でもかじったり、食べてみたりする傾向があります。これは、子犬が周囲の環境を学習する過程の一環であり、うんちもその対象になり得るのです。
また、消化器官が未発達なため、うんちの中に未消化の食べ物が含まれていると、それを食べてしまうことがあります。
ほとんどの子犬は成長とともにこの行動は収まりますが、適切な場所での排泄を教えるしつけも大切です。
母犬が子犬のうんちを処理する本能
野生の犬の世界では、母犬が巣穴の清潔を保ち、外敵から子犬を守るために、子犬の排泄物を食べて処理することがあります。これは、外敵に子犬の存在を知られないようにするための、母犬が持つ強い本能的な行動です。
この習性が、子犬の時期に食糞として表れるケースも存在します。子犬が食糞をすることで、安心できる環境を求めている可能性も考えられます。
消化不良による未消化便
犬の消化機能が未熟であったり、特定の食べ物が消化しきれていなかったりすると、うんちの中に未消化の食物繊維や栄養素が残ることがあります。
犬は、その未消化の成分を「食べ物」として認識し、再び口にしてしまうことがあります。
特に、急なフードの切り替えや、消化しにくい食材を与えた際にこの行動が見られることがあります。愛犬のうんちの状態を日頃から確認し、必要であればフードの見直しを検討しましょう。
ストレスや不安が原因となる食糞
犬が食糞をする原因は、生理的なものだけではありません。精神的なストレスや不安が、食糞という行動として表れることも非常に多く見られます。
犬は繊細な生き物であり、環境の変化や飼い主さんとの関係性、日常の過ごし方など、さまざまな要因がストレスにつながることがあります。
これらのストレスが蓄積すると、犬は不安を感じ、食糞することで心のバランスを取ろうとすることがあるのです。愛犬のストレスサインを見逃さないことが重要です。
留守番が長い、運動不足などの環境要因
犬は社会的な動物であり、適切なかかわりや活動が必要です。
長時間の留守番や、散歩不足・運動不足によって、犬は退屈や孤独を感じ、ストレスを抱えることがあります。その結果、気を紛らわせるために食糞をしてしまうことがあります。
また、犬は適度な運動によってストレスを発散するため、十分な運動ができていないと食糞につながることも。愛犬の生活環境を見直し、運動量を確保することが大切です。
飼い主さんからの過度な叱責
犬のしつけにおいて、排泄の失敗などで過度に叱責すると、犬は「うんちをすること自体が悪いことだ」と誤解してしまうことがあります。その結果、排泄したうんちを隠そうとして食べてしまう行動につながるケースがあります。
特に、排泄後に叱られることが続くと、犬は不安を感じ、食糞を繰り返す悪循環に陥る可能性があります。
しつけは、ポジティブな方法で行い、排泄をしたら褒めてあげるように心がけましょう。
多頭飼育での競争意識
複数の犬を飼育している多頭飼育の環境では、犬同士の競争意識が食糞を引き起こすことがあります。
例えば、他の犬に自分のうんちを食べられないように、あるいは縄張りの主張として、自分のうんちをすぐに食べてしまうことがあります。
また、食料や注目を得るための競争から、ストレスを感じて食糞に及ぶケースもあります。多頭飼育の場合は、それぞれの犬に安心して過ごせるスペースと時間を確保してあげることが重要です。
栄養不足や病気が原因の可能性
食糞の背景には、単なる行動の問題だけでなく、体内の栄養不足や、特定の病気が隠されている可能性もゼロではありません。
特に、他の症状と併発している場合や、急に食糞を始めた場合は、注意が必要です。
犬の体調は、うんちの色や形、食べる行動からも読み取れることがあります。自己判断せずに、獣医師に相談することが重要です。
特定の栄養素の欠乏
犬の食事内容が偏っていたり、低品質のドッグフードを与えている場合、特定の栄養素が不足することがあります。
例えば、消化酵素やビタミン、ミネラルなどが不足すると、体がそれを補おうとして食糞に走ることがあります。
体が本当に必要な栄養素を求めているサインとして、食糞が現れることもあるのです。愛犬の健康状態を考慮し、バランスの取れた高品質なドッグフードを選ぶことが大切です。
消化器系の疾患
食糞が、消化器系の病気のサインである可能性も考えられます。
例えば、膵臓の機能不全によって消化酵素が十分に分泌されず、食べ物がうまく消化されない場合、うんちの中に未消化の栄養素が残ってしまい、犬がそれを補おうとして食糞することがあります。
また、腸の炎症や吸収不良なども原因となり得ます。下痢や嘔吐、体重減少など、他の症状が伴う場合は、早急に動物病院を受診しましょう。
寄生虫の感染
犬の消化管に寄生虫がいる場合も、食糞の一因となることがあります。寄生虫が犬の栄養を奪うことで、犬は栄養不足になり、それを補うためにうんちを食べてしまうことがあります。特に子犬は寄生虫に感染しやすいため、注意が必要です。
定期的な健康診断や駆虫薬の投与で寄生虫の予防と治療を行うことが大切です。食糞と同時に、被毛の艶がない、下痢が続くなどの症状があれば、寄生虫感染を疑いましょう。
今日からできる!犬の食糞をやめさせる効果的なしつけと対策

愛犬の食糞行動は、飼い主さんにとって悩ましいものですが、適切な知識と対策を行うことで改善が見込めます。
ここでは、今日から実践できる効果的なしつけ方や、日々の生活で取り入れられる具体的な対策をご紹介します。
食糞の原因はさまざまですが、環境の改善、しつけ方の見直し、食事内容の工夫の3つの視点からアプローチすることが大切です。焦らず、愛犬のペースに合わせて根気強く取り組んでいきましょう。
食糞をさせないための環境づくり
犬が食糞をしないようにするには、まず食糞を「させない」環境を整えることが非常に重要です。愛犬がうんちに興味を持つ機会そのものを減らすことで、食糞行動を予防できます。
特に、排泄後の適切な処理と、生活空間の清潔保持は、食糞対策の基本となります。日々のちょっとした心がけが、愛犬の健康と飼い主さんのストレス軽減につながります。
排泄後はすぐに片付ける習慣をつける
犬がうんちを食べる最大の機会は、排泄後すぐにそれが放置されている場合です。
愛犬が排泄をしたら、目を離さずにすぐ片付ける習慣をつけましょう。これにより、うんちを食べるスキを与えません。
特に子犬や、食糞癖が定着している犬の場合は、排泄するタイミングを把握し、終わった瞬間に回収するくらいの意識が求められます。
例えば、以下のような流れを意識すると良いでしょう。
- 排泄を見守る:犬が排泄を始めたら、じっと見守る。
- すぐに回収:排泄が終わったら、速やかにティッシュやビニール袋で回収する。
- 褒める:片付けが終わったら、排泄場所から少し離れたところで「えらいね!」と優しく声をかけ、ご褒美を与える。
ケージやサークル内の清潔を保つ
室内で飼育している場合、愛犬のケージやサークル内を常に清潔に保つことは、食糞防止に欠かせません。
排泄物が長時間放置されていると、犬がそれを口にする可能性が高まります。清潔な環境は、犬の衛生面はもちろん、精神的な安定にもつながります。
- 定期的な清掃:一日のうち、決まった時間に複数回ケージ内をチェックし、排泄物があればすぐに処理しましょう。
- 寝床と排泄場所の分離:ケージ内にトイレトレーを設置している場合は、寝床と排泄場所を明確に区別し、犬が排泄場所で安心して用を足せるように工夫しましょう。
- 消臭対策:排泄物のニオイが残っていると、犬がそこを嗅ぎに行って食糞につながることもあります。定期的に消臭スプレーを使用し、清潔な環境を維持しましょう。
散歩中の拾い食い対策
散歩中も、愛犬が他の動物のうんちやゴミを拾い食いしてしまうことがあります。これは食糞だけでなく、寄生虫や病気の感染リスクもあるため、厳重な対策が必要です。
- リードを短く持つ:犬が自由に地面のニオイを嗅ぎすぎないよう、リードを短めに持ち、犬の動きをコントロールしましょう。
- 口輪やマズルガードの検討:どうしても拾い食いがやめられない場合は、一時的に口輪やマズルガードの使用を検討することも有効です。ただし、これはあくまで最終手段であり、事前に獣医師やドッグトレーナーに相談してください。
- 「ダメ」「ちょうだい」のしつけ:地面に興味を示したら「ダメ」と声をかけ、目があったら褒める練習をしましょう。また、何かを口に含んだ際に「ちょうだい」でそれを離す練習も有効です。
ポジティブなしつけで食糞を改善
犬の食糞を改善するためには、叱るのではなく、ポジティブな方法でしつけを行うことが非常に重要です。
犬は、褒められることやご褒美をもらうことで、その行動を良いことだと認識し、積極的に繰り返すようになります。
食糞をやめさせたい行動にフォーカスするのではなく、望ましい行動(排泄後に飼い主さんの元に来るなど)を強化することで、自然と食糞行動を減らしていきましょう。
排泄後のご褒美と褒め言葉
犬が排泄を終え、うんちを無視して飼い主さんの元に来たり、おやつがもらえる場所へ移動したりする行動を促すことが大切です。排泄が終わったらすぐに声をかけ、うんちから意識をそらすように誘導しましょう。
- 排泄が終わるのを確認:犬が排泄を終えたら、すぐに「よくできたね!」と明るい声で褒める。
- ご褒美を与える:準備しておいた好きなおやつを、うんちから離れた場所で与える。このとき、おやつを口に入れてすぐに食べられるように準備しておくとスムーズです。
- 一緒に遊ぶ:ご褒美を与えた後、少しの間おもちゃで遊ぶなど、犬が楽しく過ごせる時間を作ってあげましょう。これにより、排泄=良いこと、飼い主さんとの楽しい時間、というポジティブな経験として記憶されます。
「食べちゃダメ」は逆効果?正しい声かけの方法
犬がうんちを食べている現場を目撃した際、つい「ダメ!」「やめて!」と大きな声で叱ってしまいがちですが、これは逆効果になることがあります。
犬は飼い主さんの反応を見て、「うんちを食べることで注目される」と勘違いしたり、「うんちをしたら叱られる」と学習し、隠れて食べるようになったりすることがあるからです。
- 叱らずに誘導:食糞している現場を見たら、興奮せずに、静かに名前を呼ぶか、音を立てて犬の注意をうんちからそらしましょう。そして、別の場所におもちゃを投げたり、「おいで」と呼んだりして、うんちから遠ざけるように誘導します。
- ポジティブな代替行動:うんちから離れたら、すぐに褒めてご褒美を与え、「うんちを無視する方が良いことがある」と教えることが重要です。
コングやおもちゃで興味をそらす
犬が退屈やストレスを感じて食糞をしている場合、知的な刺激を与えるおもちゃや、十分に体を動かせる遊びを提供することが効果的です。
特に、コングなどの知育玩具は、犬が長時間集中して遊べるため、うんちへの興味をそらすのに役立ちます。
- コングにフードを詰める:留守番中や、排泄後のご褒美として、フードを詰めたコングを与えてみましょう。犬はコングからフードを取り出すことに夢中になり、食糞の機会が減ります。
- インタラクティブなおもちゃ:飼い主さんが一緒に遊べる引っ張りっこ用のおもちゃや、ボール遊びなどで、愛犬のエネルギーを発散させ、満足感を与えましょう。
- ノーズワークを取り入れる:部屋の中におやつを隠して探させるノーズワークは、犬の嗅覚と頭を使う遊びで、精神的な満足感を与え、ストレス軽減にもつながります。
食事内容の見直しとサプリメントの活用
食糞の原因が、食事内容の不満や栄養不足にある場合も考えられます。愛犬の食事を見直すことは、食糞改善の重要なステップです。
消化しやすい高品質なフードを選ぶことや、必要に応じてサプリメントを導入することで、体の中から食糞対策をサポートできます。
ただし、食事の変更やサプリメントの利用は、必ず獣医師に相談してから行うようにしましょう。
消化の良いフードへの切り替え
犬の消化吸収能力には個体差があります。現在のドッグフードが愛犬に合っておらず、消化不良を起こしていることが食糞の原因となっている場合があります。未消化のうんちは、犬にとって魅力的に映ることがあるためです。
- 高品質なフードを選ぶ:人間が食べられるレベルの原材料を使用している、グレインフリー(穀物不使用)や添加物の少ない高品質なドッグフードを検討してみましょう。
- フードの急な変更は避ける:フードを切り替える際は、これまでのフードに新しいフードを少しずつ混ぜて、1週間から10日ほどかけて徐々に切り替えるようにしてください。急な変更は、消化器に負担をかけ、下痢などを引き起こす可能性があります。
- 獣医師に相談:どのフードが良いか迷う場合は、愛犬の年齢や犬種、健康状態を考慮して獣医師に相談し、適切なフードを選んでもらいましょう。
食糞防止サプリメントの選び方と効果
食糞対策として、食糞防止用のサプリメントが販売されています。これらのサプリメントは、うんちの味をまずくしたり、消化を助けたりする成分が配合されています。
- 成分を確認:主に、ビタミンB群、消化酵素、乳酸菌、植物繊維などが配合されています。犬の体に負担の少ない、天然由来の成分が使われているかを確認しましょう。
- 効果のメカニズム:
- うんちの味をまずくするタイプ:うんちに特定の成分が混ざることで、犬が嫌がる味やニオイにする。
- 消化を助けるタイプ:消化酵素や乳酸菌の働きで、消化吸収を促進し、うんちの中に未消化物が残るのを防ぐ。
- 獣医師に相談必須:サプリメントは医薬品ではないものの、愛犬の体質や健康状態によっては合わない場合があります。使用する前に必ず獣医師に相談し、適切な種類と量を確認しましょう。
手作り食での栄養バランスの工夫
もし手作り食を与えている場合は、栄養バランスが偏っていることが食糞の原因となっている可能性があります。特定の栄養素の不足は、犬がそれを補うために食糞行動を起こすことがあります。
- 専門家のアドバイス:手作り食は、栄養バランスを完璧に保つのが非常に難しいものです。犬の栄養学に詳しい獣医師や、ペット栄養管理士などの専門家のアドバイスを受け、愛犬に必要な栄養素が十分に摂取できているかを確認しましょう。
- 多品目の食材:肉、魚、野菜、穀物など、さまざまな食材をバランス良く取り入れることを意識しましょう。
- サプリメントの併用:手作り食では不足しがちなビタミンやミネラルを補うために、獣医師と相談の上、犬用の総合ビタミン剤やミネラルサプリメントの併用を検討することも有効です。
こんな時は要注意!動物病院に相談すべき犬の食糞のサイン

愛犬の食糞行動が続く場合、時には深刻な健康問題や行動問題が隠されている可能性があります。
特に、食糞以外の体調不良が見られる場合や、さまざまな対策を試しても改善が見られない場合は、迷わず動物病院を受診することを強くおすすめします。
獣医師による診察は、正確な原因を特定し、適切な治療法や対策を講じるための唯一の方法です。愛犬の小さな変化を見逃さず、早めの対応を心がけましょう。
食糞以外の体調不良を伴う場合
食糞行動そのものよりも、食糞以外の体調の変化に注意を払うことが重要です。犬は言葉を話せないため、体調不良は行動の変化として現れることがよくあります。
食糞とともに次のような症状が見られる場合は、病気が隠れている可能性が高いため、速やかに動物病院を受診してください。
下痢や嘔吐、食欲不振
食糞に加えて、下痢や嘔吐、あるいは食欲不振が見られる場合は、消化器系の病気や寄生虫感染など、何らかの体調不良が原因である可能性が高いです。
特に、うんちの状態が普段と違う(例えば、やけに緩い、血が混じっているなど)場合や、元気がない、食事を食べたがらないといった症状が続く場合は、早急な受診が必要です。
以下のような症状がないか、日ごろから注意して観察しましょう。
- 下痢:水様便、泥状便、粘液便、血便
- 嘔吐:食べたもの、胃液、胆汁など
- 食欲不振:食事の量が減った、まったく食べない、好きなものも食べない
体重の減少や元気がない様子
特に食事量が変わらないのに体重が減少している、またはいつもは元気なのにぐったりしている、活動量が減ったなどの変化が見られる場合も、病気のサインかもしれません。
食糞行動と併せてこのような症状がある場合は、体内で栄養がうまく吸収されていない、慢性的な病気を抱えているなどの可能性があります。
早期発見・早期治療のためにも、動物病院で詳しく検査してもらいましょう。
排泄の回数や量の変化
普段と比べて排泄の回数が異常に増えた、あるいは減った、またうんちの量が極端に多いまたは少ないといった変化も、消化器系の問題や病気を疑うべきサインです。
例えば、吸収不良症候群など、食べたものが十分に消化吸収されず、そのまま排泄されてしまう病気の場合、うんちの量が増え、それが食糞につながることもあります。
排泄の様子は健康のバロメーターとなるため、日頃から観察する習慣をつけましょう。
しつけや対策をしても改善が見られない場合
これまでご紹介した環境改善やポジティブなしつけ、食事の見直しなどを試しても、一向に食糞行動が改善しない場合も、専門家の助けが必要なサインです。
飼い主さん一人で抱え込まず、専門機関に相談することで、これまで気づかなかった原因が見つかったり、より効果的なアプローチが見つかることがあります。
長期間にわたる食糞行動
子犬の頃から、あるいは何らかのきっかけで始まった食糞行動が、半年以上など長期間にわたって続いている場合、単なる一過性の行動ではない可能性があります。
これは、行動が習慣化しているか、あるいは根深いストレスや健康問題が背景にあることを示唆しています。
独力での解決が難しい場合は、行動療法を専門とする獣医師や、経験豊富なドッグトレーナーに相談することを強くおすすめします。
専門家によるアセスメントで、愛犬に合った個別の解決策が見つかるでしょう。
食糞が習慣化しているケース
食糞行動が完全に習慣化してしまっている場合、犬にとってはそれが当たり前の行動になっています。
この状態になると、犬自身が食糞をやめる理由を見つけられないため、飼い主さんがいくら環境を整えても、しつけをしても、なかなか効果が出にくいことがあります。
このような場合は、行動分析に基づいた専門的なアプローチが必要となります。具体的には、
- 行動療法の専門家:犬の行動学に詳しい獣医師や、認定されたドッグトレーナーに相談し、行動の背景にある心理的な問題を特定してもらう。
- 多角的なアプローチ:環境改善、しつけ、食事、さらには場合によっては投薬なども含め、多角的な視点からアプローチを検討する。
犬の食糞に関するよくある質問Q&A
愛犬の食糞は多くの飼い主さんが直面する悩みだからこそ、さまざまな疑問が生まれますよね。ここでは、食糞に関するよくある質問にお答えします。
なぜうちの子だけ食糞をするの?他の犬との違いは?
「うちの子だけ食糞をするのはなぜ?」と感じる飼い主さんは少なくありません。しかし、食糞行動は、実は多くの犬に見られる比較的一般的な行動です。研究によると、犬の約20~30%が一度は食糞を経験すると言われています。
なぜ「うちの子だけ」と感じるかというと、食糞の原因が犬の性格、環境、遺伝、しつけ、健康状態など、非常に多岐にわたるため、個体差が大きく、明確な単一の原因を特定しにくいからです。
例えば、
- 性格の違い:好奇心旺盛で何でも口にするタイプ、臆病でストレスを感じやすいタイプなど、犬の性格が食糞のしやすさに関係することがあります。
- 消化能力の違い:同じフードを食べても、個体によって消化酵素の分泌量や腸内環境が異なり、うんちの消化具合が食糞につながることもあります。
- 過去の経験:子犬期の経験や、過去のしつけ方などが、食糞行動の習慣化に影響している場合もあります。
つまり、あなたの愛犬が食糞をするのは、特別なことではなく、その子なりの理由があると考えられます。大切なのは、その理由を見極め、適切な対策を講じることです。
食糞は犬の健康に悪影響はないの?
犬が食糞をすること自体が、直ちに命に関わるような大きな健康被害を引き起こすことは稀です。
自分のうんちであれば、消化不良が起きる程度で済むことが多いでしょう。しかし、以下のようなリスクは存在します。
- 寄生虫や病原菌の感染:特に他の犬や動物のうんちを食べてしまう場合、そのうんちに含まれる寄生虫の卵や細菌、ウイルスに感染するリスクがあります。これらは、下痢や嘔吐、発熱などの体調不良を引き起こす可能性があります。
- 未消化物の摂取による消化不良:消化されていない食べ物が含まれているうんちを食べることで、さらに消化器に負担をかけ、お腹を壊す原因になることがあります。
- 毒物摂取のリスク:散歩中に落ちているうんちには、犬にとって有害な薬物や毒物が混入している可能性もゼロではありません。
総じて、食糞は健康上のリスクを伴うため、できるだけ早期に改善に向けた対策を講じるべきです。
犬の拾い食いを防止するグッズは効果ある?
散歩中の拾い食いや食糞対策として、市販されているさまざまなグッズがあります。これらは、一時的な対策や、しつけの補助として有効な場合があります。
しかし、グッズだけで食糞が根本的に解決するわけではなく、あくまで「使わないで済むようになる」ことを目標に、しつけと並行して使用することが重要です。
代表的なグッズとしては、以下のようなものがあります。
- マズルガード(口輪):完全に口を塞ぐわけではないが、拾い食いを物理的に防ぐことができるタイプ。通気性が良く、水を飲めるものを選ぶことが大切です。
- しつけ用リード/ハーネス:犬の動きをコントロールしやすく、拾い食いをしにくいように誘導できるもの。
- 食糞防止スプレー/パウダー:うんちにかけることで、犬が嫌がる味やニオイをつけ、食糞をさせなくするもの。犬の個体差により効果に差があります。
これらのグッズを使用する際は、犬が不快に感じすぎないか、ストレスになっていないかをよく観察し、必要であれば獣医師やドッグトレーナーに相談してください。
まとめ:愛犬との信頼関係を深めて食糞問題を解決しよう
愛犬がうんちを食べてしまう食糞行動は、飼い主さんにとって心配の種であり、すぐにやめさせたいと思うのが当然です。
この記事では、食糞の原因が生理的なものから、ストレス、栄養不足、さらには病気のサインまで多岐にわたることを解説しました。そして、環境整備、ポジティブなしつけ、食事内容の見直しといった具体的な対策をご紹介しました。
食糞の問題を解決するためには、愛犬の行動の背景にある「なぜ?」を理解することが何よりも大切です。そして、決して叱るのではなく、愛犬に寄り添い、「大丈夫だよ」という安心感を与えながら、根気強く向き合うことが重要です。
解決には時間がかかるかもしれませんが、日々の小さな変化に気づき、獣医師や専門家と連携しながら、愛犬との信頼関係を深めていきましょう。
愛犬の健やかな毎日と、飼い主さんとの幸せな共生のために、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
この記事の執筆者
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